ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

帰国しました

あまりの多忙につき、ブログにまでなかなか手が回らないほどの超過密スケジュールが続いている。だいたいにしてプロズワンの立ち上げに、当ウェブサイトの作成・監修作業、原稿執筆に商品開発、フィールドテストを抱えたまま迎えた昨年末のXmas~正月は、休暇すらまともにとっておらず(唯一、休めたのは元旦だけですが)、この夏も連日忙しくお盆休み返上で業務にあたった次第。

体力的には結構ヘロヘロだが、その高ぶる気持ちだけでなんとか体を動かしているような状態だ。まぁ、それが私の役目と言えばそれまでだが震災後の疲労と溜りに溜まっている仕事量も相まって身体への負担が日々蓄積していっているのが自分でもつくづく痛感しているほどだから、まだ遠い先の話とはいえ何気に老後が心配な今日この頃です……。

又、世間ではお盆休み真っ只中の期間中にも関わらず、地球丸SALT WATER誌の中村編集長がカメラマンと共に遠路、当事務所まで見舞い・激励にいらして下さいました。改めて感謝申し上げます。

 東京羽田国際空港より韓国へ。                                                                                         

―さて、先日までプロズワン韓国工場滞在につき、日本にいなかったというのが正直なところだ。

プロズワン第1号製品であるロックフィッシュロッド「シューティンウェイ」製造ファクトリーがある韓国にて、私自ら渡韓し出来上がってきた量産品を1本ずつ厳正に検査する検品作業をおこなってきた。

仕上がったばかりのロッド1本ずつ手にとり、わずかでも不良箇所や規格外の汚れ等がないか厳しく検査をしていくのだが、朝から晩まで続く終日「立ち仕事」は思いのほか腰にくる。更に体力のみならず、頭もフルに使う作業だから、意外と細かな神経も要する作業だ。

それにしてもファクトリースタッフ・職人達はよく頑張ってくれたと思う。プロズワンの佐藤本人が日本から来ているという緊張感(?)の中、ファクトリー内では熟練の職人達が私の指示した作業をテキパキとこなしていく。

ロッドを製造する際、検品作業に関してはメーカーによって検査規定はさまざまだ。製造工場に一切合切お任せしてしまうメーカーさんもあるし、責任者が工場に直接出向いて最後に1本ずつ丁寧かつ厳密に検査を進めていくメーカーさんもある。

プロズワンは後者で、最後の最後には責任者である私がファクトリーのある韓国へ渡航し、皆さんのお手元に届く前に、1本1本自らの手によってその仕上がり具合をチェックしながら検品。その検査基準は一般的な基準以上に高く設定しているため、時には熟練の職人達ですら困惑してしまうことも。

ファクトリーや職人達は数えきれないほど膨大なロッドを日々作製するのがその主たる業務だが、それだけに少しくらいの不良箇所なんて気にしてられない、というのも彼らの主張であり、本音でもあるだろう。あくまでそれが基準内のごく“わずか”なものであれば、なおさらのことである。

しかし、私が思うには「ファクトリーにとっては数ある1本の竿でしかないかもしれないが、それを買ってくれるお客さん、つまりユーザーにとっては大事なお金をはたいて買ってくれているというんだ、という認識と感謝の気持ちは絶対に忘れてはならない」という姿勢を貫いている。

工場で働く職人にとっては何百本、何千本という膨大な数の中の1本に過ぎないが、使い手である釣り人にとっては一人一人にとって“かけがえのない1本”なのだ。それが私からユーザー皆さんへの誠意であり、妥協なきプロズワンのモノ作り精神。

そのため、時間も手間もいつも余計にかかってしまう。時間的配分・作業効率の面からすれば非常に効率が悪いけれども「製品を手にとった皆さんの喜ぶ顔が見たい」、「最後の最後まで作り手の情熱と気持ちのこもった製品をお届けしたい」という一心で開発製造をおこなっています。

これからの根魚釣りをクリエイトする新感覚ロッド・シューティンウェイ。デビュー、間もなく……。

 

 

 

 

 

 

 

これはシューティンウェイに限らず、ガルプSWダブルウェーブ3”や岩礁カウンターロックなど、これまで私が生み出してきた製品~書き綴ってきた原稿に至るまで全てに共通していること。

大量に作り、大量に売りさばくことが既にトレンドになってしまった現代の消費社会において、ある意味逆行していると指摘されても仕方ないものの、素朴で少々地味かもしれないが「人が作っている」という“手作り感”と“心意気”を大切にした質の高い製品を一つずつ真心込めてお届けするのがプロズワンのあるべき姿。

これからの根魚釣りを皆さんと共にクリエイトしていくシューティンウェイ・シリーズ。

ウサギアイナメ~オオモンハタまで、南北に続く根魚列島・ニッポン。

プロズワンから全てのロックフィッシャーへ。

その極上のフィーリングを皆さんご自身のフィールドで体感して頂けるその日が、もうすぐそこまでやってきています。

 

それでは次回も韓国渡航編をお伝えしましょう。