晩秋の支笏湖
本日は、晩秋の支笏湖のお話です。
過日の初雪の名残と終りかけの紅葉が織り成す景色が心に迫る車道。
カーブを曲がる度に、光の当たり具合で木々の色などの景観が異なり心が弾む時間。
先週、仕事の合間を縫って5時間だけ釣りを楽しんできました。
「5時間」といってもポイント間の移動と食事タイムを含めてなので、じっくり集中して竿を振れたのは3時間ほど、でしょうか。
本当ならば2日、3日、現地に滞在して腰を据えてじっくり釣りが出来たら最高なのですが、忙しい日常の間のちょっとした気休めの時間、“ちょい釣り”気分で竿を振る感覚です。
釣果は別になくてもいいから、今日はこの湖で竿を少しでも振ることが出来たら、うれしい! そんな意気込みで。
あいにくの、風強し。
しかし、この湖でトラウトを狙ううえではベタ凪の無風よりは条件が断然良いので、そのあたりは特に気になりません。
向かい風に加え、波気もあるので、この場所に限ってはミノーの飛距離ではちょっと厳しそうにつき、最初からメタルジグやヘビースプーンを主体にセレクト。
支笏湖は言うまでもなく景観が美しい場所につき、本日は文は少なめ、写真多めにしますので、ぜひその景色も一緒に楽しんでくださいね。
岸から投げても水深は優に20mを超えているポイントが多々あります。
支笏湖といえば!の、かの有名な「ジャックガウディー」と、ただ巻きジグの“ブルーオリオン”。
メタルジグやヘビースプーンを用いた釣りでは飛距離と水深の深さ分もあるので、ディープレンジでルアーを操作する釣り方の場合にはラインが凍るほどの厳寒期を除いてはPEラインが使いやすいです。
ブルーオリオン30gを投げて80m先に着水。
風でラインが吹かれる影響もあり、そこからボトムに着底するまで30秒。深い場所だと1分ほどかかる深場(水深20m前後からそれ以上)に起点を取って、足元までルアーを引いてきます。
湖の釣りをされない方ですと、淡水の釣りであるのにフォール時間30秒!とか1分!とか聞くと驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんよね。
確かに。
でも広大な湖は海みたいなものですから、その時点で、スプールからラインは100m以上出た状態で釣りをしています。
個人的にはそういう釣りも好きなのでロングフォール、大歓迎です(笑)。
100m先からでも伝わるアクションもこのルアーの特徴のひとつでもあります。
尚、湖でのトラウトフィッシングではワカサギがマス達にとってのベイトフィッシュとなっている場所も多いですが、そんな場所ではワカサギカラーに色味が似ていることも多い「オオナゴ」カラーのルアーも有効だったりします。
ちなみに、ここ支笏湖に関してはワカサギはいないと言われる湖。
ですが、仮にワカサギのいない湖でもウグイやトゲウオ、カジカ(淡水のカジカ)などが生息していれば、特にウグイやトゲウオといったマスに捕食される機会が多い小魚に水中では同調しやすいので、オオナゴカラーは意外と出番が多いナチュラルな風合いのカラーになるのです。
来春を待たずして、この夏に九州で購入したイトウのアクセサリーを早速、トラウトベストに付けて釣りが出来ました。
特別な感情を抱く魚のアクセサリーを、その魚が住まう特別な大地での釣りで一緒に水辺に立てることもまた大きな喜びです。
それだけに気分も一層と引き立つものでした。
無心になって、投げ続ける時間の楽しいこと、楽しいこと!
気がつけば、もうこんな時間ですかぁ~。
ん~早い!
日没迫る、支笏湖畔の夕暮れ。
陽の沈み方が、東北より約15分ほど早く感じました。
海も、川も、湖も、少年時代からずっと憧れだった北海道のフィールドに通い続けて今年で10年目。
初めて訪れた10年前のあの日と変わらずに、こういった黄昏時の風景もまた格別に好きです。
夕ご飯はイクラが乗った「オホーツク丼」を頂きました。
セットのカニ汁も美味しく、身体が中から温まりました。
無言で己の釣りに向き合う時間。
今は何も考えずに、ただただ釣りに没頭する時間。
心、満たされる何気ないちょっとした時間の使い方でありました。
晩秋の北の大地に、いま一度想いを馳せて。
2015年11月5日 | カテゴリー:釣行記