ハタ科の魚特有の鋭いアタリを感じてアワせれば、重々しい引きが伝わる。
ロッドにかかる負荷が小気味良い釣り味を演出するアカハタ。
びっくりするくらい美しい根魚。
嗚呼~また行きたいなぁ…と振り返るわけですが(笑)。
次はいつかと、今からまた楽しみは尽きません。
そんな静岡県でのアカハタゲームですが、この釣りの案内役・西伊豆「ふじなみ丸」の若船長・伸さんより私が帰った後に届いたのがこちらの写真。
私の釣行時には釣れなかった「アヤメカサゴ」です。
伊豆半島以南はカサゴの仲間が多い海。
アヤメカサゴの実物は私もまだ拝見したことはないのですが、写真からも分かる通りこの魚もまたきれいな発色の魚ですよね。
この日は「ひとつテンヤ」でのロックフィッシュゲームで出船し、アカハタ・カサゴに交じっての釣果とのことでした。
伸さんにもご愛用いただいているシューティンウェイSWS-702L“スイミントレーサー”は強靭な粘りのあるトルクでグイグイとボトムから引き離す竿につき、マダイや根魚狙いのテンヤ釣法でのユーザーも多いロッドです。
更に後日。
南伊豆在住の久保田君から「初アカハタ釣りました!」との連絡が!
久保田君は岩手県出身ながら就職を機に静岡県へ。
これまではムラソイやカサゴ、メバルを釣っていただけにアカハタは憧れのターゲット。
新天地での活躍と新しいフィールドでの釣りを存分に楽しまれることを期待しています。
こちらの海でも愛用のシューティンウェイ・スイミントレーサーが活躍しているようです。
見事なアカハタ! 久保田君、おめでとう。
と、いうことで秋も真っ盛りになってきた東北。
あいにく不安定な大気により曇天・雨天の日は多いものの、時に爽快な青空が広がる日はやはりうれしい。
さて!
アカハタに続いての内容はキジハタ話のオンパレードとなりますが、その前に少しフレッシュウォーターのお話も。
なかなかプライベートで行ける時間が取れない渓流釣りですが、それだけに趣味的要素満載で楽しんでいます。
それでは、次回は岩手県での渓流釣りの話でも。
2014年9月29日 |
カテゴリー:その他
アカハタは十分なほど釣れてくれた。
インパクトのある個性的な造形美を誇る魚たちの存在はいつまでも強く残る。
こういった種族が多いロックフィッシュ、「根魚の釣り」は本当に大好きだ。
他にもカサゴやオニカサゴ、シイラまで釣れたこともうれしい。
楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの。
菅原さんとの釣行は間もなく帰港の時を迎えていた。
磯の周囲には何度も何度もウミガメが顔を出し、時にはサメの背ビレがス~と走っている。
サメはアオザメだろうか、シュモクザメだろうか。
背ビレの感じからすると、それなりの大きさがある。
「嗚呼、最後の最後にテキサスリグにサメが喰ってしまったらどうしよう~…」などと余計な心配が脳裏をよぎる(笑)。
魚の多い海、生き物に溢れる海、静岡県伊豆半島。
黒潮の恩恵を多大に受ける海の生態系がここには広がっている。
「そろそろ港に戻る時間ですね。」
そうなのだ。本日は夜までに菅原さんも私も帰らなければならない。
東京からの帰りの道中も考えれば、私は更に遠路だ。
いよいよ船は最後のポイントへ入り直そうとしている時、船長の伸さんがシイラを発見した。
伸さん:「あ、またシイラがいますね。」
私:「うわぁ!ホントだ!あれ、デカイですよね。」
菅原さん「ちょっと投げてみていい?」
菅原さんが船に積み込んでいたシイラタックルに持ち替え、大型ペンシルベイトを沖に向かってキャスト!
大先輩に“狼”のごとく狩猟のスイッチが入ってしまったようだ。
そして数投目。私の目視では3尾いたシイラのうち、一番大きなシイラがトップに激しく躍り出た!
デカイっ!!
けたたましく唸るドラグ。
大ジャンプを繰り返す“万力”のようなパワーは、誰がどう見ても明らかにメーターオーバー。
船を一周してスムーズに対処する菅原さん。
まさに紳士が嗜む、大人のスポーツフィッシングに私は見えていた。
スピードでパワーで釣り人の引き上げに応戦するシイラの美しいこと、美しいこと。
菅原さんがキャッチしたシイラは1メーター6センチのオス。
ラストフィッシュはアカハタならぬ、大物シイラで締め。
「さすが」の一言に尽きる。
横でその一部始終を見ていた私もひどく興奮していた。
この海では根魚よりもシイラの方が身近な魚なのだろうか…!?とさえ錯覚してしまう。
1メートルを超える温帯性の外洋回遊魚がこんな岸近くを泳いでいるなんて!
その相手こそ、あのシイラなのだ!!
東北や北海道でも黒潮の分流の当たる沖合いまで出れば話は別だが、これほどの岸近くで大きなシイラがごく普通に釣れる光景というのは今回初めて見て来た。
北国では、ちょっとお目にかかれない光景です。
帰り道―。
申しわけなくも菅原さんに東京駅まで送っていただいた。
昼食までご馳走になったあげく車内での話も盛り上がり、話尽きず、終わらずの間にとうとう駅についてしまった感じだったが、新幹線の時間が迫っている私はいつものごとく重たいスーツケースをガラガラと引きながら足早に帰路についた。
皆さんもテレビをつければ、CM等で菅原さんの声が日頃から聞こえてくることであろう。
そして、上(↑)の写真は釣り人の皆さんが知っての通り、菅原さんの仕事場の一つである東京・西新宿はBS釣りビジョン内のスタジオ。
そう、このスタジオの中に生放送番組「五畳半の狼」のセットはある。
こちらの写真は以前、私がお呼びたて頂いた際のセット(2回目の出演時)だ。
芸能界の第一線でご活躍され、多忙なスケジュールにも関わらず津々浦々、多彩な釣行をされている菅原正志さん。
私にとっても尊敬してやまない釣り業界の大先輩であり、その経験にはご一緒させていただく度に私自身大変勉強させていただくことが多いのだが、釣り人としての一面のみならず、人生の先輩としても教わることは実に多い。
ご本人を前にして口にするのも少々照れるものがあるが、一人の男として言うなれば、こういう歳の重ね方をしていければ素敵だなと思えるのが菅原さんの魅力。
また“Boss”とご一緒できる日を楽しみにしつつ、次のフィールドへと私は歩みを進めた。
菅原さん、どうもありがとうございました。
偉大なる大先輩に感謝―。
それから、ロックフィッシュゲームに多大な理解を示して下さっている静岡県西伊豆は安良里港「ふじなみ丸」若船長の伸さん、そして「サクマジグ」の佐久間さんはじめエキスパート揃いの大漁企画の皆様方のお心遣いにも感謝、感謝です。
ありがとうございました!
またよろしくお願いします!
★静岡県伊豆半島ボートロック船宿(安良里地区)
■ふじなみ丸(藤井船長)【090-3384-9396】
2014年9月27日 |
カテゴリー:釣行記
翌日、菅原さんと私は船宿「ふじなみ丸」の小型船(愛称:ちびなみ丸)に乗り込んだ。
ふじなみ丸では大小3隻の船を有しているので、釣りの種類(沖合の釣りなのか、近海の釣りなのか)や人数によって船のタイプを合わせてくれるのもうれしい。
ちなみに後方に見える船は“若大将”こと、かの加山雄三さんの光進丸である。
圧倒される貫禄の様は誰がどう見ても素晴らしい豪華船としかいいようのない凄味が漂う。
さぁ!
我々は今日もロックフィッシュゲームへ!
朝も早くから全開モードで、ちびなみ丸で出船だ。
小型船は船がコンパクトな分、小回りが利く。それだけに前日のような乗合船タイプの大型船では近づけない浅場の磯周りをもタイトに撃てるのが何よりの利点だ。
もっとも、東北は三陸リアス式海岸での磯撃ちから始まった私にとってはこのスタイルの方がロックフィッシュゲームとしてはピンと来る。
釣り方は前日と同じでキャスティングして狙っていく。
前日は狙った水深が20mを主に最大30mまでの、やや深場だったのに対し、今日はシャローまで入れる小型船の利点から水深10mラインを狙う。10mラインであればスローフォールを得意とするクランクシンカー1ozで十分釣りになる。
本日、探っていく水深は13m前後が主で、最大でも22mほど。
これだと北陸・新潟県糸魚川市沖のキジハタゲームと同じ水深帯なので手馴れたシチュエーションだ。
伊豆の海もまた透明度が高いので水深10mラインであれば、高性能な偏光グラスを着用すれば海底まで見える。
まさに“ブラインドサイト”出来るステージだ。。
ピンポイントキャストののち、岩の亀裂に沿って真っすぐにフォールさせると早速、アカハタが喰う。
クランクシンカー1ozテキサス。幸先は良好だ。
続けてカサゴも好反応。
本日も充実のロック日和。
ハタの仲間はサンゴ礁のリーフの中にも多いカンモンハタやイシガキハタ(いずれも沖縄県では普通に見られる小型のハタ)を除いては、そのほとんどが深場を好む種類が多い。
アイナメやソイに比べれば必然的に狙う水深が全体的に深くなるハタ科においてキジハタやアカハタ、オオモンハタについては、まだ水深の浅い方に生息する部類に入る。
これがホウキハタやアオハタとなればもう少し深い水深を必要とするし、更にはマハタを狙う水深ともなればそれなりの型モノを狙うとなれば70~80mは要するだろう。
さすがに70m以上ともなれば現行のロックフィッシュタックルでの範囲を超え、むしろジギングで狙った方が効率的。(ただし、水深の関係上リリースは難しく、釣り上げた魚は全部キープというのが前提の釣りとなる。)
キャスティングして釣っていきたいこと。
更には、長くこの釣りを続けるための資源維持の観点から基本的にはキャッチ&リリースが可能な水深であること。
これらを満たすのが私の中での通常のロックフィッシュゲームの範囲として見据えているため、水深が浅いほど自身にとっては本来のスタイルが活かせるのでうれしい限りだ。
PEラインは前日の2号から今日は1.5号に替えている。今日は水深が浅いため用いるシンカーが軽くなる分、それに合わせての策だ。
まるでヒラスズキを狙うかのごとく、白いサラシに向かってクランクシンカー1ozテキサスリグで磯撃ちしていく。
ここは静岡県だが、釣りの内容的には岩手県でアイナメを狙っている感覚。
まさに宮古の重茂半島のイメージがピタリと当てはまる。
菅原さんは本当によく釣ります。
本日もアカハタ絶好調!
操船に勤しむ傍ら、アワセが炸裂する伸さんもアカハタを連発。
さすがキャプテン!若大将ならぬ、若船長です(笑)。
ご自身でも精力的に釣り場の開拓と試釣に余念がない伸さん。魚の付場をピンポイントで分かっているから実に的確な釣りをされます。
頼れる、伊豆の兄貴です。
アカハタのバイトは必ずといっていいほど、フォールの最中に出る。いかにしてフォールの間合いを長く取るかが重要で、そのためにシャローではリグの沈下スピードが早過ぎるのも考えものなのだ。
ルアーはやはり「赤」のパワーホッグ4インチとガルプSWダブルウェーブ3インチの「赤」と「レッドバグキャンディー」のこの3つへのヒット率が依然として高い。
アカハタが吐き出すベイトはやはり前日同様のこのエビ。ダブルウェーブのレッドバグキャンディーに色の感じが似ていることからもシルエットも動きもマッチ・ザ・ベイト的にも合っているのだろう。
今日もまた登場する前日のエビ写真ですが、この日もやはり同じくアカハタ達はこのエビをたくさん食べていました。
他にも色々、ワームはタイプ別、サイズ別、カラー別に持ち込んだストックをまんべんなく投入したのだが…思いほのか釣れないのだ…。
パワーホッグ4インチは大変釣れるが、ここのアカハタに特に効いたと思ったのは「赤(レッド)」だけ。
クリア系レッドである「チェリーシード」や「レッドバグ」カラーも多用したが、私の予想に反しパワーホッグ4インチのシルエットだとこれらの色ではアタリが出にくく思わぬ不発を喰らった。
「チャート(CGBFO)」や「オレンジ(フロレセントオレンジ)」も反応が悪い。「ブラック」や「モエビ」は釣れるには釣れたが無難な釣れる感じで爆発力にはやや欠ける。
「パールホワイト」、「ホワイトグロー」、「エビチャグロー」に至ってはアタリすら出ず、今回は結局1尾も釣れなかった。
又、キジハタに対しては非常に有効なケイムラ系(UV系)カラーも私の期待に反してここのアカハタに対しては惨敗した。
露骨なまでにワームの色で釣果に差が出る。
この差はいったい何なのだ…。
「魚数が沢山いる=いっぱい釣れる」と思っていると痛い目に合うと考えた。
釣れない時間を極力なくすために、釣れるワームのローテーションを組んでいくだけで頭の中は常にフル稼働し続ける。
私はロックフィッシュゲームにおいてもスピニングタックルは必要不可欠としており、事実スイミングメソットや超遠投の釣りも得意としている。
そこでスピニングタックルに持ち替え20gのジグヘッドリグのスイミングを試すが、これがなかなか手こずる。
今、振り返ればキジハタやクロソイを釣るようにリグを浮かせた状態でスイミングさせていたのが悪かったのか。もしかしたら、「ひとつテンヤ」の時のようにリフト&フォールだけで釣っていた方が良かったのか……今もなお反省は尽きない。
ジグヘッドリグにあまりにバイトが出ないのでこの時はしばし躍起となってしまったが、ようやく苦労して釣った1尾がこちら。
ワームはパワーベイトSWパルスワーム3.8インチの赤だが、この1尾がヒットしただけでこのワームのジグヘッドリグにはこれ以降のアタリはなかった。
この時点でハタはハタでも、アカハタとキジハタが全然違う釣れ方をすることが更に身に染みた。
今に関して言えるのは、これは下手にスイミングにこだわらない方がよいと悟り、釣り方を再び戻す。
パルスワームからパワーホッグとダブルウェーブに戻しただけで、やはり釣れ具合が違うのだ。
今回が初めてのフィールド。試すことは山ほどある。無我夢中で試行錯誤を続けながらも後ろを振り返る度に、菅原さんと伸さんはご覧の通り!
相変わらず、黙々と魚を釣っている。
クランクシンカー1ozの赤ホッグ4インチのテキサスリグで釣りまくるお二人。
やはり、ここの今のベイトはエビなのだ。
群青色の海から鮮やかなアカハタが浮上するシーンを見ているだけで感激が増す。
光が差した瞬間は尚のこと、最高にきれいだ。
今回はアカハタの偏食具合に上手くマッチしたタイプのワームと色を持っていたので良かったが、持参したルアーが仮にハズレ・ルアーばかり揃えて行っていたらと思うと……正直、ゾッとした。
キジハタも反応するルアーにはかなりシビアだが、アカハタも相当にシビアな魚だ。
ワームの型と色、大きさ。それからシンカーの沈下スピードがキモ。
シンカーは素材の比重と形状からも影響を与えているフォールスピードを刻む必要がある。
それだけに、自らの意思でリグを選んで喰ってきている。
目の前に来たルアーなら、とりあえずはなんでも反応するという感じではない。
釣れるルアーとは「魚から選ばれるルアー」であること。
釣り込んでいきながら、今は“アカハタモード”に染まる。
菅原さんは本日一番の大型を。
皆さんも釣りに行かれる際、ワームはタイプ別・カラー別に自身の信頼を置ける範囲で複数持参することをオススメします。
タックルデータ
■ベイトタックル(PEラインでのテキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ 1.5号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号
●シンカー:クランクシンカー1oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁メガトンロック1/0、2/0
岩礁カウンターロック2/0、ツイストロック3/0
●ルアー:パワーベイト/パワーホッグ4”、ガルプSWダブルウェーブ3”
パワーベイトSWパワーホッグ4”
ガルプSWパワーホッグ3”(プロト)
■スピニングタックル(ジグヘッドスイミング用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号
●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2
●ジグヘッド:ファイアヘッド20g
●ルアー:パワーベイトSWパルスワーム3.8”
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●レッグプロテクター:カルティバ レッグプロテクター
●ヘッドウェア:リトルプレゼンツ/ストリームレインハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★静岡県伊豆半島ボートロック船宿(安良里地区)
■ふじなみ丸(藤井船長)【090-3384-9396】
2014年9月26日 |
カテゴリー:釣行記
この日は高いウネリがネックだが、魚の活性は良くアカハタの釣果は相当数に上った。
赤やオレンジ、鮮やかな色彩のアカハタ。
本当に美しい色彩を誇っている。
釣り上げたアカハタが口の中に食べていたエサを頬張っている場合、その7割方が決まってこの種類のエビだった。
ご当地の海域では重要なアカハタのエサになっているのだろう。
続いての2割がカタクチイワシ、残り1割がカニという内訳だ。
カタクチイワシはシイラやサメ、ワラサに追われて船の周囲ではベイトボールになって見えるくらいだから、その数は計り知れないほどの量がいるわけだが、これだけベイトフィッシュがいるのにも関わらず、イワシよりもエビを好んで捕食するところからアカハタは小魚食よりも甲殻類食の方が強いことがうかがい知れる。
実際、各種タイプ別に様々なワームをローテーションさせたが、カタクチイワシを意識したシャットテール系ワームにはバイトすら出ず、カーリーテール系ワームやグラブではポツポツ釣れる、ホッグ系ワームにすると、ほぼ確実にアタリが得られるという状況。
中でも赤色のホッグ系ワームはダントツのアタリルアーだった。
面白いことに、赤のパワーホッグ4インチの1.5ozテキサスを磯に向かって投げると、着水から2秒~3秒ほど沈んだところでラインに急激に横に走ることがあった。
これは着水したテキサスリグをシイラが引っ手繰っていくもの。
実際90センチほどまでのシイラをテキサスリグのノーアクション・フリ―フォールで釣った。
使っているのはドラグをフルロックしたベイトタックル。
メーターを超えないにせよ、ロックフィッシュ用ベイトタックルで90センチ前後のシイラが掛かれば、そのやり取りは予想外のエキサイティングな事態になる。
それでも安心なのはPE2号にシーガーグランドマックスFX5号のリーダーが接続されていること。グランドマックスはクレハ社シーガーブランドが誇る最高峰のフロロカーボン製ハリス。ルアー用リーダーとしても十分に合う。
最終的には猛スピードで突っ走る回遊魚相手にドラグフルロックはやはり無理があるので、ドラグを緩めて応援することになるが、1mそこそこのシイラ相手にこの竿が折られてたまるか!と気合を入れてブラインドサイト(シューティンウェイSWC-722EXH)でリフティングしてランディングに導く。(※ただし、意図しての真似はお止め下さいね)
ロックフィッシュ用ベイトタックルで最初からシイラを専門に狙うのは「魚釣り」としてはナンセンスだが、根魚を狙っている過程でたまたま掛かってしまう分には仕方ない。
それよりも不必要に魚を傷めないよう過度に長引くようなファイトは慎み手早くランディングし、リリースしてやった方が魚のことを考えれば好ましい。
魚が沢山いる海では何かと1尾、1尾の扱いが雑になりがちだからこそ、そうならないように魚に対しての気を配りたい。
これは今まで自分が心してきた「魚」という“生き物”に対する接し方のスタンス。
言わば、自分の中での約束なんです。
こうしている間にも大漁企画フレンズのメンバー皆さんは手慣れた様子でアカハタを連発していく。
次々にアカハタを連発する湘南支部の上川さん。
皆が釣れてない時も一人だけ常にロッドが曲がりっぱなしの状態は、ハタゲームとしては爆釣の域に達していました。
菅原さんから「空気読めよ!」とゲキが飛んでいたが(笑)、その釣れ具合は「凄い!!」の一言に尽きる。
伊豆支部の土田さんも、さすがホームの海だけに大型アカハタを連発されてました!
それにしても…この大きさのアカハタって凄いですよね!
「サクマジグ」の開発者である佐久間さんはなんとブレードテキサスでイサキを釣りあげ(ご本人も周囲も思わずビックリ!)、大漁企画の小野さん(ヒラスズキゲームのエキスパート)もアカハタを連発されていました。
全員に行き渡る本命の釣果に、船内は楽しく和気あいあいとした時間が流れる。
名峰、富士を眺める駿河の海はこんなにも豊かなのか。
アカハタはキジハタやオオモンハタなどよりも小型のハタで、最大でも40センチ前半までが通常だ。普通に考えれば40センチが最大というのが一般的。
実際、その40センチのアカハタを釣ることは数が少ないので大変なこと。
現状、サイズを選んで釣ることも難しい。
ここまでは好調に釣ってきた。数もかなりに達している。同じハタゲームでもキジハタ釣りよりも釣れる数は遥かに多いと感じた。
そこで単純な話で恐縮だが、小型が頬張りにくい大きなワームを使えば「喰えばデカイ!」を実現出来るものなのだろうか?と各種ワームローテーションに加え、パルスワーム6インチに至るまでワームを順次インチアップを図っていった。
が、しかし……これに喰ってくるのは小型のアカハタばかりだったのだ。フックはオフセットフック4/0を使っているのに6インチパルスワームにこそ20センチ~25センチのアカハタが掛かってしまい、30センチ以上は掛かってこなかった。
この時、カサゴは一切喰ってこないのに、アカハタだけは6インチのワームとは正反対に小型ばかりが喰うのだ。
「なぜに……?」
そしてパワーホッグ4インチやガルプSWダブルウェーブ3インチにワームを戻すと良型~大型のアカハタがまた平然と喰ってくる。
ワームの色についても考えてみたい。
キジハタはグリーン系やUV系カラーに強烈な好反応を示すことが多いがアカハタについてはこれらの色にはそれほどでもなく、むしろ「赤」に段違いで反応がいい。喰いが全然違うのだ。
これは「目の色覚」も影響していると強く感じた。
要は、眼球の色に伴う「色覚の認識の違い」が気になるところ。
キジハタの眼球は緑色。(ただし、絶命すると黒に変化する)
それに対しアカハタの眼球は黒色。
これだけで認識する色覚の違いはあろう。
好みの色も違いがあってもおかしくない。
そして、ワームサイズも単純にワームサイズを小さくすれば良いというものではなく、そのトータルでのシルエット(パーツのまとまり具合)や動きがベイトの種類に本当に合っているか?が重要だった。
もう一度、写真で振り返ろう。
この日アカハタのメインベイトは、間違いなくこの色の、この大きさのエビだった。
あからさまに偏食傾向にある、ということは西伊豆のアカハタは余程このエビが好物なのだろう。
そして、小型のアカハタほど好奇心も強いようだ。それだけに目立つルアーに真っ先に警戒心の薄い幼魚(小型サイズ)が勢いのままに跳びつき、周囲にもきっといるであろう「ある程度の大きさ」に達した成魚はこの事態をじっと凝視して見極めているのかもしれない。
通常、魚は成魚ほど好奇心よりも警戒心の方が強くなるだけに、アカハタも大型ほどシビアにルアーを選り好みしてバイトしているのを実感。
キジハタもそうだが、総じてハタの類は動体視力に優れているから、海底ではルアーを良く見ているのだ。
単純に「ルアーサイズをデカくすれば、デカい魚が喰ってくる(だろう…)」という我々・人間側の都合に基づいた意図はロックフィッシュゲームには必ずしも当てはまらないことをこの海でも実感するに至った次第。
こういう、一つ、一つの確認すべき事項を自分自身の行いで確かめていく工程が私にとって、釣りをして楽しいと感じる部分。
遠征先でこそ自身の情報は不足しているわけだから、知らないことを「知る」という楽しさをロックフィッシュアングラー同士でもっと、もっと共有していければ、このジャンルの釣りはみんな一緒に次のステップに進める時代がやってくるに違いない。
その夜、メンバー皆で菅原さん行きつけの松崎町の寿司屋「ととや」に本日の釣果の一部(もちろん、美味しく頂くのに必要最小限に留めて)を持ち込んでの食事会が開催された。
左から“伸さん”こと「ふじなみ丸」若船長の藤井伸一郎さん、「サクマジグ」開発者の佐久間洋さん、そして菅原正志さんです。
ベタな写真で恐縮ながら、一応…私めのも載せておきます。
アカハタの刺身もまたすこぶる上品。
北国に住んでいる方にとってはハタ料理は口にする機会は滅多にないだろうから、味覚を文章にして例えるならソイにもう少しほんのりとした甘味をプラスした感じだろうか。
アカハタも刺身や握り、煮付けで美味しい。同じハタ科のキジハタとも旨味具合が異なるが、ハタの仲間は磯臭さや変なクセがない(少ない)ので料理法を問わず美味しくいただける魚だけにお土産として釣果を持ち帰ればきっと家族ウケも良いに違いない。
この他、シイラの刺身・なめろう・握り・ステーキも美味しかった。今回、数年振りにシイラを食したが大変な満足感を得るに至った。
又、カサゴの素揚げも私好みの味。カサゴは普段釣っている割には全部、リリースしてくるので自身で食べる機会はそうないが、それだけにこういった機会にありつける際は遠慮なく(笑)いただきます!
駿河湾の海の幸を囲んでの楽しい釣り談義は終わるに終われず、菅原さんの「全員、お開き!」が出るまで、釣り人の宴は大いに盛り上がり続けたのだった。
追伸:今釣行のこの時間までの内容につきましては、9月21日リリース号のアトリエ・ボイル社「SALTY! 2014年11月号」菅原正志さんの連載「フィールドからON AIR」ページにて掲載されています。
実物以上に良く描いていただいた小生の絵も…。
菅原さんの連載コラム、ぜひご覧ください。
タックルデータ
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号
●シンカー:タングステンシンカー1.5ozのち1.2ozに変更
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁メガトンロック2/0、ツイストロック3/0、4/0
●ルアー:パワーベイト/パワーホッグ4”、ガルプSWダブルウェーブ3”
パワーベイト/パルスワーム6”、パルスワーム4”、
SWパルスワーム3.8”、Tテールミノー3.5”
パワーベイト/パワーゴビー4”等
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●レッグプロテクター:カルティバ レッグプロテクター
●ヘッドウェア:リトルプレゼンツ/ストリームレインハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★静岡県伊豆半島ボートロック船宿(安良里地区)
■ふじなみ丸(藤井船長)【090-3384-9396】
2014年9月25日 |
カテゴリー:釣行記
★プロズワンからのお知らせ★
プロズワンでは「2014いしのまき福祉まつり~ボランティアフェスティバル~」に協賛しています。
日時:2014年9月28日(日)
時間:AM10:00~PM2:00
場所:宮城県石巻市 JR石巻駅前 にぎわい交流広場
♢ふれあいステージ
各団体・有志のボランティアによるステージショー
♢模擬店・バザー等
●リサイクルバザー(日用品・雑貨他)
●おまつり広場(模擬店コーナー・ゲームコーナー・ダンボール迷路)
●体験コーナー
♢大ビンゴ大会
2014年9月24日 |
カテゴリー:その他