東京都千代田区神田神保町。
この街は昔から“本の街”(特に古本店が多い)として知られ、又、学校が多いことからも学生の街としてもその名が知られる場所である。私の出身校もここ神保町にある大学の姉妹校だったため、生徒手帳一つで出入り出来たことから、学生時代は何度か足を運んだことがあったので懐かしい感じがする土地である。
古本店含む、書店が多いだけに出版社も多く集まっているのも特徴的なのだが、なぜなのか…スキー用品や登山用品のショップが多いのもこの街を語るうえでは欠かせない要素だろう。
古本・学生・スキー&登山用品ショップ…この関連性はいかに…?
さて―。この日は、つり人社さんの動画撮影のためスタジオへ。
つり人社と言えば、根魚アングラーのバイブル「ロックフィッシュ地獄」や北海道のアングラーにとっては教科書的存在の「ノースアングラーズ」、バスアングラーなら誰もが知っている「Basser」など、多くの人気誌を生み出してきた日本で最も歴史のある釣り専門の出版社である。
そんな老舗の出版社と日頃から一緒に仕事させていただけることは業界人として誇りを感じると同時に自身も常に精進しなくては、と気が引き締まる思いだ。
昨年11月25日にリリースした小生著の「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」はおかげさまで大変好評を頂いており、中でも北海道や東北といった根魚釣りの二大聖地では品薄状態のお店も出ているほどの勢いになっているそうだから正直驚きです。
それから先日1月25日発行号のニッポン報道研究所/日本釣具新報(※業界新聞)でも当本が誌面で取り上げられていて更にビックリしてしまいました。
大震災の年に幾多の困難を克服しながらも再度、筆を取った時。
頭の中にあったのは「頼む…東北よ、蘇ってくれ」、「死ぬなよ…東北の根魚釣り…」ということだけだった。
私がいる限り、根魚釣りの火は絶対に消してなるものか―。
そんな心境だった。
あの悲しみと苦しみに直面した昨年の春。
ライフラインの復旧と共に少しでも早く仕事復帰しなければ…と動き出した矢先。押し寄せた津波で全データが入っていたパソコンは水没し再起不能、バックアップUSBも流されてしまい、物書きの人間としてこれ以上にないほど失墜し、「本の出版はもう諦めようかな…」と正直なところ悩んだこともあったが、こんな時だからこそ、この根魚釣りは自分が守らなければ!との使命感に奮い立たせられ、1ページ目から一冊まるごと新たに書き直す決意をした。
「ガルプSWダブルウェーブ3”」に「シューティンウェイ」、そしてこの「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」の3兄弟商品のリリース続行を決断したのには震災に屈せず、被災地なりに何とかして立ち上がろうとしている“私なりの意志表明”をしたからに他ならない。
そして今回の本は単行本であるから、一般的な釣り雑誌(月刊誌やムック)とは根本的に異なる作りの本でもあるのだが、こういった視点からの書物はロックフィッシュ媒体としては他に前例がないため、あえてこういう作風の本を作ろうと思っていたことに起因する。
釣りの本ではあるものの、タックルうんぬん、釣り方うんぬんではなく、「魚そのものに焦点を当てた」釣りの本。
根魚のことを知れば、もっと釣れるようになります。
逆に、どんなに最高級な道具を使っていても、どれほど素晴らしい釣り場に立っていても、相手(根魚)のことを知らなければ、思うような結果はそう望めないということを私自身が身を持って体験しているからです。
相手は生き物。“魚の気持ち”を考えずして、自分よがりな釣りをしていたのでは、いつになっても【自称:中級者】からの脱却は難しいことでしょう。
そういう意味では、このような切り口でロックフィッシュ本を製作し送り出せたことには「嗚呼、この本を書いてよかったなぁ」という気持ちと読者皆様への感謝の意は果てしなく大きい。
ご購入頂いた方、本当にありがとうございます。
つり人社さんでは現在、この「ある日突然」シリーズの著者それぞれに本のコンセプトや読みどころを語ってもらう動画を作成しているそうで、その第1回目に私(なぜ?)が呼ばれたのでスタジオに伺った次第。
「佐藤さんが初めてなので、実験台だね!(笑)」と同社の書籍編集部O編集長と撮影スタッフから“笑えない冗談”を頂戴したあげく、「それでは、ハイ、いきます!」と最初からぶっつけ本番でしたが、一通り話し終われば「よし、OK!!」ということになり、スタジオのドアを開けると、そこで待っていてくれたのは同社のBasser編集部の皆様。
私はバスプロではないので、普通に考えればBasser誌とは何の関連もないように思われるが、ジャンルは異なれどBasser編集部とは普段から仲良くさせて頂いているので馴染み深い方々が多い。
その後、Basser編集部ご一同様と食事に行き(A編集長、ごちそうさまでした!)、帰りの時間が押し迫ってきたため急ぎ足で新幹線に乗り込んで帰省。
この動画は近いうちに公開されるそうです。
2012年1月28日 |
カテゴリー:その他
昨年、児島玲子さんから頂いたオーシャンズファイブ東日本大震災復興支援Tシャツ。
この「オーシャンズファイブ」は児島玲子さんプロデュースのブランドである。
昨年10月21日に発売された釣り雑誌「ルアーマガジンソルト2011年12月号(内外出版社)」において、児島玲子さんとの宮城県牡鹿半島釣行取材も模様が掲載されたことは記憶に新しい読者の方も多いことだろう。
この取材では紙媒体のみならず動画撮影も行っており、当時の状況を収録した映像が昨日21日に発売された同誌「ルアーマガジンソルト2012年3月号」の特別ふろくとしてDVD化され同封されている。
地方の釣りをローカル媒体に終始せず、全国媒体で伝えるのには大きな意義がある。
特にロックフィッシュの釣りはその釣りの特性上、特定の地域で局地的に盛り上がる傾向が顕著で、具体例を挙げれば東北の根魚釣りの近況が北海道や関東以南の地域で“生情報”として出回ることが少ないように、北海道の釣況が東北まで下りてくることも正直なところない。そのため三陸に在住しながら足繁く北海道に赴き、自分自身で生きた情報を仕入れることに多大な時間を費やしてきた。そしてそれが今は何よりの財産となっている。何事も経験に勝るものはないのだ。
逆に北陸や中京、瀬戸内海、九州方面で人気上昇中の各種ハタ類(キジハタ、アカハタ、ホウキハタ、オオモンハタなど)の釣りの話が東北以北に情報として出回ることも残念ながらないのが実情である。沖縄のスジアラやバラハタ、カンモンハタやイシガキハタの釣果話も普通の人なら東北にいてはまず耳にすることもないのが実情であろう。そういう意味ではロックフィッシュゲームとは、バスやシーバスのように「多くの地域で同じ情報を共有しにくい釣り」とも言えてしまうのである。
それが“地域性”という性質である。
これはなぜかというと地域によって一口に“根魚”といっても生息する魚の種類や成長の度合い、個体数(絶対数)に大きな開きがあるからで、それゆえ根魚道は一概に極められないからこそ面白いという魅力にも繋がっていくと私は思って今日まで続けてきた。我ながら、よく飽きずに長年続けてこれたものだと思う。
世の中には「長所と短所は紙一重」とか「馬鹿と天才は紙一重」という、ちょっと皮肉った言葉も存在しているが、その地域性こそが根魚釣りにおける“最大の長所であり、最大の難点”であることもまた確かなのである。
三陸の海辺で根魚釣りを子供の頃から親しんできた身としては、この釣りの特性や限界をつくづく把握してきたからこそ、拠点とは別に自らの足で遠方に出向いて釣り歩いてくることの重要性を私は学んできた。
「井の中の蛙、大海を知らず」とはある意味、本当によく完成された言葉であると、つくづく考えさせられる。
東日本大震災も例外に漏れず、震災直後から被災地に関する情報は全国ネットを通り越して世界中のメディアが大きく取り上げ連日報道されてきた。
でも…現在はどうだろうか―。震災から時間の経過と共に、地震・津波の報道よりも原発問題の方に話の割合がスライドしていくのも全国媒体ゆえに当然の流れであろう。
一方で、ことごとく津波で壊滅的な被害を受けた三陸の街並みの話は、地方媒体が懸命にその後の情報を流し続けているものの、当たり前と言えばそれまでだが、いずれも生活(ライフ)とビジネスに関する内容がほとんどだ。その一方でレジャー産業の話ともなるとニュースでの報道や新聞に掲載されることは滅多にない。
「ヒトは忘れる生き物である」ことを裏付けるかのように、あの日から10ヵ月足らずの間に過ぎないのだが今日では軒並みに被災地に関する興味・関心の意識や支援の在り方が薄れつつある感は否めなくなってきた気もしている。各被災地へボランディアに訪れる人の数がピーク時の1/10になっているという現状もその表れの一つではないだろうか。
そこで重要になってくるのが各ジャンルのレジャー産業の専門誌だ。
幸い、「釣り」というレジャー産業にも様々な媒体(メディア)が存在している。
今回、ルアーマガジンソルトという雑誌を通して被災地の釣りの様子をDVD化したのも、東日本大震災による地震と津波の直接の被害を受けずに済んだ地域の釣り人皆さんへも被災地の今を、被災地の釣りを見てもらいたいという一心からだ。
勿論、被災地に住まう釣り人たちにとっても今一度、釣りが出来る環境が少しづつ戻ってきている、ということを知って頂ければと思います。
被災地に住まう人であれば、苦しい思いをしているのは、みんな一緒。あれだけのことが起きたんですもの、悲しく辛い思いをしたのは貴方一人だけではありません。
でも、苦しいながらにも一生懸命頑張っているのも我々であることは誇りに思っていいと思います、堂々と―。
昨年7月、この取材依頼が私の元に来た時には、被災地を取り巻く様々な環境事情があることは双方において承知のうえだったが、それを一つずつクリアしながら実現に至ったものである。それでも私の中ではマイナスに動くものはなく、少なくてもこの地に暮らす人達にとって、一歩でも二歩でもプラスに転ずるキッカケになってくれることだろうと確信したからこそ本気で、全力で動いたのだ。
震災から半年が経過した被災地の釣りの様子をまずは見ていただきたい。
海を見ていただきたい。そこにはどんな魚がいて、どれほど釣れるものなのか―。
釣りが出来る環境があるのか、どういった釣りなら楽しめるのか―。
そこには見る人それぞれの捉え方がきっとあるはずだ。
そして、あとは貴方自身が何を想うかだー。
宮城県仙台市と石巻市で収録された今回のDVD。
オーシャンズファイブ×プロズワン、言わば児島玲子×佐藤文紀という組み合わせも画的に珍しいかもしれませんね。
地元アングラーは勿論、東北ロック遠征が好きな遠方のアングラーにも、もしかすると見覚えのある場所が映っているかもしれません。
金華山、網地島、田代島といった牡鹿半島西側に位置する3つの離島。
アイナメ、オウゴンムラソイ、ベッコウゾイといった根魚たち。
サバ、カンパチ、ワラサ、ヒラマサといった回遊魚たち。
底モノと上モノが大小入り乱れて釣れる豊かな三陸の海は、震災後の今日も健在である“何よりの証”を画面を通じて、いま一度ご覧頂ければ幸いです。
がんばってます、東北!
がんばってます、宮城!!
がんばってます、石巻!!!
2012年1月22日 |
カテゴリー:雑誌掲載・DVD
1月も後半に突入し何かと慌ただしい日々に翻弄されているが、プロズワン宛てに、私宛てにそれぞれ拝受した全国各地からの年賀状や寒中見舞いを丁重にファイリングしながら整理している。
送り主はジャンルの枠を超えて各釣り具メーカーに小売店、出版社、取引業者、ライター、カメラマン、船宿、芸能界など実に様々。
それぞれ1枚ずつ拝見するたびに人々の心の温かさを痛感する次第です。どれも素敵な御葉書なのだが、その中でも今回ひときわ“インパクト大”だったのは菅原正志さんからの御葉書で、これが脳裏にまで焼き付いてしまったようでなかなか頭から離れない。
菅原さんと言えば、ご周知の通り声優として多忙を極め、更に釣り人の間ではスカイパーフェクTV・釣りビジョンのスタジオ生放送番組「五畳半の狼」の司会者としてもお馴染みの大の釣り好きとして著名であることは今さら私が語るまでもないのだが、実は凄腕ロックフィッシュアングラーとして業界内では非常に有名で、伊豆半島を中心に関東近海は勿論のこと、東北や北海道の根魚釣りにも非常に造詣が深いお方である。
そんな菅原さんが静岡県伊豆半島でパワーホッグ5インチのブラックカラーで釣り上げたホウキハタの大物の写真葉書は圧巻の一言だった。
それに、黒のパワーホッグを使われているところはさすがの一言。(※黒いワームは使いこなせれば相当な戦力になりますからね。黒いワームは釣れるのですよ、皆さん!)
数々お気遣いの言葉と共に「伊豆に来るときは案内します。」と添えられていて私も大変ありがたく思った次第。菅原さんには雑誌「SALTY!」誌面上でも同社の杉田社長と共に当方のシューティンウェイをご紹介頂いたり、ガルプSWダブルウェーブ3”をご愛用頂いていたりと大変お世話になっているのだが、ハガキ一面を堂々と飾る見事なホウキハタの写真を見てしまうと「んじゃ…いつ伊豆に行こうかな…」と既に頭の中では一人で先走ってしまいそうになってくる。
現在、2012年度展開(予)の様々なプロジェクトを同時進行で抱え、とりあえずこの先2ヵ月間に関しては相当な忙しさが続くのが少々悩みの種であるものの、いずれにしても清々しい春の風が吹き出す頃、また蒼い海で思いっきり根魚釣りが出来る日を今は楽しみに待ちわびているこの頃である。
2012年1月21日 |
カテゴリー:その他
少し前の時代までは一般的に1月~2月は釣りの世界も“シーズンオフ”と呼ばれていた時代があった。
川や湖は凍ってしまうことも少なくなく、海は海で低水温のため魚の動きも鈍く、魚種によっては沖の深場に落ちてしまう個体も多くなるから、場合によっては沿岸の浅場では生命反応すら感じられないというのも冬の海の特徴である。
一方、この時期に最高潮に盛り上がりをみせるのがスキーやスノボーに代表される冬山が舞台となるウインタースポーツであろう。
それでも春を待ちきれない釣り人は、この時期でもせっせと水辺へ赴く。
■東北や北陸の地。生粋のトラウティスト達は厳寒の本流に立ちこみ、いつ釣れるかも分からないサクラマスを心に想い、一心不乱に投げ続ける。
■冬の北海道・島牧村。海アメマス釣りの聖地と称され、この地から今日の海アメゲームの基礎が生まれたといっても過言ではないだろう。いまや道内に留まらず、本州在住のアングラーでもこの釣りのイメージは湧くくらいその認知度は増すようになってきた。
環境柄、海アメ釣りに接することがない(少ない)本州のアングラーとて、冬の北海道の釣りと言えば荒い白波が立つ、冬の日本海の砂浜で逆風を切り抜いてフルキャストする道産子アングラー達の勇ましい姿が思い浮かぶに違いない。
■関東以南では、それまでは他の釣りを楽しんできた釣り人達もこぞって夜の海に足を向ける人も増える時期。狙いはメバルだ。わざわざ、この寒い冬の夜にわずか30cmほどの魚に大きなロマンを求め、大の大人たちが夜な夜な海辺を駆けまわるのだから、このメバルという魚が持つ魅力が一体どれほどのものなのかは多くの人達にもきっと伝わるはずだ。
おっと、湾内の好敵手・カサゴやムラソイも忘れてはならない。
いずれにしても冬の釣りは著しく疲れる。
寒さ厳しい時期だけに体力的負担も大きくなるから、釣りから帰ってくればぐったりしてしまう。その過酷さは時に試練や忍耐とも言えるかもしれない。
又、時期が時期だけに思い通りの釣果を得られないことも多く、場合によってはボウズも珍しい時期ではないのも真冬の釣り。
それでも「もしかすると…」と僅かな期待を寄せて、水辺へと足を運ぶ。
嫌いじゃないですね、この時期の釣りも。
釣れても、釣れなくても。
冬の澄んだ空気。一層、透明度の増した水辺。この時期ならではの風情があっていい。
先日、牡鹿半島ロックフィッシュでお世話になっている石巻市渡波港の遊漁船・幸丸の内海船長から、「明後日、ベタ凪になるから釣りに行かないか?」との一報が入った。
私と船長の2名だけなので朝9時頃からゆったり出船。沖上がりは夕方4時。
船長が用意してくれた七輪で温かいコーヒーをご馳走になりながら冬の海での釣りは、より上質なものに感じられてくる。
この日の牡鹿半島周りは平均にして水温6℃。高いところでも7℃ほど。さすがにこうも水温が下がると魚の活性も控え目だが、それでもアイナメの若魚やクロソイが顔を見せてくれた。
クロソイはアイナメよりも冷水に強い魚だから、この時期はちょっと深場を撃って本格的にクロソイを狙ってみるのも楽しいだろう。
冬の海にしては珍しいベタ凪・無風の海上で清々しい1日だった。
皆さんも冬のフィールドに、ぜひお出かけ下さい。
タックルデータ
■ベイトタックル<テキサスリグ>
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:レボエリートIBHS
●ライン:シーガーR18フロロハンター16lb
●シンカー:カルティバ ブラスシンカー1/2oz
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック2/0
●ルアー:ガルプSWパルスワーム4”、ガルプSWダブルウェーブ3”
■スピニングタックル<ライトテキサス&ジグヘッドリグ>
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラ3000HG
●ライン:シーガーバトルシーバス0.8号及び1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス16lb
●シンカー:タングステンバレットシンカー1/4oz~3/8oz
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック1/0
●ジグヘッド:OHラウンドヘッド1/4oz、3/8oz
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★宮城県牡鹿半島ボートロック船宿<石巻地区>
■幸丸(内海船長 )【受付番号090-1490-3622】
※ロックフィッシュ料金は通常4人でのチャーターの場合1人8000円~8500円、3人でのチャーターの場合は1人あたり10000円~11000円。
2012年1月18日 |
カテゴリー:釣行記
1月も中盤になると、南東北~関東近郊のアイナメは8~9割方がアフタースポーンになっている。
産卵後のアイナメのメスの多くは魚体がドス黒く、肌に艶がなくなり、やつれ細った個体が総じて多い。更にヒレの周りは千切れたりしている個体も多く見かけるようになる。
このような状態になると、仮に掛けてもファイトが鈍く、上がってきた魚の魚体を見てうれしいという気持ちよりは、何だか可愛そうになってくることから、近年ではアフタースポーンの割合が増えた時点で早々に切り上げて次なるターゲットへ移行するようになった。今がまさにそんな時期。むしろ近年では1月~2月は少しばかりのシーズンオフ期を楽しむ余裕も出てきた。
昔はシーズンオフ=「釣りにいけない」あるいは「釣りが出来ない季節」ということで退屈で仕方なかったが、今は年を重ねるごとに心境も穏やかに変わっていっているから実に不思議である。
とはいえ、海に行けば愛すべき海底の住人達はまだ豊富にいるので寒さ対策万全のもと、まだまだ釣りたい!という方はぜひどうぞ!
この時期の魚は1匹1匹の魚が貴重になってきますからね。釣った喜びも倍増することでしょう。
そして今週20日からは北上川水系のサクラマス釣りが解禁となる。
北の大地、北海道では例年12月から海サクラがスタートし、春~初夏にかけて益々盛り上がりを見せるが、その一方で本州の春。東北や北陸では河川のサクラマスゲームが過熱していく。
海で釣るサクラマス。
河で釣るサクラマス。
北海道と本州では同じサクラマスと言えど、それを取り巻くステージは異なる。
フィールドの規模やタックル、タクティクスにもかなりの相違があるが、私のように毎年、両方の地域を見ている人間からするとこれはこれで凄く面白いし、ワクワクしてくる。
一般的にサクラマスはこの魚に興味を持つ者、あるいは興味がある者にとっては、その釣り人生においてぜひその姿を拝みたい、自らの手で釣り上げてみたいある種の“憧れの魚”に違いない。
そして、ひとたびこの魚を追うことになれば、あの美しい白銀に光り輝く格別の一尾には、誰もが並々ならぬ情熱の炎を燃やし続けることになるだろう。
機会に恵まれれば、今季は北上川水系河川のサクラマスが最も熱い時期に、あえて北海道の海サクラにも出会いに行きたいと思っている。
あれだけ釣れ盛った三陸ロックフィッシュもそろそろ終盤に差し掛かる低水温期に遡上してくるサクラマス。
さて、今年はどのタイミングで切り替えしようものか……釣り人の悩みはいつものごとく尽きないものである。
2012年1月16日 |
カテゴリー:その他