ニッポンの夏、ロックな夏。~考えるRFG・オオモンハタ、再び!~
日によって高温まで上昇する西と、8月は冷夏に見舞われている東。
列島を二分する天気の相違は、それぞれの気圧配置が影響と連日報じていますね。
それにしても関東より北の地域、この夏はとにかく涼しい。
涼しいを通り越して…半袖Tシャツでは寒い日も。
この8月は天気予報を見ていると東日本の広い範囲が湿っぽい曇天・雨天の日がほとんどなので、盛夏とは思えない雨の多さも今後に気になるところ。
今週はお盆休みも終わり、週の後半からお仕事復帰された方が多いことと存じます。
反面、これからお盆休暇の方はぜひ有意義なお休みにしてくださいね。
天気は相変わらず不順続きですが、気持ちだけは盛夏を謳歌したいもの。
心躍る季節は人それぞれですが、私の場合には「夏」が一番好きです。
北国にいながら冬の寒さは相変わらず苦手ですが、暑いのは苦にならないので日焼けと熱中症に十二分に気をつけていれば身体的には平気なんです。
な~んと色あざやかなのでしょう。
黒潮の申し子・シイラが悠々と群れる夏の穏やかな海。
いいなぁ、こういう景色。
写真は鹿児島県久志の海です。
愛くるしいウミガメも顔をのぞかせます。
ハタは、そんな場で一緒に楽しめるロックフィッシュゲーム。
元々、高水温を好むロックフィッシュであるハタには“夏枯れ”という言葉は無縁。
釣りの対象魚となっている根魚の中では最もその種類が多く、総じて色も人目を引く独特の美しさを有しています。
手ごたえ、つまり引き味も同寸のアイナメ・ソイを凌ぐため、ハタは今後も多くの釣り愛好家をその有り余る魅力を持ってして引きつけるものでしょう。
ハタを釣ったことのない方であれば、例え30cmのハタでも「こんなに引くのっ!?」ってびっくりしてしまうかもしれませんね。
そのぐらい引きは強い魚です。
ボトムから引き離すまで馬力を振り絞るアカハタ。
和装のテイストをかもし出す、黒潮に浮き上がる真紅の品位。
目元を彩る、ブルーのアイラインもすてき。
フッキング直後にいきなり突っ走るオオモンハタ。
根魚なのに回遊魚。
ヒョウ柄が印象的な根魚界のアウトローは、黒潮を泳ぐ生粋の狩人。
足元まで寄せた最後の最後にも冷や冷やのファイナルランがあるキジハタ。
ハッと目を引く緑色の目とオレンジの斑点。
言わずと知れた釣り人憧れのステータス。
そのどれもが魅力的ですが、いずれも過分に釣れるほど爆釣することは稀で、一日を通して“ほどほどに釣れる点”(もしくは全然釣れなかったりもする)も、魚釣りを人生長くやるのに飽きさせないところだと思いますし、ロックフィッシュゲームでありながらもベイトタックルが思いのほか役に立たず…ということ場面もシーンによってはしばしば。
反面、ロングスピン釣法によるスピニングタックルが圧倒的効果を示したことで、今度はロックフィッシュゲームにおいても「長尺スピニングロッド」と「スピニングリール」、「PEライン」のカテゴリーがにぎわいを見せるようになりました。
種族の中ではボトムに固執せず、中層まで平気で追い上げてくる種類のハタもいることで、釣り方のバリエーションの広さという部分も広義でのハタ釣りの魅力です。
ボトムをテキサスリグでコツコツ叩くのは手馴れた釣り方ですが、接触する障害物が何も存在しない中層のただ巻き中に「ガツン!」とリールのハンドルが止まるような、ひったくるアタリを出すハタのアグレッシブさには私とてやみつきです。
それはまるでサクラマスがヒットしたときの感覚!
ジグヘッドのスイミングとか、テールスピンジグの釣りは特にそうですね。
こういうアタリを出すのはキジハタやオオモンハタが多いです。
最近ではハタに対してバイブレーションプラグとメタルバイブもよく釣れることが分かり、私も積極的に導入しています。
テールスピンジグを喰うならメタルバイブもいけるだろうな、と思いましてー。
それで投げたのが始まりで、実際それでハタがバイブレーションプラグもメタルバイブも喰ってきたから「やっぱり!」となったんです。
思い起こせば、その昔は沖縄県の石垣島や西表島のリーフ内のイシガキハタやカンモンハタ相手にサクラマス用のスプーンが一番釣れた経験があるので、ハタにはスプーンも効くのは確か。
それも着水してすぐに巻きはじめて引いている最中ですから、スプーンは完全に浮き上がって上層を通っているはずなんですね。
サンゴ礁の隙間からこれら小型種のハタが飛び出してスプーンを追い、喰ってくるんです。
なので実のところハタ釣り場に行くときにはスプーンも常時持参しているのですが、最近はロングスピン釣法の甲斐あって15mとか20mとかの深い水深を釣ることが多いので、浮き上がりやすい性質があるスプーンは今のところ出番待ちがほとんどなのですが、5m程度のシャローを引くことがあればスプーンは今後自身のロックフィッシュゲームでもまた出番が増えるかもしれません。
私のサクラマス狙いの釣りではスプーンも多用していますので、こういう釣りはきっと性分に合うと思っています。
いずれにしてもテールスピンジグを筆頭に、メタルジグ、バイブレーション、メタルバイブもハタには効きます。
南方ではヘビーシンキングミノーへのオオモンハタのヒットもたびたび聞くことがあります。
事実、こういったハードルアーたちですが「今ならワームより釣れるのでは?」と思うタイミングも場面場面であります。
そうなると使うルアーの種類も、ワーム縛りではなくなるので、【ロックフィッシュゲームそのものの在り方】も彩りが変化する可能性が今後秘めています。
ちなみに外国のハタであるケルプバス(キャリコバス)なんかは、この魚を専門に狙うのにジャークベイト、日本でいうミノープラグやジグヘッド内蔵式スイムベイト、ブラシガード付きジグヘッド+シャッドテールワーム、クランクベイトも現地ではよく使われています。
それもごく普通に、です。
情報が少ないこともあり当時の私はそれを知らなかったから、ワームだけで釣りを成立させたけれど、この魚を知れば知るほどさすがにテキサスリグやジグヘッドリグだけでは無理があるよなぁと思い、現地のウォルマートの釣具コーナーに行ってジグヘッド内臓式のスイムベイトを緊急購入したこともあります。
現地に赴いてこそ、初めてそのノウハウを目の当たりにできるのものです。
ケルプバスは太平洋の向こう側、北米大陸のハタで現地を代表するロックフィッシュゲーム。
釣り魚として、とても人気のある根魚(ハタ)です。
日本のロックフィッシュゲームは繊細なメバル釣りや雑食魚でもあるアイナメが長らくそのシーンの筆頭格であったことから、どちらかというと繊細でおとなしいタイプの根魚を相手にした釣り方・釣具が主軸に発展してきました。
メバルも、アイナメも、夜行性と昼行性の違いはあれど、どちらも愛くるしい表情を持っている根魚の仲間で、どちらかといえば普段は“ひかえめな”性格の魚。
事実、ピンテールワームのULジグヘッドの釣りや、ホッグ系ワームのテキサスリグの釣りはその典型的な例だと思うんです。
これらがハズシの少ない「定番の釣り方」になったことで、いつの間にかそれがごく「普通」の認識になってしまったから、それ以外のことをわざわざする人もおのずと減ってしまっていた時代が今度はここから長く続きました。
と、いうのがこれまでの時代の流れで、「ロングスピン釣法」の確立以前までのこの10年、15年くらいはロックフィッシュゲーム全体の本筋の進化はさほどないままでした。
その昔はバスロッドを使っていたのがロックフィッシュ専用ロッドになり、オカッパリで使うロックフィッシュロッドが年を追うごとに少しずつ長くなっていった経緯はあれど、専用ベイトタックルに、フロロカーボン、テキサスリグにホッグ系の甲殻類型ワームをセットするー。
そんな流れは変わらなかったものですから、ロックフィッシュアングラーの正装的な見た目の道具に関しても、実のところ皆、あまり変わらなかったのです。
そこに近年、日本でもハタという獰猛さを持ったフィッシュイータータイプの根魚がロックフィッシュゲームの対象魚として認知・浸透するに至った現在。
今まさに、多くの化学反応(進化)が起こっている最中なんですね。
世界地図や地球儀を見てみてください。
高緯度地域であるロシアやアラスカ、カナダは寒流流れる寒いところなのでソイやアイナメを狙う根魚釣りになりますが、それ以外の国々や場所で釣りが楽しめる場合にはハタを狙う根魚釣りがほとんどなので、よりアグレッシブなロックフィッシュゲームが発展してきた経緯があります。
場所によって認識って大きく変わるものであるのも、外国の根魚釣りにも視野を広げたことでつくづく実感できるようになりました。
さぁ、日本のロックフィッシュゲームも。
これから、どのように変わっていくのでしょうか。
今、国内で一番注目を集めているハタはご周知の通りキジハタですが、更に南の海に行けば……オオモンハタ以上の遊泳力があるバラハタの仲間や、更なる強烈なパワーを持つスジアラなどもルアーを横に引っ張る系アクションのルアーにアタリを出す系のハタです。
釣り人あるある、難しい釣りほど…人は深くハマッたりするものです(笑)。
ハタ。
初冬の便りが届くまで、引き続き楽しんでまいりましょう。
ハタの季節が終盤を迎えればアイナメの乗っ込み期、アイナメのシーズンが過ぎれば再びサクラマスの季節と、巡りめく季節に思いを馳せてー。
来週21日(月)発売の雑誌「ソルトウォーター」は、特別企画『考えるロックフィッシュゲーム』最新作「オオモンハタ、再び!」編です。
オオモンハタを狙い撃つロングスピン釣法のスイミング。
ひたすらリールのハンドルを回し続けて狙うは、オオモンハタ一本。
「巻きの釣り」を完全にやり切るため、何もない中層をひたすら巻いて回遊してきたオオモンハタを“考えて”獲る戦略です。
オオモンハタの他、アカハタも、マダイも、ワラサも、オキナヒメジも、シイラも来ました!
舞台は鹿児島県。
どうぞお楽しみに!
P.S.
キジハタ釣りのABCに関してはこちら(↓)でもお楽しみいただけます。
http://www.pros-one.com/blog/?m=20170808
過日、TVQ九州放送にてOAされました「ルアーパラダイス九州TV」の再編集版の動画です。
テレビをお見逃しの方はぜひこちらで。
キジハタ釣りがお好きな方はもちろん、キジハタ釣りに興味がある方にも理解を深めていただけるものと思います。
2017年8月19日 | カテゴリー:雑誌掲載・DVD