ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

北の大地を釣り歩く。(4)

50UPクロソイを万歳持ち。総重量は優に5キロを越えているので、ひたすら重いです…。ご覧の通り、本命・クロソイは50UP(画像左50.5cm、画像右52cm)を2投連続でキャッチし、その2本の重量は優に5キロ超え。

魚を持つ両腕がずっしりと重い。

更にこの後、40~45cm前後も連発。

十分過ぎる釣果を叩き出し、個人的には「もうお腹一杯」の状態に…。

 

 

正直、いくら何でも「今日はさすがにこれでもう終わりだろう…」と私は帰りの身支度を始めたところ、ベイトタックルからスピニングタックル(シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー)のライトテキサスに切り替えていた安瀬君のリールのドラグが突然、高音を立てた。

「ジ~ィ~」とドラグ音が鳴りっぱなし…。ロッドが大きく曲がったままになり一瞬、足元の根に潜られスタックしたが、すぐにラインをフリーにして緩め、タイミングを図ってロッドを立てると少しずつ魚が浮いてきた。このあたりの一連の動作は相当やりなれた感を受けた。しかし、隣で見ていても明らかに魚がデカいことは分かった。「これは結構、いい魚ですね~。」とキャッチしたのはこの日最大となる54cm!!  その重量は優に3キロ後半はある。

最後の最後に釣ったのは…この男。安瀬君の54cm!!

 

 

 

 

 

 

 

 

54cmのクロソイ。その計り知れないド迫力は「見事!」の一言に尽きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく凄い迫力だ……。あまりにも迫力あり過ぎる魚体。

この日はハカリを釣り場に持ち込んでいなかったのが悔やまれるが、もしかすると正確に測定すれば4キロを超えているかもしれない凄まじいド迫力のクロソイだ。東北でも2キロクラスのソイならクロソイにしてもベッコウゾイにしても見慣れてきたサイズではあるが、さすがにこれの倍の重さのソイとなると…まるで次元が違う。

口元のダブルウェーブと比較すれば、この魚のデカさがいかなるものか…分かると思います。

 

 

 

 

 

 

 

それこそ1キロ~2キロのソイなら可愛く感じてしまう。本当に感覚がマヒしてしまった。改めて、この北の大地が日本屈指の「ソイの海」であることを実感した。

 ヒットルアーはやはり、ガルプSWダブルウェーブ3”のホワイトグロー。まさに圧倒的です。                              

 

 

 

 

 

 

この本場の海でもヒットが集中したのはやはり、ホワイトグローカラーのガルプSWダブルウェーブ3”。リグは3/8ozのライトテキサス。

タフコンディション下における、その圧倒的な釣れっぷりは計り知れないものがある。

人気の高い釣り場はそれだけに連日多くのアングラーが集まる今日。まさにハイプレッシャー化が進んだ現代の過酷な釣り場環境ゆえに、ダブルウェーブの存在は必要不可欠。

 このように、釣り場に来てソイを狙うも5時間以上ノーバイトの状態から、魚の居場所と釣り方を見つけ出したことで、沈黙を続けていた釣り場は一気にパラダイスへと変貌を遂げた。こんな時代だからこそ活性の高い魚ばかりを追い求めてのラン&ガンはせずに、粘り強く“釣り方を定めた”ことが功を奏した展開になった。根魚は上物や回遊魚とは異なり、一際大きいビッグフィッシュともなると、こういった釣り方の方が最終的に功を奏すことが多い。プレッシャーの高いメジャーフィールドにいる大物こそ、要は“一瞬だけ口を使う時合”がある、ということだ。その僅かな時合の変化に気付き、的確な釣り方を実行出来るか否かの世界が存在する。                              この腹…ヤバ過ぎです。どれだけ太いのなんのって…。

 

 

 

 

 

 

「アイナメUNDER WATER」の発表以来、ロックフィッシュゲームの世界観が根本的に見直されたように当の本人である自身の釣りも大きく進化した。

それを境に機動力を生かし大海原を広範囲に移動出来るボートからの釣りとはシチュエーションが異なるオカッパリゲームでは、例えすぐには釣れなくても“自分の狙う魚がここにいる”という雰囲気を強く感じた場所では、あらゆる手段を駆使しながら粘り強く攻め続けることにしている。自分の立ち位置を頻繁に変えるのではなく、釣り方や仕掛け(ルアーの形状や色、リグのバリエーション変化)を変えることの方が多くなったのだ。いるけど喰わない、水中ではルアーを追ってるけれどフッキングに至ってしない魚達をどうやってフックアップに導くか。自分が気づかなかったアタリをどうやって、アタリとして認識出来るようにするか、といった問題を解決する方が大事だからだ。

スポーニング時期の根魚は資源保護のため、くれぐれもキープは控えリリースを心がけたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

ラスト1時間の奇跡。40cm~54cmに至るクロソイ(40cm未満はカウントせず)を我々二人で10本以上キャッチ&リリースし、大満足で堤防を後にした今回。

北海道に到着早々、あいにくの雨の中、寒さに耐えながらの釣りとなったが有終の美を飾った爆釣劇は本当に凄まじいものだった。

 

釣り方とタックルの選定で明らかな釣果に差が出た今釣行。ルアーセレクトとカラーセレクトも非常に重要で、それらを魚の定位しているピンスポットにドリフトさせていき(※ルアーを流すコースを外したら釣れない)、“ある一瞬”だけ喰わせの間を取って、目の前に来た時に確実に口を使わせるスキルがなければバイトに導くことも困難を極めた。

 又、近距離で3キロ前後・50UPの巨ゾイ、更には水深に関しても、かなりのシャローとなれば魚は勢いよく根に潜ろうとするから、バットだけ強化されたスピニングロッドでは対打ち出来ない。魚の重量で竿が曲がった状態にあっても、バットまで力の負荷が掛かってしまう前にベリーを支点とした竿全体のパワーがブランクに平均に分散してキレイな弧を描いて曲がってくれるロッドでなくては、このようなビッグフィッシュを自在にコントロールすることは難しい。そうでなければ、せっかく掛けたのはいいものの獲れない魚が出てくる。むしろ、ルアー操作の段階で魚をバイトに導くことはおろか、仮に掛けても根の奥深くに潜られてしまうか、あるいはファイト中のラインブレイクだって否定出来ない。

安瀬君の釣果。画像左:55cm、画像右が50cm。ダルさが出ない範囲でバイトを弾かない“喰わせしろ”を残し、ライトロックで多用する2g~3gのジグヘッドリグも普通に扱うことが出来る繊細さに加え、3キロ、4キロ超の巨大根魚にも決して負けることのない肉厚のブランクパワーを秘める、シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーの本領発揮である。            スピニングリールはドラグ性能の良く、ハイギヤながらも力強い巻き取りが出来る3000番が合う。

 

ラインはPE1号を用いるがスベリの良さと飛距離優先の8本撚りではなく、擦れてから破断に至るまでの時間を稼げる4本撚りの方がこの釣りでは向いている。4本撚りは少しテンションを抜いた時でも8本撚りと違って感度(芯)が残るため、トータル感度を得やすいことにも繋がる。そして先端に40~50cmほどのフロロ20lbリーダーを接続した3/8ozまでのライトテキサスを結ぶ。リグは岩礁カウンターロック3/0にガルプSWダブルウェーブ3”のホワイトグローの組み合わせ。夜釣りにおけるホワイトグローカラーの効果(※グローの面を下側にしてセットするのがオススメ)は本当に実感する。ここに、堤防オカッパリ巨ゾイゲームに挑む完成された一つの形がある。

 アイナメと違って、気まぐれな性質を持つソイ族は限りなく魚の視点から釣り方を合わせていかないと、なかなか思うような釣果は得られない魚種だ。昼間に釣れるムラソイやベッコウゾイとは異なり、夜行性のクロソイはことさらオカッパリゲームでは夜の海がメインステージとなるため、釣っている人間側が、魚よりも一歩先読みした的確な状況判断をしなければならない。

この日、我々が獲った巨ゾイ達が教えてくれたこと。

それらは、全てこの釣果に集約されている。

 

さて―。旅の初日早々、いい釣りが出来たのはいいが…雨に濡れ、吹きつける寒風で身体の芯から冷え切ってしまった。

釣りを終え、温かいラーメンで冷えた身体を温める。この時間がいい。こちら東北でいう4月上旬~中旬の服装で挑みながらも、5月中旬の北海道の夜釣りはそれでも底冷えする。

釣り場を後にすると「晩飯はラーメンで。」と私が口にする前に安瀬君の方から「やっぱり今夜もラーメンですかね(笑)?」と切り出してきたので、その通り、留萌市内のラーメン店散策。

本降りの雨の中、ほどなくして見つけたラーメン屋さんに辿り着き、私は「野菜ラーメン大盛り」を完食。冷え切った身体がようやく温もりを取り戻した。

 

初日早々素晴らしいスタートを切り、のちにこれから本番を控える今旅への想いを募らせた春の北海道釣り旅の一日だった。

 

タックルデータ

■スピニングタックル<ライトテキサス>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ3000HG

●ライン:シーガーテンヤ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー 3/8oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

  

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】

 

~ 素晴らしい釣り場を保つためのお願い~

留萌沖堤は誰もが手軽に訪れることの出来るメジャーポイントゆえ、釣り人のゴミのポイ捨てが後を絶たず、釣り場が年々汚れてきています。

渡船を担当する各船長さん方も注意を促しておりますが、釣り人による堤防上へのゴミ破棄問題に困っていらっしゃいます。

この海は投げ釣り、探り釣り、ウキ釣り、ルアー釣りなど年間を通して、様々なジャンルの釣り人が連日釣りを楽しんでいる場所です。

それだけにゴミは防波堤にポイ捨てせず、最低限自分達で出したゴミはどうかご自身で責任持ってお持ち帰りになり廃棄して下さい。又、釣り針や釣り糸は足に絡んだり、刺さったりして大変危険なためケガ防止の面からも防波堤上に破棄しないようお願い致します。

非常に素晴らしい釣り場です。ゴミのポイ捨て問題で釣り禁止・立ち入り禁止などにならぬよう、私達・釣り愛好家に課せられた最低限のルールを守りながら、末永く釣りを楽しんでいきましょう。

私からも今一度、お願い申し上げます。

北の大地を釣り歩く。(3)

季節柄、当日は対・デカゾイを意識し岩礁カウンターロック3/0にセットしたガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)の3/8ozライトテキサスで手にした50.5cmのビッグワン。

爆釣の扉を切り開いた50.5cmのクロソイ。狙い方を確信した1尾。

 

 

 

 

 

 

 

これが東北の釣り場であれば、「今日はもうこれ以上の魚は出ない。」と気持ちよく早々に帰り支度を始めてしまうだろう。

それに、どう考えても通常であれば打ち止めサイズに値する魚だ。

しかし、北海道に来るとそこから更なる次元が存在する可能性を密かに考えてしまう。事実、釣り人心理として、そう期待してしまう自分がいた。

 この魚を手にしたことで、確信は更なる現実に繋がった。

いったん、魚を傷めないためにも手際よく海中に投下したスカリに入れて蘇生を図る。アイナメにしてもソイにしても抱卵魚ほど、いつも以上に気をつけて丁寧かつ優しく扱いたいものだ。

ソイやメバルは同一スポットやその周辺に高い密度で複数の魚がいることがあるため、釣ったらその場にすぐにリリースすると周りにいる同族の魚も不用意に警戒し、余計なプレッシャーを与えてしまうことも少なくない。そのため、釣った魚はすぐにはリリースせず、一度スカリや新鮮な水で満たしたバッカンなどに入れておいて蘇生を兼ねて、最後にリリースするとか、すぐにリリース場合にも自分の立ち位置から少し離れた場所にリリースすることで、過剰なプレッシャーを避けながら釣果を伸ばすことも出来る。これを怠ると、自分の首を自分で絞めてしまうかのごとく、この後の釣れる確率を低下させるだけでなく、魚を散らしてしまうことで周囲の他のアングラーにも自分の気がつかないところで迷惑を掛けてしまうケースも考えられるためだ。

これ、ちょっとしたコツなんです。釣りスペースの限られているオカッパリ、中でも防波堤の釣りでは特に意識したい事項ですね。

皆さんもオカッパリ釣りでは、ぜひこの点にも注意深く意識して釣りをしてみて下さい。

ルアーにスレていくスピードや一カ所で釣れ続ける時間も多少なりとも長くなれば、釣り人には有利になりますので。

 

さて、興奮収まらぬ気持ちを抑え、次のキャストを再開する。

先程の魚が釣れた時と同じイメージでルアーを潮流に流しながら魚の口元まで運んでいく様子を脳裏に描く。フォールはカーブフォールで滑空させるのではなく、ラインの先に“たわみ”を意図的に作りながら極力、縦方向に真っ直ぐにワームが落ちていくようにフリーフォールを心がける。これはクロダイの落とし込み釣りからヒントを得た「テンション0⇔100釣法」の要素も取り入れた佐藤流ライトリグの操作法の一つ。この辺のラインスラッグ量とスラッグの作り方が非常に大事なのだ。

これが出来るか、出来ないかで釣果は確実に変わってくる。

そして…そのキャスト中にまたまたバイト。

クロソイのバイトはアイナメほど強いものではなく、むしろ大型といえどもアタリは小さめなので慣れないと分かりにくいかもしれない。よって、“アタリを聞く”ことが出来るティップを持つ竿が向いているのは言うまでもない。

幾多ものソイを釣り重ねることで徹底的に仕上げたシューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーが再び気持ち良く曲がり、グングンと海底を這うような重量級ファイトは実にエキサイティング。

キャッチしたのは52cmのクロソイ!!

先程の魚よりも更に重く、3kgくらいありそうだ。

サイズUP大成功。52cm!!

 

 

 

 

 

 

 

またもやサイズアップに成功。

デカいです!重いです!最高です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実に2投連続で50UP(50.5cmと52cm)のソイをキャッチしたことになる。

ヒットルアーは、やはりホワイトグローカラーのダブルウェーブ。圧倒的な威力を発揮しています。

 

 

 

 

 

 

 

この魚体、この目つき。これぞ「ソイ」という見事な魚です。

 

 

 

 

 

 

 

背びれを立てて、アングラーを威嚇。凄まじい迫力。オカッパリでも狙い方次第ではビッグフィッシュの道が開けることを証明した1尾。

 

 

 

 

 

 

 

さすがに笑いが止まりません。

その後、40~45cm前後を立て続けにキャッチ。プリスポーンの個体ゆえ、45cmならその重量は2キロ~2キロ半ぐらいがアベレージウェイトだ。

下の写真の40cm強だと、少し小さく思えた。

40cm強。これらもダブルウェーブで。50UPを見た後の登場なので、このサイズが小さく見えてくるから怖い…。

 

 

 

 

 

 

 

それもそのはず。50UPを2本釣った後、そして安瀬君の50cmを見た後では45cm前後、あるいはそれ以下のサイズを見ると、例えその魚が40cmのクロソイであっても必然的に小さく見えてしまうから何とも言い難い。目の錯覚って実に恐ろしいものだ。

通常、40cmのソイはうれしい大物だが、自分の釣りがピタリとハマったこの時だけは状況が違った。

 次回に続く。

 

タックルデータ

■スピニングタックル<ライトテキサス>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ3000HG

●ライン:シーガーテンヤ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー 3/8oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

  

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】

北の大地を釣り歩く。(2)

さて、エゾメバルをひとしきり釣って満足したところでソイ釣りを再開。

スポーニング期のソイは、大型ほど沖の方から接岸してくるため、一般的には足元よりも沖に向かってキャストし少しでも「水深の深い場所にある地形変化」を探っていった方が、より効率がいい。特にクロソイ、マゾイ、シマゾイの大型はベッコウゾイやムラソイよりも元々好む水深が深いため、その傾向が顕著に出る。

案の定、しばらくしても反応がないため、沖の魚が釣れないのであれば、足元の敷石の隙間に潜んでいる居付きの中小型でもいいから釣っておこうかと、接近戦で足元付近を丁寧に探ったところ、少々スリムな体型ながら40UPのクロソイがヒットした。

ヒットルアーはガルプSWパルスワーム4”のホワイトグローの3/4ozテキサスリグで、ロッドはシューティンウェイSWC-802EXHスキップランを使っているので軽快にブチ抜く。

ちょっとスリムだが、まずは手堅く40UPをキャッチ。

ただし、バイトは非常に小さく弱々しい感じで岩礁カウンターロック3/0の鋭利な針先がショートバイトを逃さず、絡め獲るようにホールドしてくれたおかげでフックアップに至った。

ボトムの根を丹念に探り、ガルプSWパルスワーム4”ホワイトグローのヘビーテキサスでヒットに持ち込んだ。ようやく魚の居場所のヒントを得たものの、その魚達の活性は著しいものではなかった。そこで、視点を変えてみることにした。それまではベイトタックルを使って沖の根まで遠投していたが、より繊細に丁寧に探りたいと思いスピニングタックルにチェンジ。

スイミントレーサー(SWS-702L)の出番だ。ワームは喰い渋り時こそ頼りになるガルプSWダブルウェーブ3”にシフト。ダブルウェーブはタフになればなるほどその威力を発揮するマイクロベイトパターンにも対応する弱波動系ビジブル型ワレカラワーム。パルスワームより繊細かつスローに誘えるため、ここ一番!という時には、ぜひとも投入したい。リグは3/8ozライトテキサスにし、ストロークは長く取りつつもシェイキングを混ぜたリフト&シェイクフォールで攻める。シンカーが軽いこともあり、遠投しても底取りに必要以上に時間がかかってしまうため、足元から10m以内の区間に狙いを絞り、海底のわずかな段差やケーソンの隙間狙いに徹する。と、「コッ」という小さなバイトをしっかりと拾うと、フッキングと同時にロッドが大きく曲がる。更にドラグが「ジィ~~」と鳴り響く。

これはデカい!! 大興奮のやり取りの後に浮上したのは……。

でっぷりと太った50.5cmのクロソイ!!50.5cmのクロソイ。待ってました、ビッグフィッシュ。ガルプSWダブルウェーブ3”強し。 重量も2.5kg強はあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 この魚を待ってたのだ。ようやく報われた瞬間だ。

夜釣りということもあり、ダブルウェーブのカラーはホワイトグローが大当たり。グロー側を下にしてセットするのがコツ。

 

 

 

 

 

 

 

ソイも50cmになると迫力が一段と増します。

 

 

 

 

 

 

 

50UPのソイの引きを楽しめる竿、シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーで難なく制圧。

 

 

 

 

 

 

 

隣で釣りをしていた安瀬君。「あぁ~。パルスからダブルウェーブに変えたんですね。しまった…。ダブルウェーブのホワイトグローは今、切らしてしまっていたんですよね…。すいません、一つもらえませんか?」とのことで1パック渡すと、すぐにリグり直してキャスト。

すると…「来ました~。まぁまぁデカいですよ」との声。ベイトリールを新調したとのことで、まずは1尾ベイトタックルで釣りたいと気合を入れていたが、安瀬君が操るシューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイトがいい具合に曲がっている。

安瀬君が釣った50cmのクロソイ。ガルプSWダブルウェーブ3”のライトテキサスにて。

 

 

 

 

 

 

 

浮上したのは、50cmのクロソイ。こちらもいいサイズだ!

この魚はホワイトグローのダブルウェーブを丸呑みで喰ってきていた。

これで二人とも50cm超えを達成し、十分満足出来る釣果を得た。

 

狙いの位置が正確に分かった。明らかに“釣れる通し方”が存在している。

そして問題なのは、単純に魚のステイジングルートを直撃するのではなく、いかにして「喰わせを誘う通し方」が出来るかどうかだ。

今日の場合は、もう時期、仔魚を放つための場所を探しに来ているクロソイの大型(親魚)は、コンブが揺らめく堤防の足元付近に沿って回遊してきていたのだ。確かに…不用意に沖に浮いてサスペンドしていたら、ソイの親魚自身もトドの餌食になってしまうかもしれないし、遠投すればその先の水深は18mに及ぶ。風も強い当日は過剰に早い潮流を避けつつ、これからの時期、放出していく仔魚を隠す場所(コンブのジャングルの中)を探して回遊して来た状態だったのだ。

又、それまで全く口を使わなかった魚達も周囲が真っ暗になったことで多少なりとも警戒心が緩んだのか、ようやく口を使い出してきた。

釣るなら今がチャンス。むしろ“今”、この時しかない。これが「時合い」というものだ。

タックル、釣り方、誘い方。“今”このタイミングでの釣り方を確信したことで、それからのラスト1時間はもっと凄かった……。

次回に続く。

 

タックルデータ

■ベイトタックル

●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン

●リール:レボエリートIBHS

●ライン:シーガーR18フロロハンター16lb

●シンカー:カルティバ ブラスシンカー3/4oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWパルスワーム4”

 

■スピニングタックル

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ3000HG

●ライン:シーガーテンヤ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー3/8oz

●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック3/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】

北の大地を釣り歩く。(1)

仙台空港を飛び立つと牡鹿半島の田代島・網地島・金華山が一望出来ます。北海道の空の玄関口・新千歳空港。

5月中旬、今回の北海道滞在では新千歳空港到着後、苫小牧市の勇払マリーナを拠点に、ロックフィッシュ、サケ・マス(トキシラズ、サクラマス)、各種カレイ、スルメイカなど狙う、今や道央圏において人気急上昇中の遊漁船、琉駕(読み=リュウガ。旧船名:ボイジャー)船長の安瀬君と合流し、留萌市にオカッパリでクロソイを狙いに行ったことから旅が始まった。

 

今回の旅ではロケの前後に、多少なりとも取材とは関係なしに純粋に釣りに向き合う時間も確保した(けっこう無理しましたが)。こういった釣行の積み重ねが商品開発のキッカケとなり、そして新しいテクニックの開発に繋がるので、場合によっては取材よりも得られることが大きい貴重な時間でもある。これまで私が手掛けた商品もこういった釣行の多くから発想が生まれており、プライベート釣行は年々減る一方ではあるものの、“初心忘れるべからず”の精神は今も大切にしている。

 

新千歳空港から留萌市に向けて車を走らせます。5月中旬でも道路脇にはまだ残雪が。今日は新千歳空港より北に位置する日本海側の留萌市に走る。

途中で通った石狩川は雪代の影響でかなりの泥濁りになっていた。

北海道は雪の量が本州とは比べものにならないし、季節の進行が本州よりも遅いため雪代の影響は東北以上に気をつけておかないと、ドチャ濁りで川も海も釣りにならない時がある。このようなタイミングでは少しでも雪代の影響が少ない場所を絞り込んで行くのが得策である。

道中、高速道路脇にも残雪が残り、視界に入る山々にもまだ雪が見える。木々を見れば、まだ桜も咲いている。そう、季節はまだ春の始まりなのだ。

昼を回る頃からポツポツと雨が降ってきて、気温もいちだんと低くなった。今日はこれから風も強まり雨は本降りになる予報に、ちょっとガッカリしたが、予め決められた日程で動いているため、釣りそのものを中止しなければならない危険な荒天時以外は、最初から与えられた状況で割り切って釣りをすることにしている。天気の良い日だけを選んで釣りをしている時間は残念ながら取れない。

それに我々人間側の都合に、いちいち天気も魚も合わせてはくれない。釣れるか、釣れないかは釣り場に行って初めて分かるもの。要はモチベーションの持ち方次第。

現地に到着早々、上はヒートテック2枚重ねにその上にフリースを1枚、更にその上にレインスーツを羽織る。

下は雨に濡れてもいいように、更には防寒対策の意味も兼ねてウェーダーを着用する。

 留萌港から沖堤に渡してくれる齊藤船長の正宝丸。15時。今ではすっかりメジャーになった留萌沖堤に正宝丸の齊藤船長に渡していただく。開口一番「やぁ佐藤さん、久しぶりだね~。待ってたよ。去年は…大変だったね。」と温かいお言葉を拝受した。

 

ありがとうございます。ちなみに斉藤船長は元は静岡県の方。若い頃、勤め先の長期の出向仕事でこの留萌に来た時に、この海の豊かさに魅了され静岡県に戻らず、この地で渡船業・遊漁船業を開業したお方だ。

ここが留萌沖堤。この堤防で釣りをします。北海道では主要な港町各地に沖堤があり、中でも函館、室蘭、石狩、留萌の沖防波堤に渡っての堤防オカッパリ釣りはロックフィッシュアングラーの定番になっている。堤防は磯とは違い、足場がいいので安全かつ快適に釣りが楽しめるところもうれしい。  さて―。自身2年ぶりに訪れた留萌沖堤。私達より先に6名の熱心なルアーアングラーが渡っていたが、釣況を訪ねるとバイトはまるでなく苦戦している、とのことだった。

というのも、周囲にはトドが接岸してきており、上物~底物に至るまで魚達は「トドを警戒して喰いが非常に悪い状況だよ。トドがいなくなるまでは、かなり難しいと思うよ。」と正宝丸の齊藤船長が言っていた。

本州ご在住の方にはなかなか実感が湧かないかもしれないが、北海道ではトドやアザラシ、シャチ、イルカといった海の大型哺乳類が岸近くまで接岸することがある。こういった海獣が岸近くまで寄ってきてしまうと、彼らのエサとなってしまう可能性のある魚達(つまり私達が釣っているような魚達)にとっては脅威にさらされている中、釣り人が投じたルアーやエサ釣り仕掛けなどには容易には口を使わなくなる。外敵から身を守るため、物陰にじっと隠れて警戒してしまうのだろう。こういう事例は本州ではあまりないため今一つ実感が湧かない方もいるかもしれないが、北海道の海ではこれまでオーシャントラウト~ロックフィッシュゲームに至るまで私はつくづく“この状態”を経験してきた。

 留萌の海。近くに留萌川が流れるため雪代の影響で海は少し白濁気味でした。堤防に渡り、15時30分過ぎから釣りをスタートしたものの、ソイのバイトは20時までは一度もない厳しい状態が続き、誰もが皆、ボウズを覚悟していた。

船長の言う通り、状況はかなり厳しいようだ。

 

唯一の釣果はアイナメ1尾だけ。ヒットルアーはガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ナチュラル)の3/4ozテキサスリグ。

ダブルウェーブ(ナチュラル)にヒットしたアイナメ。留萌はアイナメの数が少ないので貴重です!!私などは何を釣っても楽しい性分ゆえ、ソイが釣れないならエゾメバル(ガヤ)狙いに徹し、一人でエゾメバル釣りを楽しんでいた。幸いにもエゾメバルだけは防波堤の際沿いのコンブジャングルの中に隠れているため、トドのプレッシャーも少ないのか、夕方になると同時に釣り人を楽しませてくれた。

夕方、エゾメバルを狙うとご覧の通り。この魚、私は大好きです。本州のメバルより断然引きます。宮城県以南在住の方だとエゾメバルを見たことない方もいると思うが、この魚は本州でお馴染みのメバルの仲間。冷水性のメバルということになる。アイナメよりも冷たい海を好むウサギアイナメがいるように、メバルよりも冷たい海を好むのがこのエゾメバルだ。道内では正式名称であるエゾメバルと表現する方は少なく、一般的には「ガヤ」の愛称で広く知られている。

クロスヘッド2g+ガルプSWベビーサーディン2”のジグヘッドリグで連発。エゾメバルは青森や岩手でも時々釣れることもあるが、完全なる寒流域に生息するメバルなため、黒潮の勢力が残る宮城県沿岸までのエリアではこの魚にお目にかかることはない。ちなみに釣魚としては通常のメバルよりも皮が厚く筋肉質なため、エゾメバルの方が引きも強い。なので、あまりにもベナンベナンなULロッドなどではそれ相応のサイズを掛けるとすぐにコンブの中に潜られてしまい、獲り損ねる場合もあるから注意が必要だ。そして気性もメバルより荒く、アグレッシブな性質を持っているためルアーへの反応は抜群にいい。

道内ではエゾメバルよりも大きな根魚が沢山いるためか、メバリングは正直なところ人気がない。

暗くなるにつれ、どんどんサイズが上がっていきます。しかし、小物とは言えこれだけルアーに反応良い魚を、みすみす釣らないのも勿体ないので、ぜひ本腰を入れて狙ってみてほしいと思う。本州のメバル釣りが人気の高まりとともに「数釣り」と「型狙い」の両方向に分かれていったように、エゾメバルも二通りの楽しみ方が可能な魚だ。

現に石川県の能登島水族館の水槽ではかつて40cm強のエゾメバルが堂々と水槽の中で泳いでいるのを見て、「やっぱりエゾメバルも最大は40cmになるのだな~」と深々と悟ったことがある。又、茨城県に住む学生時代の友人の話では、同県の大洗水族館の水槽にも「40cmほどのエゾメバルが泳いでいたよ」と聞いた。ということは40cmが存在する以上、エゾメバルの“尺”(30cm)は現実的なサイズであり、狙って獲れるゲームフィッシングとして間違いなく確立出来る釣りである。

肝心なのは、やり方次第だと思う。

あれは2005年8月のことだったが、当時の私は釧路~知床半島までを雑誌の取材で釣り歩いた時、知床半島の漁港の夜釣りでコンブ際から30cmの尺ガヤを釣った時は凄くうれしかった思い出がある。それを見たカメラマンも我慢の限界に達したようで自分の車から申し訳なさそうにタックルをちょいと出してきて31cmの尺ガヤを釣って仕事そっちのけで喜んでいた(笑)。それ以来、私はこの魚の魅力に完璧にハマってしまったわけだ。30UP=尺オーバーのエゾメバルだけを専門的に狙う釣りを道内でやっている人は現時点、それほど多くはないはずなので人よりも先に“尺ガヤ”を獲るための釣り場と釣り方を見いだせれば、きっと面白い釣りが出来るはずである。

 それでいて、やはりメバル族であるがゆえにルアーには著しくスレてくるから、同じ場所で同じ釣りばかりやっていると次第に見切られて釣れなくなってくる。それは同時に高いゲーム性をも意味し、このテクニカルさが釣りとしての深みを醸し出してくれるので、私は道内の夜釣りに行く際は必ずライトロックタックルを1本用意している。

当日のエゾメバルの釣果はご覧の通り。コンディションも抜群。

シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサーはラインポンドを落とせば、実はメバル用2g~3gジグヘッドをも普通に飛ばせるライトアクションロッド。フロロのみならずPEラインにも対応するKガイド仕様なので、良型のメバルやエゾメバル(ガヤ)、ソイなどを釣っていてスルメイカ(マイカ)やヤリイカが回遊してきたときにはワームから小型のエギに結び変えてそのままエギング出来るブランクのシャープさと力強さも持ち合わせているため年間を通して出番は多い。

元々、大型根魚狙いでのフィネスアプローチ用として開発した細見軽量でありながら、平均にして50cm/2kgの大型根魚が掛かった時に最大限に楽しめる作りに設定している肉厚ブランクのトルクは3キロオーバー、4キロオーバーの巨大根魚が掛かっても真向から勝負出来る点も見逃せない。手のひらサイズのライトロック~4キロ級のヘビーロックまで使える、1本あるととても便利なスピニングロッドだ。

この時期はエゾメバルもプリスポーン。こうなると、もはやメバルとは思えない体型です。釣れたら優しくリリースしてあげて下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

これだけ釣れると本当に楽しい。

それでも安瀬君や周囲のルアーアングラーは終始、ソイ狙いに徹していたが、私は一人たんたんと久々のエゾメバルゲームを十分に満喫していた。

しかし、その時点ではこの後にとんでもない事が起きるとはまだ知らずに……。

次回に続く。

 

タックルデータ

■スピニングタックル<エゾメバル用ライトロックタックル>

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラ2000

●ライン:シーガーR18ライトPE0.4号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス5lb

●ジグヘッド:クロスヘッド2g~3g

●ルアー:ガルプSWベビーサーディン2”、ガルプSWサンドワーム2”

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq、アルマジロ13

●偏光レンズ:TALEXイーズグリーン

       TALEXモアイブラウン(夜釣り用)

原則としてサングラス及び偏光グラスの夜間着用は視野が暗くなるため視界確保が難しく危険防止の観点から好ましくありませんが(事実、夜間運転時のサングラス着用は厳禁です)、夜間でもわずらわしい光を安全にシャットアウト出来、夜間でも着用できる偏光グラスとしてTALEX初のJIS規格を得ているのがモアイレンズ(モアイブラウン及びモアイグレー)です。私は夜釣りの際は、モアイブラウン着用しています。このレンズを着用することで夜においても安全に必要な明るさを確保しながら浅瀬の根やウィード、潮目が浮き上がって見えるコントラスト性能を発揮してくれるのでメバルやエゾメバル、クロソイ、アジ、シーバス、ナマズなどのナイトゲームもされる釣り人の皆さんにはオススメの偏光レンズです。

詳しくは下記(↓)TALEX光学工業のウェブサイトにてご確認下さい。

http://www.talex.co.jp/product/lenscolor.html

 

★北海道留萌沖堤 渡船<留萌港>

■正宝丸 (斉藤船長 )【受付番号090-8633-8910】

Honda釣り倶楽部

★プロズワンからのお知らせ★

大手自動車メーカー・本田技研工業株式会社(ホンダ)の「Honda釣り倶楽部」ウェブサイトに、佐藤文紀が実釣をおこなった北海道積丹半島アイナメ記事が掲載されました。

 

■北海道/積丹半島のアイナメ

 積丹ブルーに輝くロックフィッシュ天国

http://www.honda.co.jp/fishing/column/column-20120620/index.html

 ぜひ、ご一読下さいませ。