早いもので2012年も残すところ僅かとなりました。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか―。
最近、特にそう思うのですが、1年1年、月日の流れが早いなぁ…ということ。
それは単に私自身も年齢を重ねていることにも起因しているとは思います。
それだけに毎日のライフサイクルが決まっている、一定の時間割に沿って生きているからこそ、だとは思うのですが、子供の頃は毎日の日々がとても新鮮で逆に一日の流れが凄く長く感じていたことを、ふと最近思い出しました。
手前味噌で恐縮ではございますが、自身まだまだ若いつもりでやっておりますが、それでも今年の7月で三十路に突入しました。「30代」という言葉の響きは想像通りというか、自分にとっては意外と“重いもの”として圧し掛かった感じもしています。
人間、歳を取ることは誰しもが避けられませんが、いざ本格的な30代のスタートラインに立ちまして、来年以降の過ごす日々はもう少しメリハリというか、強弱をつけて生きていきたいな、と思っています。精神的にももう少し余裕があったらいいのになって、考えることも多いです。
頑張るのはいいことだけど、頑張り過ぎても体力的にも精神的にも行き詰まってしまう。
最近、このことが少しずつ分かってきた気がしてなりません。
何かと忙しく、せわしない現代社会。
バリバリ働く方は、それだけに体力的負担のみならず、精神的負担も大きくなるわけですが、身のこなしがスマートな方はストレスの捌け口をお持ちというか、自分を休める方法もよく知っているのだと考えます。
「仕事」と「遊ぶ」ことは一見、相反するものだと思われがちですが、裏を返せば実は紙一重のものだともつくづく思うのです。
遊ぶために全力で働く。働いたから精一杯、遊ぶ。世の中を上手に生きている人達は本当に凄いなぁと思う次第です。
喜ばしいことや楽しいこともある反面、昨年の3.11東日本大震災以降の日本は色々な意味で世界観や価値観が変わったような気がしてなりません。岩手、宮城、そして福島―。特に東北地方の太平洋側はそうです。想像を絶した震度7の激震。一瞬にして全てを呑み込んだ黒い大津波。制御不能に陥った原発と放射性物質の拡散。とてつもない多くの被害と犠牲者を出したこの未曾有の災いは、それだけ歴史的な「大事変」だと私は認識しております。
この10年間、私は辺りに目もくれず独走し続けてきましたが、別にその人生に後悔することもありませんが、やり残してきたことはあったと自覚しています。思えば、それは若さからくる余裕のなさ故、仕方なかったのかもしれません。
それでもこの世界に身を投じ、気がつけば早いものでとうに10年以上が過ぎています。
必死でした。がむしゃらになって歩んで来た成人後のこの10年間でした。
人とは違う特殊な生き方を選んでしまったが故に心の奥底のどこかに感じる境界線におびえ、孤独に対する恐怖心も感じてきました。それでも激しく、エキサイティングな青春時代を含む歩みでした。
メーカー運営責任者としては勿論ですが、プロロックフィッシャーとして、著者として、今年も活動の多くを皆様に助けられ、一つずつこなしていくことが出来ました。
いつも多大なるご支援・ご声援、誠にありがとうございます。
来年3月11日でこの度の大震災から2年という月日を迎えます。震災で家族や身内を失った親族にとっては三回忌という大切な節目です。
今もこうして心に残った影の部分、もっと言ってしまうと闇の部分をあえて隠さずに書き綴っているのは、今後もしもまたこういった大災害が起きてしまった際、意識的な面で、心の面で、なんらかの一助になれればという想いに尽きます。
今も尚、被災地で苦しい生活をよぎなくされている多くの皆様へは、重ねて深くお見舞いを申し上げると共に、被災地外の皆様へはこれからも長い目で当地にあたたかなお心添えを頂戴出来れば幸いに存じます。
そして、来年は少しでも被災地に希望の灯が燈りますよう、切に願います。
Over the Rainbow。
ご存じ、名作映画「オズの魔法使い」の中で、主人公の女の子・ドロシーが口ずさむ一曲です。
この曲はBS日テレの釣り番組「夢釣行~一魚一会の旅~」のエンディングにも使われている曲で、先日は「クリスマスの約束」(小田和正さんが2001年度から毎年おこなっているライブをクリスマスの夜に放送する特別歌謡番組)で歌っていたのが、すごくステキで新鮮に感じました。
牡鹿半島の海に架かる虹。
これが私のOver the Rainbowです。
そして、この無限の可能性を秘める「海」にあるのが己の信念・Dream&Passion!!(夢と情熱の精神)です。
そう、ここは宮城県石巻市―。
多くの人があの日、あの瞬間に死んでいきました。
今でも心の整理がつかないままの自分がいることは事実です。
この目で多くの亡骸を見てきました。地獄絵図そのものでした。頭の中が真っ白になってしまって、強靭で図太いはずの神経も崩れかけ、自分を見失いそうになりました。
そんな悲しみの地において、それでもまたこの街は、この海は、もう一度……必死に立ち上がろうとしていることを私は、誇りに思います。
辛いけど、ここに生きるみんながまた訪れる明日を夢見て、一生懸命に生き抜いていこうとしているのです。
2012年も皆様、本当におつかれさまでした。
辺り一面、雪に見舞われている地域もあると思います。真冬の冷たい雨が降っている地域もあると思います。寒さ厳しき折り、お風邪など召されませんようお身体にはくれぐれもご自愛の上、どうか良いお年をお迎え下さい。
いつもつたない駄文で恐縮な限りではございますが最後の最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
感謝―。
来る2013年が、どうか穏やかで、平和な一年でありますように。
2012年、年末のご挨拶に代えまして。
佐藤文紀
2012年12月30日 |
カテゴリー:その他
時は2012年8月―。
発売を翌月に控えた「ロックフィッシュのABC+DVD」は私の力不足もあり、作業進行がだいぶ遅れてしまっていました。
今年の5月~7月は本当に多忙極まりなく、なかなか家にさえ帰れない出張続きの日々、溜りに溜まった業務をひとしきりこなすためには必然的に睡眠時間を削らざるを得ない日々が続いていました。この表現は好きではありませんが、まさに疲労困憊の状態でした。仕事ゆえに仕方のないことではありますが、本来なら7月末までには作品の半分が出来上がっていることが望ましい制作進行スケジュールだったものの、「本」の制作はDVD以上に大幅に遅延しており、実際は1/3も出来ていなかったと思います。
いつも寛大な対応をして下さる「つり人社」さんからでさえ、さすがにそろそろ規定のページまで原稿を仕上げていただかないと発売予定日をずらさなくてはなりませんよ、と催促(失礼!)してくる始末。編集長はもとより、デザイナーさんやイラストレーターさんなど制作スタッフの皆にも多大な迷惑をかけてしまいます。
ちょっと抱え込むことが多過ぎて、一時ほんとに頭の中がパンクしそうな状態だったのです。
その証拠に今年8月のブログをご覧ください。
更新はわずか1つ。ブログに手をつける時間さえ余裕がなかったその実態がそのまま残っています。
9月。下旬の26日にリリース日が迫り、制作の現場は多忙のピークを迎えていました。
昨年に出版させていただきました「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」は全144ページから成りますが、それに対し今回の「ロックフィッシュのABC+DVD」の本はわずか50ページ。ページ数だけで言えば、かなり少ないボリュームです。それだけに最初は「今回は楽かも!」という気持ちでご依頼をお受けしたのですが、いざ執筆に取り掛かると…これが大変。
前者はあくまでヒント集(つまり参考書)であり、作風はある程度、自分の“自由”が利きました。しかし今回のABCの方は初心者向けのテキスト(教科書)ということもあり、これからロックフィッシュの釣りを始めたい入門者の方、ロックフィッシュの釣りの初心者の方にとってなによりの活きた教材となるべき本ということで、こちらの方が執筆に際し、多くの労力を伴いました。使う写真(カット)、キャプション(CAP)、ラフ(イラスト)もどれを使おうかと素材厳選を重ねていきました。
釣りは専門的要素が多いので、初心者はいつか必ずその壁にブチ当たります。世の中、まだ経験の浅い人に物事をレクチャーすることほど難しいことはないのです。
読者層と自分との間に存在する双方のギャップをいかにして埋めるか―。いかに相手の立場になって親切に親身になって解説・説明出来るかが真の意味で問われるからです。
発売予定日が迫る中、思い通りに制作が進まない苦悩の日々に、誤解を恐れずに正直に申し上げるならば内心、過度のイライラやストレスも募り、相当に焦っていた自分がいました。
そんな時、友人から一通のメールが届きました。
内容には「夜、月の周りを見てみるように。虹色の“輪っか”が出来ている。」ということが書いてありました。
最初は意味の真意がよく分かりませんでしたが、その時はあいにくの曇り空で何も見えません。真っ暗なわけです。
その数日後、文章の表現に活き詰まり、ベランダに出て、少し“ボ~”としながら空を眺めたんです。
そしたら、ほらっ! 月に虹色の“輪っか”が架かっているじゃありませんか!!
童心に戻ったかのようにとても感動しました。もしかしたら、この“虹色の輪っか”はいつも、ずっと光っていたのかもしれない。けれど、私はそこまで月に目がいっていなかった。いや、月を見ることもしていなかったと思います。
月の周りが虹色に光って見えることを、私に言いたかったのだ、とその時に真意を理解しました。
つまりは、「当たり前のことだけど、当たり前のことだからこそ物事を良く見ることの大切さ」を忙しさのあまり焦って空回りしている私にきっと伝えてくれたのだろうと思います。
北海道に住んでいる友人ですので、“海”の向こうからその月を眺めている。
私は宮城県から月を眺めている。
一見、周りにある景色は違っても、「肝心の“焦点”」はまったく同じものを見ていたわけなんですね。
これはその時に撮った写真です。
なにぶん遠いのでこの写真では分かりづらいかもしれませんが(ごめんなさいね)、確かに月の周りに虹色の“輪っか”が光輝いていました。
要領を得た私はそれから最後の最後まで尽力しました。作業の手が進みました。
発売日ギリギリまでかかりましたが、おかげさまで完成した作品がこれなのです。
「佐藤文紀 ロックフィッシュのABC+DVD」(つり人社) 今現在・私の考えうる根魚釣りのハウツー要素が凝縮されている一冊です。そして同封されているDVDも奇遇にも5月の北海道でロケをおこなったものでした。
釣りをしない友人ですが、いざ製本されてきた第一号(見本本といいます)は私の手元に置くのではなく、「月を見ろ」と言ってきた良きアドバイザーに敬意を込めて差し上げました。釣りをするわけではないので内容を見ても難しいと思うし、特に得るものもないと思います(笑)。でも、誠心誠意、真心を込めた1冊の感謝の証は私から直接、送ることにしました。
北海道には幸いにもたくさんの友人や仲間がいます。いつも思うのですが、道産子たちのバイタリティーには凄いものがある。いつも感心させられます。
かつて、色々な時代背景はあったにせよ、自分たちの世界を自分たちの力で開拓していった人間達の末裔に今も引き継がれているスピリット。
そんな粋な心や純粋さにはいつも深い感銘を受けています。
年末に際し、今年を振り返る中でこの作品はとても大きなものとなりました。大切な作品です。
撮影にご協力頂きました全ての皆様、そしてこの本を手にとって下さった全ての皆様、そしてこのような機会を頂戴致しました出版社様に今一度、深く御礼を申し上げます。
皆さん。
今年の釣り納めは無事に終わりましたか?
来年もいい釣り、して下さいね!
2012年12月29日 |
カテゴリー:その他
年末ということもあり、切羽詰まって働いていたら、いつの間にか過ぎていたクリスマス…。ケーキすらまだ食べていない今日この頃です…。
なのでクリスマスケーキ代わりに甘い物ということで今日は休憩中にコーヒーゼリーを食べました(笑)。
コーヒーゼリー、好きなんですよ。
私はお酒とタバコをしない変わりに(ごく少量しか飲めません・全く吸いません)、コーヒーと紅茶(冬はココアもより美味しいですよね!)は大好きなんです。
「羊蹄山名水珈琲ゼリー」です。道産子にはおなじみ、北海道羊蹄山(「ようていざん」と読みます)の名水を使用した味わい深い逸品。とっても美味しい。
以前、太平洋側の苫小牧から日本海側の岩内港に向かう道中、「あの山、すごいな~。すごくきれいな山だな~」と言ったら、案内してくれた安瀬君が「佐藤さん、あれが羊蹄山ですよ!」と教えてくれました。
ちょうど夕暮れ時で、沈みゆく太陽と羊蹄山のコントラストが本当に素晴らしく美しかった。その光景は今もしっかりと焼きついている。
さて、今年最後の釣り納め…と言いたいところであるが、案の定、無理でした。当初は本日が仕事納めの予定が収まりきらず今年も例年同様にめでたく正月に持ち越し決定(涙)。もう言葉もありません…。貧乏暇なし。
ありがたく頑張らせていただきます。
過日、「只今、カサゴ爆釣中!!」との一報が入った。
送り主は東京湾の釣りのエキスパート・澤村氏(↓)
http://wanoku-u.cocolog-nifty.com/blog3/2012/12/post-6ffa.html
東京湾カサゴの鉄板ワーム「ガルプSWダブルウェーブ3”」のテキサスリグの釣りが現在、激アツだという。ちなみにカラーはブラックが良いそうですよ。大都会・東京湾は夜でも周囲が明かりがある環境ですからね。なおさらブラックカラーは効きます。年末年始、東京湾でカサゴを狙う方はぜひお試しください。
本日は年内最後の雑誌のご紹介。
先日12月21日にリリースされた地球丸「SALT WATER」誌。
今回は表紙も担当させていただきました。
「考えるロックフィッシュゲーム」ということで、オカッパリ根魚ゲームの模様を余すことなくご紹介。宮城県牡鹿半島沖の洋上に浮かぶ金華山(「きんかさん」と読みます。)の磯で、アイナメをブチ抜いている写真が目印です。
続いて12月25日リリースの釣り東北社「釣り東北」誌。
上記のSALTWATER誌に続き、表紙のご依頼を頂戴致しました。
こちらは東北地方及び新潟県向けの地方誌で、宮城県でのボートロックの模様をご紹介。
昨年11月に出版しご好評頂いている著書「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」及び今年9月に出版した「ロックフィッシュのABC+DVD」も店頭に並んでいるかと存じます。年末年始の読み物として、よろしければ一緒にご一読頂ければ幸いです。
「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」
「ロックフィッシュのABC+DVD」
上記、雑誌・単行本・ムック・DVDの詳細は釣り具店・書店にてご確認下さい。
お話は変わって、6月に放送されたBS日テレ「夢釣行」がオーナームービーとしてオーナーばり社の公式ウェブサイトで公開されました。ありがたいことに多大なるご反響を頂いた番組でしたが、お見逃しの方は、こちらにてご覧くださいませ。
東北魂の志 北のロックフィッシュに根魚ハンターの夢を追う!
(※クリックで視聴出来ます)
こちらは実際にテレビで放映された内容を短縮し楽曲等も異なる再編集バージョンです。
番組内でのヒットルアーの詳細を知りたいというお声が多数寄せられましたので、ここでご紹介させて頂きます。下記、ご参照下さい。
●番組前半:北海道積丹半島アイナメ編
1尾目(アイナメ)パワーベイト/パワーホッグ4”(カラー:チェリーキャンディーシード)
2尾目(アイナメ)ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:カモ)
3尾目(アイナメ)ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:モエビ)
4尾目(ホッケ)ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:モエビ)
5尾目(アイナメ)ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:モエビ)
●番組後半:北海道小樽クロソイ編
1尾目(クロソイ)ガルプSWパルスワーム4”(カラー:レッド)
2尾目(クロソイ)ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)
3尾目(クロソイ)ガルプSWパルスワーム4”(カラー:ホワイトグロー) になります。
尚、本編を再編集されたオーナームービーバージョンでは前半3尾目に登場するアイナメは時間の関係上カットされています。
いずれにしても積丹半島で釣りを楽しまれている皆様へは来シーズンの釣りのご参考になれば幸いです。
このテレビロケでは積丹半島の磯でアイナメを釣っているすぐ脇のタイドプールの中に良型のヤリイカが浮いているのが見えたり…。
58cm(4.2kg)の巨大クロソイを釣る前に実は7kg超あるミズダコがスピニングタックルのライトテキサスに掛かってきたのですが、タコ釣り禁止の北海道ということもあり、そこはすみやかにリリース。そのヒット~リリースまでのシーンもカットしました。ちなみにタックルはシューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー、ラインはシーガ―TENYA1号+シーガ―ショックリーダープレミアムマックス20LB、ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)+岩礁カウンターロック3/0の3/8ozライトテキサスでした。
この後に釣った4キロオーバーのクロソイは凄かったですが、今、思えばそれ以上に7キロは優に超えているタコの方が個人的には凄かった感じもします(笑)。あんなデカいタコ釣ったのは初めてだったので、余計にビックリしました。
スイミントレーサーは細みではありますが凄く強い竿ですので、デカいミズダコが掛かっても問題なく大丈夫でした。
他にもカジカも釣れましたが、放送時間の関係上カット。
タコとカジカのヒットシーンはある意味、幻のお蔵入り映像になりましたが、来年もまた魅力溢れるロックフィッシュゲームをお伝えしてきたいと思っています。
2012年12月28日 |
カテゴリー:雑誌掲載・DVD
この日も宮城県牡鹿半島の磯へアイナメ狙い。
狙いは波の静かな場所。海草が茂った場所(特にコンブ周りが良いですよ)。水が澄んでいる場所。が好ましいです。
こういった場所は決着が早いのです。
ソイ狙いの場合は、魚が口を使いやすい「時合」というものがあり、一か所で粘ってようやく魚が獲れることも多いが、アイナメの場合は「いるか」・「いないか」がはっきりしているので今時期に関しては、「いる魚」あるいは「手早く勝負できる魚」だけを狙った方が時間的にも効率が良いので私の場合はそうしている。
漠然としたイメージで恐縮だが、「ここに魚がついていれば、このキャストでアタる」みたいな速い釣りだ。
ルアーはホッグ系。その種類は2つ。パワーベイトの「ダブルホッグ3”」と「パワーホッグ4”」。それにフォローベイトとして「ガルプSWダブルウェーブ3”」の3つにルアーを絞り込んである。最近の牡鹿半島では最低この3つ持っていれば、実際は何とかなっており、それはまさに“今における”三種の神器とでも表現しようか。
まずはパワーベイト・ダブルホッグ3”を投入すると、数投で大きそうな魚の極小のアタリを感じたが、あえてアワセなかった。というのもアワセても空振りしそうな感じのアタリだったからだ。こういうショートバイトが出た時は仮に下手に合わせてしまうと次はない。バイトの瞬間に、このアタリ方ならこの魚は獲れるな!と思ったので、意図的にロッドを止め、針に乗せなかった。
このような場合、次のキャストで出来れば確実にフッキングにまで持ち込みたい。と、なればガルプSWダブルウェーブ3”の出番である。フォローベイトの存在はこういう時にも活きる。色はナチュラルで決まり。「なかなか釣れなくて困った時」や「ここぞ!」という時はぜひ一度、「ナチュラル」をお試し下さい。そのためにナチュラルはカラーラインナップに入れてあります。
いま一度、同じコースに投げアタリが出た場所にフォールさせていくと、ゴン!とティップが押さえ込まれた。ガルプ素材の深い喰い込みも勿論そうだが、ダブルウェーブは細みの形状なので針抜けも良い。そのため最初からフッキング率が高いルアーとして開発している。
ワンドの中で釣っているため水深は浅く、魚は縦方向には潜れないために横に走る。それだけにファイトはよりスリリング。根という根に辺り構わず突っ込んでいくから、強引にでも引き寄せないと潜られてどうにもこうにもいかなくなってしまうのがドシャローの釣りだ。
ランディングしたのは47cm。
前回の釣行のように、いきなり50とはいかないまでも、うれしい1尾。
ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ナチュラル)。オフセットフックは岩礁カウンターロック2/0の1/2oz(ブラス)テキサスリグ。
フォローベイト作戦、成功の魚だ。
続いて少し深いスリットを探ることに。仮にソイ(こちらではベッコウゾイ)がいれば、喰ってくる位置だが、魚がいないのか、居ても喰わないだけなのか結果が出るまでに時間がかかりそうなので潔くパスして、コンブ・ジャングルのポケットにピッチングで撃ち込むと「モサッ」としたアタリ。一瞬、小ゾイかと思ったが、揚がってきたのは何気にソイよりうれしいカジカ(ギスカジカ)。
当地ではこの冬はじめてのカジカです。
カジカ、大好きなんですよ。
この顔の感じが“いかにも「根魚」”ってところが、たまらなくいいですね。
ちなみにカジカもガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:レッド)での釣果。
次は逆ローテーションし、一段「強いルアー」に戻す。
パワーベイト/パワーホッグ4”(カラー:パンプキンシード)をチョイス。コンブの隙間に滑り込ませるように低弾道キャストでブチ込んでいく。とは言え、水深は1mちょっとしかないドシャロー。シンカーはアキュラシーとコンブへの貫通力を考え、軽すぎず重過ぎずのブラスシンカー1/2oz。
その後、ホッグを急襲した42cmのアイナメをキャッチ。
これで朝の時間は終わり。冬期は比較的、風が弱い日でも午前10時~11時になるとやはり風は強くなります。特に牡鹿半島は風の通り道になっている半島で、西風が一気に強まると強風で釣りにならなくなるのでお手上げになることも珍しいことではない。
当日もこの頃から急に風が強くなってきた。水面には白波が立ち始める。こうなると時間の問題。やれても残り30分くらいと分かっていたので最後に9フィート6インチのヒラメロッドで大遠投釣法に切り替える。
およそ60m遠投先で20cmと25cmの極小サイズのアイナメをガルプSWパルスワーム4”で2尾釣ったが、沖合で釣れるサイズは微妙な小型ばかりということからも、このエリアに限ってはサイズの良い魚はまだシャローに残っていると判断した。それに最近の牡鹿半島での当たりルアーはパルス系ではなく、ホッグ系の方が圧倒的に釣れるし、サイズも獲りやすい。
この時点で3時間足らずの釣行時間ではあるが、短い釣り時間であってもシャローの釣りは結果が出るのが早い。
本当は1日フルに活用しながら、粘ってじっくりと釣り込んでいきたいものだが、年末という季節柄も手伝ってなかなか時間を割いての釣りは今の自分には難しい。
もし可能ならば年内あと1回釣りに行ければ最高であるが、天候次第ではこれが今年最後の釣りかもしれないが、いずれにしても私は十二分に満足。
被災した海ではあるが、地元の海でこうしてまた竿を振れるだけで実に感慨深いものだ。
オカッパリでもボートでも、年末年始かけて釣りに行かれる方もいらっしゃることと存じますが、その際は万全の防寒対策のもと、足元にはお気をつけてぜひとも存分に楽しんで頂きたいと思います。
皆さんの釣り納め・釣り始めが良い魚運に恵まれますように―。
タックルデータ
■ベイトタックル
●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン
●リール:レボエリートIBHS
●ライン:シーガーR18フロロリミテッド16lb
●シンカー:カルティバ ブラスシンカー1/2oz
●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック2/0
●ルアー:パワーベイト・パワーホッグ4”
パワーベイト・ダブルホッグ3”
ガルプSWダブルウェーブ3”
■ロングスピニングタックル
●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-96MH-F
●リール:ステラ3000HG
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュスリー1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●シンカー:カルティバ ブラスシンカー1oz
●クッションビーズ:オーナー夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック2/0
●ルアー:ガルプSWパルスワーム4”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
2012年12月27日 |
カテゴリー:釣行記
WHITE MOON IN THE BLUE SKY。
午後2時。快晴の空には早くも白い月が浮かぶ。
今は一年の中でも最も昼間が短い季節。限られた時間を有効に活用し、短時間でも効率良い“いい釣り”を満喫しましょう!
今年も残すところ残り僅かとなってきました。
そんな中、ロックフィッシュゲームは最盛期を迎えています。
天気図に注意を払い、風の影響の少ない場所、波の穏やかな場所を選んで釣れば元気な魚達が今日もまた相手をしてくれる。
本日は、今が熱い!近況のオカッパリゲームをご紹介しよう。
この日は宮城県牡鹿半島の磯へ。
磯というと「激しい」「険しい」「危ない」という負のイメージが先行してしまう方も多いことだろう。けれど、決してそのような場所ばかりではないのもまた磯である。
ゴロタ場のような小磯、傾斜のなだらかな場所、足場の良い岩場も「磯」なのである。
今回はそんな場所に狙いを絞り、ロッドを振ってみた。
入座早々、偏光グラス越しに地形をよく見て確認し「仮に魚がいれば数投で結果は出るだろうな…」というスポットを撃つ。
一瞬で目のピント(視覚的要素と頭の中で考えた要素が合致したピンスポット)が合ったのは小場所ながらワンド状の地形の沖側に張りだした岩の先端部。
魚からの反応の具合を判別するために、寄せる効果のあるルアーを選ぶ。
リグは3/4ozテキサスリグ。オフセットフックは岩礁カウンターロック3/0。ワームはパワーベイト/ダブルホッグ3”(グリパンチャート)。私の場合、このルアーのこの色はチャート側を下側にしてセットすることが大半。表側は地味なグリーンパンプキンで周囲の色に同化してしまうが、下から見上げた時の淡いクリア感のあるチャートの視認性はいい。ロックフィッシュゲームにおけるダブルホッグの魅力はそのフォールアクションにある。
3投目、フォーリング中に「コツ」というバイトを得た。すかさずアワセると、スキップランに程良い重みが乗った。
魚の重み・引き具合から50cmくらいのアイナメと判断。
そのやり取りが実に楽しい。透き通った水質の海に茶色い影が横走りする。
アフタースポーンのアイナメ(メス)だ。押し波に乗せ、一気に引き寄せ最後は「とりゃー!」とブチ抜く。
50.5センチのメス。産卵後につき、いつにも増して身体はやせ細くなっているが、開始3投目での釣果は幸先がいい。
メスの居場所が掴めると、オスの居場所もおのずと分かる。今度は自分の立ち位置の横に広がるワンドの中を撃つ。水深は2m前後と浅いが、スリットが入っているので、オスはこういった「ちょっとした深み」に身を潜めやすい。
水深の浅い場所ではフォール時間が短い。よってフォール時のみならず、ボトムに着底してからも勝負をかけられるルアーが強みを増す。
ここではパワーホッグ4”をセレクト。直近の取材で使用したレッドが残っていたので大事にもう一度、使う(勿体なくて!)。
いかにもオスがいそうなピンスポットを撃ち抜く。シャローの釣りではブン投げるというよりは、狙いを定めた1点に的確に撃ち込んで狙い通りのトレースラインに、しかとルアーを通して来ることが最重要だ。
確信持って投げた次の瞬間。
ボトムに着底した瞬間のルアーをさらうように咥えて横に走った。
慣れると感覚でも判断出来るが、偏光グラス越しにラインの先(水との入水地点の“遊び”の部分)を注視していると分かりやすい。
シャローだけに魚は横に走る。これがまた面白い。
そこらじゅうに存在する根という根に潜られないように、引きをいなして足元まで引き寄せる。
婚姻色が出たオスのアイナメだった。サイズも45cmと上々。
その頃、隣の岩から沖のハンプに大遠投していた井上さんは下の写真にあるように43センチの美しい婚姻色が出たオスをキャッチ。
この発色具合、いかにも今時期特有の体色。
自分はこの後も40センチほどのアイナメを1尾追加した後、岸寄りはとりあえず釣りきった感があるので、ベイトタックルではさすがに届かない沖の魚を狙うことにした。
スキップランと共に持参した9フィート6インチのロングスピニングロッド(写真上側)。現在、私はヒラメロッドを愛用している。PEは遠投重視で滑りの良い8本撚りの1号、リーダーはフロロ20lbが60cmほど接続。
タングステン1ozシンカーのテキサスリグで沖合に向かって70mほどロングキャスト。
釣れるには釣れるが20~25cmの小型アイナメの猛攻を受ける。
さすがにベイトタックルで60m以上先を狙うのは飛距離的に厳しい。それにベイト1本では到達出来ない世界がある。立ち位置が限られるオカッパリでは「足場の制約」に対し、どうしてもトレース可能なラインが限定されてしまうが、こういったタックルも併用することでその戦略は更なる広がりを見せる。
ところが、いい感じで釣れているところだが雨が本降りになってきた。
磯は岩が濡れると滑って危ない。
被災地である、ということを十分に把握している私達はこれにて潔く切り上げることにした。
このように長居はしていないが、狙い所さえ焦点を絞り込めば短時間でも十分に楽しめる。
それに、今の魚はまだ浅いところにいる。
深場を意識し出したメスを狙うか、シャローにいるオスを狙うか。
いずれにしてもアイナメ達は産卵期につき、リリースを前提としたスマートな釣りを心掛けぜひとも未来に繋げていきたいものである。
釣れてますよ、牡鹿半島!
タックルデータ
■ベイトタックル
●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン
●リール:レボエリートIBHS
●ライン:シーガーR18フロロリミテッド16lb
●シンカー:カルティバ ブラスシンカー3/4oz
プロトシンカー3/8oz~5/8oz
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック3/0
●ルアー:パワーベイト・パワーホッグ4”
パワーベイト・ダブルホッグ3”
ガルプSWダブルウェーブ3”
■ロングスピニングタックル
●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-96MH-F
●リール:ステラ3000HG
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュスリー1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
※リグ・ワーム・フック等はベイトタックルと同様。
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
2012年12月26日 |
カテゴリー:釣行記