ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

東北ロック、好調なり。

街のイチョウの葉は鮮やかな黄色に変わりました。間もなく冬、本番の季節ですね。

 

 

 

 

 

街のイチョウの木々も鮮やかな黄色に染まりました。

間もなく東北も冬、本番を迎えますね。

 

さて―。この11月は例年稀に見る悪天候続きで、ベタ凪になった日のその前後には決まってメガトン級の悪天候の日が来るサイクルになっている。アイナメにしてもベッコウゾイにしても今の時期は魚の視線がシャローにあるため釣りやすく、誰もが一年で一番、大型の数釣りを満喫出来るシーズンであるが、これほど天候に左右されてしまうとスケジュール調整が非常に難しく身体がついていくのも…ちょっとしんどい感じです。

自分ひとりであれば、自分の都合と天気の良い日にふらっ~と釣りに行けばいいだけの話だが、取材の場ではカメラマンや記者をはじめ複数で一緒に動くため、それぞれ皆のスケジュールを合わせて予定を立てるものだから、それが必ずしも天気の良い日に当たるとは限らない。

悪天候に翻弄されるカメラマンさんや記者さんも大忙しのご様子で…ご苦労さまです。

カメラマンさんも大忙しです!!

 

 

 

 

 

 

 

あらかじめ予定を立てていた日程が悪天で次々に中止・延期になっていくと、掲載日までの誌面に対して記事制作の締切が間に合わず、その企画自体を見送る場合もある。これが雑誌社にとっては、泣きのお蔵入りページ、つまり「幻の企画」となるわけだ。いずれにしてもこのような事例はこの時期は余計につきものなので私自身は全く気になりませんが(笑)。

何はともあれ季節が季節だけに冬場の釣りは非常にやっかいなのです。

そんな悪天候の狭間ながらも取材をこなしている最中の現在。

雑誌の世界には毎年恐怖の年末進行というものがあり、12月発売の誌面であれば基本的には11月中に取材を終わらせていなければタイムアウトになる。

写真は先日、宮城県内で行ったオカッパリロックフィッシュ取材の様子。

スキップラン(SWC-802EXH)でバチコーン!と鬼アワセし「ズシン!!」と重さが乗る快感がたまりません。

爆裂フッキング=鬼アワセは私の必殺技の一つ。岩礁カウンターロック3/0が瞬時に分厚い唇を貫通させます!

 ベッコウゾイも必殺“鬼アワセ”で一撃です。                              

 

 

 

 

 

 

昨年からずっと思っていることだが、牡鹿半島周辺では震災後はベッコウゾイの釣れる比率がずいぶん増したと思う。おそらく地盤沈下で岸際から水深が一段と深くなった分、ソイが岸寄り出来るスポットが増えているのも確かなのだろう。そして私たちの見えない範囲、つまり海底ではあの日を境にとてつもない大きな変化が起こった影響はいまだに大きい。

最近の牡鹿半島界隈のヒットルアーは圧倒的にパワーベイト/パワーホッグ4インチ。磯でもボートでも同じことですが「大場所」系でやる場合にはコレです。近年ではホッグ系人気がやや低迷している感じもあるが、今時期の型モノはホッグの方が狙って獲りやすい。尚、小物は無視して最初からアワセないようにすると更に手返しが良くなる。そして、その後のフォローはガルプSWダブルウェーブ3インチで獲りこぼしを拾ってバックアップを図る(魚のいる場所へピンで撃ち込むのがポイント)。この週末にでも牡鹿半島に釣りに行かれる方はぜひその点をも意識してみて下さい。

現在、牡鹿半島ではパワーホッグ4インチをメインに使いつつも、「若干“横の動き‘を入れたフォール中」にバイトが集中するから、意図的にそういったタイミングを作って喰わせの間合いをとってやるのがコツ。アイナメのみならずベッコウゾイも視野に入れた場合にはこの釣り方はテキメンの効果を発揮している。横の動きだからと言っても、あくまでもスイミングはさせず、ボトムで着底したホッグをボワンをリフトアップで浮き上がらせた後の緩やかな曲線を描くフォール(この時のラインテンションはやや緩め気味)を意識するとバフッ!とベッコウゾイが吸い込んでくる。

シューティンウェイ・スキップランの前にはこのサイズのベッコウゾイもアッという間に御用。

 

 

 

 

 

 

 

同じワームを用いても使い方ひとつで釣果差が顕著なロックフィッシュゲーム。特に水温の低い時期、「晩春~初夏」と「晩秋~初冬~厳寒期」はその傾向が強い。近況としては例年に比べまだ水温が高いので最初からガルプ素材のワームを多投すると、周辺にうろつくフグを強烈に集魚してしまい釣りのリズムが崩れるので、現時点ではあくまでもひと通り撃った後のフォローベイトとしてのみ投入している。

まだまだ続く、晩秋~初冬の東北・根魚ロード。

そのカギを握るのは天候次第といったところでしょうが、いずれにしても東北ロックは好調です。

釣れてますよ、ザ・Rock Fish!!

ぜひお出かけ下さい。

現在も続く北海道の停電(応援メッセージ)

昨日の暴風、皆さんのところは大丈夫でしたか?

乗り降りの度に車のドアがそのまま風に持っていかれてしまうのでは…と思うほどの爆風でした。

特に北海道では暴風雪の影響で停電になるという大変深刻な事態になっており、非常に心配です。

室蘭や登別は現在もまだ復旧されていないとのことですから、冬の北海道で暖を取れないことがどれほど大変な事態かと思うと心中お察しします。

仮復旧までにも3日かかるとの報道もされておりますが、一刻も早い復旧を祈るばかりです。

本当に大変なことだと思います。

該当地区にお住まいの皆さん、どうかこの局面を乗り切って下さい。

更新情報

★プロズワンからのお知らせ★

PUBLISHINGページ【最新情報】・【雑誌・本】に「Lure magazine Salt 2013年1月号」を追加致しました。

ルアーマガジンソルト2013年1月号発売

★プロズワンからのお知らせ★

「ルアーマガジンソルト2013年1月号」(内外出版社)が11月21日(水)に発売されました。

■マグナム級!東北ロック!

「入門編」「アイナメ編」講師:佐藤文紀

 

 ぜひ、ご一読下さいませ。

紅葉彩る、晩秋の牡鹿半島を巡る。

先日、悪天候と悪天候の狭間を縫って牡鹿半島の釣況を探ってきた。

東日本大震災以降、被災地での海の岸釣りについては足場の問題や人的被害の大きさという心情的な面からも状況が状況だけに非常に気が重く、ボートフィッシング並びに河川内での釣り以外は控えていたが、この秋から徐々に再び新たな一歩を踏み出してみた。

ご周知の通り、宮城県内でも堤防は壊れている箇所がほとんどで、防波堤がまるごと全流失した漁港も多い。

磯場も斜面が崩れていたりして、更には地盤が緩くなっている箇所も多いので足場の安全には最大限の配慮が必要である。

そういうこともあり現在、差し支えなく釣りを楽しめる堤防や磯はおのずと限定されているため、私自身も震災前に比べれば1/3にも満たない釣行頻度になってしまったが、来年3月で震災発生から2年という月日を迎えるタイミングにつき「震災後の現実」を自分なりにすべて受け入れることでようやくその心の整理をつけていこうと決め、最近から海の岸釣りも再開する決心がついた―。

 

当日は案の定、連日のシケ続きのため外洋側はまるで釣りにならず。最初から内湾の少しでも海が穏やかな場所に目星をつける。

当然、こういった場所には当地ではまだ乗っ込みに絡む魚が入りきっていないことが予想されるので、その場に存在する魚を確実に1尾ずつ確実に喰わせていく釣りをしていかなくてはならない。ラン&ガンはせずに一か所で粘る釣りだ。

しばらくはフグの猛攻に悩まされるが、黙々と釣りを続けていればいずれ本命にたどり着くから、この場合はあせらず丹念に探る。

少しずつ場所を変えながらじっくり時間をかけて攻めていくと30cm級のアイナメが釣れる。ヒットルアーはガルプSWダブルウェーブ3“で7/16oz(12.3g)の軽めのテキサスを沖のシモリ根に遠投するヘビーライト釣法でバイトを得た。カラーはセレクトに困った時の「ナチュラル」で決まり。

強すぎず、弱すぎずの中間具合が実に万能的に使えるカラーだから普段から重宝している。それに東北地方の場合はパワフルなベイトタックルを使いながらも出来るだけ軽めのリグを遠投できると喰わせられる魚が増えるから、結果的に獲れる魚のバリエーションの拡大にも貢献する。

 

その後、竹谷君が35cmのベッコウゾイ(↓)をキャッチ。

竹谷君ベッコウゾイ

 

 

 

 

 

 

 

有り余るほどのブランクパワーを秘めるシューティンウェイSWC-802EXHスキップランで豪快にブチ抜いていました。

と、その直後……大粒の雨が降ってきたので急いで磯場を後にする。

地盤が緩くなっている可能性がある磯場では雨に濡れると一層と地面が滑って危なくなるので潔く撤収。

県外から訪れる釣り人もいらっしゃることと思うが、被災地ゆえに震災前と震災後ではオカッパリ事情は大きく異なっているのでその点にはくれぐれもご配慮の上、釣りを楽しんで下さいね。

その後、結構な雨に見舞われ1時間半ほど待機しながら雨が止んだところで次の場所に移る。

地面が濡れてしまっているため安全第一ということで今日の釣りでは磯場を諦め、安全な堤防を選びます。

スポーン初期は魚のステイジングルートが完全にシャローに移り変わるまでは、奥まった内湾にある堤防ではことさら少しでも水深のある場所を選ぶのがコツ。特に水の循環が良い場所や船道などが隣接しているような場所は尚のこと良い。

ここでは結果が出るのが早かった。

飽きない程度に25cm弱~42.5cmまでのアイナメのヒットが続く。

竹谷君アイナメ竹谷君クロソイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑)竹谷君アイナメとクロソイ。ガルプSWダブルウェーブ3“(モエビ)での釣果。

大澤君アイナメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑)大澤君アイナメ。PEライン+スピニングロッドで沖に向かって遠投しての釣果。

佐藤君アイナメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑)佐藤君アイナメ。ガルプSWダブルウェーブ3“(CGBFO)での釣果。

伊藤君アイナメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑)伊藤君アイナメ。パワーベイト・パルスワーム4“(赤金)での釣果。

勝又君アイナメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑)勝又君アイナメ。ガルプSWダブルウェーブ3“(ホワイトグロー)を使い、シューティンウェイSWC-802EXHスキップランで遠投し広範囲を探ってキャッチ。

震災後の牡鹿半島の堤防周りでこれだけ魚が釣れれば、これはこれで面白い。

長いこと釣りをしていると、どうしても一発大物狙いの釣りに傾斜してしまう時もあるが、こういった港で手軽に楽しめるライトゲームの魅力もまた堪らない。

それに元はと言えば、根魚釣りの基本は堤防ですしね。

ここ近年は原点である「堤防釣り」をもう一度しっかり見据えて取り組んでいる。その度に「防波堤の釣りは本当に奥が深いなぁ」と改めて魅力を感じるようになった。ボートや磯で魚がまとまっている場所をここか!?あそこか!?と探し回るのもワクワクするが、限られた水域に“存在する魚”を確実に喰わせて掛ける釣りは最もテクニカルな技術が要求される。

紅葉がピークに達した晩秋の宮城県牡鹿半島。

震災の深い爪痕が残るこの海において、安全上無理のない範囲で、そして復旧作業の迷惑にならない範囲で再び「釣りのひととき」を楽しめたら最高ですよね。

私にとっても長年、馴染み深い半島だけに今の変わり果てた姿は何度見ても心底辛いものがあるが、それでもまたこの海で竿を振れた喜びは何事にも代えがたい時間であった。

 

さて、私も明日から来月中旬まで続く取材ロードを再開予定(天候次第なのでどうなることやら…)。結構、タイトですが体力が持つ限り、おもいっきり楽しみながら晩秋~初冬の海を駆け巡りたいと思います。

更に今週末にはバークレイ・ロックフィッシュオープン田代島大会も開催される。

牡鹿半島の釣りがまた面白くなってきましたね。

 

タックルデータ

■ベイトタックル

●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン

●リール:レボエリートIBHS

●ライン:シーガーR18フロロハンター16lb

●シンカー:タングステンバレットシンカー3/8oz~5/8oz

      カルティバ ブラスシンカー1/2oz

      プロトシンカー3/8oz~5/8oz

●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号

●フック:岩礁カウンターロック1/0、2/0

     岩礁メガトンロック♯1、1/0

                カルティバ ストレートワーム(B-31)1/0、2/0

●ルアー:パワーベイト・パワーホッグ3”

     パワーベイト・ダブルホッグ3”

     ガルプSWダブルウェーブ3”、ガルプSWフラッツワーム4”

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXイーズグリーン