こちらの箱の中に入っているのは昨年から取り掛かっている開発品。
何度も何度も作り直していますが、今回もまた最新プロトが完成。
すべて手作業、「魂」入ってます。
普通に釣りを楽しむ分には釣果実績多数で一定のレベルに達したアイテムは製品化しても釣具メーカーとしては問題ないとは思うのですが、“ロックフィッシュにはとことんこだわるプロズワン”として追求したいところは【普通に使えるスペシャルな性能】です。
このスペシャルな性能というのは、限られた一部の人だけが使いこなせるスペシャルな性能ではなく、『誰もが使いこなせるスペシャルな性能であること』がプロズワンが日頃探求している至高の目標。
それには時間と労力、更には開発費もかさみますし、その中の半数以上のアイテムは残念ながら製品化されずにお蔵入りしてしまうのですが、そこは専門メーカーの技術屋として、きちんと整ったアイテムだけを厳選して製品をリリースする過程に徹しています。
事実、製品が投入される前から名前が一人歩きをしてしまった「ロングスピンキャスター96」(ロックトランジットRTS-962H)などはメディア初露出から3年もかかってようやく発売に至っています。
製品まだ売ってないのに3年もの間、ロックフィッシュアングラーの皆さんの多くが知ってくれていたロッドですよね。
だけど、そこが重要なんです。
すごく注目されているから今のうちに発売してしまおう!とは少なくとも私は思わなかったです。
製品としての存在意義が明確なものでなければ「プロズワン製品」としては出さない、という徹底の姿勢を貫いた結果の3年間を要した研究期間でした。
そういうところまで突き詰めた極みアイテムだけが、プロズワンの冠(かんむり)を与えられ、正式に製品化の道を辿ることができます。それがプロズワンでの企画・開発・検証(フィールドでの検査)・製造です。
ロックフィッシュゲームについては常に勉強しています。
全国のフィールド事情それぞれを把握し、国外にも目を向け、同時にご当地それぞれの釣りも大切にしているプロズワンでは最終的にすべての製品を監督する小生自身も都度フィールドに足しげく通い、ときにはご当地の釣り名人、ご協力いただける熱心な釣り人の皆さん達と細かいところまで意見をすり合わせながら開発品を微調整していく作業もおこないます。
プロズワンの場合には、携わっていただく釣り人さんには釣りの技術はさほど重要ではなく、それよりもそのターゲットに対する研究知識や意欲・情熱、想い入れの強さ(熱量)の方が大切と考えています。
経験の差はあっても、その魚を釣ることへの熱量の差はさほどないという関係の方がお互いに幸福感を感じながら釣りに取り組めるでしょうし、プロズワンとしては理想だからです。
※
今回も予定していたテスト釣行がこの一連の台風7号の影響で一昨日から組まれていたテスト計画が中止に。
交通も、宿も、全部キャンセルせざるを得なく、対応に追われました。
釣行は2ヶ月以上前から立てていただだけに、またしても予定が総崩れ。
先週は先週で別件のロケが悪天候で延期になっています。
本来こなすべき今週の釣行日程がすべて取りやめとなったため、送った荷物一式がただただ現地に行って戻ってくる残念感はありますが強風、ウネリ、雨、と台風に伴う天候を考えると致し方ありません。
ロケはロケでソロワークとして最低限の必要分だけはこなさなければなりませんが、社内アイテムもフィールド検証すべき開発途中品を多数抱えているのでまた出直しますが、今回は相当イイ線までようやくたどり着いたので個人的にも残念でした。
この白い箱の中には、いつしかの根魚釣りの未来が詰まっている。
見ているのは「今」ではなく、その先の未来。
5年後、10年後、20年後のロックフィッシュゲームです。
こうして小さな一歩でも先駆の種を撒いて、その土台さえ私がきちんと作って残してあげることができていければ、自身がとうに役目を終えているいつしかの時代のロックフィッシュゲームの世界においてもー。
その時代のニューリーダーたちが、その昔に私の撒いた種を叩き台として新しい息吹を吹き込み昇華していってくれたらいいなぁ、いつもそんなふうに前向きに考えています。
こんな理想はドラえもんに託すしかありませんが(笑)、もしも願い叶うなら今の私が50年後にタイムマシンに乗って行って、その時代のロックフィッシャーと一緒に並んで楽しく釣りをしてみたいです。
道具も、技術も、更に進んだ50年後のロックフィッシュゲームの最前線に身を置いた未来の釣り師に私など遠く及ばないと思います。けれども夢と情熱だけは唯一負けない(笑)。
そんな冗談はさておき、新旧の根魚釣り師が時代を超えてもしも一緒に釣り竿を振ることができたら、それはそれはきっと素敵なことでしょう。
紫(シューティンウェイ)は、私の夢の色をあしらいました。
そして今のこの青(ロックトランジット)は、果てしなき空と海を想像した未来の色です。
貴方様のお手持ちのロックトランジット。
その下に、何と記されていますでしょうか。
時代は変わっても、“シューティンウェイ”はちゃんとそのブランクに宿っています。
こういう演出も、私の粋なイタズラです(笑)。
未来人に託す、小さな財産を少しでも多く残してあげたい。
歴史を紐解けば、こういうロッドがかつてあった!
こういうルアーも存在していた!
こんなシンカーまであった!
それだけでいいんです。
それらを簡単に申せば、「ロックフィッシュゲームそのものがより良いものになってほしい」という一言に尽きる。
ただ、それだけ。
この箱の中も、まさにそんなところ。
Dream&Passion.
根魚に本気のプロズワン!って、そんな研究者魂の工房なのです。
これからも「ロックに本気!」・「根魚が好きで好きでたまらない!!」方々のお手元に添えていただけるような良きパートナーであり続けられれば幸いです。
全国的に荒天となっておりますが皆さんも台風や低気圧の動向には常に注意を払い、引き続き安全に楽しい夏の釣りを満喫くださいね。
2018年7月5日 |
カテゴリー:釣行記
週末の東北新幹線JR東京駅を下車すると、熱気がムンムン。
重いビジネスバッグを持ち、歩いているだけで汗だくになります。
さぁ、真夏のはじまりですね。
季節は7月、文月。
私の最も好きな季節の到来です。
一年で一番パワーが出ます。
水無月である先月は、数多く予定していたロックフィッシュ釣行が軒並みに中止に…。
梅雨の低気圧による荒天、台風、大雨、豪雨後の激濁り、ウネリ高…。
磯も、ボートも、堤防も、根魚を狙った釣行はほとんどがお預けになる事態。
その反面、充実したのは海ほど天候に左右されにくい内水面。
行く先々でのフレッシュウォーターの釣り、でした。
根はただの生き物好き・魚好きな性分なので、釣りをする場所が海水であろうが真水であろうが本来は関係なし。オフィシャルかプライベートかだけの違いです。
この際だと思って、童心に返って無我夢中で魚を追いかけた6月でした。
プライベート釣行が充実すると、オフィシャル釣行にも取り組みの意欲がますます湧いてくるもの。
渓流から湿地帯まで、それぞれの主のようなスペシャルな存在に出会えてうれしいものでした。
あとは秋になったら、ヘラ釣り(へらぶな釣り)ですかね~。
太公望の世界では多くの河川で鮎釣りが解禁にもなる七月。
この風情、大好きです。
6月も中旬に差し掛かると、ギンヤンマやナツアカネ加えチョウトンボ(蝶とんぼ)の姿も度々、目にするようになりました。
そんなときは釣り竿はそっと置いて、カメラでじっと撮らせてくれる瞬間を待ち構えるのが最近は楽しい(年齢か!?)。
たいそうな望遠レンズではないため、私自身が被写体に近づく必要があります。
たいていのトンボはそれで逃げてしまいます。
だから、こういう写真は虫が私の存在を許してくれたときだけ、その一瞬だけ撮れる写真です。
さて、今月も一歩ずつ確実に歩みを進めていきます。
ズン、ズン、ズン。
水辺で過ごす、夏の日を。
盛夏ー。
皆さんも良い夏をお過ごしください。
2018年7月2日 |
カテゴリー:釣行記
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。
葉緑の絨毯(じゅうたん)の優しい感触が伝わる。
休日は昼下がりの午後、釣り竿片手に風を掻き分けて歩く気持ち良さを感じていたー。
※
「風の向こうにあなたを感じた日」。
※
大海から母川へと帰還を果たした桜鱒(さくらます)と同じ流れで育った仲間は、実にバラエティーに富む。
本流から支流に入り、さらに小水路にわけいること、人類が築いた文明の要塞をくぐり抜けたその先の小宇宙こそ、今回の物語の舞台。
魚へんに念と書いて、読みは『鯰』(なまず)。
古来、この国には鯰に関する歴史や言い伝えが存在する。
そんなミステリーフィッシュであるキミもまた私にとっては、偉大なるスターなんだ。
今日は冒険だ!
輝かしい水面は清々しいまでの夏色を映し出している。
ナマズ探しの釣り旅は、いつの時代も大冒険になる。
一歩踏み出せば、永遠の少年が釣り竿をブンブンと振り回しているわけだから、はたから見ればおかしくもある。
それにしても、だ。
水無月の午後の水辺は、生き物たちの躍動感に溢れていた。
ちょっと気になる蛇の視線。
その視線の先に、何を見ているのだろうか。
豪邸を背負う蓑虫(みのむし)。
ノシノシと大迫力でレンズに迫るゾウムシ。
俺と撮ってくれ、と言わんばかりにポーズをとるアマガエル(両手に注目!)。
日なたぼっこ中のアメリカザリガニ。
未来?を見つめるアオダイショウ。
生き物との適切な関わり方を知ってさえいれば、相手にも安心は伝わる、というのもの。
自分より小さな相手にだって、敬意は必要なのだ。
生き物と人間のしかるべき距離を保ち、許してくれるギリギリまで挑戦してシャッターを切る行為が最近はめっきり楽しくなった。
カメラひとつでゾウムシは宇宙から来たエイリアンにもなるし、アマガエルはまるで知っているあの人のようにも擬人化して見えてくるから滑稽である。
身近な自然に目を向けることで、人生はこんなにも鮮やかさを増すことを長きに渡る釣り経験から学んできた。
ポコ、ポコ、ポコ………。
お気に入りのルアーが気持ち良さそうに凪いだ水面を走る。
ドォッパァーン!!
静寂を守る水面に、突然爆発が巻き起こった!
ぬん!!
待ってた、よ。
キミは、この小宇宙の主だもんね!
出逢えた充実感。
桜鱒同様、私の大切な友人である鯰(なまず)。
そして偉大なるスター!
夕方が迫ってきた。
どうやら、かなり遠くまで歩いて来てしまったようだ。
進んできた道を引き返すか、あるいはもう少しだけ…この先のまだ見ぬ水域まで進むのか、ふと立ち止まって風にその先の未来を仰いだとき、なつかしい声が聞こえてきた。
さ、帰りすぺ。
「えっ!?」
誰もいないはずの一人の空間、私はびっくりして思わず声をあげてしまったのだ。
それもそのはず。
確かにこの耳で聞いた声は今は亡き我が師。
二年ぶりに聞いたその声は、そよ風が黄泉(よみ)から運んだ幻聴だったのかもしれない。
けれど、私には確かに聞こえたのだ。
33年間も慣れ親しんだ声だもの、しかとー。
ふいをつかれたなつかしい声に、偏向グラスの奥の瞳からは一滴の雫が流れ落ちた。
じいさん、一緒に来てくれていたんだね。
その昔、祖父に連れられて歩いたこのなつかしい道を私は歩いていたー。
んだね!
一緒に、帰りすぺ。
※
世の中って、不思議なことがあるものなんですね。
先月末に三回忌の法要を終えた祖父のなつかしい声が、空の上から吹き降ろしてきた風に乗って私の耳元まで運んできてくれたようなんです。
人様に説明する際には、幻聴という例えでしかできないけれど、私にはそれは幻聴ではないことは確かに分かった、不思議体験。
心あたたまる懐かしい思い出が蘇るものでした。
鯰が暮らす水辺は例えようのない異世界との境界線でもある…ような気もしています。
先日体験した実話を、本日は物語風に綴ってみました。
2018年6月30日 |
カテゴリー:釣行記
ドバドバドバッ~!!!と、水面で派手なヘッドシェイクを繰り出すマゴチ。
全国的に普通に見られるコチの代表種「マゴチ」ですが、この魚は水温の関係で産卵期のピークが地域ごとにズレがあるのですが、宮城県仙台周辺では今がちょうどその季節。
産卵を控え浅場に岸寄りしているので活性も高く、釣るにはとても狙いやすいタイミングです。
全国的に言えることですが、マゴチを釣る場合には水深10m以内ということが多く、深くてもおのずと20m未満であることがほとんど。
水深が浅く、砂地の海底を中心に狙うとあって根がかりがない(少ない)というところも初心者にも優しい釣りと言えるでしょう。
オカッパリでも、ボートからでも、どちらにしても気軽に狙え、どちらの釣りもまた楽しいものです。
今日は、爽やかな夏の日差しの下で楽しんできたコチ釣りの様子を以下、ご紹介していきます!
デプス×プロズワン デスアダーグラブ4インチ
「♯08グリーンゴールド」で3連発。
グリーンゴールドはデイゲームのキジハタ必釣カラーですが仙台湾では慢性的に緑色の水色が入りやすいのでグリーンゴールドとは馴染みがよく、魚種を問わずに昔からよく釣れる色なのでご当地での釣りの際には1袋持っておくと何かと利便性が高いです。
よく釣れます。
♯08グリーンゴールドのフォローで投げたデプス×プロズワン デスアダーグラブ4インチ「♯06ケイムラキビナゴフラッシュ」で獲り切れなかった魚を更に丁寧に拾っていきます。
ケイムラを乗せたこのキビナゴカラーは、超釣れ釣れ。
このカラーはキビナゴやイカナゴ(オオナゴ・コウナゴ・メロウド)、チカ、シロギス、若ハゼ等を模せるカラーで、狙うターゲットのベイトフィッシュ捕食パターンで出番です。
北陸以南や関東以南など、ピンギス(シロギスの若魚)がベイトフィッシュとなっている釣り場では尚のことマゴチやヒラメ狙いで効果的です。
潮止まりの喰いの止まった時間はワインドが効果的なので試すも今回は…なぜか不発。
水切りダートアクションにはまるで反応してくれませんでした。
このようなときは手法を変更して、次の一手を繰り出します。
デプス×プロズワン デスアダーホッグ3インチ!!
マゴチ狙いの場合には、砂地に生息するシャコやスナモグリのイメージで使えるひとくちサイズ。縦長形状の甲殻類のシェイプを模すことが可能なのです。
ワームはコンパクトですが、それでいてパタン!パタン!と時間差で倒れこむ水を押す強い動きが出るのでナーバスなターゲットに対してはスパイニークロー3.5インチよりもリアクション的に喰わせやすいルアーになっています。
魚のアタリが出た後、スパイニークローよりもフッキングしてのスッポ抜け率が少なくて済むのと、ひとくちサイズであるが故に初期掛かりに優れているのもデスアダーホッグ3インチの持ち味。それに加え、飛距離を出したいときにもこちらの方がよく飛ぶので用途別に使い分けすると◎です。
クビレを介した倒れこみアクションと重量のあるハサミの部分が、「への字アクション」で動き、潮止まりの喰い渋り時にも反射喰いを誘います。
♯05ケイムラクリアホログラム
ご覧のようにアッパーカットで、下あごに外側から針がフッキングしているのが分かるでしょうか。
他のワームではアタリが出なかった喰いが悪い(一時的に止まってしまった)時間帯でも、このワームのアクションならでは!を活用すれば、かろうじてのフッキングでも口を使わせてしまう威力を持っているワームです。
アタリが遠のいた時間帯をいかに有効に活用するか、という局面においてデプス×プロズワン デスアダーホッグ3インチは小粒の爆弾的破壊力を秘めています。
♯11ロックベイトシュリンプ
例えアタリが出なくても、水中では魚は常にルアーを見ているため、魚に飽きさせないようカラーローテーションは頻繁におこない、長時間同じルアーをずっと見せ続けないことで釣果を伸ばしていきます。
また潮が動き出してきたところで、今度はこちらにチェンジ。
デプス×プロズワン スパイニークロー3.5インチ。
アクションは、大きなアクションは入れずにズル引き&ステイ。
たま~に、ちょんちょんと軽いシェイクを入れる程度。
中空エアホルダーの浮力を生かして潮流になびかせたまま“ほおって置く”のが、マゴチの渋いアタリを引き出すコツ。
スパイニークロー3.5インチに関しては、この日「♯09グルーパーオレンジ」カラーがダントツに釣れました。
♯09グルーパーオレンジはハタスペシャルカラーですが、マゴチにも効果テキメンなのでぜひお試しあれ~。
ボトムの釣りは正直もうお腹一杯…。
できるなら「巻いて獲る」、スイミングで釣りたい。
潮の変わり目、ようやく浮かせた状態のルアーにマゴチ達が追って口を使うタイミングになってくれたところで、デプス×プロズワン デスアダーシャッド4インチを再投入。
実は朝イチはシャッドから投入したものの、このときはシャッドにアタリが出ずグラブに変更したところで同じトレースラインで3連発したんです。それがデスアダーグラブ4インチの♯08グリーンゴールドによるものでした。
再投入後のデスアダーシャッド4インチ。今度はどうか。
リフト&フォールの釣りではなく、底から浮かせた状態のスイミングで横にぶった切るイメージで長いコースをトレースしていきます。
底性のハゼイメージではなく、回遊しているカタクチイワシがビュ~~と普通に泳いでいる様子をこのワームで再現するのです。
一度巻き始めたらリールの巻きは止めない、「スローな、ただ巻き」です。
このとき、フットボールジグヘッドを使った理由は低速でただ巻きする際にへッドが受ける水抵抗を増やしてブレーキが掛かることで巻きスピードを抑えられることと、仮にリグをボトムに着低させた際にもワームが横倒れしないヘッド形状につき常に針先が真上を向くことでフッキングが決まりやすくスッポ抜けを減らせられるメリットを考えてのことです。
ワームが泳いでいる姿勢も重要で、こちらに関してはスコーンリグの応用でラバーを取り除いたスコーンリグ感覚で扱えるのも利点ですね。
デプス×プロズワン デスアダーシャッド4インチ「♯05ケイムラクリアホログラム」。
ケイムラカラーは、マゴチ・キジハタでは圧倒的に釣れる色です。
港で釣る夜ヒラメのエキスパート達もあまり言わないけれど、シークレットカラーとしてこっそり隠し持っていることが多い色ですね。
ルアーの動きやワームの味や匂いという以上に、「紫外線を浴びてワームカラーが変色する色彩変化」は魚の目には効果絶大だと思います。
例えばグローカラー(夜光カラー)のように蓄光材という人為的な塗料を混入せずとも、ケイムラカラーは自然界にあふれる紫外線を利用して光っているだけだから魚が警戒しない。
紫外線は日夜、地球上に降り注いでいますのでその実釣効果は昼夜関係なし、です。
ただし、人間の眼では紫外線は色としては認識できませんので、人と魚の色認識にはギャップがある、ということは前提のお話です。
余談ながら、最近ではアイナメ釣りでもケイムラカラーの有効利用法が少しずつ認知されつつあります。他の色でダメな時ほどアタリが出るという部分ではブラック(黒)とケイムラ(紫外線発光)の色味にはある種、特別な力が宿っているに違いありません。
もともと、ブラックも、ケイムラも、玄人好みの御用達カラー。
本気でやり込んでいる人ほど、その違いには気づいているカラーです。
いずれにしてもケイムラは『潮止まりでもアタリを引き出しやすい色』、という凄い力を持っているカラーなのです!
デプス×プロズワン デスアダーシャッド4インチ「♯14アカキンフラッシュ」。
デプス×プロズワン デスアダーシャッド4インチ「♯15オオモンキンクロフラッシュ」。
「オオモンキンクロフラッシュ」はその名の通り、魚食性ロックフィッシュであるオオモンハタの名を冠した超こだわりのカラー。
小魚喰いのフィッシュイーターにこそ本領発揮!
シルエットの収縮(ブラック)と粒の大きさと形にまでこだわった金ラメの高密度下部注入によるピカピカのフラッシングという相反をひとつのカラーに凝縮。このようにマゴチも一撃!
という具合に、潮が利き出したら小魚系ワームへの突然ヒットパターンが移り、スイミングの釣りが本領発揮。
同行者もデプス×プロズワン デスアダーカーリー5インチの「♯04モーターオイルゴールド」+静ヘッドのスイミングでバンバン釣っていました。
ケイムラほどではないですが、モーターオイルゴールドも水中では変色する変化球カラーなので、トーンの色彩変化を狙う釣りではとても有効なカラーになっています。
スイミング~
スイミング~~
スイミング~~~
釣れます、釣れます。
私はデスアダーシャッド4インチ「♯12アオキンイワシ」にチェンジしてスイミング!
釣り場にイワシが回遊している場合にはこの色は安定して釣れます。
バンバン釣れます、デスアダーシャッド4インチ。
それも、ばっくりと丸呑みでデスアダーシャッド4インチを喰ってくるんです。
海のナマズ的に愛らしい魚、マゴチ。
漠然と釣るのも釣りですが、釣れる釣りだからこそ色々な方法を試したいもの。
釣れる巻きスピード、ルアーが“最も釣れるアクションで泳いでいるとき”をリールのハンドリングで掴めるように感覚を磨く練習するにももってこいです。
という感じで夏の仙台、マゴチ釣り。
マゴチは夏に産卵を向かえることから「夏の魚、夏の釣魚」と紹介されることが多いですが、実のところ東北以南では夏以外の季節でも専門的にしっかり狙えば意外と釣れる魚でもあったりします。
マゴチは大きな回遊をする魚ではありませんので、ハイシーズンを過ぎて釣果が低迷してきても魚そのものが海域を大きく移動するとは考えづらい。
今から15年ほど前ですがショウサイフグのカットウ釣りに千葉県浦安に通っていた時代。
フグの名釣り場である東京湾大貫沖では真冬でも60cmオーバー級の大物マゴチが船内でフグのカットウ仕掛けに度々外道としてヒットしていて当時の自分はそれを見て驚いたものでした。(ちなみに餌は冷凍エビです。)
フグ釣りの外道でマゴチが釣れることではなく、真冬にマゴチの大物が釣れていることに驚いたのです。
でもそれは全国的な視野をもって考えればとりたてて珍しいことではなく、私が東北出身者ゆえに「マゴチ=夏に釣る魚」というこの魚の断片的な部分でしか捉えきれていなかったことで、あくまでも夏の季節ターゲットという見方をずっとしてしまっていたことが大きかったからだと思いました。
それは後に、知らず知らずのうちに刷り込まれていたローカルイメージっておそろしいものだ、と思い知った出来事でした。まさに井の中の蛙、大海を知らず。
寒流が多大に影響している東北以北の海の場合には年間を通して寒い地域柄、水温の関係でどうしても水温が上がる夏場中心の釣りになりがちではあるのですが、いずれにしてもマゴチは東北~九州(沖縄にはミナミマゴチも生息しています)まで広い地域で楽しめるターゲットであり、関東以南の暖流が強く作用している海では狙い方次第では夏以外にも狙う水深や釣り方を変化させることで、今後も新しい楽しみ方ができそうで、その可能性も大いに残されていることでしょう。
昨今では全国的にルアー釣りのみならず、船釣りの世界でもライトボートゲームの対象魚としてマゴチ釣りは再注目されてきています。
顔はこんなにも平たいのに(マゴチの英名:フラットヘッドの由来)、産卵を控えたマゴチの腹はこんなにも太い。
体型的には相当なギャップあり、です。
分かりやすい大きなアタリと、少しのコツをつかめば時に大型の数釣りとて見込めるマゴチ。
当日の釣行では4名+船長の5名で釣りをして船中158尾に至ったマゴチ釣果とのことでした。
(私は他にサバ2尾ほどデスアダーシャッド4インチのスイミングで釣れました。)
ポテンシャルの高い釣り場で、その日の釣り場状況も良くて、釣る人が集まればこれだけの数だって釣れてしまうケースもあるからこそ、釣った予後の魚の取り扱いには十分な配慮が必要な魚でもある、というのも同時に大きな課題。
本来、産卵期に集中的に釣るというのは魚側にとっては正直ダメージが最も大きいわけで、現にこれを回避するためにイワナやヤマメ、サクラマスなどは産卵期に釣り人に釣られないように禁漁期間が設定されているわけですが、海の釣りではフィッシングライセンスも不要だし第一に現状このような制度が日本には殆どありません。
めっきり釣れなくなってきたアイナメにも同じことが言えますがマゴチの場合も万人に数が釣れやすい魚でもある以上、心配なのは乱獲キープと釣った魚の取り扱い知識の欠如でリリース後に当人に自覚なく致死させてしまう原因で釣果資源減少に歯止めが掛からないようにならぬよう、各々が釣った後からリリースするまでの間の魚への気づかいとリリース後の生存維持への尽力、食材として必要分お持ち帰りになる場合でもご自身の中での基準や自制の気持ちを持って接したい愛すべき魚。
これからの時代、いつかの未来にはそんなタイミングも必ず問われるはずー。
ハイシーズン真っ只中のマゴチ釣り。
普段なかなか会う機会がない釣友でも年に1回ないし数回、同志で集まってこのように各々まんべんなく釣れる釣りも、時には楽しいものです。
爽快な夏の一日。
当日の釣りは、宮城県塩釜港M・F・Cマリーンフィッシングクラブさんにお世話になりました。
ありがとうございました。
使用タックル
■スピニングタックル
ロッド:シューティンウェイSWS-702L“スイミントレーサー”
リール:ステラ3000M XG
ライン:シーガーPE X8 0.8号
リーダー:シーガーグランドマックスショックリーダー5号
スナップ:カルティバ クイックスナップ♯2
ジグヘッド:
カルティバ ラウンドヘッドJH-11 3/8oz
カルティバ フットボールヘッドJH-21 1/2oz
カルティバ 静へッド16g(プロト)
■ベイトタックル
ロッド:ロックトランジットRTC-702H“ヘビーライト”
リール:メタニウムMGL XG
ライン:シーガーR18 フロロリミテッド14lb
スナップ:カルティバ クイックスナップ♯2
ジグヘッド:ジョイントアックス3/4oz
ワームフック:マルチオフセット♯1、♯2/0
他
■ルアー
デプス×プロズワン デスアダーグラブ4インチ
デプス×プロズワン デスアダーホッグ3インチ
デプス×プロズワン スパイニークロー3.5インチ
デプス×プロズワン デスアダーシャッド4インチ
■アパレル類
インナー:リトルプレゼンツ/T-08ウェットトップ+P-13ウェットボトム
ネックゲーター:リトルプレゼンツ/AC-90クールネックゲーター(ブルー)
パンツ:リトルオーシャン /OP-06 SPオーシャンルースナップパンツ
グローブ:リトルオーシャン/OA-29 コーデュラ ライトゲーム5Fレスグローブ
ライフジャケット:カルティバ自動膨張ウエストベルト
偏光レンズ:TALEX/マスターブルー
偏向グラス:ゼクー(旧ZEAL OPTICS)/Vanq gaga
2018年6月23日 |
カテゴリー:釣行記
今日から6月。
旧暦でいう、水無月(みなづき)です。
水の無い月と書きますが、無は「の」という称になるため、水無月は『水の月』という意味。
夏野菜や米。
田畑が水を欲する、祈雨(きう)の季節。
そう、間もなく迫る梅雨への移ろい、という含みをも先人は考えていたのかもしれません。
言葉に込められた深い意味ってすごいなぁ、と考えてしまいます。
今日は月初めに訪れた、朝の静寂を突き破る情熱の“サクラ”話。
※
拝啓
水無月の貴女へ。
6月1日の今朝。
出勤前の短時間釣行に繰り出し、うれしい対面を果たすことができました。
朝の、ほんのわずかな時間。
静寂に包まれた閑散とした水辺はシトシトと雨に打たれ、緑生い茂る生き物の世界でした。
静けさと川の流れに身を寄せて、己と貴女に向き合う幸せの時間です。
水無月桜。
気品に満ちた彼女の名は、桜鱒(サクラマス)。
貴女のことが好きで好きで堪らなくって、心の髄まで虜にされること私も早25年になりました。
いつしか見た本の世界で貴女の存在を知り、憧れ、その姿をこの目で、一目でいいから見たくて足を運んだ小学4年生の頃。
初めて振り向いてくれたのは私が高校を卒業した春、18歳のことでした。
赤い糸に、願い託して。
そして今日もまた優しく微笑んでくれた。
私も来月で36歳を迎える年齢になってしまいました。
若々しいはずのこの肉体も、近頃は髪の毛に白い毛が混じるようにもなってきてしまい、どこか老いを恐れる苦痛をときに抱いてしまいます。
【少年老いやすく(しょうねんおいやすく)、学成り難し(がくなりがたし)。】
気づけば…私もずいぶんと月日の流れを重ねてしまったものですね。
時にはそのことに愕然としてしまうこともあります。
だけど、それもまた少しずつ理解し、受け入れていこうと“許す”考えです。
それでもー。
それでも、貴女は永遠の憧れ。
時代がどんなに変わっても、貴女は今も特別な特別な愛しい存在です。
(略)
敬具
※
「水の月」の“初めの今日”は、とてもうれしい日になりました。
サクラマスに恋した男子の、それはまるで永久恋愛のようなたわ事(片想い)を清々しい気持ちをもって文面に書き起こしてみました(笑)。
川を去る際、ありがとうの気持ちを込めて一礼してきました。
迫る時間。
まさに後ろ髪引かれる思いで川を後にしました。
このうれしさは後からじわっとまた湧いてくるもの。
まさに今、そんな心境です。
雪色濃い土地には今もこうしてサクラマスという名のヤマメが存在しています。
それはそれは大きなヤマメで、海を旅してきた証の姿。
この魚がいかに特別かは、魚釣りの世界に飛び込んでみればいずれ分かることでしょう。
情熱はいつも報われない。
しかし来たるべき歓喜の瞬間を感動を求めて私たちはいつも夢をみているのです。
(サクラマスを)望む、望まない、は人それぞれ。
ですが、私たちサケマスと釣りを通して関わる人間にとっては垂涎の存在なんです、よね!
未来に向けて今日もまた一想い(ひとおもい)に竿を振り続ける。
水の旅人・サクラマスが泳ぐ海や川や渓に想い馳せ、夏の風を肌身で感じた6月の夜明けのことでした。
北上の大河を遡る、悠久の歴史。
今日もまたその出会いに感謝です!
2018年6月1日 |
カテゴリー:釣行記