季節は秋の、ナマズ釣り。
残暑という言葉が懐かしく感じるほど、季節はすっかり秋ですね。
夏が短い北国では5月のゴールデンウィーク明けから、6月、7月、8月と各ターゲットの活性が急上昇するので「あれも!これも!それも!」と本当にせわしなくなるものの、例年9月になると台風シーズンということも重なり、回遊魚を除く大規模回遊をおこなわない地物の魚の活性は濁りや底荒れの影響等もあり少し落ち着いてきます。
今年は台風襲来が多く8月のお盆明け以降、天候不順の日が多い困惑の秋シーズンですが、9月になると青物と少しずつ入れ替わるように、シロザケも海から本格的な群れが遡上してくる季節。
ブリは南の魚、サケは北の魚。
食の分野においてもブリ分化(南・西)とサケ文化(東・北)による地域の境界があったりするので、面白いですよね。
例えば、北の大都会・北海道札幌市を流れる豊平川では同水系で捕獲された遡上第1号のサケは札幌市豊平川さけ科学館に生体展示されたりするので、それを見ることでも普段、魚と接する機会の少ない人であったとしてもこの事実を垣間見ることで季節を改めて実感することも出来ますよね。
こういった積み重ねを幼少の頃から日常体験として繰り返してきた人は生き物への情愛も深いですし、この国の季節の巡りがどれだけ壮大なものかをつくづく理解できるようになります。
季節の感じ方に一層、敏感になるんですね。
葉が色づいては枯れ、虫たちは日に日に姿を消していき、母川に戻ったカラフトマスにサクラマス、そして釣りをしない人達にも馴染み深いシロザケの尽きた命もまた朽ちゆくのもこれからの季節。
実りの秋は、反面、命を全うした生き物たちの亡骸も目に止まる頃。
哀愁漂う秋、でもあるのです。(命の重さを知ること。自然の摂理に学ぶ姿勢、それは決して悪いことではないんですよ。)
と、いうことで!
もう少しその存在を身近で感じていたい私の場合には愛すべき「ナマズ」もいるわけですが、今年はことさら時間が取れずご無沙汰していたため、今日こそは!と思い、ちょいと夕方Let’s go!
今時期の蚊に刺されると、とても腫れ上がるので蚊に刺されないように徹底防御も心がけです。
私はディートを含有していないバズオフアウトドアスプレーを愛用しています。
あとは、この写真のような虫避けアロマオイル配合の腕輪(アロマバンド)も気に入って使っています。
さて、釣り内容ですがナマズ用トップウォータープラグのみならず、何を血迷ったのかこの日の気分はバズベイトでもナマズを釣りたくなり「シャラシャラシャラ~」とバズを連打でキャストするものの、反応どころか…生き物感なし。
あれ…どこ行った!? ナマズ!(汗)。
私のナマズ釣行は原則、短時間釣行。
要は、短期集中型なのです。
もう暗くなるし…諦めて帰ろうかなぁ~とも思いつつ、もう少しだけ程近い別なポイントへ。
これ以上の時間を費やすと“本気の完全夜釣り”に突入してしまうため、釣りたい欲に支配されて脳内が超本気になってしまう前にサクッと釣ってサッと帰るのが個人的には理想なのです。
もう夕暮れ寸前もいいところなので、さすがにルアーを目で追いづらくなってきたこともあり、ナマズ専用ルアーに切り替えて更に発光体「ケミホタル」をルアーにセット。
この光があるだけでルアーがどこまで飛んでいっっているのか、飛行中も把握しやすくなります。
あとは、キャストしたときの光の弾道がこれがまた幻想的なんですよね~。
場所変えしてクローラータイプからジタバグタイプにルアー交換。流れが強い浅瀬だった場所から、流れは少ないものの水深の深い釣り場へ移動したためのルアーローテーションです。
市販のナマズ専用ルアーって大半がトップウォータープラグなので、ナマズ釣り未体験の人からしたら、もしかするとどれも似たようなタイプ?に見えるかもしれませんが、全然違います。
なので、ナマズの数が凄く多くて誰もそこで釣りをしたことのないような場所であれば話はまた別なのでしょうけれども、今の世の中なかなかそうはいかずー。
よって、その場その場でのローテーションや段階別アプローチによる使い分けはやっぱり必要になってきます。それだけでナマズの反応がガラリと変わることも多いのです。
再びケミホタルをセットしたルアーを投げた3投目のことでした。
岸際30cm沿いをルアーがコポコポコポ…と心地よい音を奏でながら通過。
バシュッ!(乗らない!)
バシュッ!!(もう一回!)
バシュッ!!!(よ~し、乗ったぁ~♪)
と、同じナマズが3回ルアーをついばんできて、3回目のバシュ!!!でフッキング。
3度目の正直というものです。
私が滞在していた間、ナマズの捕食音は一切なく、あたり一面シーン…としていて魚の雰囲気は正直なかったのですが、この魚は食い気があったのでしょう。
自身は釣り歴が長いことに加え、比較的イージーに釣りやすい魚から滅多にお目にかかれないレアな魚まで多彩な魚を広く狙っているため、その分、いろいろな想いを持って普段から釣りをしています。
なので、仮に魚が釣れなくても真剣に挑んだ結果なので嫌な思いはしない(別に気にならない)のですが、一尾獲れるか獲れないかのギリギリの状況で釣りあげることが出来た一尾っていうのはやはり格別で、今でも至極に感じます。
これが今の年齢の自分が心地よく感じる「釣りの醍醐味」ってやつです。
この想いだけは魚種に関係なく、うれしいです。
ルアーの針ですが、シングルフックを2本向き合うようにセットした天国針仕様。
サクラマス用スプーンでも多用されるこのフックシステムは、捕食吸引時に口腔内に吸い込まれやすく、かつナマズにおいても口の周りを必要以上に傷つけにくく私の場合には重宝しています。
セットすると、このような形です。
このルアーの場合にはリヤアイ1箇所に針をセットしているので、写真の通りハンドタイイングしたシングルフックを向き合うように掛けます。
尚、針の種類はカットフカセ(オーナーばり/カットフカセ16号程度)で、針の“カエシ”はあらかじめペンチで潰してバーブレスにしています。
これだけでも針外しのスピードが格段にあがり、第一にナマズの口から針を外す作業も楽になります。
トレブルフックを使うとフッキング率は高いのですが茂ったウィードやゴミ等を拾いやすい難点があり、ダブルフックはウィードレス効果は高いものの、意外と口の奥まで飲まれやすくナマズの眼球付近に針先が刺さっていたりと、意外とナマズの魚体に負荷が大きいものなのではないか…ということもあり、キャッチ&素早いリリース前提の釣りであるからこそ魚へのダメージも出来るだけ減らせることができたらなぁ…といつも考えています。
なにせ昔、好きでナマズは長年飼育していたことがあるので、そういう意味ではゲームフィッシュという釣り人目線だけでなく、生き物である「魚」としてのその存在までを含めて、扱い方も丁寧に心がけたいというナマズへのちょっとした思いやりです。
ナマズの表面のぬるぬるとしたヌメリはウナギやアナゴ同様に思われがちですが、これらよりも繊細で魚体が乾きやすいので針をはずしている時に魚体を水に浸せない釣り場では極力速やかに写真を撮って、急いで水に戻すこともナマズアングラーたる嗜み(たしなみ)です。
ネットなしの抜き上げランディングの際には、着地させる場所も周囲を見て草の生い茂ったやわらかい場所にソフトランディングで着地させてやることもナマズの魚体を労わる方法のひとつです。
抜き上げる瞬間、そこを一瞬で見極める目(とっさの判断)を養うこともナマズアングラーのスキルとして磨きたい技術。
それと表面のヌメリは極力落とさないようにすることも、リリース後のその後の生存率に関わります。
できるだけでいいので、「自分が釣って逃がした魚のその後」まで少しずつ気遣うことからまずははじめてみましょう。
それと!
ちょっとこう…気の抜けたような?…ユニークな風貌がそのようなイメージを与えているのかは定かではありませんが、なんとなく過去において魚の価値として軽視されがちな時代もあったこともあり、「ナマズだから!」とかという偏見や雑な扱いもなしです。
ナマズはナマズで1尾の魚として、きちんと向き合いたい魚です。
海外ではナマズ(キャットフィッシュ群)はスポーツフィッシングの対象魚としても、食材としても一級のステータス・フィッシュになっています。
日本とは違う見方・捉え方をされます。
元々が淡水肉食魚の種類が極めて少ない日本においては、我が国のルアーフィッシング・シーンではことさら貴重な存在であるとも言えます。
さてさて、この後もルアーを投げ続ければ…もしかすれば再びのヒットチャンスは訪れるのかも!?とは思われましたが、個人的にはこの1尾でもう満足。
今日はこの1尾に出会えた喜びを大切に、潔く納竿!
身近な大物・ナマズ釣り。
やっていることは、たいして少年時代と変わりなかったりするのですが(笑)、これが大人になっても面白いから止められずー。
秋も楽しい、ちょい釣りナマズゲーム。
賞味2時間半の水遊びを堪能!でございました。
皆さんも天候を見計らって思い思いの秋の釣りにぜひ。
今月最後の綴りの更新は、読書と共に秋の夜長が有効に楽しめるナマズ釣りの話題をお届け致しました。
よかったらナマズ釣りも行ってみてくださいね~。面白いですよ。
■タックルデータ
●ロッド:6.6ft M ベイトキャスティングロッド
●リール:アルデバラン
●ライン:シーガービッグラン20LB
●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2
●ルアー:でんぐりガエル鯰SP
●フック:オーナーばり/カットフカセ16号(シングルフック仕様)
●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ
●グローブ:リトルプレゼンツ/ストリームグローブ
●偏光グラス:ZEAL OPTICS/Vanq
●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン(夜釣り対応偏向グラス)
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2016年9月30日 | カテゴリー:釣行記