ちょい釣り!マゴチ
現在も台風8号が北上中です。
これ以上の被害が出ないことを祈りつつ、台風の進路に該当する地域の皆様、くれぐれもお気をつけください。
それでは、今回のブログです。
まるで蝶(チョウチョ)の羽のような尾ビレの模様がまた美しいマゴチ。
ゴン!ゴン!ゴン!と、めい一杯の首振りファイトをしながら水面へと浮上するその姿を見るたびに今年も夏が来たことを実感させてくれる魚こそ、今回の話の主役です。
全国的にマゴチが好期を迎えていますが、「6月~7月に釣りたい魚」の中でも自身における代表格の一つがマゴチです。
元々、温暖な水温を好む魚につき東北地方の緯度はマゴチにとっての北限でもあり、釣り場が限られるうえに釣り期間も他所に比べると短いのが特徴です。
ただし、釣れる時には爆発的な勢いで釣れるのも東北地方でのマゴチですが、好調に釣れていたかと思えば…ある時を境にパッとしなくなる……というのも通例。
その「ある時」というのはマゴチの産卵のタイミングです。
なので産卵前、つまりプリスポーンの状態が型も数も狙いやすい。
よって、マゴチに関しては「釣れる時に釣る」がモットー。
「あとで」と後回しにすると、きっと、後悔を招いてしまいます。
短い期間の中でどれだけ釣りに行けるか、いかに良い状況に巡り合えるかというのも重要になる魚です。
6月のこの日はマゴチ狙いの午後船におじゃましました。
午後3時出港の午後7時までの短時間。実質、ポイントへの行き帰り含む「4時間」のボートフラット釣行です。
船釣りとしては短い4時間の釣り。
釣り場に到着したら、すぐにパターンを特定することが先決です。
モタモタしていると、あっと言う間に実釣時間が終了してしまいます。
なので出港前にいくつかのパターンを頭の中で構築していき、実際にそれを当てはめてダメだったら次のパターンに移行するという、切捨て型の消去法でその時における釣り方を素早く特定していきます。
この釣り方というのはどんなワームにヒットが集中するのか、魚の一番アタリの多い水深は何mなのか、さらにルアーの重さは何gがいいのか、ルアーの色は何色が一番よく喰うのか、などです。
マゴチ狙いにおけるワーミングでは私は3つの考えを主軸としています。
特にボート釣りの場合には岸釣りとは異なり、飛距離がそのまま釣果差となる事例はそれほど多くはなく、むしろ釣り方の差がそのまま釣果に繋がる。
私の場合にはワームリグを用いた釣りをすることが多いのですが、その中で用いるのがシャッドテール系、カーリーテール系、ホッグ系の3タイプに属したワームを使ってのローテーション。
逆にいうと、これら3タイプ以外には使うことは殆どありません。
ただし、現状としてマゴチを釣るためのルアーは少ないと思っています。
マゴチも釣れるルアーは世に沢山存在しますが、ここでいうのは「マゴチを専門的に釣るためのルアー」をもっとバリエーションの数がほしい、という意味で、です。
もちろん、マゴチの生息範囲は各地に及ぶのでこれにご当地の釣り方をプラスして取り込むことはあります。例えばワインドやテールスピンジグなどがその代表例です。
さて!
この日、私はシャッドテール系ワームから探りを入れますがこの時点でシャッドテール系ワームには無反応。
次いでカーリーテール系ワームにシフトしますが、釣れるには釣れますが「このワームだからこそ喰う!」みたいな劇的な釣れ方はしなかった。
ですが、カーリーテール系ワームに喰ってきたマゴチの大半がイカを吐き出したのを確認していたので、「今、この場所におけるマゴチが食べたいエサはイカだ!」と悟り、次の一手としてホッグ系ワームにシフト。
掛けたマゴチを抜きあげると10センチ前後のイカを次々に吐き出すこの状況を垣間見て、ホッグ系ワームの定説的な使い方とは異なる方法で、今回は用いることにしたのです。
ホッグ系ワームはボトムに着底させてしまえばカニ(あるいは大きなエビ)、つまり甲殻類を模すワームとして広く知られていますが、ルアーを引っ張った状態で“泳がせっぱなし”にすると両サイドのパドルが水圧でずっと閉じた状態になりますよね。
この時は下からワームを見上げるとホッグ系ワームであっても、イカのシルエットに近くなっているのです。
今は、そういう見立て方をします。
ボトムで止めた時と水中を舞っている時のシルエットは必ずしも一致しない、という考え方です。
そのため、今回の手持ちワームの中で「イカに類似させるシルエット」と「イカっぽい動きを出す」のにパワーベイト/パワーホッグ4インチはその選択肢の一つとしてちょうど良かった。
しかし、ボトムをズルズル引きずるように動かしては任意の演出とは異なるため、アタリは遠のいてしまう。
キャスト後、一度しっかりと底取りした後はワームをフワッと持ち上げてそのストロークのままス~、ス~とワームを引き続き〝つんのめる“ような動きを与える。
その次のカーブフォールで一発で喰わせる。
ちょっとした使い分けは、真っ直ぐにフォールさせるとシルエットがカニっぽく、カーブフォールで横の動きを入れつつフォールさせるとイカのシルエットになる、ということ。
このリズムの繰り返しですが、この釣り方にしてからというものヒット率が劇的に変化。
写真の57センチを筆頭にハイペースで釣れ続きました。
この釣行は6月中旬。
ご当地のマゴチ最盛期から潮回りで逆算すると一潮半ほど早い段階でしたが、終わってみれば船中マゴチ68尾にヒラメが2枚だったかと記憶しています。
この日はパワーベイト/SWパワーホッグ4”の「フロレセントオレンジ」カラーと「CGBFO」カラーの2つがよく当たりました。
この他、マゴチの掛け損ねとバラシの数は確か全員合わせて27回とのことでしたので(※船長が操船しながらカウントしていたそうです)、トータル的には大型狙いと数釣りの両方でうまくまとまる釣りになりました。
夕マズメには更に活性が高まり、ようやくシャッドテール系ワームでも釣果が出始めました。
シャッドテール系ワームのジグヘッドリグによるスローローリング・テクニックが得意がKさんは54センチを筆頭に夕マズメに怒涛のラッシュで連発。
1/4ozジグヘッドに5インチのシャッドテール系ワームでバンバン掛けていました。
マゴチに最適なシャッドテール系ワームは、わずかなカーブフォールの最中にもテールがしっかりと動くことが重要。
弱い水流でもテールが動き続けること、です。
このカーブフォールの最中にテールの動きが止まってしまう(フリーズしてしまう)ワームであれば、結果的に早く引かなければいけないということになりそれは魚を探すためのシャッドテール系ワームであることを意味し、喰わせるためのシャッドテール系ワームとはまた異なるローテーションということになります。
マゴチはルアー釣りでは釣りやすい魚種の一つですが、ワームひとつで釣果が変わる可能性もあるターゲット。その日の「アタリ」ルアーを持っているか持っていないかでも時にヒット率に顕著に差が生じてしまいます。
そのため、マゴチを釣るためのシャッドテール系ワームにはテールの付け根の硬さや厚みにも気をつけて色々使い比べてみてください。
尚、ガルプSWダブルウェーブ3”の3/8ozジグヘッドリグをイカの動きに見立てて演出していた三浦君にはヒラメの釣果も。
ご覧のようにバイトが深く、ワームが丸呑みされていました。
宮城県下では一般的に7月の「海の日」あたりまではそこにマゴチがいる限り、大半の場所で安定した釣果が出やすく、梅雨時期から梅雨明けにかけてちょうどベストシーズンに相当します。
シーズン後半になればなるほど日中よりも朝夕に狙いを絞った釣行の方が効率的な面もあります。
オカッパリも、ボートも、両方の側面からこの魚に迫ると、釣り方の違いや細かい特徴も知れて更に面白いターゲットです。
マゴチシーズン真っ盛り。
引き続き、痛快なコチ釣りを楽しみましょう!
■タックルデータ
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:OHラウンドヘッド(JH-11)3/8oz
●ルアー:カルティバ/ジャスターシャッド4.2”
パワーベイト/パルスワーム4”
パワーベイト/SWパルスワーム3.8”
パワーベイト/SWパワーホッグ4”
●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●ヘッドウェア:カルティバ/バケツハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★宮城県石巻市ボートフラット(フラットフィッシュゲーム)船宿<渡波地区>
■幸丸(内海船長)【受付番号090-1490-3622】
2014年7月10日 | カテゴリー:釣行記