ロックトランジットの在庫と次回入荷スケジュールのお知らせです
12月も一週間が過ぎまして、早いもので2017年も残り3週間ちょっととなりました。
釣り場で体感する寒さも、身にこたえる季節です。
秋の訪れが早かったこともあり、今年の冬は例年以上に冷え込みが厳しいですね。
さて!
本日は釣り竿の在庫状況についてまとめましたのでお知らせです。
参考にしていただければ幸いです。
●ロックトランジットRTC-922EXH“ロングベイトキャスター92” →在庫あり。
●ロックトランジットRTC-822EXH“スキップツー” →初回入荷分完売。
10月リリースの初回入荷分完売になりました。前作シューティンウェイSWC-802EXHスキップランが入手できなかった方には朗報の機種ということで注文が集中したためと思われます。
RTC-702Hだと短い、RTC-922EXHだと長過ぎるという方にも使いやすい中間レングス。
オカッパリで万能的に使える8ftクラスです。
旧作より2インチだけ長さがアップしております。
シューティンウェイシリーズでもSWC-802EXHはオカッパリユーザーにとても人気を博しましたので、その印象も少なからずあるのかなぁと思います。
現在、第二回目分が入荷中なのですが既に売約済みでの荷受となっているため注残としてご予約いただいていたお店様には今回分で確実にお届けできるのですが、在庫が過分に余るくらいはないため、次回のフリーの入荷は2018年4月下旬になります。
現状、メーカー在庫完売・代理店在庫も完売になってしまっているとのことです。
今は店頭在庫のみとなっているかと思われます。お探しいただいている方で店頭でお見かけしましたら、もしお急ぎでいらっしゃいましたら、そちらの製品をお求めくださいますようお願いいたします。(売れ切れになり次第、来春までの入荷はないかと思われます。)
●ロックトランジットRTC-702H“ヘビーライト” →在庫わずか。
スポット生産限定品の機種につき、本来は年1回の生産計画だったのですが、予想を上回るオーダーに初回生産分では対応できず、2回、3回、4回…と予定外の増産対応させざるを得なく、結局のところ今年は4度生産しました。
年1回の生産機種のはずが4回も生産することはまさに異例の対応で、材料集めに多大な労力が必要だったこともあり工房にはかなり無理をさせてしまったのは反省です。
もともとRTC-702Hは「スポット生産限定品」につき、常時お作りしている機種ではございません。
今年一年で緊急増産対応したため、来年上半期の生産計画は今のところ予定しておりません。
ご入用の方は今流通している在庫及びメーカー及び代理店在庫が僅かながらあるうちにお求めいただけるようお願いいたします。
(売り切れ次第、現状では少なくとも来年上半期までの入手は困難になるかと予想します。)
●ロックトランジットRTS-902MH“ロングスピンキャスター90” →完売。
本年度生産分すべて終了、同時にメーカー在庫、代理店在庫ともに完売にいたりました。
ご好評いただき、今年度もありがとうございました。
現状、店頭在庫あるのみ入手可となっております。
次回入荷は2018年4月下旬の予定となっております。
●ロックトランジットRTS-902MH“ロングスピンキャスター90”グランドリミテッド90 →完売。
オリジナルモデルのRTS-902MHから派生した特別仕様です。希少素材を使用したファクトリーチューンドモデルの限定モデル。
昨年7月のリリース時より人気を集め続けるハイグレード仕様でございますが、今のところ次回の生産計画は未定です。
オリジナルモデルの機種が増えてきていることに加えそれぞれの生産数が増えてきているため、工房にはかなりの負荷がかかっており、別途の特別仕様の製作まで作業が追いつかず、
生産スケジュールと希少素材ゆえに素材の確保も同時に安定しにくいため、です。
キラキラと輝く4軸カーボン素材は鑑賞しているだけでも実に美しいものですが、この機種に関しては希少素材を採用しておりますため、供給量と限られた期限内に加工してしまわないとならないという難しさゆえに安定供給は困難で、それゆえファクトリーチューンドモデルとして作れた分(=素材確保ができた分)だけ通販でお届けという形態をとらせていただきました。
事情をお察しいただければ幸いです。
同じようなスペックをお探しの方でしたら、その際はオリジナルモデルをご検討いただければ幸いです。
●ロックトランジットRTS-962H“ロングスピンキャスター96” →2018年5月GW前後でリリース予定。
約5ヶ月先のことですので詳細スペック・価格はもう少しするまではお伝えできないのですが、日本の海でハタ、ソイ、アイナメが釣れ盛る「6月」に間に合うよう生産計画を立てております。
6月~7月はキジハタ、オオモンハタ、クロソイ、アイナメ、ベッコウゾイ狙いにはとても良い時期で、アカハタも6月からは本格的になっていく頃ですね。
ロングスピンキャスター96は、開発に丸3年以上を費やした弊社はじまって以来の問題児(?)にして、ヘビーロングスピンの決定打。
この竿で一番扱いやすい14g~40g級のリグ&ルアーならスイミングとボトムバンピングが1本でできるよう両立させるのが課題で、これを両立させる調子に持っていくのがとても難しかった作品です。
40gオーバーも平気で振り切りつつ、7gとかも普通に投げることができます。
キャストウェイトの対応幅も、とても広い竿です。
実釣テストでは適正キャストウェイトを超える50gオーバーのヒラマサ用スライド系ペンシルベイトを磯からフルキャストして大遠投し沖を回遊していたシイラをバンバン掛けてパワーファイトもこなしましたが破損に至るような不安はありませんでした。
PE1.5号が巻いていれば70cm級までのワラサ、50~60cm程度のマダイであれば磯で難なくファイトできます。一般的範囲でのロックフィッシュロッドですので、専用ショアジギングロッドまでとはいきませんが、そんな強靭さも併せ持った1本です。
この機種はオオモンハタやキジハタを釣るために磯から35g~40gジグヘッドリグを大遠投してスイミングするのも、磯からアイナメを釣るのにナツメオモリ10号(MAX12号)やタングステン42gシンカーのヘビーテキサスを大遠投してリフト&フォールしたりボトムバンプするのも両方のスタイルを「この1本」で可能としています。
同じロックフィッシュゲームのカテゴリーにあって、オオモンハタとアイナメでは『片や典型的なフィッシュイーター』、『片や食性が多義に渡る雑食魚』ということで、捕食形態の違い=釣り方があまりにも違うため、通常はハタロッドとアイナメロッド、竿の調子が別々になってしまいがちですが、同じ日本の海を釣っていくなかで竿1本で統一できる性能もロックフィッシュロッドにおいてはその極みであり、「どうしても南北の海を1本で無理なく対応できる竿が作りたくて」、それをヘビーロングスピンでも実現させるために開発が長期に至った理由です。
当時、まだ定義づけが確立していなかった「ロングスピン釣法」という概念を自身、一から構築しながら作っていった未来志向の意欲作ロッドにつき、こだわりの部分と技術的な部分の融合には非常に多くの時間と労力を割きました。
ゼロから構築していくのには半年や一年程度の積み重ねではとうてい無理があります。
シューティンウェイを開発したときは1.5年~2年少々費やしました。
ですが、このロングスピンキャスター96は1機種にもかかわらず3年も要しました。それは「ロングスピン釣法」という概念自体も新しい取り組みだったため、これまで作ったプロトロッドの数は10数本にも及び、精神的にも挫折しかけたほどこれほど難しい領域の竿は私自身も初めての経験でした。
■ジグヘッドリグのスイミング調子に特化してしまうと荒磯のアカハタやアイナメ、ベッコウゾイの釣りはできなくなる。(ティップが入り過ぎるため、根へのスタックが頻発して釣りにならない。)
■テキサスリグ&ジカリグのリフト&フォール調子に特化してしまうと中層~上層を回遊しているオオモンハタや中層まで浮いた状態でフィーディングしている最中のキジハタの釣りはできなくなる。又、中層にサスペンドしている“でかクロソイ”にも対応させずらく必然として無理が発生する。(ティップが硬すぎて魚のアタリに追従し切れず、せっかくの貴重なバイトを竿調子のせいで弾きまくってチャンスを逃してしまう。アタリを乗せられないジレンマに苦しむ。)
なので、硬すぎてもダメ。柔らかすぎてもダメ。
ハタロッド(ざっくりと分けるとオオモンハタ・キジハタ・クロソイ)とアイナメロッド(ざっくりと分けるとアイナメ・アカハタ・ベッコウゾイ)の違いを把握しつつも両者がクロスオーバーする微妙な“さじ加減の領域”に中心軸を取った竿を今回も取り組む必要がありました。
ないものを作る。
実に3年を費やした理由です。
根魚1魚種ごとの「習性の違い」を理解を重ねることで、その結果でしか行き着けない竿作りの領域って本当にあることに起因しています。
仮にスピニングロッドだけでも今日遭遇する様々なオカッパリゲームを広くカバーできるような夢のような根魚ロッドは作れないものか…と試行錯誤を繰り返し開発者精神が燃えに燃えた熱き3年間でした。
ロックフィッシュゲームにおいてオカッパリならベイト1本にスピニング1本の計2本で1セットというのが理想であり、むしろそうであった方が釣り場でのメリットが多いものです。
そもそもベイトタックルは精度ありきのスタイルなので至近距離での精密な釣りが得意であり、スピニングは持ち前の遠投能力は力量を問わずにそばにあるだけでも安心感がありますよね。
しかし、ルアーを投げる飛距離こそが釣果に一番に直結することが明らかなシチュエーションのオカッパリポイントでなおかつ2タックルは持っていけない場所であれば…私の選択は今ならこのロングスピンキャスター96に託しています。
「この竿があれば、とりあえずは何とかなるー」。
ロングスピンキャスター96は、まさにこのようなロッドになっています。
できるだけ早いタイミングで詳細情報をリリースできるよう調整中ですが、ご入用の方はこの冬の間には製品情報をリリースできると思いますので、公表され次第、お早めにご予約されることをおすすめさせていただきたいです。
(こちらもRTC-822EXH同様、リリース時に一度に人気集中して初回生産分は一気に完売してしまう可能性も考えられます。)
尚、今月21日にお目見えするDVD劇中でも、最終プロトでの実釣模様がご覧いただけます。
必要な硬さと必要なしなやかさを両方併せ持った、美しい曲がり(キャスト時、魚とのファイト時)が自慢のロングスピンロッドです。
ロッド在庫・次回スケジュールに関しまして以上、お知らせでした!
最後の最後に、ちょっとのまとめです。
これらご紹介させていただいているプロズワンのロッドといえども、言うなれば、その存在はたかだか一本の釣竿に過ぎません。
現代社会において釣り竿は漁具ではなく、趣味の道具です。
釣り愛好家からしてみればとても大事な道具である一方、釣りをしない人々とっては釣り竿は無縁の存在であり、その人生においても不要な存在でもあります。
つまりは現代社会人が生きるための生活必需品ではない世界のモノでありながらも、私たちはその一本一本の釣竿を大切に思い、時間をかけて開発し、質を保ち、焼きあがったブランクに念を送って組み付けしていきます。
うちのロッドは作るのに4ヶ月を要するものです。(すごく時間と手間がかかっているんです。)
シューティンウェイも、ロックトランジットも、決して安価なものではありませんから大量生産、大量消費を目指す製品ではありません。
それは、のちに手に取ってくれた一人ひとりの持ち主様(釣り愛好家)の未来がかかっているからです。
少し想像してみてください。
供に歩んだ時代を物語る気品に満ちたフライロッドや使い込まれた古いトラウトロッドを額縁の端に添えて写真を撮る、渓魚の美しいこと。そして輝かしいことー。
イワナやヤマメと出会う非日常空間なんて、なんと素敵なことでしょう!
里川や深い森の中で出会う、川のなかに泳ぐ宝石のような存在なんです。
更に難易度の上がるイトウやサクラマス、オショロコマやミヤベイワナと対面する瞬間なんかはその極みですよね。
なにびとも、そう簡単には釣れない、出会えない。
だからこそ、憧れが募り、夢をみる。
仮に、もしもそんな希少な魚と出会うことができたのなら、またとないその瞬間の躍動を、風景をカメラで切り取りたくなる…。
そしてカメラを構えたときにハッと気づく、「魚」という主人公の色をさりげなく引き出す名脇役的な存在を演出できる釣り竿とは…こういうことなのか!と、いつの日か感銘を受けた経験豊かな釣り人の皆さんは、さぞ多いことでしょう。
それをロックフィッシュの世界でもさりげなく演出できないものか?という想いから、強すぎず、弱すぎずのギリギリのところをついた配色・デザイン面にまで配慮されてプロズワンロッドは開発されています。
そんなトラウトのごとく、淡くも雅な美しさを醸し出す、海のロックフィッシュ=根魚たちと過ごすかけがえのない時間を演出してくれる個性豊かなプロズワンの印が捺されたロッドたち。
そのどれもが不思議な感覚を持って生まれてきます。
いつの日か、釣り場で巡り会う血の騒ぐような至極の体験のために。
オーナー様(持ち主様)と感動を共有できる釣り竿であってほしいと、そんな夢と情熱と想いを込めてお届けしています。
あなたさまの釣りにマッチするような釣り竿がもしもこの中にありましたら、なにかのタイミングで、人生のひとときを彩る良きパートナーに迎えいれてくださったらうれしいです。
よろしくお願いします!
2017年12月8日 | カテゴリー:製品情報