ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

宮城県牡鹿半島の今 (1)

震災後の宮城県牡鹿半島はどうなっているのかー。

気になる方も多いと思います。

先週6月29日・30日の2日間、毎年ロックフィッシュ遠征でご一緒させて頂いている関東の仲間、横浜新山下に拠点を置く東京湾を代表するフィッシングガイド「アイランドクルーズフィッシングクラブ(以下:icfc)」 の遠藤社長家田船長 、東京湾の釣りのエキスパートにして人気ホームページ「湾奥遊園地」を運営する沢村氏の3名が横浜から遠路、見舞いにいらしてくれました。

せっかくの折、同じ海というステージを職場にする船長2名が来てくれるということもあり、震災後初めてとなる海釣りに行ってきました。

あの日から100日が過ぎた牡鹿半島の今ー。勿論、気になっていた。気になって仕方なかった私の地元の海のこと。

宮城県では漁業と遊漁が双方足並みを揃えて、6月から一斉に再開したことは皆さんも記憶に新しいことと思います。

 

漁師も船頭も海に出れなきゃ、仕事にならない。魚を獲らねばお金にならない。船頭はお客(釣り客)が来なければ生活が回らない。自粛も結構だが、復興に際し、こういった人達にもきちんとお金を回していくことで地域経済が少しずつその機能を取り戻していく、ということは忘れてはなりません。

仮に貴方にとって、釣りは趣味の一環だとしても、彼らにとっては真剣勝負のビジネスの世界。勿論、私にしてもそうです。

朝食を済ませた貴方が「さてと…今日も一日頑張ろう」という気持ちを胸に出社しテキパキと仕事をこなすように、漁師や船頭も夜明け前の早朝から忙しく海の上を駆け巡るのも同様の事なのです。

大学時代、経営学部に属していた私が金融について研究していた時、担当ゼミの教授が「お金はね、経済の血液なんだよ」と発した一言は今も忘れられず、脳裏に焼き付いている。今回のこの震災を経験して、教授が私にそっと教えてくれたあの言葉の“重み”は今一層、身に染みて実感している。

三陸が三陸たる由縁はその海の豊かさにある。

 

 

 

 

 

 

―さて、当ブログ読者の皆さんが気になるのはその中身、つまり釣果についてだろう。正直、私は「あまり釣れないかもしれない」と思っていた。仮にそうだとしても、あれだけのことが起きたのだから誰が考えても仕方ないと思うだろうし、またこの海で釣りが出来ることだけでも私にとっては十分過ぎる喜びだった。

しかしいざ、釣りを始めてみると…釣れる、釣れる。今回は2日間の実釣で、1日目は朝10時~夕方6時まで、2日目は朝5時~正午までの釣りだったが、驚いたのがいつも以上にベッコウゾイの数が多く、それも型の良いのばかりが釣れた。

近年では珍しいくらいに、ベッコウゾイばかりのヒットが相次ぎ、アイナメ50cmと共にラストにはムラソイ43cmの大物も出て船中が大いに沸いた。

一方、沖に目をやるとサバと銀ザケが激しくボイルを繰り返し、近頃ではワラサにヒラマサ、サワラといった回遊魚の情報も多く耳にするようになった。カタクチイワシとコウナゴ(メロウド)が、がっちり沿岸部まで来遊しているため、これらを喰らうフィッシュイーター達の活性も海域全体で高まっているものと考える。ベッコウゾイは船中、軽く20本越え。サイズは大中小混じるが、平均的には40~45cm(←全部ベッコウの話)と粒揃い。その多くがカウンターロック3/0+パルスワーム6インチを丸呑みで喰ってくる活性の高さだった。

又、洋上では仙台・松島方面から走ってきた遊漁船数艇も見かけ、海の上は当初私が思ってた以上に賑わいを取り戻しつつあった。

今回、乗船・案内頂いたのは石巻市渡波港の幸丸・内海船長。同地の海上ではこれまで何度もお見かけしてきたが、私が乗船するのは今回が初めて。とても親切にして頂き、そして何よりも大変ユニークな船頭さんで釣りの腕も、笑いの取り方も抜群です。アイナメUNDER WATERに尽力頂いた盟友・勝進丸の“一休さん”こと菊地柾彦さんの幼なじみにして、今日に至る牡鹿半島沿岸のボートゲームを切り開いてきた方だ。

現在、私達が手軽にボートフィッシングを楽しめるのも、こういった船長方の地道な努力があってのもの。

足場の安全が確保されるまでの期間は、被災地での海釣りは遊漁船を用いたボートからの釣りがベースになる。

限られたシチュエーションとはいえ、この海で以前のように釣りをさせてもらえる喜びをみんなで共有し合い、噛みしめていきたい。

icfc遠藤社長、icfc家田船長、沢村氏、幸丸・内海船長、どうもありがとうございました。

改めて御礼申し上げます。

※画像左からicfc遠藤社長(ベッコウゾイ×ベッコウゾイ)、icfc家田船長(43cmムラソイ×ベッコウゾイ)、私(ベッコウゾイ×ベッコウゾイ)、湾奥遊園地・沢村氏(ベッコウゾイ×50cmアイナメ)

牡鹿半島の海で再び竿を振れる喜びを噛みしめました

 

 

 

 

 

 

 

※当日の様子は次回のブログでも引き続き掲載予定です。

 

 ★宮城県牡鹿半島ボートロック船宿<石巻地区>

■幸丸(内海船長 )【受付番号090-1490-3622】

※午前便・午後便あり。料金は通常4人でのチャーターの場合1人8000円~8500円、3人でのチャーターの場合は1人あたり10000円。

ターゲット:ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、シーバス、青物(キャスティング&ジギング)、カレイ、他。