ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

海に行くか、河に行くか

1月も中盤になると、南東北~関東近郊のアイナメは8~9割方がアフタースポーンになっている。

産卵後のアイナメのメスの多くは魚体がドス黒く、肌に艶がなくなり、やつれ細った個体が総じて多い。更にヒレの周りは千切れたりしている個体も多く見かけるようになる。

好調に推移した今季の根魚季節もいよいよ終盤に。このような状態になると、仮に掛けてもファイトが鈍く、上がってきた魚の魚体を見てうれしいという気持ちよりは、何だか可愛そうになってくることから、近年ではアフタースポーンの割合が増えた時点で早々に切り上げて次なるターゲットへ移行するようになった。今がまさにそんな時期。むしろ近年では1月~2月は少しばかりのシーズンオフ期を楽しむ余裕も出てきた。

昔はシーズンオフ=「釣りにいけない」あるいは「釣りが出来ない季節」ということで退屈で仕方なかったが、今は年を重ねるごとに心境も穏やかに変わっていっているから実に不思議である。

とはいえ、海に行けば愛すべき海底の住人達はまだ豊富にいるので寒さ対策万全のもと、まだまだ釣りたい!という方はぜひどうぞ!

この時期の魚は1匹1匹の魚が貴重になってきますからね。釣った喜びも倍増することでしょう。

 

そして今週20日からは北上川水系のサクラマス釣りが解禁となる。

厳寒期。雪の舞う北上川本流。しかしマス達は力強く遡上を続けている。

 

 

 

 

 

 

 

北の大地、北海道では例年12月から海サクラがスタートし、春~初夏にかけて益々盛り上がりを見せるが、その一方で本州の春。東北や北陸では河川のサクラマスゲームが過熱していく。

海で釣るサクラマス。

河で釣るサクラマス。

北海道と本州では同じサクラマスと言えど、それを取り巻くステージは異なる。

フィールドの規模やタックル、タクティクスにもかなりの相違があるが、私のように毎年、両方の地域を見ている人間からするとこれはこれで凄く面白いし、ワクワクしてくる。

一般的にサクラマスはこの魚に興味を持つ者、あるいは興味がある者にとっては、その釣り人生においてぜひその姿を拝みたい、自らの手で釣り上げてみたいある種の“憧れの魚”に違いない。

そして、ひとたびこの魚を追うことになれば、あの美しい白銀に光り輝く格別の一尾には、誰もが並々ならぬ情熱の炎を燃やし続けることになるだろう。

 釣りシーズンの始まりはいつも彼女から―。                              

 

 

 

 

 

 

機会に恵まれれば、今季は北上川水系河川のサクラマスが最も熱い時期に、あえて北海道の海サクラにも出会いに行きたいと思っている。

あれだけ釣れ盛った三陸ロックフィッシュもそろそろ終盤に差し掛かる低水温期に遡上してくるサクラマス。

さて、今年はどのタイミングで切り替えしようものか……釣り人の悩みはいつものごとく尽きないものである。