クレハ合繊/シーガーのラインとフロロリーダーの組み合わせ。サクラマス釣りにフロロカーボンラインの特性を知って釣果に生かそう!
前回はサクラマス釣りのフックについて触れましたが、今日はラインについてです。
サクラマスシーズンです。
何か少しでも知識の足しになれればと思い、少々詳しく書いてみました。
長編ですが、興味のある方は最後までお付き合いいただければ幸いです。
PEラインの使用を前提としてバラシにくさを追求した次世代トレブルフック、カルティバ/STXシリーズにSTX-38、STX-45の登場に伴い、今後はこういったPEライン専用トレブルフックの使用頻度は色々なジャンルの釣りで世の中的に高くなると思うのですが、私も例外に漏れずその多くの時間でPEラインの使用が大半を占めるようになってきています。
あえてここで語るまでもなく、PEラインの恩恵は大きいと思うのです。
サクラマスの釣りではメインラインにフロロカーボン単体で使うことは少ないものの、ナイロンとPEの2つがよく使われていますよね。
海サクラのショアキャスティングや海サクラのオフショアジギングに関しては言うまでもなくPEラインが主役ですが、私の場合には河川や湖でのキャスティングでもナイロンラインよりもPEラインの方が使用頻度高しです。
ただしこれは人それぞれで、よく行く河川や釣り方、釣り方の好みによって素材の異なるライン同士を使い分けるべきなので、単純にどちらのラインが良いというものではありません。
適材適所であることが前提です。
さてさて!
PEラインのキャスティングゲームでは摩擦抵抗の少ない8本拠りのモデルの方が飛距離に優れと水切れも良く、糸鳴りの低減につながるため「投げて巻いてルアーを動かす釣り」では多くメリットを生み出します。
サクラマス釣りではPEラインの号数は1号を使っています。0.8号や1.2号を使うこともありますが、基本は1号です。
愛用しているのはクレハ合繊「シーガーライトタックルフラッシュⅢ」。
10mごとに色分けされているだけでなく、1mごと、5mごとにも細かく色分けされているので投げた飛距離と巻き取った長さを見た目ですぐに判別可能です。
それでいてクレハ合繊が誇るPE原糸「シーガーリミテッドPE」の採用で従来品の同社PE原糸「グランドマックスPE」よりもグレードと使用感が上がっている点も見逃せません。
投げやすいしなやかさもあって、適度な張りもあるのでラインに起因するトラブルは極めて少ない。
ロックフィッシュゲームでのロングスピン釣法でも私はこのラインを使用しているので、媒体のタックルデータ欄で目にする機会も多いことと存じます。
私はメーターマーキング機能を視覚でも捉えて活かしているわけですが、単色でも別にかまわないという方にはシーバス釣りに人気の「シーガーR18完全シーバス」シリーズも良いでしょう。
原糸は同じ「シーガーリミテッドPE」なので、単色タイプかメーターマーキング入りタイプか、という色の配色の好みでも選んでいただけます。
現在、シーガーR18完全シーバスの方は“フラッシュグリーン”と“ステルスグレー”という目立つ色と地味な色の2色展開になっています。
私はメインラインは使いやすさ重視なので、何用、何用という糸のパッケージに書かれているような銘柄は気にしません。
銘柄よりも使いやすさの方に重点を置いています。
糸の特性でバックラッシュの多い糸や玉になってしまう糸、クセの強い糸やヨレヨレに拠れてしまう糸、耐久性の低い糸は根本的に使用しないようにしているため、そこはトラブルなく使える安心できる釣り糸がいいですね。
次はリーダーです。
私の場合にはサクラマス釣りでのリーダーはフロロ20lbです。あとは、ときどきフロロ16lb。
サクラマス釣りで使うフロロリーダーの銘柄は主に二つで、事前に室内でリーダーを結ぶ際にはシーガーグランドマックスFXを、現場でリーダーを結ぶ際にはシーガープレミアムマックスショックリーダーを使っています。
クレハ合繊/シーガープレミアムマックスショックリーダー。
グランドマックスFXも、プレミアムマックスショックリーダーも、どちらもソフトタイプのフロロリーダーというのが共通しています。
しなやかさが顕著ですので、バキバキに硬いハードタイプのフロロではありません。
ご周知の通り、PEライン自体はほぼノンストレッチなラインですから、魚の暴れをいなす意味ではショックアブソーバーとして代わりにリーダー部分で少し伸びてほしいわけですが、ナイロンリーダーよりはフロロリーダーの方が耐久性・耐摩耗性・強度が上回ることと水の中での屈折率の関係で透明度が高く、ステルス性に優れるのもフロロを用いる理由です。
フロロカーボンラインは取り扱い慣れない人ですとナイロンよりもゴアゴアして扱いづらいと最初は感じることもあるかもしれませんが、慣れもありますし、シーガーのフロロに関してはしなやかさも持ち味。
これまでの経験上、特に不具合はなく、むしろこのフロロリーダーには「ここぞ!」という時にずいぶんと助けられました。
仮にこんな太いコイ(80cmオーバー)が川の流芯で掛かっても、シーガープレミアムマックスショックリーダー5号なら結びがきちんとしていれば問題なくあがってきます。
シーガーのフロロはカタログ・情報等をご覧いただければ一目なのですが、硬さの表示が明確なのと、ポンド数も明確に表記されているのでその点もぜひ細かくご覧になってみてください。
ここからは専門的なお話にはなってしまうのですが、通常フロロカーボンラインの5号(つまり20lb)相当の太さは標準が0.370mmです。
国内外たくさんのラインメーカーがあるわけですが、各社の製品の中には0.370mmよりも太い5号が存在していますので、そのあたりは同じ5号(20lb)でもフィーリングがガラリと変わってくるので釣り人はそのことをよく把握して購入する必要があります。
通常であればフロロの0.330mm=16lb(4号)相当、0.370mm=20lb(5号)相当なのですが、0.370mmで20lbではなく18lbと表記されていたりする場合もあり、その場合は後の20lb相当は実質22lbや25lb相当の太さ(mm)に知らず知らずにズレ込んでいる場合があります。
極論すれば、5号(20lb)のはずなのに0.370mmよりも糸が太いということは、糸の強度が標準直径よりも低いことになってしまいます。
たいていの場合は知らず知らずに製品イメージで購入することが多いとは思うのですが、この点だけはよく把握して購入することがおすすめです。このことは釣り経験の長い人でも、知っていない人が多いのですが、なぜかと言えば私たちが日本人ゆえに「号」で糸の太さを判断する傾向が昔から顕著だからなんだと思います。
号の表記はルアー釣りの人にとっても、エサ釣りの人にとっても分かりやすいですし、ルアー釣りの人であれば普段からポンド表記も同時に見慣れているので、こちらで糸の太さを判断してしまっているという人も多いことでしょう。
ですから17lbとか、18lbという端数や18lbという珍しいlb表記の場合には単純に4号と5号の間の4.5号という意味かと思えば実は違っていて、その銘柄のmm数(何mmで何lb表記になっているのか?という標準直径)を確認してみることをおすすめします。
つまりのところ、ラインの太さ選びは号数やポンド表記ではなく、本来はmm単位でラインの太さを判別した方が正確な値の太さを掴みやすいんですね。
ですが、フロロラインのパッケージに記載されている●●●●mmという数字をあまり気にしない人の方が多いというのが実情でしょうし、初心者の方にはmmでラインの号数を判断するのはなかなか難しいとは思うのですが、これも何事も経験でありラインをついても釣歴が長く詳しくなっていくと次第に分かるようになります。
中級者や玄人の方はぜひ今一度、ご愛用ラインの「標準直径」が何mmの太さを普段使っているのか確認してみて下さい。
そうなると例えばパッケージには18lbと書いてあるのにmmで調べると実は4号相当の太さでしかなく、自分が思っていたよう4.5号ではなかった!、本当は4号=16lbだった…という場合もあるかもしれません。
2lbや2.5lbといった超極細フロロカーボンですらアジングの台頭でよく使われるようになったご時世です。
ラインは4lb(1号)ほど強度が異なるとずいぶんと違うものですから、自分の愛用タックルの糸強度を正しく知るという意味では私の経験測ではとても重要だと考えています。
釣り人にとっては身近なフロロラインですが、実際のところあまり知られていない盲点になってたりします。
お話をシーガーのフロロカーボンリーダーに戻しますね。
0.370mm=20lb、つまり5号のフロロカーボンの強度ですが、シーガープレミアムマックスショックリーダーの場合には20lbではなく、22lbの強度になっています。
つまりは通常の20lbよりも2lb分強度が強いのです。
話はそれますが、ロックフィッシュ用に私が用いるグランドマックスショックリーダーの場合には更に強度が強くて0.370mmなのに24lbもの強度があります。
通常の0.370mm=5号=20lbよりも4lb強度が高い、こちらはなんと「24lb」強度なのです!
クレハ合繊/グランドマックスショックリーダー。
渓流トラウトルアーやバス釣りのライトリグをやられている方でしたら4lb(1号)の強度でもいかに強さがあるかすぐにお分かりいただけると思います。
この差はとても大きい。メリットになる。
同じ0.370mmの5号で20lb以上の強度、24lbの強度があるなんてロックフィッシュゲームでは願ったり叶ったりなんです。
しかしこちらのグランドマックスショックリーダーは硬さが強いために伸びが非常に少なく(ハードタイプなので、その反面感度は最高!)、PEライン使用時のサクラマス釣りの際にはリーダー自体ももう少し伸びてほしいためこちらは使用せず、2lb分強度は下がるけれども20lbよりも強度が高くてやわらかいフロロリーダーのプレミアムマックスショックリーダー22lbを使用しています。
サクラマスにはこちらを使用する頻度が高いです。
釣りをするのがたいてい寒い時期が多いですから、強い糸でありつつも素材のやわらかさも現場の手の冷えた中で結ぶのも楽なんです。
下の写真(↓)は根ズレ上等なロックフィッシュゲーム、磯で釣りあげたアイナメです。
ですが根魚釣りとは異なり、サクラマスの場合には岩場を釣るロックフィッシュゲームほどズタズタになるようなひどい根ズレはそう多くはないがため、魚の習性から考えた釣り方の特性からしてもこちらの製品の方がマッチングしやすい、ということでサクラマス狙いの場合にはプレミアムマックスショックリーダーを多く選択しています。
ということでリーダーひとつとっても実は凄くバリエーションがあります。
針の素材が変わって強度が増した分、針は折れにくく、針は曲がらなくなってきました。
そうなると…スナップやスプリットリング、リーダー、ライン、リール、ガイド、ロッドのブランクにその負荷はかかってきます。
スナップやスプリットリングは金属ですので変形はしてもそうそう切断されるまでには至りませんが、リーダーやメインラインはあくまで「糸」ですから使用によって弱くなれば切れる宿命です。
おそろしいことに、釣り針の素材の改良と進化はこんなところまで影響を及ぼすのです。
タックルの一部分が変わると、全体にまで強度バランスの見直しが迫られる。
そういう観点からしても針強度の上昇はリーダーやラインのセッティングを今一度見直す機会です。
フロロカーボンでお困りの方がいらっしゃればもしよろしければ、クレハのラインもぜひ使ってみて下さい。
1971年に世界初のフロロカーボンラインを発表したのがクレハです。
クレハは日本のメーカーですので、この功績は日本釣具界の誇りといっても過言ではないでしょう。
今や世界中で愛される日本が世界に誇るラインメーカー・クレハ「シーガー」は言わずとしれたフロロカーボンラインのパイオニアメーカー。
アラスカに行っても、カリフォルニアに行っても、現地の釣具店にはシーガーのフロロカーボンラインは置いてありました。
日本では、大間のクロマグロ漁師さんも愛用しているほどです。
荒れ狂う海に己の命を懸けてまで出漁し、一攫千金の“黒いダイヤ”を釣りあげるために、本職の漁師も私たちと同じくクレハのフロロラインを使っているという事実。
フロロカーボンラインのメインラインやリーダーへの傷が原因で大物らしき魚をラインブレイクした…という苦い思い出のある方こそ、一度シーガーのフロロカーボンを試してみてください。
リーダーとしての最高峰の強度と機能を求めるなら「グランドマックス」シリーズを。
感度重視ならグランドマックス、強度は同じながらグランドマックスを改良しソフト化したものがグランドマックスFX。
そして、ルアーフィッシング用リーダーとしてのしなやかさとPEラインとの結束のしやすさを求める場合には釣り場での携帯性にも優れるシーガープレミアムマックスショックリーダーがまずは使いやすいかと思って本日はここに紹介させていただきました。
今日の綴りは釣り針の強度アップに伴う、釣り糸にまつわるサクラマスの話題をお届けしました。
専門的な視点からも深くお書きしましたが、結局は今年もサクラマスと対面できたらいいなぁ~という純粋な気持ちに過ぎないんですけどね(笑)。
ということで、私もラインをリールに巻いて…スタンバイ。
嗚呼、サクラマス釣りに行きたくなっちゃいましたぁ~(泣)。
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2017年3月3日 | カテゴリー:製品情報