ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

「ロックフィッシュ地獄11」進行中

振り返ること、文月(7月)。

誕生日もこの日も

①

仕事。

 

せめてケーキだけでも買って食べれば良かった…と何気に今頃思い出します。

“佐藤”なだけに甘い物、けっこう得意です(笑)。

 

さて、毎年恒例! ロックフィッシュアングラーのバイブルとして人気を博しているムック本「ロックフィッシュ地獄」誌(つり人社刊)。

11号目となる今号は今月・10月26日(月)のリリースが予定されています。

 

今回のお話は

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九州が舞台。

③

九州の皆さん、こんにちは!

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ロケ地。

パッと見ただけで分かる、凄まじい流速。

悪天候の中、「6ノット」という激流を大攻略!

 

お話は変わりますが、福岡県と言えば、ラーメンも有名です。

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長浜ラーメン。

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博多ラーメン。

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ラーメン大国でありつつも意外なところでハマった、ご当地うどん。

 

この時は梅雨明けがまだだったことに加え、去った台風と迫る台風の狭間のタイミング。

連日、ゲリラ豪雨のような降り方をする雨!雨!雨!の悪天候続きのロケでしたが、滞在中、帰りの日(帰るだけの日)は、朝から見事な快晴になりました(ただし、強風)。

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あまりにも天気と海況が連日悪過ぎるのでどうなることやら…と思いましたが、終わってみれば同誌で担当してきたこの10年間のロケで自己最大となる望外の大物とも巡り会うことも出来ました。

あの引きには本当にびっくりしました。

 

 

現在、誌面校正作業に入っています。

今号もぜひお楽しみいただけたら幸いです。

クロソイとカジカの釣果情報をいただきました。

青森県の中田君からクロソイとカジカの釣果情報をいただきました。

 

北海道に続くこと、北東北にも訪れた秋の釣りシーズン。

厳寒期~早春の時期を除いては比較的長いスパンで楽しめるクロソイゲームは北国ロックフィッシュゲームにおける夜の主役。

クロソイ

クロソイ

SWC-802EXH+クランクシンカー5/8oz(17.5g)+ロックンビーズソフト+ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:レッド)。

 

カジカ

カジカ

SWC-802EXH+クランクシンカー1/2oz(14g)+ロックンビーズソフト+パワーベイト/カスミクロー3”(カラー:モエビ)。

 

ソイ以上に大きな頭部が特徴のロックフィッシュ・カジカ。

クロソイと並んで寒流域を好む、存在感と重量感が魅力な好ターゲットです。

 

いずれも青森県での釣果とのことです。

 

前回も「オオモンハタ」の釣果情報をご紹介しましたが、現在、東日本以南地域ではハタ釣りシーズンが続いておりますが、水温低下に伴いキジハタ、アカハタ、オオモンハタといったハタ類が深場へ移動する頃合いになると、今度はアイナメやカジカ、カサゴ、メバル、ベッコウゾイやムラソイなど一部のソイ類が、産卵のための接岸期へと入って行きます。

大型が岸寄りするシーズンだけに、多くの釣り人が繰り出す待望の好機。

意外な浅場から「こんな大物が!?」というようなこともありますので、今年もきっと素晴らしい釣果に恵まれることと存じますが、それだけに産卵前の魚の取り扱いはいま一度、気を配った扱いを慣行したい季節でもあります。

 

まだまだ続くロックフィッシュゲームシーズン。

そしてこれから始まるロックフィッシュゲームシーズン。

 

どちらも有意義に海の時間を過ごしていきたいものですね。

 

情報、ありがとうございました!

オオモンハタの釣果情報をいただきました。

静岡県伊豆半島は西伊豆地区安良里港「ふじなみ丸」若船長・伸さんよりオオモンハタの釣果情報をいただきました。

オオモンハタ

「今日は休みだったので昼からオオモンハタ狙いに行って来ました。ライトテキサスのスイミングで一匹ゲットできました。その他アカハタも釣れました!」

 

オオモンハタのみならず、アカハタもすかさずキャッチされるところはさすがの一言です。

やはり、オオモンハタは横移動で誘う魚、なかでも「スイミング」アクションは攻略の大きなカギを握る魚です。

写真の尾ビレの形状にもぜひ注目してください。

 

例年10月は台風の影響さえなければ、伊豆半島のハタ釣りは安定して狙えるタイミングの後半期。

天候と海の凪が良ければ、アカハタを主に狙いつつの…場所と釣り方の違いでオオモンハタを狙うのも最高です。

現在、次の台風が迫ってきておりますが、この台風が過ぎ去った頃合いにはまた釣況も回復することと思います。

東日本でも、もうしばし楽しめる暖流系ロックフィッシュゲーム「ハタ釣り」。

 

伸さん、情報ありがとうございました!

続・秋、さくらの森を歩く。

山の奥深くで生まれた一尾のヤマメが織りなす壮大な旅路。

1尾のヤマメが織り成す壮大な旅路

こんな小さな身体の魚が、川を下り海に出ていく物語。

荒れ狂う大海を仲間と共に大回遊し、来るべく時にまた故郷の川に戻ってくるー。

 

海で釣れるサクラマス

海で出会うサクラマスも。

川で釣れるサクラマス

川で出会うサクラマスも。

 

すべては、「たった一尾のヤマメ」と「ヒト」がすれ違う、ほんの僅かな“一瞬”に過ぎないものだ。

でも、この“ほんの一瞬のため”に私たちは熱心に釣り竿を振り続け、出会うべくして悲願の出会いを果たす「あの一尾」にたどり着くことを目標にしている。

「釣れたら、うれしい!」気持ちって、年齢関係なくいつまで経っても、大切にしていたいですよね。

 

さて、前回の綴りからの話の続きをしていきましょう。

①

今、サクラマスたちがいるのは川のこんなところ。

川の上流域。

つまりは渓流しかり、里山のちょっとした流れしかり。

いずれにしてもボトムが砂礫底であることがポイントです。

 

本日も以下、写真を連続で載せます。

場所は岩手県の北上川水系上流部です。

ぜひ、魚影を目線で追ってみてみてくださいね(どこにいるか分かるかな?)。

前回の綴りで掲載しました連続写真と魚は違いますが、同じ川(ちょっと下流側のポイント)で見つけた魚影です。

②

写真、中央付近に魚影あり。

サクラマスのメス、です。

メスの婚姻色はオスのほどでもないので、川の上から観ている分には以外と目立たなくカモフラージュ性に富む場合もあるので、サクラマスの遡上そのものの魚影の薄い地域であれば、「魚を見つけ出す」には鋭い観察力を必要とすることもー。

③

右端に少しずつ近づいていきます。魚はメス単独で泳いでいます。

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川の右端、草がオーバーハングしているあたりにたどりつくと、その周囲からヤマメ達が突然姿を現します。黒い横線の入っている小魚がヤマメです。

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サクラマス、その周囲をうろうろし出します。

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気に入った流速なのか、一時、小休止。

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再び動き出します。

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「あれ!?見失った!?」と思っていると……

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オーバーハングのエグレ(シェード)部分に、上流からも下流からもヤマメが次々に集まり出しています。

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ヤマメに対し、ひときわ大きな魚影の姿が。

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エグレの中から先程のメスのサクラマスが出てきました。

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ヤマメの動きも活発になっていきます。

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サクラマスが動くと、ヤマメも動く感じ。

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メスのサクラマス1尾とヤマメの群栄。

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この場所にはサクラマスのオスはおらず、写真に写るメス一尾のみ。

ただし、いつどこでサクラマスのオスが出現する可能性というのもなくはないので、それぞれ単一個体での遡上次第で、形成はいつも変わっていきます。

つまりは、めぐり合わせ、なんでしょうね。

 

サクラマスって、釣りを嗜む人を含め、世間一般的には「春の魚」のイメージが強いかと思うのですが、こうして秋まで長く生きらえています。

人目に触れる機会が年間を通して少ないだけで、実はとてもしたたかに生きている魚。

日本国内の遡上魚といえば、東日本~北日本に分布するシロザケがその代表格として有名ですが、サクラマスの場合にはシロザケほどの大群で一気に押し寄せるわけではないので、サケのようなダイナミックさとは裏腹に、控えめな感じの遡上をしているところの方が多いです。

人間、普段の生活のなかで誰も気づかないもしれないけれど、もしかしたら誰かは気がつくかもしれない。

そんな、命の最終章を辿るのがサクラマスなんです。

 

元を辿れば、この魚とて【ヤマメ】。

置かれた状況いかんで、その後の生き様が変わっていく運命の過酷さ。

ヤマメ①

サクラマス①

ヤマメ②

サクラマス②

ヤマメ③

サクラマス③

見た目も、色合いも、大きさも、重量も、違うけれど、これらは同じ魚同士。

広い海に出ることで、変貌を遂げる摩訶不思議。

そう想うと、海の存在って凄いよなぁ…と改めて思うわけです。

己の想像つかない世界がある。

 

ちょっと考えてみても、海に出ればヤマメはヤマメのままでは生かされない、いや、生きていけないのかもしれないし、豊富なエサにようやくありつけることで魚の成長はここまで急激に加速化する現実もまた【海】という存在の懐の広さなのでしょう。

 

一尾の魚を通して、こんなに壮大な世界観を身近に感じられるのに……

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少しだけ…気がかりなのは時代的な背景なのか、ただのイメージに過ぎないだけなのか、年々若い釣り人が渓流に足を運ぶことって少なくなっている気がしています。

元々こういったフィールドで釣りを楽しんでいらっしゃる平均年齢層はやや高いことは皆よく知っていると思いますが、私に置き換えても自分より年齢の若い釣り人と渓流釣りでフィールドですれ違った経験も考えてみると今までにありません。

海や川、湖でのサクラマス釣りも、どちらかといえばそうかもしれないですね。

自分と同年代くらいでようやく見つかるかどうか…、くらいでしょうか。

若い釣り人は相対的にやはり少ないのです。

 

もっとも山の釣りにつき、装備や心構えも厳重にすべきなので、いつでも!どこでも!お手軽簡単な釣りではないのも確かなわけですが、釣りもある程度やり込んでいったり、長く続けていくと「難しい釣り」にチャレンジしたくなったり、「憧れの魚を追い求めたりする」のも、貴方の向上心の表れであり、それはごくごく自然なことです。

だから、もし貴方が私より若い世代の方であれば、ぜひこういった魚についても興味を持ったり、こんな雰囲気の場所で釣りをしてみたい!、この目でヤマメやサクラマスを見てみたい!という気持ちに一人でも多くなってくれるとしたら、私は凄くうれしいです。

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「山」と「海」という、もしかすると別々の環境に存在しえるものとして認識していたものが、「川」という存在を通して、山の緑と海の青が繋がっていることを、とても近く感じられることでしょう。

山も。

川も。

海も。

これらは全て一つに繋がる、水の物語。

 

そうなってくるとですね、【魚釣り】ってますます面白くって、楽しくなってくるわけですよ。

 

先行するイメージは別として、私が淡水の釣りも、海水の釣りも、子供の頃から分け隔てなく遊ぶのも、こういう世界観で釣りを楽しむのが純粋に好きだからです。

ま、釣り師以前に、根が“ただの魚好き”なだけなんですね(笑)。

 

いいものですよ、そういう世界もー。

いろいろな捉え方があって、いい。

 

 

実りの秋です。

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天気に恵まれたなら、野山にも多くの人々が繰り出す季節。

近くを流れる小渓流があったなら…ぜひのぞいてみて見てください。

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もしかしたら……出会えるかもしれない。

あの、サクラマスに!

 

 

追伸:今回取材したこの内容は来年の春~初夏頃の雑誌でまた改めて綴れるものと思います。

それまで少々時間があきますが、それもまた「本を読むこと」を楽しむ前のちょっとしたスパイスかと。

山と、川と、海と。

その際には、緑と青が織り成すサクラマスの世界観を丁寧に描くことが出来れば、と思っています。

秋、さくらの森を歩く。

①

東北は、岩手県と宮城県を繋ぐ北上川水系上流の山々。

生い茂る深い緑に水源の懐の広さを「実感」として、垣間見るところです。

 

今回は来年発売になる雑誌の取材でサクラマスを観察に行きました。

川の上流にいたヤマメが川を下り、海に出て、その後ベーリング海やオホーツク海まで回遊した後、早春にそれぞれが目指す川の近くの沿岸に接岸し、目指す母川を見つけ出したなら河口から川を遡る。

いつしかのヤマメは釣り人なら垂涎のサクラマスへと昇華したその姿は、ただただ美しいの一言に尽きる。

「釣れたら、すごくうれしい!」という気持ちもそこから湧いてくるものと思います。

海に川に湖に、3月、4月、5月(場所によっては6月、7月も好機)はとりわけ多くの釣り人が一心にこの魚を追い求めるわけですが、桜の花が咲いたあれから半年が経過したサクラマス達の【今】を見に行くのが今回の最大の主題。

 

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森の帰還するサクラマスを探し歩く旅。

③

広がる山間の田園風景も、どことなく懐かしさを覚えます。

目の前に広がる風情に優しさがある画というか、「あぁ、いいなぁ…。こういうのも。」と感じる時間です。

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本流との接続、つまりは水脈さえ断たれていなければ、ちょっとした小渓流にもサクラマスは本来、帰ってくる魚。例えば、この写真(↑)のような場所にも。

 

道中、スズメバチやアオダイショウとも遭遇しましたが、安全対策を第一とする装備と心構えで挑みます。

 

さぁ!

いよいよ、入渓です。

 

ここは、北上川河口から上流に200km以上も遡上した川の上流部。

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渓流域ですから時折、流れの速いところも場所場所ではありますが、ウェーダーの足回りにゲーターを着用し過分な水流を逃すことで、水中歩行時の抵抗が減り快適性が増すと同時に安全性も向上させることが出来ます。

 

川を歩いていると、見つけました。

こちらが今回の主役「サクラマス」です!

この魚は半年かけて自力で200kmも川を上っていくのです。

 

以下、コマ送りで撮った写真をそのまま載せます。

魚の動向を写真でお楽しみください。

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サクラマス、どちらがオスでどちらがメスかお分かりいただけますでしょうか。

婚姻色、つまりは「赤やピンク色の色彩が強い」のがオスです。

よく観ていただくと、オスのサクラマスはサケと同じく鳥のくちばしのように鼻が曲がっているのも産卵期の特徴です。

ちなみに、黒いストライプの入った小魚がサクラマスの周りに多数群がっているのも分かるかと思いますが、これらは全てヤマメです。

上から観察していると、ヤマメなのにカワアナゴとかムギツクのような感じにも見えます。

いずれにしても、ヤマメもサクラマスも同一魚種。

ヤマメ

サクラマス

その後の生き方、生活史の違いで全然違う風合いになります。

 

今現在の東北地方ではこういった光景は、サクラマスの遡上する河川であれば上流部に足を運べば探すことが出来ます!

サクラマスはサケ(シロザケ)と違って、人の気配にも非常に敏感なので観察の際には、どうかそっと近づいてあげて下さい。

根気強く魚を探す(見つけ出す)意志と眼力を持って、魚を驚かせなければ、きっと出会えるはずー。

あくまでも、そっと優しく見守る気持ちで。

ついでに「ヒト」の気配も極力消すと更に理想です。

 

自分の場合には、釣り人以前に根っからの魚好きなので、例えば今回のように「釣りなし」でもこういった“生き物としての「魚」との関わり方も昔から好きです。

むしろこういった世界観から魚と関わる手段の一つとして「魚釣り」の分野に飛び込んだ人間なので、竿を持たずしても魚と関われる時間には日々大きな喜びを感じています。

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“さくらます”還る、森を歩くこと。

山も川も海も、サクラマスの一生を通してその存在を身近に感じることが出来る旅路でした。

 

追伸:写真、もう少し続きがありますので次回にでもまた綴りたいと思います。