ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

朝の場外市場で出会った高級魚。

築地市場。

①

勝鬨橋(かちどきばし)かかる墨田川に、その向こう側にはレインボーブリッジ。更に奥にはお台場一帯も見晴らせます。

 

先月のある日のこと。

近所にスーパーがないため、マメな細かい惣菜の買い物は特にしていなく、電子レンジで温めるご飯に、コンビニのサラダ、インスタントの味噌汁という、至ってシンプルな朝食続きにはなるのですが、特にこれといった不便も感じないものの、早起きして散策してみようと思い、築地市場へ。

朝の散歩にちょうど良い感じで。

今朝は朝食抜きで来たから、ここ(築地)で朝ごはんにありつくのが目的です。

 

「ん~。築地だからなぁ~…」と考えてたら、威勢のいい店員さんに促され、マグロが売りの飲食店へ。

朝からマグロかい!と自分に突っ込んでみたものの、なかなか食べられない代物につきアラ汁と共に早朝に味わう海鮮を完食。

 

朝から生ものをいただいたせいか、満腹感がハンパないです(笑)。

 

さすがにこの日は昼飯時もお腹は空かず、昼食は抜きで全然大丈夫(※本来はきちんと1日3食しっかりと適量をいただきましょう)でした。

 

 

少し時間があります。

 

テクテクと、勝鬨橋を渡りました。

ボラかシーバス(スズキ)でも見えないかな?とか思って、橋の上から時折真下を気にしつつ歩きます。

②

隅田川沿いの市場を眺めていると、映画「築地魚河岸三代目」(2008年公開作品)をふと思い出します。

海外製作の超大作だけでなく、味わい深い邦画にもいつまでも印象に残る映画ってありますよね。

私の数ある好きな映画レパートリーの中でも場所柄か、この映画のことを思い出しました。(存じない方でも興味のある方はぜひ観てみてくださいね。)

 

 

話は戻って、(築地の)場外市場を散策していたときのこと。

鮮魚店をのぞくと、その日に水揚げされたカワハギなどの近海モノが既に並んでいるから、そのスピード感(漁師さんは夜中から網起こしに取り掛かって水揚げ後、今度は運送屋さんがトラックに積んで築地まで走ってくるのだなぁ~と。)にひどく関心したものです。

 

 

ずらりと、ハタが並んでいるのが目に留まりました。

アオハタとオオモンハタです。

どちらも1尾3500円(小)~4900円(大)のお値段。

50cmくらいあるオオモンハタには、1尾4900円の値がついていました。

 

さすが、「ハタ」。

いい値段します。

 

その後ろには活魚ストックの水槽がありました。

そこにはクエと一緒にキジハタが泳いでいました。

③

茶色いマダラ模様の魚がクエ(写真では2尾確認できると思います。)で、オレンジ色の魚がキジハタです。

 

クエは、クエとしてはそれほど大きくはない30~40cmあるかないかの大きさですが3尾いて、キジハタはそれ以上にたくさんの数がいました。

逆に言えば、クエとキジハタ以外の魚はこの水槽にはいない(入れられない)のだとか。

 

都民の台所・築地市場で働く「魚のプロ」からしても、クエは別格の扱いを受ける魚であるということは一目瞭然で分かりました。

 

クエ(九絵)は、言わずと知れた「超高級魚」としてあまりにも有名ですよね。

ちなみに私め、まだ食したことはございません(笑)。

 

そんな超高級魚と同じ水槽を泳ぐキジハタの扱いについても、やはりこの魚は食産業でも“特別な魚”として扱われている印象がとても強く受けたものです。

キジハタは大きくなってもせいぜい60cm台が最大なので、クエほど巨大化する根魚ではありませんが、魚種としては同属のハタです。

 

私たち釣り愛好家は知っているように「食材としての価値」と「釣りターゲットとしての価値」は必ずしも一致するものではないのも事実でありますが、釣りをしない人でも知っている魚だとか、釣りに全く接点のない人々においても「この魚は高級魚だ!」と知るくらい、世間に広く認知が行き渡っている魚はやはりポピュラーとなり得る魚なのでしょう。

 

 

根魚をルアーで専門に狙っている人=ロックフィッシュアングラーであればその関わり合いとして、必然的にキジハタと接する機会もおのずと他ジャンルの釣りよりもさぞかし多いことと思います。

ひと昔前まではロックフィッシュ用品は大きな括りでごちゃ混ぜになってる感がありましたが、近年ではキジハタ向け釣用品もだんだんに増えてきましたし、釣れる・釣れないはあくまでも結果論だから別として、「キジハタを狙う準備と環境」は整ってきていますよね。

 

世間で「高級魚」とされているキジハタを「釣り」というライブ感を通して出会える喜び。

築地場外市場の活魚水槽に泳ぐこの魚たちを見て、またその喜びもひとしおなのだ、とまたひとつ改めて悟った次第です。

④

それと、これは余談ですがキジハタ釣りは「サクラマスの釣り」に通じる世界観を昔から強く感じています。

⑤

釣れる・釣れない以上に「この魚がいる場所で本格的に狙う意義そのものに並々ならぬ魅力を感じる」からです。

 

 

先日は大寒波が襲来した九州ですが、日本列島の南部に位置するだけに九州の早いところですと3月になればキジハタゲームが始まっていきます。

今が1月の下旬であることを考えると、もう少しですよね。

4月のGW前には四国でも大型ヒット!の声も例年聞こえてきますし、5月になれば北陸の新潟県でもキジハタ開幕!ののろしが揚がります。

 

⑥

本日はキジハタの話題が出ましたのでこの流れに沿って、来週くらいから昨年度内に綴るタイミングを逃してしまった「キジハタ釣行記」を書き綴っていこうと思います。