2016。春夏秋冬、今年もありがとうございました
早いもので、今年も残りわずかとなりました。
2017年新発売のロックトランジットベイトキャスティングモデル2機種(ヘビーライト、ロングベイトキャスター92)の量産品が完成し、先行のスピニングモデル「ロングスピンキャスター90オリジナル」増産分と共に検品作業に突入。
一刻も早く皆さんのお手元にお届けできますよう、その一心にて作業も大詰め。
まさに勤しんでおります。
このような状況につき関係各位お一人ずつの年末のご挨拶も今年はままらないため、この更新を持ちまして年内最後のご挨拶を兼ねての綴りとさせていただきます。
2016年最後のまとめと致しまして、今日は写真でこの一年を振り返りたいと思います。
いずれも私が見てきた世界です。
皆さんも今宵は「佐藤視点」で回想していただけければ幸いです。
よろしければ、どうぞご一緒に!
早春。
凍りつく東北の大河は、鳥海山有する日本海と出会う。
その寒さたるもの深く、深く身に染み入るものですが求めるはただ一つ。
我が愛すべき、思い入れ深きサクラマス。
そう、渓流に暮らすヤマメが海に行って帰ってきた姿こそ、サクラマスです。
毎年、毎年。
この魚の顔が見たくって!
サクラマスを本格的に狙いはじめて23年。
7年間(最初の1尾を釣りあげるまで通うこと7年間!)の空白を経て、初めて対面してから16年間続く毎年のふれあい。
口切れにヘッドシェイク、猛スピードで流れに乗っていってしまうとバラシしてしまうリスクも高い魚であるからこそ、ネットですくうまではちょっとドキドキするのをこの16年、続けています。
北海道や沖縄のように、ご当地ならでは独特の生態系からなる特別な魚が生息する地域を除くと、私の中ではこの魚ほどそうそう強く惹かれる釣魚も正直いなく、海の根魚であるキジハタと双を成して、「1尾との出会い」が何よりうれしい希少性に富む魚。
釣れそうだな…と察して、「狙っているとき」は超本気で目の前の世界だけに没頭。
サクラマスは、いつでも釣れるわけではありません。
時期と場所は限られています。
楽しむことは誰もが平等です。
しかし、誰でも平等に釣れることは稀につき、世の中、万人受けする魚とは言いがたいですが、それもまたサクラマスの持つ世界観であり魅力。
釣れるときは釣れるけど、釣れないときは頑としてまったく釣れない。
冷たい水辺に立ち込んだのはいいですが水辺が発する生命感は感じられず、手がかりも得られないことも…。
「本当にサクラマスいるの?」みたいな(笑)。
でも、それぐらいのテイストがこの魚にはちょうどいいのかな、とー。
サクラマスとかイトウとか、「釣れない魚の代名詞」みたいな魚は個人的に凄く好きで惹かれます。
周りが全然釣れていないのに自分だけ釣れることもあります。
周りで釣れているのに自分だけ釣れないこともあります。
そのギャップがまたよろし。
だから、釣れたときにはうれしさは格別です。
1尾釣れたときに“開放される心と湧きあがる喜び”を感じさせてくれます。
来年もまた良い出会いをー。
春ー。
桜、咲くころ。
ナマズたちも産卵に向けて動き出す季節です。
サクラマスに続くこと、こちらも我が愛すべき思い入れの魚、鯰=NAMAZU。
稚アユを追って、河川を上に上にと遡上してくる大型ナマズ。
腹ボデの60cmオーバーともなれば、その存在感も凄みを増します。
日本の田園風景の一部でもあるナマズ、これからも日本人の心の魚、心の釣りとして末永く世代を超えて大切にしていきたいものですね。
初夏は、梅雨の入り。
紫陽花彩る頃、喜びと悲しみは紙一重。
その釣竿、日本刀の如し。
居合の達人でもあった亡き祖父に捧げる、私が作り上げた現代の名刀に恥じぬ、潮を切る刀です。
くしくも、この竿(2種のロングスピンキャスター90)を私が受け取った日と命日が重なりました。
「新しく開発した竿、明日入って来るんだよ。」
この前日に交わした言葉が最後。
あなたが逝くときは辛かったけれど最期の瞬間はちゃんとそばにいれたから、お互いいい別れが出来て本当に良かった。
生き物の命を大事にすること、魚の尊さを学び大切に扱うことを私に教えてくれた恩人であり、我が人生の師。
祭壇に飾らせていただいた青と黒の釣り竿は、私にとっては永遠の宝物です。
北上川のほとりでフナ釣りやハゼ釣りを教わった、かつての少年は大人になった今も変わらず国内はおろか、海外まで行って魚を追いかけているという摩訶不思議。
いつの日か、私が死んだときには今度は三途の川でまた釣りを教えてね。
友人の死に、祖父の死、知人の死が立て続き、人の生き様というものを改めて考える5月、6月のことでした。
いつの日か自分が死ぬときはどうなんだろうか、と30代半ばの歩みにて人の死についてよくよく想像を張り巡らせた梅雨のことでありました。
夏ー。
盛夏を迎える文月は自分が一番、好きな季節です。
一年で一番、世の中が明るく見えるんです。
山の緑の濃さ、海の青さ、太陽光の強さが最も色濃いから、普段ひかえめな気持ちも明るくなれるのがいい。
ご存知、戦国武将は独眼流・伊達政宗。
彼が統治した仙台藩・伊達家とゆかりの地、愛媛県宇和島市での“戦”(いくさ=取材)ではスプーンリグで、“でかカサゴ”大連発。
政宗の子供が宇和島を統治したというヒストリー。
話は現代に戻って、灼熱の日振島。
身にまとうは鎧ならぬ、フローティングベスト。
兜(かぶと)はサンバイザー。
眼帯(がんたい)は偏向グラス。
武士の魂である刀はシューティンウェイコンセプト・ロックトランジット。
気分はもう、伊達政宗公です!(笑)
やー、やー、ダブルウェーブで成敗でござる!(なんちゃって!)
ロックトランジットのトランジットブルーは、まさにこういう海のイメージ。
この翌日は長引く梅雨の雨に打たれつつも心折れずの「サクラマス釣りの精神」を貫き、ヒラスズキやマダイまで釣ってしまいその瞬間は取材を忘れて(?)興奮も最高潮に達したことも良き思い出。
テレビ番組のロケで行ったアラスカは、「ロックフィッシャーとしての最後には、ここにたどり着いて終わりたい。」と思っていた悲願の地でした。
釣り人の夢は一生尽きぬものですが、人の命には限りがあるから己が一線を退くとき来れば、最後はアラスカで自分のロックフィッシャー人生は燃え尽きるようにして完結したい、とずっと想っておりまして、いつしかの未来像に憧れを抱いていた地でした。
それが…すいぶん早く達成しちゃったけれども、これも「ま、いっか!」と(笑)。
そうなると、もっと先まで行きたくなります。
ね?
遥か彼方に存在する、夢のまた夢の楽園。
今回は仕事。
でも…気分はアラスカ鉄道でフェアバンクス(有名なオーロラの名所)まで行ってみたーい!
日本から片道二日、コディアックアイランド。
これほどの釣り場はそうそうないものですから、この光景もまた一生もの。
絶対に忘れまい、と己の瞳の奥にしかと焼き付けてきました。
コディアック島のショアではクロソイの仲間、ブラックロックフィッシュがいきなり登場。
アラスカでの開始1投目の衝撃でした。
カジカの仲間は、スカルピン。
ウサギアイナメの仲間、ロックグリーンリング。
この魚、ずっと釣りたかったんですよね。
自身、一番好きな根魚が北海道に生息する「ウサギアイナメ」なので、その海外種ともなれば憧れの憧れ。
願い、叶えられました。
日本人が頻繁に訪れる場所でもないですし、そういう意味では未開の海で、事前の情報もなかったので、ちょっとは心配でしたが…狙って釣れたのでそんなところもまたテレビでお見せできたのも良かったかなぁ、と思っています。
コディアック島の沖合いではブラックロックフィッシュのポテンシャルに仰天。
60cmを超えてくる巨大なソイの迫力は「凄すぎ!」の一言に尽きます。
ソイが好きな人には、最高なターゲットです。
しかし、ロクマルオーバーのソイですら前座になってしまうのが……。
こちら!
アラスカの海底の主、パシフィックハリバット(オヒョウ)ともご対面!
オヒョウ、ついに獲ったどー!!(笑)
この魚、凄いのなんの!!
その引きが……重い、重すぎ!!
良い経験させていただきました。
感謝!
超レアな根魚、長命なイエローアイロックフィッシュまで!
この魚との出会いも一生の記念になります。
スキッパーのリチャードとのダブルヒット。
私のは75cm程もありました。
凄くヘビーなファイトでした。
超レアなカジカも実は釣っているのですが、テレビ放送ではカットされてしまったので写真で再度ご登場願いました!
かわいいでしょう(↓)。
ソイの本場・北海道で鍛えた腕と北の大地でビルドアップしたシューティンウェイ・スイミントレーサーのジグヘッド攻略はここアラスカでも炸裂!
ブラックロックフィッシュのスーパーモンスターも問答無用です。
これまたうれしいアイナメの仲間、ケルプグリーンリング!
ロックグリーンリングと共に会いたかった世界のアイナメ種。
出会えて幸せ! うれしいです!!
しみじみ想うのですが、私ももうちょっと釣りがうまくなりたくて、こういう海外で遭遇する【未知】は自分のためになるからこれからも海外の釣りはやってみたいと思っているんです。
また夢釣行で、どこかでお会いできたらいいですね。
話の色はまたガラリと変わりまして、アメリカで展開する大手フィッシングショップといえば言わずと知れたバスプロショップ。
アラスカのアンカレッジにも数年前に進出したそうなので、いざ!突撃。
グリズリーとホッキョクグマが左右に守るこちらの水槽には憧れのトラウト、「北極イワナ」が泳いでいて感動!
私的には世界で一番美しいと思うトラウトであります。
日本のサケ科魚類では色彩が一番これに近いので個人的に感じる美しさではサクラマスでもなく、イトウでもなく、オショロコマが造形美としては大好きです。
北極イワナ、この魚もいつかー。
出ました、グリズリーです。
世界最大のヒグマです。コディアック島のグリズリーはコディアックグリズリーと言ってヒグマの仲間では世界最大級になります。
なにせ、キングサーモンさえも平然と捕らえる熊ですから。
北海道は知床半島あたりのヒグマもだいぶ大きいですが、アラスカでは更に。
コディアック島の海釣りロケ中に、島内を流れるリバーをちょいとウォーク(笑)。
プライベートでアラスカに来れるのであれば、自分だったらウェーダーとトラウトロッドは必須です(笑)。
撮影の合間、ちょっとだけお許しいただいてリバーウォークしていくと写真の川では偏向グラス越しにオショロコマの降海型「ドリーバーデン」の姿が随所に見ることが出来ました。
小さいものでも40cm、大きいものだと50cmちょいくらいはあるものの、ドリーバーデンはこの時期遡上しているキングサーモン(鱒ノ介)やレッドサーモン(ソッカイサーモン=紅鮭)、ピンクサーモン(ハンプバックサーモン=樺太鱒)のエッグイーターになっています。
尚、「ドリーバーデンを釣るならスピナーが最強なんだ!」と現地のアングラーが言っていました。
又、サーモンエッグパターンでのフライフィッシングも凄く効果的とのことでした。
ついで話ですが、白夜、夜中の時間にはベニザケとカラフトマスの遡上を個人的に見に行きましたが、「ここ、夜中はブラウンベア(コディアックグリズリーのこと)が出てくるから気をつけろよ!」と言われ、それを聞いてビビッて早めにロッジに戻りました(笑)。
日本に戻ると、こんな光景を見て、日本人に生まれてよかったなぁ~と和ませてくれます。
バシャッ! バシャ、バシャ、バシャッ!
そんな涼しげな水しぶきの音が聞こえてきませんか?
尾鰭で蹴る水柱、その主はベッコウゾイ。
二つの世界の境界に浮くその魚は、今、何を想うのでしょうか。
自分が一番イキイキとなれる文月はベッコウゾイを狙うにも良い季節。
なつかしのタートルバックワーム7インチ、チェリーシードカラーで一撃。
この魚、元々数が少ないうえに、今では数も減って更に希少になってきたので、よかったらこのソイに関してはどうしても持ち帰らなければならないという時以外にはどうか見逃してあげてください。
幸い生命力が非常に強いのでリリース後の生存率もアイナメに比べ遥かに高いものと思われます。
美味しい魚でもありますが、獲る釣り(持ち帰る釣り)前提でなければこの釣りの未来のためにも前向きによろしくお願いします!
今になっても忘れない子供心。
野山でカブトやクワガタ、オニヤンマにギンヤンマを見れば湧き上がる童心。
水にもがいていた小さな友人をボートの上に救出。
こんな遭遇も夏、ならではです。
下の写真は私の釣果ではないですが、この日たまたま遭遇したライギョことカムルチー。
ルアー釣りをはじめるキッカケを作ってくれた魚もまたこのライギョなんです。
小学生の頃この魚をどうしても水槽で飼いたくて、入手手段として“仕方なくルアー釣りをやる羽目に”…。
元々は自分、エサ釣り師なのでルアー釣りそのものには興味なかったのです。
ましてや外国から来たニセモノのエサは信用しないタイプでしたので、スピナーベイトとか「人を馬鹿にしている!」なんて思っていたほどでした(大笑)。
スピナー、クランクベイト、ラバージグも結構衝撃的な造形でしたね。
それが今につながっているのですから、世の中不思議なものです。
ですので、ライギョあっての自分が今日も不思議な縁でルアー釣りをしています。
え!?
ロングスピンキャスター90はアオリイカのエギングにもいいの!?
こんな釣りも見せていただきました!
さてさて、瀬戸内の主“アコウ”こと「キジハタ」。
今をときめくロックフィッシュ界のスターフィッシュ。
今、一番人気のある根魚です。
この日は香川県高松です。
一晩徹夜で釣りをして私の釣果はこれ1尾。
だけど…その1尾がこんな大物だから最高な気持ちになれます。
まるでサクラマスみたい!って、いつも思っています。
釣りやすい魚、アベレージサイズの数釣りで無難に終わる…そんな安定な釣りは個人本位では望みではなく、0か、1かの、こういう釣りがしたいのです(個人的な範囲では)。
なので、キジハタとかサクラマスとかイトウとかは自分の理想の釣りにピタリと当てはまるターゲットなんですね。
狙いの1尾、一発来てくれればあとは何も望みません。
釣れたらうれしいけれど、やり遂げたうえでの結果であれば釣れなくてもいい。
でも、今宵は運良く釣れた。
最高な夜釣りになりました!
四国の仲間の皆さんもありがとうございました!!
夜釣りといえば、個人的にはナマズ釣り大好きです。
1尾、トップでバコッと乗せられたらそれだけでその日の釣りはけっこう満足です。
昔からの馴染みの釣りは、今や大人気になっているから世の中何が流行るか分からないものですよね。
一緒に行きたい人いますかぁー?(笑)
夏の終わりから台風が続きましたが、凪の日にはサーフのヒラメも狙いどき。
ブルーオリオン、ただ巻きでよく釣れます。
秋ー。
陽の光を通した葉は、まるでステンドグラスのよう。
深場に落ちるハゼを投げ釣りで。
心、開放する釣りです。
あまり難しいことは考えずに。
ちょくちょくサビいて、「喰い」を促すと!
バクッ!、いやすこな(意味分かる?)がハゼが喰ってくるわけです。
個人的見解を述べさせていただくと、昔から冬という季節は得意ではありません。
景色が寂しくなることに加え、寒いのが苦手なんです。
なので秋~冬へのくだりはとても悲しくなってしまい、気分的にもトーンダウンしてしまうのですが、自分も年齢を重ね、「秋」という季節もいいものなのかもしれないなぁ…と近頃は思えるようになってきました。
朽ちゆくのもまた美しきものかな、と、今はそう思えています。
海の中ではアイナメのオスも鮮やかな紅葉を纏う。
こちらは本州最東端の“トドヶ崎”灯台。
岩手県の重茂(おもえ)半島にあります。
空と青と海の青がとても調和していました。
ロングベイトを題材とした取材も楽しかったです。
今年の釣り納め釣行。
ポスト~アフタースポーンのアイナメのメス。
ヒレがボロボロになってしまうのが産卵後のアイナメのかわいそうなところ。
これもまた季節の移ろい、宿命なり。
そしてー。
時はめぐり、再び厳しい真冬へとー。
今はこうして、完成した新しい釣り竿の最後の作業に取り掛からせていただいています。
今年一年もおつかれさまでした。
皆さんにとって、良い年末年始となりますようお祈りし今年の綴りはこれにて失礼させていただきます。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。
2016年、年末に際しまして。
佐藤文紀
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2016年12月29日 | カテゴリー:釣行記