カッ飛ばせ!ロングスピン釣法!
今回は、島根県ロケに出発する前日のお話です。
この日の午後からは翌日からの準備に取り掛かる予定だったものの、日曜日ということも重なり普段取りづらい休みを優先するか、あるいは少しでもプライベート釣行に行こうかと迷ったあげく、ここに来て釣り人の悲しい性が本領を発揮。
釣りの好期ということも相まって午前中限定で、いざフィールドへ!
アイナメとマゴチを狙いに行きました。
まずはアイナメ狙いで磯へ。
時間が限られているため同じ魚を釣るための移動は原則なし、です。
9ft6inのヒラメロッド(サーフキャスティングロッド)で沖に大遠投。南三陸の海は遠浅の地形も多く、冬の産卵期でない限りでは遠浅地形であっても、少しでも遠投することで釣果が向上することがよくあります。
ここでは、小気味良い引きで楽しませてくれる大きさのアイナメが連続して掛かりました。
近距離で魚が掛かれば本来は理想ではありますが、案の定、手前側でのアタリは皆無で、やはり沖50m以上向こうでのバイトに集約。
今現在も模索を続けている「ロングスピン釣法」はベイトタックルではどうしたって届かないその向こう側を釣ることに念頭に置いた、飛距離を最優先する釣り方に特化しているため、「ルアーを飛ばす」という側面において空気抵抗となりうるものは出来る限り徹底して排除したいところ。
オフセットフックには、太軸ながらも基本サイズよりも1サイズ、あるいは2サイズ小さめの番手を用いることで飛行中のリグ全体の空気摩擦を低減する狙いがあります。
つまりは「小ばりシステム」の導入です。
ワームに対する考えも同様です。
基本は“飛ばすための3インチ”をベースとして考え、その際も空気抵抗の少ないタイプのワームを用いるのが前提。
個人的には好きなホッグ系ワームについても、この釣り方に関してはホッグ系ワームに代表される甲殻類系ワームの形状が複雑で抵抗が大きく飛行中に回転する場合が多いので、飛距離を優先したい場合には突起物の少ないカーリーテール系やシャッドテール系の方が向いています。
でも、どうしてもワームサイズは4インチを使いたい時だってありますよね。
勿論フルサイズで魚が喰ってくる時にはそれでいいのですが、あと少しその先まで飛ばしたい時には4インチワームの先端を少しずつカットしていき「短くした4インチワーム(実質3.5インチ~3インチくらい)」にして使うことが多いです。
元々が4インチあるワームであれば、ボディーの比率も全体サイズに合わせて設計するのが通例なので、寸詰めしてもバルキー感はある程度残るため大丈夫なんです。
ワームをフルサイズでの4インチからスタートしたために、この日はシンカーの重さも3/4ozを使用。
スピニングロッドのティップは普通に考えてベイトロッドほど太くはありません。なのでシンカーが重いとティップがリグの重みに負けて、ティップが過度に入り込みシンカースタックを起こしやすい。
特にシーバスロッドに多く見られる現象につき、お手持ちのシーバスロッドをロックフィッシュゲームにおける「ロングスピン釣法」に代用しようとする場合にはこの点だけはくれぐれも気をつけて下さい。
それと、あくまでも理想は「シンカーの重さは極力軽く」で、遠浅の水深であればフォール時の滞空時間を出来るだけ長く確保するために3/4ozを5/8oz→1/2oz→最終的には3/8ozまで下げて釣っていきたいというのが私の中でのローテーションです。
広範囲をズルズル探る釣りはせず、偏光グラス越しに見える沖の黒くなっている根の位置を的確に把握し、そこに確実に投げ入れるようにします。
魚にたどり着くまでにどれだけ最短の時間でたどり着けるかという点とあくまでにピンスポットへのフォールの最中に喰わせる釣りが見切られにくく、同一スポットあるいはその周囲の根からも釣れ続きやすくするための方法です。
それだけに長竿を振りきりつつもピンスポットにリグを投げ入れるには、昔の投げ釣り経験がとても活きている実感があります。
この日は、ガルプSWパルスワーム4インチから投入していき、これで獲りこぼした魚をフォローベイトとしてガルプSWダブルウェーブ3インチで拾い釣りをしてこのエリアの釣りは完了。
続いては移動してのマゴチ狙い。
マゴチはハードルアーで釣る時とソフトルアーで釣る時とではバイトの出方が異なります。どちらの釣り方も面白いし、第一にその日にとって一番有効な釣り方をするのが最優先ですが、個人的にはアタリを感じて掛ける釣りが好みなのでソフトルアーを使った釣りの方が割合的に多いのですが、この日はジグヘッドやテキサスリグを投げても反応がまるでなく、これはもしかすると魚の定位置が沖に移った可能性を考慮し、メタルジグにルアーチェンジ。
メタルジグは沈むのが早いのでワームのようにゆっくりと見せて誘う釣りは出来ませんが、その武器は圧倒的な飛距離。
30gのメタルジグをフルキャストしたあたりで、ボトムでのスロー引きでマゴチをキャッチ。
撃投ジグエアロ30g。この日は魚が遠かったことがうかがい知れます。
魚は確かに存在はするけど自分の立ち位置の近くにはいない(あるいは近距離における魚数が少ない)という状況もよくあること。
マゴチの岸釣りではワームが多く使われますが、メタルジグを一つ持っているだけでも時に救われることがあります。
飛距離の問題がそのまま釣果差となることがあるからです。
メタルジグの使い方は底ギリギリを泳ぐか、あるいは砂煙を巻きあげながら通過していくことがマゴチに対してはアピールになります。
それにしても、この魚でひと際、目を引くのがこの尾ビレの模様です。
ほんと、きれいですよね!
この他、メタルジグのピックアップ中に水面にダツの魚影を見かけ、そのままルアーを通して軽くトゥイッチを入れて誘いをかけるとたちまちヒット!ランディングしたのは85センチの立派なダツでした。
ダツを地元の海で釣ったのは震災後初です。以前(震災前)は夏場に小型トップウォーターでのダツ釣りを楽しんでいたので、久々のダツとの再会にうれしくなりました。
細長い体のダツですが、写真ではありますが魚の臨場感が少しでも伝わればと思います。
この時期のダツは産卵のために内湾の波の穏やかなところに入って来ています。
ご覧の写真の通り、ダツは獰猛なフィッシュイーターで硬いクチバシ状の口がフッキングの難しさを伴うのでサイトフィッシングだけにことさら夢中になってダツを専門に狙う夏のトップウォーターフィッシングはかなり前から個人的に楽しんでいたのが今となっては懐かしく思います。
顔のアップです。顔だけ見るとサンマやサヨリのようにも見えてきますよね。
背中の色がエメラルドグリーンっぽくて、泳いでいるダツは本当にきれいなのですよ。
尾ビレもうっすらと青みがかっています。
姿形が印象的な魚ですが、「魚」としてのかっこよさもありますよね。
余談ながら、私が釣り人生で初めてメーターオーバーの魚を釣ったのもダツ(沖縄県石垣島で釣っているので正式名称のダツではなく、厳密にはリュウキュウオキザヨリ)でした。15歳の時、1m1cmの魚をスプーンで釣ったのが始まりでした。
16年経った今でも、あの時の感動の記憶を忘れずに―。
なので尚更、ダツには想い入れがありますね。(昔話、失礼しました!)
2014年6月下旬の本日、ダツのヒットルアーは撃投ジグ25gでした。
と、ここで楽しい時間はタイムアップ。
限られた時間内での釣行ではありましたが、個人的には充実度が高く、満足のひととき。
フィールドを後にした後はロケ用荷造りに取り組み、翌日から島根県へと旅立ったのでした。
■使用タックル
●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-96MH-F
●リール:AR-CエアロCI4+4000
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:
★アイナメ用:岩礁カウンターロック1/0、岩礁メガトンロック♯1、ツイストロック1/0
☆マゴチ用:オーナーばり/カットふかせ15号とOHふかせ17号をベースとした自作シングルフック。ループ部の組糸にオーナーばり/ザイト・パワーフレックス50lb、根巻き糸にはオーナーばり/テクノーラ根巻糸を使用。
●ルアー:
★アイナメ用:ガルプSW/パルスワーム4”、ガルプSWダブルウェーブ3”
☆マゴチ用:撃投ジグエアロ30g、撃投ジグ25g
●ジャケット:リトルオーシャン/タイドウェーディングジャケットⅡ
●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ
●ウェーダー:リトルプレゼンツ/SP3 AQ ZIPウェーダー
●ウェーディングシューズ(磯でのロックフィッシュゲーム用):リトルプレゼンツ/ミッドストリームWDシューズ ピンフェルトソール
●ヘッドウェア:リトルプレゼンツ/ストリームレインハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
2014年7月5日 | カテゴリー:釣行記