ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

サクラマスの故郷を訪ねて~岩手・渓流紀行~(1)

連日30℃を軽く越える真夏日が続き、宮城県北上川下流域でのサクラマス釣りもいよいよ終焉を迎えた。

本州では「6月のサクラマス」といえば皆、日本海側の秋田県河川に視線が集中しがちだが、つい先日まで、ここ北上川下流域においてもシーバス・銀ザケ混じりでサクラマスが普通に釣れていたことを考えると、これだけ遅くまで下流域にてサクラマスだけを狙っていた年もある意味、稀かもしれない。

さて、以前当ブログでも触れたように6月の梅雨入り直前のタイミングでサクラマス達の故郷を訪ねる旅に出た。

向かった先は東北屈指の流域を誇る北上川の水源を担う岩手県。

普段、サクラマスを釣っている同水系の最上流部を目指した。

6月の岩手を目指す。ご存じの通り、サクラマスはヤマメである。川で生まれたヤマメが降海し、再びサクラマスとなって母川に帰り、その命を次世代に繋ぐ。

つまり河川残留型の個体がヤマメであり、降海型の個体がサクラマスということだ。

今回は清々しい山々の間を縫うように流れる初夏の渓に“渓流の女王”ヤマメを追った。

 

訪れた日数は2日間。

初日は午後3時過ぎに岩手県に到着し、夕方4時過ぎからのイブニングタイムを狙った。

6月中旬、奥州・岩手の山々には、まだ残雪が見られた。太平洋側沿岸部は定期的に雨が降る天気が続いていたが、内陸部ではそれまで殆ど雨が降らず、どの川もひどく渇水していた。当初入渓する予定の川はあまりの減水のため断念し別の川へ。少しでも水深のある場所を狙って釣り歩いて行く。

 

機敏に操るミノーをイワナが急襲ポイントに立ち、2投目で水中を機敏な動きでキラめくミノーを魚影が急襲した。掛かった後の抵抗から、その正体がヤマメでないことはすぐに察しがついた。案の定、ネットに収まったには白い斑点が美しいイワナ。

 

 

イワナのサイズはそれほどでもないが、どの魚も実に美しい個体だった。その後、頻繁にイワナが立て続くのでポイントを移動。

どうやらこの川ではヤマメとイワナが同域に混生しているため、魚の着き場を見極めてピンで釣り分けていくしかなさそうだ。

 

渇水というタフコンディションを目前にして一筋縄ではいかないフィールド事情に、自然と気持ちが高揚してきた。