水面炸裂!黒潮の使者・イエローテール乱舞!!
昨日の午前中は急遽、仙台湾に浮いていました。
狙いは今が旬のターゲット・ヒラマサ。
ボートからのキャスティングで狙います。
5月からキャスティング・ヒラマサ釣行のお誘いを頂いていたのですが、各地を行ったり来たりしている関係でなかなかスケジュールが合わず、2ヶ月経ってようやくこの日、機会が巡って来たので乗合で楽しんできました。
結果から先にお話しますが、現時点、仙台湾のヒラマサの魚影はハンパないですね。
沿岸の浅瀬を広範囲に回遊しています。現時点でのベイトフィッシュであるカタクチイワシの群れを追い回している完全なる回遊群(こういったタイプは魚の存在を示す鳥山やナブラが立ちやすい傾向がありますのでその存在が分かりやすい)と藻場の絡む根周りのスリット付近についている個体群の2つのタイプがある感じです。
その証拠に後者の方はサケ・マス(サクラマスやカラフトマスではよく見られますよね)ではお馴染みのシーライスが寄生していました。
このような“ちょっとした差異”でも、その1尾がどういった生活史の中で釣れてきたのかを、うかがい知ることも出来ます。
釣りは同じ魚種でも付き場が変わると攻略法も変わることがありますからね。
この日は凄かった。本当に凄かったです。
船中、皆で投げまくって何発か出ればいいほうかな、と思っていたものの、開始早々にヒラマサがチェイスしトップウォータープラグに水柱が上がります。
先陣を切ったのは青物ゲームのエキスパート・加藤さん。
水深は5m前後の浅い根回りのため、ドラグテンションは相当きつめ。
ブリと違って、ヒラマサやカンパチの場合は根のスリットへ向かって一直線に走るのでここでは「基本、走らせないで獲る」ということを前提にしておかないと根ズレでラインブレイクに直結してしまう釣りです。このあたりはシイラのキャスティングゲームとは大きく異なります。
ヒットと同時にヘビーなヒラマサ専用オフショア・キャスティングロッドがブチ曲りますが、魚に負けないように身体全身を使って浮かせにかかります。ドラグテンションは4キロ以上に設定。
それにしても物凄いパワーです。まるで魚と綱引きしているかのような強引なフルファイトです。
続いてサクラマス釣りのエキスパート・平賀さんもヒラマサをキャッチ。
そして同船者の方もキャッチ。
「いいなぁ~」と思って、流れのヨレを撃つと私の操るトップウォータープラグ(ジャーキングペンシル)にも白い水柱が!
バッコ~ン!!と水面炸裂。
トップウォータープラグは主にペンシルベイトを使用します。
好反応だったのはGTフィッシングで有名な沖縄県西表島のマリンボックスさんが作るマギーガーラジャーキングベイトのドルフィン。
ゆっくりとしたスロージャークで幅広フラットサイド面から大きなフラッシングを発して下の層にいるターゲットを水面へと誘い出すルアーです。この日、多投したのはシイラ(=ドルフィン)用にダウンサイジングされたモデルですが、オリジナルサイズはGTフィッシングの世界では昔から有名なルアーですよね。
高校時代、沖縄の海にGT&ジギング修行に行っていた時、まだ10代だった私にビッグゲームの釣りの「いろは」を教えてくれたのが船宿「マリンボックス」さんで、その経験が現在に大いに活きています。
他にも私の場合はあれこれ色々なルアーを試したくなるので、フローティングポッパー、シンキングポッパー、フローティングミノー、ジグミノー、バイブレーション、メタルバイブ、メタルジグ、バス用のビッグベイトまで手を変え品を変えローテーションさせていきましたが、結果的には上記のフローティングタイプのペンシルベイトとフローティングミノーでのヒットでした。
回遊魚は移動スピードがおそろしく早いのでその一魚一会のタイミングは一切たりとも無駄に出来ません。
魚がいれば、その1投目から本気で獲りたいのです。そのような意味ではフローティングトップウォータープラグのみならず、少し水面下を潜らせて誘うことが出来るシンキングタイプのトップウォータープラグやミノーはヒットへの最短距離という意味では強みになる場合もあるので私的にはこういった釣りの場合には常に携行しています。
今回、オフショア青物キャスティングゲームが初めてという平賀さんも次々に連発していました。(↓)
そもそもの魚種が異なるため一概に比較では出来ませんが、それでも普段、釣り慣れているサクラマスとヒラマサでは同寸でもパワーがあまりにも違い過ぎる!と大興奮のご様子。
私もこの釣りをやっていて思ったのはPEラインは3号~4号にリーダーは60lb~80lb。個人的にはPE3号に60lbリーダーのライトタックルと大物用にPE4号(ないし最大5号)に80lbリーダーの2タックルあれば、より快適なのかなと思いました。
仙台湾で釣れるヒラマサのアベレージサイズは60~70cmと西日本エリアよりは小さめなこともありますが、中にはこのクラスのラインシステムを切っていく大物も一緒に混生しているそうで、お世話になった「マリーンフィッシングクラブ」さんでは今期94cmまでが最大ながら、それを上回るサイズの大物もヒットしているものの、どうにもならずにラインブレイクをされている大物もいるそうなので1mまではいつ掛かってもおかしくない釣況と船長さんはおっしゃっていました。
この日はヒラマサに混じってワラサもキャッチしましたが、船中、次から次にヒラマサ連続ヒットで忙しい釣りのため写真が撮りきれずワラサの写真は割愛。
加藤さん(左)と伊藤船長(右)のヒラマサ・ダブルヒット&ダブルキャッチ。
船中ダブルヒット、トリプルヒットも多々あっただけにランディングネットすら不足することもあったほどでした。
加藤さんはこの日、最大となるヒラマサ80cmをキャッチ。
もちろん、トップ(ペンシル)で水面へと誘い出し、確実に喰わせていました。
実に見事な魚でした。おめでとうございました!
青物は回遊魚であるため、「釣れる時合」を逃すわけにはいきませんから、釣れる時に釣る!が鉄則です。魚のスイッチが入っている時とそうでない時のギャップがあまりにも大きいタイプの魚種だからです。
伊藤船長も的確に操船しつつキャストしヒラマサを誘い、次々に水面炸裂させています。
各地いろいろな船宿さんにお世話になってきましたが、自ら釣りをされる船長さんは本当によく釣りますよね。
その技術はさすがの一言!に尽きます。
本日(午前中)の釣果……船中4人乗船(+船長)の5人にて、
ヒラマサ 17本(最大80cm)
ワラサ 4本(最大78cm)
合計 21本。
オールキャスティングゲームで釣れるから凄いです。
1日フルにやれば、きっともっと釣れたのでしょう。
この調子だと夕マズメ狙いも面白そうですね。
ヒラマサはブリよりも南方系なので全国的な見解からすると東北のイメージは沸きにくい魚ですが、ここはヒラマサ有名フィールドの千葉県外房でもないですし、九州でもありません。
東北の仙台の海でこれだけのヒラマサの釣果となれば、開拓が進む現段階においては、もう圧巻の釣果の域といっても過言ではないかもしれません。
というのも相手はなにせ高速で泳ぎ回る回遊魚。
地域柄、魚の密度(絶対数)の問題もありますし、なにせヒラマサの場合は時速50km超までのスピードを出すことが出来る魚と聞きますから、「アタリ・ハズレ」の大きい魚のイメージが先行してしまうだけに「船中、皆で投げまくって何発か出ればいいほうだろう…」と思っていたものの、終わってみればヒラマサ17本の釣果は驚きを通り越して、唖然としてしまいました。
必要ない分は素早くリリース。(ヒラマサのリリースだなんて普通は考えられないくらい贅沢です。)
東北地方はまだ梅雨明けしていない現在ですが、既に海の上は夏一色。
カンカン照りの太陽と夏の潮風が心地よい海で繰り広げられる“気が狂いそうなほど”の強烈極まりないファイトを十二分に満喫することが出来ました。
現地の水温25℃。この水温ならば、もう間もなくシイラも回遊してくる時期です。
北国の海も夏本番!
ロックフィッシュ!フラットフィッシュ!青物!等々…短いサマーシーズンを全力で楽しみ尽くしましょう。
黒潮のスプリンターが繰り広げる水面炸裂のエキサイティングゲーム、仙台湾のヒラマサ・キャスティング。
急激に暑い日が続くようになりましたので熱中症対策にはくれぐれも気を配り、ヒラマサ釣りに興味のある方はぜひ!チャレンジしてみてください。
ビッグファイトの醍醐味を近海で楽しめる「今」がチャンスです。
■タックルデータ
●ロッド:7ftクラスのヒラマサ専用オフショア・キャスティングロッド
●リール:ステラ8000H
●ライン:シーガーマルティア(PE)3号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス80lb
●フック:カルティバST56、STX58 ♯1/0、♯1
●ルアー:マギーガーラ・ジャーキングベイト“ドルフィン”
アイルマグネット125F
●偏光グラス ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ TALEXアクションコパー
★宮城県仙台湾ルアー・ガイド船<塩釜地区>
■MARINE FISHING CLUB (伊藤船長)【受付番号090-6790-9868】
2013年7月10日 | カテゴリー:釣行記