頑張る釣り糸、耐える釣り糸。
先日はクレハさんが来てくださいました。
釣り人には「釣り糸メーカー」としてお馴染みですが、世間一般的には(つまり、釣りをしない人から見ての、という見識では)「クレラップの会社」として有名です。
これは……【シーガー】パッケージのクレラップ!
いつも台所でお世話になっております。
では、早速、クレラップ会議の開始です!
というのは冗談ですが(大変失礼致しました…)、シーガーラインの打ち合わせです。
(※ちなみにこのクレラップは販促用ノベルティグッツのシーガーオリジナルだそうです。)
クレハさんはフロロカーボン原材料メーカーなので、様々なフロロを自社で独自に作り上げることが出来ます。
「R18フロロリミテッド」や「R18フロロハンター」などロックフィッシュゲームで人気の既存製品はもちろんですが、常に研究開発を素材レベルで行うために、試作品をテストするトライ&エラーも積極的に行っています。もちろん、リリースに至るかどうかというのは別の話です。
私がつい先日まで使っていたフロロラインは蛍光オレンジ色に染色したフロロです。キャストの着水点とルアーがどこにあるかを瞬時に見定めることが可能な試作品。
クレハさんもおっしゃっておりましたが、日本人の視覚・色覚で最も見えやすい色は蛍光オレンジではないかと。
自然界に存在しにくい色だけに背景色に対し浮き上がって見える効果があるからです。
シューティンウェイ・シリーズに搭載されている「バイトマーカーメモリー(目盛)ティップ」の色もそこを追及して、あの色に設定してあります。
「積丹ブルー」と称される積丹半島の磯でもこの穂先のオレンジ色を目視出来る優位性は高いのです。
キャスティング時の弾道から穂先の色を目で追って釣りをすることが可能です。
積丹の海に映えるオレンジティップとオレンジフロロライン。
シューティンウェイの開発段階だった2009年~2010年はあらゆる塗料をかき集めてながら自分で刷毛(はけ)塗りやスプレー塗りして「どの色が一番見えやすいか?」を徹底的に割り出していきました。
色を調合して【一番、見えやすい色】を特定する作業をしていたのです。
空の色、海の色、山の色など…天気や時間帯、背景に何があるかによっても見えやすい色は微妙に違ってくるため、それこそ気が遠くなる作業でしたが、ティップの色ひとつとっても、そこまで徹底して作り込みたいと思ったから私は黙々と作業を続けました。
そんな幾多の実験から総合的に判断して最も見えやすい色として採用したのが今のオレンジです。オレンジはオレンジでもたくさんの色味がありますから、このオレンジ!とまで色彩を断定しなければなりません。
その時は宮城県女川町の岸壁におりました。「よし!この色だ!!」と一人で雄叫びをあげてしまったものでした。
開発とはそういうものであり、その積み重ねにやがて確固たる確信が見えてくるもの、だと認識しています。
そう、どんなものであれ物事には【明確な理由】が存在しているのです。
この蛍光オレンジ色のフロロカーボンは東北のフィールドは言うに及ばず、先月には北海道の積丹半島の磯や室蘭の防波堤・沖堤でも連日テストしていました。
磯や防波堤で私の釣りを見ていた方々の中には「そのラインは何ですか?」と質問を受けたこともありましたが、実に目ざとい方々だと感心致しました。
この日はフロロに続き、試作PEラインをクレハさんが持って来てくれました。
このラインも蛍光オレンジです。
今週からテスト開始です。
PEラインの場合はフロロやナイロンと違って、色抜け(色落ち)が気になりますから厳しく経過を見る必要性があります。
釣り糸に限らず、釣り具はテストした製品の全てが世に出るわけではありません。
むしろ、そのほとんどは没になることの方が多いです。
ですが、地道にこういった製品を作り続ける努力は日頃から行っているものです。
皆さんのリールに巻いてあるラインは傷んでいませんか?
釣りのハイシーズンにつき、釣行の機会が多い季節。
それだけにラインの消耗も早く(多くなる)なります。
いざ!ビッグフィッシュを喰わせた時にも安心してファイト出来るよう、こまめなラインチェックは欠かさずに、ラインの痛み具合が気になるようでしたら早めに交換して下さいね。
2013年7月14日 | カテゴリー:その他