行こう!キジハタの海へ。~Vol.2~(3)
途中シーバスの釣果が印象的だったが、引き続き私の本命とするキジハタを狙う。
用いるのはテールスピンジグだ。
ボトムすれすれを引くとやはりカサゴも多々喰ってくるので、カサゴが喰わないレンジまでルアーを上げた状態を維持するとキジハタが掛かる。
フラットフィッシュゲームを嗜まれている方であれば分かりやすい例えかもしれないが、これはマゴチとヒラメの捕食ゾーンの違いに似ている。それがカサゴ(マゴチ)とキジハタ(ヒラメ)の混生域での“レンジによる釣り分け方”の一つだ。
確かな手ごたえは続く。
少しサイズアップしたキジハタは37センチ。
魚釣りは決して大きさだけではないが、今日はずっと35センチ未満が続いていただけに、このサイズアップはうれしいもの。
私の中でキジハタはサクラマスと同じく「その日、1尾でも出会えたらうれしい魚!(サイズに関係なく希少価値のある魚という認識)」だが、もしそれが40センチを超す大きさの魚であれば気分は更に最高!に尽きる。
それだけに十二分な満足を得る。キジハタとはそんな魚なのだ。
出会えること自体に、物凄い喜びを感じられる。
もちろん、望外の大物と出会える機会があるのならそれにこしたことはないが、心掛けとしては過度な高望みは謹んで向きあっている。
レンジは「ボトムから1m~3m浮かせた範囲」と「ボトムから3mから5m浮かせた範囲」の2つのレンジで私は操作をしていた。この細かなレンジ操作を可能とするのがPEラインのマーキングだ。マーキングされていないラインだと感覚だけの世界になってしまうから、具体的にこの微妙な操作が出来ない。縦方向に誘う釣りではPEラインのマーキング(色分け)は正確なタナ取りの意味でも大きな戦力になることを知ってほしい。
上記の37センチは「ボトムから1m~3m浮かせた範囲」でバイトを得たが、「ボトムから3mから5m浮かせた範囲」にルアーを持っていったら今度は39.5センチを追加することに成功した!
縦持ち。
この時点で、私の中では今日の釣りは十分満足の域に達していた。
正直、自分は納竿して後は皆の釣りを観ているだけでも構わない。
だが…、もし「もう1発!」の淡い期待を込めても許されるのなら…そのチャンスに全てを懸けたい!そんな心境にも同時にかられた。
横持ち。
いつ見ても、ひどくカッコいい魚。惚れ惚れする存在感がこの魚にはある。
この魚に出会いたくて、“キジハタの海”に足しげく通っているのだ。
よし!もう一発!甘い期待を込めつつも(笑)、もう一度、挑んでみよう。
願い叶うならサイズUPの壁に挑戦だ!
そこでもう一度、作戦を再構築する。
こうなると次からはルアーのレンジをボトムから5m上げた状態を維持して横に探ろう。もしデカいキジハタがこのエリアにいれば、きっとこの5mほどボトムから離して浮かせた状態にあるルアーを向こう(魚の方から)から喰い上げてくるはずだ。
この組み立てた考えは、またしても功を奏した!
ドン!と竿先を突いて持って行かれるようなバイトと共にギュン、ギュンとロッドが曲がって追従していく。
「これは来た!」
デカいとすぐに分かる。
キジハタは40センチを超えると別物のような引きをみせるため、その判別は容易だ。
同寸で比較すればアイナメやソイの40センチよりもキジハタの40センチの方が引きは強い。
なので、アイナメ釣りやソイ釣りの経験者で、これからキジハタを狙いたい!、本格的にキジハタも釣っていきたい!という方がいれば、引きの強さと魚の大きさに対してのギャップをまずは感じることもあるかもしれない。
トルクフルな引き味を堪能しつつ浮上したのは明らかに40センチを超えている魚体。
自分でネットを取りに行き、すくいあげる。
ランディングしたのは42.5センチのキジハタだった。
縦持ち。
横持ち。
この魚もまたテールスピンジグでの釣果だ。
キジハタに対するブレードの効果は圧倒的なもので、時にブレードの反射がないだけで全くヒットが望めないこともある。そんな時ほど、リグにしてもルアーにしてもフラッシングを強調することを考えたアレンジをすると、今までの反応がなんだったかのように感じるほど急に喰って来ることがある。
キジハタ狙いのデイゲームではなおさらだ。
魚のスイッチが入るってことが、「こういうことなんだ!」と素直に実感するのもこんなシチュエーション。
私はこの魚を最後に納竿。清々しい気分で釣りを終えることが出来た。
カサゴとキジハタのフッキング位置の違い(そのことは捕食方法の違いにも繋がっている)やテールスピンジグの重さの使い分けによるレンジ操作法は掴んでいるので、今ではテールスピンジグによるキジハタ攻略法はワームの釣り(リグの釣り)と同じく私の主力となるまでになっている。
ハードルアーではあるが、ワーム的に使うことが出来るのがスピンテールジグという存在だ。
そのことがロックフィッシュゲームでは非常に大きな意味を持っている。
将来的にはメタルジグもワーム的に使えるテクニックを見出せれば、岸釣りからヒットゾーンが遥かに遠い場合のロックフィッシュゲームでも必ず役に立つことが予想される。
現在、オフショアジギングの世界で大人気となっているスローピッチジャーク(スロージギング)の釣りもそういった要素が満載だ。
今年はキジハタをはじめ、アカハタやバードサンドバス、スポッテッドサンドバス、キャリコバス(ケルプバス)と国内外のハタ釣りに精一杯尽力していることも自身、ロックフィッシャーとして大きな意義を持つ一年となっている。
いずれにしてもキジハタゲームの徹底追及は、アイナメゲーム、ソイゲーム、カサゴゲームとは違うまた新しい風がロックフィッシュゲームに吹くことを実感している。
まだまだ発展を続ける、ロックフィッシュゲームの世界。
その世界観は広い。
タックルデータ
■スピニングタックル(テールスピンジグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●スナップ:カルティバ クイックスナップ♯2
●ルアー:テールスピンジグ20g~32g
●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ
●パンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーパンツ
●ヘッドウェア:カルティバ/バケツハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXイーズグリーン、TALEXアクションコパー
★新潟県糸魚川市ボートロック船宿
2014年11月6日 | カテゴリー:釣行記