大物続々。炸裂する牡鹿半島の今。その(1)~リグ・ローテーションを最大限に活かす釣りを実践しよう~
水温が一段と下がり、一定の範囲で落ち着いた宮城県牡鹿半島。
少し前までは釣り人を困惑させるほどいたフグ軍団も水温低下に伴い急激にその数を減らした。
それだけに本気の“ガチRock”が楽しめる、待望の季節がようやく到来したのだ。
この時期、狙い撃つべき場所の大きな目安として「シャロー」の存在が一層と強みを増す。それもワンドの最奥へも魚は入って来ているから、今は水深2mもあればビッグゲームが成立することも珍しいことではない。こんなドシャローから50cmを超えるような根魚も出てくるのだから、アングラーにとっては堪らない季節だ。
正確無比なビシバシ系キャスティングでピンスポットをタイトに狙い撃つ。キャスト精度はそのまま釣果差へと繋がる。こういった場面ではハードテンションのベイトロッドとフロロカーボンラインの特性は最大限に発揮されるものだ。これぞ、スピーディーかつ攻撃的なボートロックゲームを象徴する代表的なシーンとも言えよう。
この日はボートロックでの釣りだったが、幸いにも天候が良く、久々に穏やかな海で竿を振ることが出来た。水の透明度も良好で、水中での視界もかなり利いている。
シャローの岩礁帯ではテキサスリグはもちろん主要ルアーとなるが、ボトムからリグを離した状態で一気に横方向へ探りたい時にはスプーンリグも有効。
この日、スプーンリグのリギングには細身のスプーン23g+岩礁カウンターロック2/0+ガルプSWダブルウェーブ3”を用いた。ワームのカラーは潮が澄んでいること、更にこの日は快晴で太陽光も海底まで差し込んでいることから、このような状況では圧倒的な強さを発揮する「ブラック」を選択。
真っ黒いワームはこのような状況では本当に良く釣れる、“強い色”だ。
スプーンリグはフルスイングで投げれるだけ飛距離を出す。着水後はカウントダウンしていき一度、ボトムに着底させたら任意の層を「ただ巻き」してくるだけ。あとはガツン!という衝撃(つまり魚のアタリ)が加わったら、ハードルアーを巻いている時のようにロッドに魚の重さを乗せるようにアワセを入れる。実にシンプルかつイージーな釣りだ。
この方法ではテキサスリグに反応してこない魚も獲れるから、ボートロックのように同じ船内に複数の釣り人が乗っている場合にはぜひ積極的に試してほしい。
「自分だけに獲れる魚」が“釣果”として加わる利点がある。
次は小島周り。
磯際の壁は水と陸地の境目となっているから、その陸側の岩質が掘られて海底でオーバーハングしているスポットがあれば、この時期は間違いなく魚がついている。こんな時はタイトに直撃できるアンカーリグの出番。
フォールスピードの速さはリグの力強い貫通力を意味し、潮流やウィードに邪魔をされずに狙いたい場所までしっかりをワームを送り届けることが出来る。
写真の釣果(↑)が示す通り、案の定、答えは速攻で出た。
タングステン素材の1ozダウンショットシンカーを用いたアンカーリグの着底と同時に喰ったのは鮮やかな婚姻色に発色したオスのアイナメ。
ヒットルアーはパワーホッグ4”(カラー:カモ)。サイズも48cmと、なかなか良い。この時期のオスは非常に気が立っているからいつにも増して引きが強く、ガンガンと竿を叩くようなファイトを見せる。
最近の牡鹿半島では圧倒的にホッグ系に軍配が上がる。数もサイズも今はホッグ系ルアーの方が魚を獲りやすい。11月以降、牡鹿半島ではホッグ系ワームが凄まじい釣れ方をしている。
シャローをひとしきり撃った後は、これからシャローへ上がろうと待機している魚を6m~9mラインで狙う。極力、自分の持つ手駒の範囲で釣りこぼしがないよう、エリアローテーション、ワームローテーション、カラーローテーションに続き、リグローテーションも手を抜かない。
今期はアタリの大きさに反比例するかのごとく、弾いたり、乗りが悪いアタリが続く日がある。おそらくずっと海況が悪かったためか、アタリの出方もいつもよりシビアな個体に多く出くわす。
そんな釣況から、今回はスピニングタックルのみならず、ベイトタックルにもフロロだけでなくPEラインを巻いたセットを用意していた。号数は2.5号で磯撃ちしてもラインの摩耗を気にしないで釣り続けられるように気持ち太めの号数をセレクト。
このラインセレクトが次にキャッチした魚(↓)へと大きく貢献してくれた。
50UPのメスのアイナメ。
デカいです。
シャローの釣りでは私は偏光グラス越しに確認できた一等地だけにキャストしている。この時ばかりは「探る」釣りはしていない。
それには最高峰のコントラスト性能で海底の様子を浮き彫りにしてくれる偏光レンズ「アクションコパー」が決め手だ。このレンズを用いることで私は「ブラインドサイト」をしている。そして、この釣りを具現化した作品がシューティンウェイ・ブラインドサイト(SWC-722EXH)なのだ。
この釣りは投げ続けていればどこかで釣れるだろう釣りではないため、余計なプレッシャーを与えぬように無駄撃ちはしない。仮に下手な小物を掛けて水中で暴れさせてしまい周囲にいるビッグフィッシュを不用意に警戒させてしまっていたとしたら、次の戦略がより難しくなってしまうからだ。
だから、「このピンスポットでデカいのを一発で引きづり出す」ということを前提とした釣りを展開している。
ここで当たれば、デカい。そんな釣りだ。
36t+40t高弾性カーボンシャフトのブラインドサイト(SWC-722EXH)にラインはストレッチ性を持たないPEライン。ショートバイトを絡め獲る岩礁カウンターロック3/0を装着した1ozテキサスリグで装備に抜かりなし。
ワームはパワーホッグ4”だが、先にスプーンリグを用いた際、トレーラーのダブルウェーブのブラックカラーに非常に反応が良かったことから、パワーホッグ4”もブラックカラーをセレクト。
アタリが来ることを前提としたキャストなので、リグのフォール中から既に全力でアワせられる態勢で待ち構えていたのが良かった。
カッ!と一瞬だけアタる鋭い系のショートバイトを高速で鬼アワセすると、そのままロッドが大きく海面へと倒れ込んだ。
これがここ最近の当地の海で釣れる50UPアイナメ特有のアタリ方だ。
写真の個体は まだ腹に仔を持つメスだから、引きも重々しいファイトをみせた。
他にも多数の釣果に恵まれ、個人的にはこの時点で十分な満足感を得られるものだったが、ご一緒した方々も同じく良い釣りを堪能していたようだ。
次は皆さんの釣果をご紹介していこう(次回へ続く)。
タックルデータ
■ベイトタックル
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:★レボエリートパワークランク
(※スプーンリグ&アンカーリグで使用)
★レボエリートIBHS
(※PEラインでのテキサスリグで使用)
●ライン:★シーガーR18フロロリミテッド20lb
(※スプーンリグ&アンカーリグ用として)
★シーガーマルティア2.5号
(※PEラインでのテキサスリグ用として)
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
(※シーガーマルティア2.5号との組み合わせで使用)
●シンカー:カルティバ ブラスシンカー3/4oz~1oz
プロトシンカー5/8oz~1oz
タングステンバレットシンカー5/8oz~1oz
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック3/0、2/0
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”、パワーベイト・パワーホッグ4”
●この他、アンカーリグ用のオフセットフックにはカルティバ/ツイストロック3/0、ダブルサルカンはオーナーばり/ダブルスナップ付きスイベル8号を使用。スプーンリグ用のスプーンには細みのシンプルな形状の23g(カラーは金黒オレンジベリー)を使用。
■スピニングタックル<ライトテキサス>
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラ3000HG
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュスリー1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20b
●シンカー:タングステンバレットシンカー3/8oz
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック2/0
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★宮城県牡鹿半島ボートロック船宿<石巻地区>
■幸丸(内海船長 )【受付番号090-1490-3622】
2012年12月19日 | カテゴリー:釣行記