ソイ釣りの醍醐味(1)
この日は北海道小樽市へ。
狙うはクロソイ、叶うならビッグゲームを展開したいところです。
ということで2年振りにお世話になったのは遊漁船「シェイク」は今年、船を入れ替えたそうで更に大型化され船内は快適な空間が広がります。
初めて訪れた前回はBS日テレ「夢釣行」の番組収録だったのですが、その時にこの海のポテンシャルに触れて以来「今度はロケ抜きで来てみたい」と思っていたので2年越しにその願いが叶いました。
今日は宮城県から私を含む3名、岩手県から3名、地元・北海道より2名の合計8名での乗船です。
中には「初めまして!」の方がいらっしゃっても釣りですから、そこは目的を同じくする同志。
仲良くなれるのもまた釣りの良いところです。
本州からの移動性低気圧の影響で、当日はあいにくの強風が心配ですが、それでも無事に船が出るだけでもOK!
とは言いつつも、やはり釣り竿を握ると魚を釣りたくなるので本気で狙います(笑)。
早々にヒットに導きます!
デカいです!!
50UP、登場!
ソイも50センチを超えると物凄い迫力があります。「魚」というより小さな怪獣のような雰囲気です。
ガルプSWダブルウェーブ3インチの5/8ozジグヘッドリグ×シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー。
PEラインはシーガーTENYA0.8号で、キャスティングしてのスイム&フォールで誘い出し確実に喰わせます。
この時期、小樽周辺の石狩湾海域は湾の内外にオキアミやマメイカの群れが湧いたりすることがあるので、根魚のオキアミ偏食時にも対応するダブルウェーブの複合アクションは理屈抜きに強い。
更にホワイトグローカラーのダブルウェーブは泳がせるとマメイカのようなシルエットになることから、ソイがイカを捕食している際にもマッチ・ザ・ベイトとして強烈に効きます。
「ホワイトグロー」カラーのダブルウェーブはランカーキラーベイトの一つ。
相手は大物。
獲れるか獲れないかはドラグの調整も重要で、スピニングリールであるがゆえにラインを出し過ぎると根に潜り込まれ、締めすぎると相手がド級の大物だけにラインブレイクの可能性も考えられます。それだけにタックルシステムをより吟味する必要性があります。
クロソイの親魚ほど、これから後に産み落とす仔魚を海藻の隙間に隠して守るためにコンブ林などのウィードが繁茂した場所を選んで複数が近くに集まった状態で泳ぎ回ったり、定位しています。
それも浮いた状態で、です。
これが釣り人が一般的にイメージしやすい“サスペンド”という状態のことです。
意外に思われるかもしれませんが、大きなクロソイほど高いレンジまで浮き上がる傾向があります。それと捕食のスイッチが入ると時には身重な身体でありながらも水面まで一気に突き上げてくることもあります。
こんな瞬間こそ、ソイの遊泳力を垣間見た気がしてなりません。
アイナメは進化の過程で「浮き袋が退化した魚」ですが、ソイは逆に浮き袋が発達した進化を遂げた魚です。
レンジの上下が目まぐるしく変わるのもソイの性質なので、大物のソイを釣る時ほどズル引きのようにベタ底にテキサスリグを這わしたままにすると、逆にアタリが遠のくことが多いのでその点だけは強く認識しておく必要があります。
フォール中のスイムバランスはテキサスリグ以上に優れているジグヘッドリグはワームリグの釣りにおいて、昔から理にかなった仕掛けなのです。
むろん、テキサスリグでもスイミングやフォールでの喰わせというのは出来ますが、その姿勢や泳ぐ角度が違うので根がかりさえ回避出来るのであればジグヘッドの方がそれが容易に出来ます。
ジグヘッドリグを快適に扱うためにはラインスラックの一定量も重要で、そのためにベイトタックル以上にラインスラックが出るスピニングタックルは必要不可欠。
デメリットも釣り方を変えればメリットになる。いずれも使い分けこそが肝心ですが、この時に求められるスピニングロッドには1本で「乗せ」と「掛け」を両立したものだと尚のこと使いやすいでしょう。
本当はスピニングタックルのジグヘッドリグ1本で押し通せれば釣り方としては楽ですが…あいにく風が強い場面にはラインスラックが風に取られてしまうこともあるため、ここでベイトタックルにチェンジ。PEラインでのテキサスリグを試してみました。
またしても50UP。大物が「バフッ!」とついばむように口を使ってきます。
ベイトタックルでも近頃はPEラインとフロロを両方使い分けることが多くなりました。
それにしても連続の大物。テンションが上がってきます。
使用しているオフセットフックはツイストロック5/0。
クランクシンカー+パルスワーム6インチの組み合わせは一際、リグをスローにフォールさせるためのセッティング。
軌道のぶれないスローフォールを実現するクランクシンカー3/4ozテキサスリグは落ちるのもゆっくりなので、ソイに対して「喰わせの間」を与えやすいのが狙いです。
フォールには「リグを海底まで送り届ける意味」と「魚に喰わせるための間合いの意味」の2つがありますが、クランクシンカーが実現するフォーリングアクションはその両方を難なく成し遂げるため、です。
テキサスリグの釣りでもパターンはすっかりハマってきました。
モンスターサイズのソイ、惚れ惚れする魚体です。
ソイ激釣を続ける最中、エゾメバルの群れに当たり集中的にエゾメバル(ガヤ)タイムを堪能。
スピニングタックルに戻し、ジグヘッドリグをカーブフォールさせると喰いついてきます。
この魚、私はとても好きなんです。
基本、北海道に生息する魚ですが一応本州でも宮城県北から北の地域では稀に見ることが出来るのですが、本州で狙って釣るとなると緯度の関係でちょっと深い沖合のポイントでないと、なかなかお目にかかれないことが大半なので北海道に行った時には「ここぞ!」とばかり積極的に狙っています。
メバルですから、ゲーム性も豊かで釣魚として非常に面白いのです。
エゾメバルは低水温を好むので生息域は限られますが、メバル釣りが好きな方であれば必ずと言っていいほどハマってしまうでしょう。
さて、ソイ狙いに戻します。
途中、強風により海面がざわついていたものの、夕方ふと風が弱まる。
十分過ぎる釣果に既に満足していたのですが、こうなると最後にまた一発出る可能性が高いのです。
海中も暗くなってきたことであろうからテキサスリグからブレードジグヘッドに切り替える。
魚もより浮き上がりやすくなる時間につき、ルアーもそれに合わせて「よりレンジを浮かせた状態で狙う」ためです。
ブレードにはフラッシング効果を期待するだけでなく、回転抵抗でフォールスピードを落とす役割もあります。そして一定層に留まりやすくするメリットも。
投入後、リフト&フォールのアクションは意識せず、横にルアーを「ス~」と泳がすことを意識。
アメリカのバスプロショップで不足分を補充してきた1ozのブレード付属ジグヘッドにパワーベイト/パルスワーム6インチをセットしカウントダウンして中層を巻く。言わば、「巻き巻きテクニック」です。
「グ~ッ」とリールのハンドルを止めるような感触が伝わったらそれがアタリ!
鈍い感じでアタリが出る場合もありますが、小さいアタリほど魚が大きかったりするのもソイ釣りなのでフッキングはしっかりと行います。
来ました!狙いは的中。
引いて撮ったカット(写真)ですが、このソイもまた50センチを超えている大物。
現物を近くで見ると、凄い迫力です。お隣のアングラーは仙北さんです。
これがブレード付属の1ozジグヘッドリグ。
浮いたソイを「横引きして獲るテクニック」のためのリグです。
スピナーベイトやジグスピナーの釣りにも近い釣り方と言えます。
50UPがボコボコに釣れる強烈なパターンを見つけると、「ソイ釣り」は劇的に変わる。
ましてや、この海でそれを体現するとその重さは2キロ後半の魚がアベレージ。大きいと3キロを優に超えます。
模索の上に狙い方を絞り込めるとそれだけに強固なパターンは成立するのです。
ゲームは、まだまだ続きます!
タックルデータ
■スピニングタックル(ジグヘッドリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:OHラウンドヘッド(JH-11)3/8oz、試作品5/8oz
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
■ベイトタックル(ブレードジグへッドリグ&テキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:ブレードジグヘッド1oz
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:ツイストロック5/0
●ルアー:パワーベイト/パルスワーム6”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★北海道小樽市ボートロック船宿
■シェイク(吉野船長 )【受付番号080-5598-4819】
2014年6月10日 | カテゴリー:釣行記