未来に届く、ジグヘッドのプロトタイプ。
今日の本題はこちら、【ジグヘッド】のお話。
久々に長編にしてみました!
ジグヘッドについては詳しくは…のちほど書いています。
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11月下旬ということで寒さも増してきまして各地、雪の話題が多々出るようになり暖流ロックゲームの各種ハタ類から寒流ロックゲームのアイナメ・ソイ・カジカ類にロックフィッシュゲームのハイシーズンの釣況が切り替わる季節になってきましたね。
とはいえ、四国以南では意外と12月や1月でもオオモンハタが釣れたりしていますので、場所と水温次第ではまだまだ狙える地域は点々とありますのでハタ狙いのロックフィッシュアングラーの皆さんは引き続き、良い釣果に恵まれますよう狙ってみてください。
「うれしい気持ちにさせてくれる、貴重な1尾」と出会えますようお祈りしております。
さて!
10月を過ぎると、伊達(だて)や室蘭(むろらん)あたりではトウベツカジカ(=ケムシカジカ)がよく釣れますね。
なんと言っても、北海道は日本における海産カジカの本場です!
本州ではお目にかかれない種類や数の多さ、その最大サイズに至るまですべてが魅力的。
海産カジカ類を狙うとき、ただ釣るだけが目的であれば4~5インチ程度のホッグ系ワームのテキサスリグで海底をズルズル引きずってくるだけでも十分釣れたりするのですが、せっかく貪欲な食性をみせるカジカ相手ですから、いろいろな模索も楽しいものです。
例えば、写真(↑)に出ているこのケムシカジカの場合には北海道ではスピナーベイトのスローローリングやディープクランクのニーリングでも釣ったことありますよ。
スピナーベイトは、底質の切り替わるエッジをスローロールでゆっくりと。
ディープクランクは、好物のトゲクリガニをイメージして浅瀬の砂地ボトムをゴリゴリとリップを当てて巻きます。ディープクランクとはいえ本来は淡水域でのブラックバス用のルアーですから、海水の比重と海ならではの深さもありますのでルアーがボトムノックしにくいのならルアーのベリーに板オモリを張ってルアーそのものの浮力を抑えてあげるといいですね。
ルアーの動きはおとなしくなりますが、姿勢が安定しリップが海底に当たりやすくなるチューニング方法の一つです。
それでも潜行レンジが物足りない場合にはディープクランクのヘビーキャロライナリグにするとルアーがボトム付近に確実に届きやすくなります。基本的には砂地に根や海藻が点在する海底が狙い目なのですが、あまりに根や海藻が多い釣り場だと……シンカースタックとリップの突き刺さり、トレブルフックの障害物との干渉で頻繁に引っかかるようになり、リグ全体のロスト率も高まるのでこれが意外と操作が難しい! 投げる際もタラシを十分に取ってタイミングよく投げないと絡みやすくなります。
あとはクランクベイトを岸壁のキワをかすめるようにトレースするのも、際に張り付いているケムシカジカもいるのでこれも有効。この場合にはディープクランクだけでなく、ミディアム~ミディアムディープ潜行のクランクでも使えたりします。日が暮れればそのままクロソイもクランクベイトに喰ってくることも北海道の海ではそれほど珍しいことでもありません(でした)。
本当はこういう釣り、各地のみんなで本腰入れてやっていくと「気づき」も多くなり、それが新しい刺激を生み、昨今のマンネリ化したワームリグに偏ったロックフィッシュゲームに新しい風を吹かせるキッカケにもなるようが気がしています。
スピナーベイトにしても、ディープクランクにしても、それ単体でもう少し成果があがれば本来は釣り趣としても理想ですが、いずれにしてもそれぞれに釣り方のキモはちゃんとあって、要は「使いどころ」が大事で、少なくとも自分はそういうタイミングも少なからず知ってはいるのですが、現状ではおそらくあまり皆さん興味なさそうな感じがするので今回は割愛します(笑)。
ちなみにケムシカジカをきちんと専門的に狙うなら、北海道太平洋側の道南エリアが一番魚影濃いと思っています。興味のある方はケムシカジカ狙いで行ってみるといいですよ。本気でロックやっている方であれば一度は専門に狙ってみてほしいターゲットです。
話のついでに、道東に多いトゲカジカ(一般呼称はマカジカ。地方名:ナベコワシ=鍋壊しとも呼称。)相手なら、その昔はジャバロン140、160のテキサスリグをゆっくり巻いて釣る「ホッケパターン」が楽しかったこともあります。
かつて東北太平洋側の海では、メバルや海タナゴ、アイナメの幼魚(クジメも含む)などの“やや大きめの小魚”を捕食しているベッコウゾイやクロソイを狙うためのシークレットベイトとして個人的に使っていたのですが、これをそのまま北海道で使うと一番ハマったのはマカジカ釣りでのことでした。
事実、マカジカを釣りあげると40cm以上の個体なら20cmくらいのロウソクボッケ(ホッケの若魚)がまるごと1尾口の中に入っていたことも珍しいことではありませんでした。
ちなみに当時よく釣っていたマカジカは40~45cm以上がほとんどでしたので仮にヒットすれば大きいというのが、ほぼ確定。
数の多いギスカジカやベロ、シモフリカジカ、オクカジカなんかは手当たり次第釣れてしまっていても、相手がトゲカジカともなればこれはもう別格。
45cmのクロソイが釣れるよりも45cmのトゲカジカが釣れた方が個人的にはありがたみを感じ、(釣れる場所が限られているからレアなのです。)ヒットすれば素直にうれしい魚。
振り返ればなつかしい自己最大魚の3.4キロを筆頭に、3キロオーバーは何度か釣ったことがあります。これもトゲカジカの思い出。
海産カジカの種類は、アナハゼの仲間(アナハゼとアサヒアナハゼ)を除いては、寒流の効いている冷たい海に生息している根魚ですので、日本では関東以南や北陸以南の海では、ほぼ釣ることができません。
狙って釣るなら東北地方より北に行かなければ、出会えない魚です。
カジカの仲間は海の向こう側にもいて、北米大陸ではカリフォルニア以北の北の海にはやはり生息密度が高くなっていきます。カナダやアラスカは特にそうですね。
国内では、東北でのカジカは45cmまでしか釣ったことがありませんが、北海道に行けばカジカも50cmオーバーが出る可能性は高まります。(だからと言っても簡単に釣れるほどそう甘くはありません。)
カジカも3キロ超えてくると、ものすごい「重い引き」で引き寄せてくるのが大変です。
ホッケの若魚がトゲカジカに捕食されているお話はしましたが、ホッケのみならずタラの仲間のコマイがマカジカに捕食されているときも上記ワームがマッチ・ザ・ベイトとしてハマったこともありました。
コマイは道東から道北に生息密度が多いので、道東や道北で釣りをされる場合、カジカや大きなソイに捕食されていることも場合によってはあるので、ルアーセレクトの参考にしてみてください。
こういう釣りが道内フィールドでは楽しめるからうれしい♪
さて、ケムシカジカに話を戻しますね。
道内とは違って狙っても意外と釣れにくいのと釣れるサイズもあまり大きいのは掛からないものの、東北でもこの時期は場所によってはケムシカジカが接岸してきます。
ちょうど今時期がピークですね。
北海道ではトウベツカジカ、東北ではボッケという地方名がご当地では比較的一般的に通じているかと思われますが、いずれにしても「トウベツカジカ」と「ボッケ」、呼び名は違っても、同じ『ケムシカジカ』という種類のカジカのことで、個人的にはこういう容姿の根魚はインパクト大で大好きです。
余談ながら、トウベツカジカのトウベツの名前は日本海側の当別町のトウベツに由来するものでなく、太平洋側の道南トウベツ地区でよく獲れるカジカという意味が大元の由来なんだとすることをその昔、調べたことがあります。
魚の名前にも由来となる物事ってけっこうありますから、そんなところまできちんと調べていくとますます魚釣りの世界は面白いですよね。
普段は深い海に生息しているケムシカジカですが、冬が近づくと産卵のために沿岸の浅瀬に接岸してくるカジカの1種になります。
ケムシカジカを正面から見ると、悪くなったグレムリンみたいな風貌(笑)。
(だいたいにして…今の若い方! グレムリンって知ってますかー!?)
そして、メバルやカサゴもこれからが岸釣りでのサイズを狙いやすい好期を迎えますよね。
自身、学生時代に最も刺激を受けた日本産根魚は北海道道東部に生息するウサギアイナメというアイナメの珍種で、当時16歳(高校1年生)のときに学校の図書室で見た図鑑でその存在にあまりにも衝撃を受けたことが原点となり、それが原動力となり今に至るのですが、私の場合には特定の場所に限定して釣りしているわけではないため、国内外の多種多様な種類のロックフィッシュに触れ合う・知るということに最上の喜びを感じており、そのことを研究したくって今もこの根魚釣りを楽しんでいます!
私がこれまでに開発に携わってきた数々の釣具もその過程での見解を「ひとつの形」にまとめあげた言わば研究成果であり、作品です。
ですので、年間を通して釣る根魚の種類も様々。
釣りをしている理由は人それぞれだと思うのですが、私の場合には食味の良さや引きの強さとかは正直言ってしまえば…ほとんど関係なくて「根魚個々の特徴を研究(追求)していくこと」が第一目的なので基本、どの根魚も、基本まんべんなく愛着があり好きなんですね。
その中でも更にアツくなれるのは、希少な種類(滅多にお目にかかれない種類)と自分の美的感覚的に惹かれる何かがある種類の魚です。かっこいい容姿の魚だとか、色がキレイだとか。
それでいて、生息地が局地的だとか、狙ってもそう簡単には出会えない数が少ない種類の根魚ほど挑む価値は高いと判断し、その憧れは募るので、そういう魚に少しでも自分が近づいていきたいという気持ちが高まります。
結局は、「ただの魚好き」、「根魚好き」なだけなのですが、そんな中で、国内外の様々な根魚に出会う過程ではオフセットフックを使った各種リグと共にジグヘッドリグにおける釣りは、確かにその主軸の役割を担ってくれます。
その昔、小学時代はソイとかアイナメを釣るのには6ftのトラウトロッドに糸はナイロン2号(言うなれば8lb)、外国製のジグヘッド(針先の品質がよくなかったので自分でフックシャープナーで研ぐのが基本!)+どこのでもいいのでまずは4インチのグラブさえあれば、とりあえずそれで釣っていましたね、私は(笑)。
昼間はアイナメやベッコウゾイが当時はよく釣れましたが、これらは別に珍しい魚ではなく普通の魚であって、クロソイに関しては夜釣りでなければ滅多にお目にかかれないため、夜釣りはなかなか出来なかったこともあり、子供の頃は必然的にクロソイは憧れの魚でした。
話は戻りまして、当時のタックルですがジグヘッドを投げるときは、当然スピニングタックルがメインでした。(ちなみにベイトリールを導入したのは小学5年生以降。)
ベイトフィネス?
ロングスピン?
そんなものはありません。
昔の話ですので…(笑)。
ジグヘッドの重さは1/8oz~1/2ozまでが私が好きこのんで使っていたウェイトですが、なかでも1/4ozと3/8ozのフィーリングが最も好きで、竿が6ftのトラウトロッドだからベロンベロンと柔らかく、投げるとジグヘッドの重量で竿がぐらぐらとモタれたけれど無理やり1/2ozのジグヘッドまではブン投げたりはしていました。
(ちなみに、3/4oz以上のジグヘッドを投げるようになったのは8ftと9ftのシーバスロッドを手に入れてからの時代ですね。)
私のロックフィッシュゲームの創生期、つまり今から25年以上も前はトラウトロッドが愛用の根魚ロッドでもあった時代の釣り糸、つまりラインはですね。
こちらはナイロン2号(8lb)が好きだったのですが、あとの時代にナイロンラインよりもフロロカーボンラインがたくさんリリースされる時代になり、フロロカーボンはナイロンよりも根ズレに強くて、感度も良いと分かり、それでフロロ2.5号(10lb)と2号(8lb)を好んで使うようになった時代もありました!
当時はまだフロロカーボンラインが今ほどは浸透していない時代でもあったから(その後、バス釣りブームで一気にフロロカーボンラインが大人気に!)、クレハ化学工業のリバージとか、東レフィッシングのソラロームスーパーハードナチュラル等が主流でした。
時代に先駆けて出ていた優秀なフロロカーボンラインでした。
ちなみに20年くらい前にあったリバージの「頭文字=リ(R)」こそが、旧・クレハ化学工業→現・クレハ合繊が展開するフロロカーボンライン、そう! R18シリーズの「R」の意味です。
知っている人はあまりいないと思いますが…。(特に私より世代の若い方ですと。)
ちなみに当時のフロロカーボンラインは今の時代のものよりも硬いものが多く、全体的にバキバキでコイル(バネ)みたいな感じでもありましたよ。
昨今の改良されたフロロカーボンのしなやかさは当時では信じられないほど、素晴らしい進化を遂げています。
その時代に、2.5号のフロロカーボンは1/4ozのジグへッドを投げると、よくバックラッシュするんだ、って実体験でよく学びました(笑)。
基本“ジグヘッド使い”の私も、根がかりの多い場所ではスピニングタックルでもテキサスリグも投げましたね。今でいう「ライトテキサス」っていうスタイルですよね。
当時はそんなカッコいい言葉はなかったです(笑)。
その昔は確かウォーターグレムリン製のバレットシンカーがその売られていた中では主流だったと記憶しているのですが、外国から輸入されてきていたシンカーだったはずなのでシンカーの重さの割りにとても値段が高かった(輸入代?)ので、小学生や中学生の私にはおこずかいが続かないわけです…(泣)。
なので1個10円くらいで売られていたエサ釣りコーナーに置いてあるナツメオモリを糸ノコギリや歯の細かい方のノコギリで真横から切断して、簡易バレットシンカーを自作!
えぇ、こうなりゃ簡単な図工ですよね。
これなら安上がりの“外国由来のバレットシンカー”が数多く作れました(笑)。
当時のタックルは確かにお粗末だったけれど、この10年、15年の間に新しくロックフィッシュの釣りをはじめた人には想像もつかないと思いますが、もう20年以上も前はそんな時代もあったんです。
あれから更に20数年が経過した2017年の現在は、釣れる魚の数が減ってきたかわりに、どの釣りでもタックルが洗練されていきましたよね。
又、釣法の細分化も進んでいきました。
釣り道具が、とても進化したことを実感させてくれます。
そんな中にあって、いまだ自分も根魚釣りとサクラマス釣りには“熱量多め”のままでいるわけなのですが、ジグヘッドの釣りってやっぱりワームリグでは基本中の基本だと思っています。
テキサスリグよりもジグヘッドの方がセッティングも簡単だし、魚がバイトしたときの「針がかり」が良いのは機能上確実なんです。
なので今でもジグヘッドの釣りは得意であり、とても(個人的にも)こだわりがあります。
だけど、簡単な仕掛けゆえに使いこなすのも実は難しいジグヘッドリグの世界。
奥が深いのです。
こちらの写真(↑)は私も開発に携わったジグヘッドのプロトで、もう少しするまで正式なお写真はお見せできない規則なのですが、とても良く仕上がりました。
値段があがるような装飾は一切しないシンプル構造のジグヘッドになります。
こちら、スイミングで使うにはとてもバランスが優れていて、真っ直ぐに泳がせる釣りでは実にもってこいの作品です。
ヘッドの形状的にはリフト&フォールさせるタイプではなく、リールを巻き続けて泳がせ続けることを前提としたスイミング特化型になります。
まずはレンジキープ力がこのジグヘッドの場合には必要で、それでいて「でかハタ」や「でかゾイ」のパワーにも対応する強靭な針強度も絶対必要!と、念頭を置いた強靭なフックが搭載されていますが、スムーズなフッキングを約束する針形状とそのまま突き刺さるストレートな針先は仮に針先が痛んだら、自分でシャープナーで磨ぐことで完全に針先がダメになるまで(あるいはロストするまで)使い続けられることも、このジグヘッドの価格帯では重要と考えて開発にあたりました。
付加価値のつく機能型ジグヘッドはその特殊機能ゆえに普通のジグヘッドより値段が高くなります。
そういったジグヘッドも必要です。特に今の時代には!
だけど、特別仕様ではない「普通のジグヘッド」の類もまた必要なのです。
その使い分けこそが大事。
自身も今、再燃しているスイミングの釣り。
昔よくやっていた「ジグヘッドの釣り」にもう一度、深く目覚めさせてくれたのはキジハタでした。
そしてスイマータイプの根魚であるオオモンハタの存在と出会い、“スイミング熱”も完全に再燃(笑)。
『この魚(オオモンハタ)とはいい付き合いができそうです。』
結果、その通りになりました。
その昔に馴染んでいたソイ釣りテクニックやアイナメ釣りテクニックがキジハタ釣りに生きて、そのキジハタ釣りから、かのオオモンハタの釣りにたどり着き、釣技が昇華していったなんて、夢物語は続くものだぁ~と、なんだかうれしい気持ちでいっぱいなんです。
まずはこちらのオーナーばり/カルティバ製ジグへッドですが、おそらく来年には発売になるかと思われます。
私の任務は完了していますが、量産するにしても来年の春くらいに出せればベストかと思うのですが、あとはオーナーばり社さんの工場次第(笑)。
釣り針メーカーが直々に作ったものですから、刺さりは言うまでもなくー。
テスト結果もとても良かったので、先月ようやく完成した最終プロトには「Go!」と太鼓判を押させていただきました。
来月お目見えするDVD劇中でも詳細はご覧いただけますので、ぜひそちらもチェックなさってみてください。
2017年11月25日 | カテゴリー:製品情報