煮込みうどんならぬ、煮込みワーム(パワーベイトSWイール8”の場合)。
今日は、ワームを煮て柔らかくする方法をご紹介します。
発売が一年遅れてこの春デビューしたバークレイ/パワーベイトSWイール8インチ。
棒状のストレートワームですが、ご覧の通り、鰻(うなぎ)の形をした長いワームです。
こちらイールシリーズは実は昔からバークレイ本国のアメリカでは売られています。
パワーベイト素材のイールは、パワーベイトインショアシリーズ(特徴=目玉なし。ワーム素材の張りが非常に強い。)、パワーベイトソルトウォーターシリーズ(特徴=目玉とホログラム内蔵。匂いはちょっと刺激臭。)と続き、近年では日本でもガルプSW版がスポット輸入され、続いて本日ご紹介しているパワーベイトSW版が今年国内向けに発売になりました。
余談ながら、14年くらい前にアメリカ本国のバークレイUSAからピュア・フィッシング・ジャパンが取り寄せてくれた国内未発売品のパワーベイトインショアシリーズのイールは私、未だに持っています。
同じようなカテゴリーとしては同時期に出ていたパワーベイトインショアシリーズのサンドワーム8”という製品もあるのですが、こちらはイールよりも細身で素材の厚みも薄いためイールよりも俄然フッキング率が良く、当時はこちらの方が魚が釣れたものでした。
長いワームやボリュームのあるワームこそ、「喰わせてからのフッキング率」についてよくよく勉強になったものでした。
当時はまだガルプワームのない時代で、バークレイソフトベイトといえば!!もっぱら「パワーベイト」のみの時代だったのも今ではなつかしいです。
それでも、パワーベイトの威力は現在もご周知の通り、ガルプワームのない時代であっても圧倒的なバイトを引き出すことが出来たものです。
話は戻りますがこちらのワーム(パワーベイトSWイール8”)、素材が硬くそのままだとフッキングが難しい場合もあり、私はお湯で煮立てて素材そのものを柔らかくするチューン(ソフトマテリアル化)を施しています。
煮込みうどんならぬ、煮込みワームというわけです。
それと素材が硬いがため、フォーリング時にスパイラルフォールをおこしやすいのですが、動きの速い青物とは異なり根魚狙いの場合には(らせん状の)旋回落ち=スパイラルフォールするものよりも、自然にフリーフォールしていくエサの方が魚自身が捕食しやすいため(魚の習性上の問題で)、そのためにワームを煮ることでワーム全体が柔らかくなることでワームの可動域が広がり、結果的にテールアクションも、テロテロとより艶めかしい生命感を演出し「ワームの動く質感が変わる」ことも期待できます。
そうです!ウナギやアナゴ、ギンポやウツボが泳いでいるような、あのクネクネとした質感です。
いずれにしましてもワームと動きとフッキング双方を良くするためには、このワームが“テロンテロン”になるまで煮ます。
鍋に水を入れ沸騰してからワームを投入。
作業は、麺類を茹でるイメージでおこなってください。
クリアー系カラーのワームの場合は通常3分ほどで、しなかやさが増して柔らかくなってきます。
私の場合には念には念を入れて「5分」煮ることが多いです。
パール顔料を使用しているカラーの場合、ワーム素材がクリア系カラーよりも更に硬いため煮沸時間を長く取ります。
リュウグウハゼカラーであれば10分煮ています。
この時、目玉シールがお湯の中で取れてしまう場合もありますが、これはカラーによって素材の質感が異なるため、目玉シールとの接着の関係でそうなりますが、プラグならまだしも、ワームですので目玉がなくても劇的に釣果に響くようなことはこの類のワームに関してはまず心配ありませんので大丈夫です。
細かいところまでディテールの気になる方でしたら、また後で接着剤で付ければOKですし、面倒だと思う方であればそのままでも特に問題ありません。
さて、煮たワームは、まずは水分を飛ばすためにキッチンペーパーの上に乗せて水気を取ります。
(湯気でカメラのレンズがたちまち曇ってしまいます。)
から揚げや天ぷらを揚げたときと同じようにワームも丁寧に扱ってください。
(ワームをお湯から上げる際、ワーム本体が大変熱くなっているため、割り箸や菜箸、トングなどでワームをつかんでくださいね。)
ワームを冷まして、水気をキッチンペーパーに吸わせたら、味の素か粗塩をワーム全体にまぶします。
煮たワームは、ワームが柔らかくなった分、ワーム表面がぶよぶよとベタつきが出るため、これを防ぐ目的と素材を締めるためです。
粗塩の方が気持ち素材が引き締まるような気がしていますが、味の素でも大丈夫ですので、ご家庭の台所にある手に取りやすい方でいかがでしょうか。
尚、化学調味料として有名な味の素にはアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は「味と匂い」を含んだワームの味をつかさどる成分でもありますし、味の素は人間が口にする調味料ですので有害なものではありません。
いずれにしても、元々の収納パッケージにワームを戻した際に収納をきれいにし、ワームに変なクセが付かないようにすることが最大の目的であり、使用に際し水につけると粗塩も味の素も落ちてなくなりますので、ワーム整形維持保持剤としての役割をここでは期待しています。
硬いワームは煮て柔らかくする。
実はこれだけでフッキング性能は大幅に変わるものです。
特に幅のあるワームやロングワームはフッキングする際に魚の口腔内でワーム本体がスムーズに折れ曲がるようにしなければ理想的な針掛かりの良さを実感することは少ないものです。
硬いワームは、ワーム全体が丸呑みでもされる大きさでもなければスッポ抜けの原因になります。
よって、ワームの素材が柔らかいことはフッキングの瞬間に針先が出やすくなる効果にも繋がりますので、「このワームよくアタリは来るけど乗りがいまいち…」というようなワームをお持ちでしたら、【ワームを煮る】を試してみてください。(※素材によっては適合しないワーム・素材もあります。)
続きましては、併せて適合オフセットフックもご紹介します。
こちらのパワーベイトSWイール8”にはベストなフックがあるんです。
これもまた古くから販売されているワームフックなのですが、それがオーナーばり/オーバーサイズフックです。
オーナーばり社がグローバルブランド「OWNER」として、海外輸出向けに製造している歴史あるオフセットフックで、アメリカやメキシコなど海外でのバスフィッシングに行かれるバサーの間ではよく知られた逸品で、私もかつてより根魚釣りでも用途に応じて使ってきたのですが、近年では北米カリフォルニアのロックフィッシュゲームにおいてバードサンドバス(ハタ)の50UPやスポッテットサンドバス(ハタ)、グラスロックフィッシュ(ソイ)もこのオーバーサイズフックの7/0で仕留めています。
針にまでこだわりのある詳しい方でないと、なかなか存じ上げないかもしれないのですが、この針はロックフィッシュゲームでも優秀です。
7/0と11/0の2サイズを展開していますが、針の形状がナローゲイプのため日本のアイナメでも大型フックながらフックアップ率が高いので、今回ご紹介しているパワーベイトSWイール8”にもベストフィットしますので、機会がありましたら併せてご使用になってみてください。
岩礁カウンターロック3/0とオーバーサイズフック7/0のサイズと形状の比較です。
オーバーサイズフックは元々海外輸出向けの針につき仮にお店の店頭在庫としては置いていなくても、店員さんに頼めばオーナーばり社に在庫があれば仕入れてくれるはずです。
ご覧の通り、とてもきれいにフィットします。
魚の食い気さえそこそこあればオーバーサイズフックは「7/0サイズのフックでもアイナメって掛かるんだ!」と、きっと実感していただけると思います。
イールのみならず、パワーベイト/パルスワーム6”にもお使いいただける針です。
なのでバスフィッシングのみならず、ロックフィッシュゲームにもどうぞ!
今日はワームの煮込みとオーバーサイズフックのご紹介でした。
尚、ワームを煮沸する作業の際、火と熱湯を使うため火傷をしないようにくれぐれも気をつけていただきたいのと、空間の喚起もおこたらず注意して(異臭防止のため)安全に作業をおこなってくださいね。
2016年5月20日 | カテゴリー:製品情報