ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

「Lure Paradise九州」2014年冬号 発売

★プロズワンからのお知らせ★

九州のルアー釣り雑誌「Lure Paradise九州 」2014年冬号(つり人社)が発売されました。

■Present Mountain

ぜひ、ご一読下さいませ。

約束の、約束。

①

神奈川県内のスタジオで進む、DVDの編集作業。

引き続き、続報をお待ちを―。

 

 

毎年クリスマスの日に小田和正さんのライブ「クリスマスの約束」という番組を放送しているのをご存じでしょうか。

一年に一度。クリスマスの日の特別な番組だから、“クリスマスの約束”というタイトルにもその意味合いが表れているのでしょう。

2001年からずっと放送しているのですが、毎年楽しみにしているんです。

遅い時間帯から始まる番組なのですが、眠気を我慢してでも、ついついリアルタイムで観ている自分が毎年います。

思考回路も停止寸前の深夜なのに、胸がこう「カァ~!」と熱くなる、というのですかね。

色々と考えさられるわけです。

 

人の心の深くまで響く声って、凄いなぁ……と毎度ながらに想います。

それは歌声であったり、ただ発した話の声であってもそうですよね。

物を一つ伝達するだけでも、さらっと伝えることも出来れば、粗暴に伝えることも出来るし、大事に、大事に、伝えることも出来る。

ましてや歌声に言葉を乗せて人の心に届けるって、歌手って凄い職種だとも思うのです。

 

そう。「伝え方」って大事ですよね。

そこにその人の人間性というか、感性は顕著に出ますよね。

 

 

ご存じの通り、私は歌い手ではありません。

でも、「書き手」ではあります。

実際に、釣り師として人前(媒体)で魚を釣ってみせるだけでなく、文筆まで自らが携わる作品も多いです。

 

それこそ釣りにまつわる物書きは公の場(メディア)で、19歳だったか…、20歳だったか…の頃から始めましたので、現在で12、13年になります。

本や雑誌、釣りビジョンのモバイルサイトの連載コラム(2008年度から毎週やっているんですよ。)もそうですが、ここで続けているブログでもそんなスタンスで書き綴れれば、と思いつつ、言葉を選び、どんな言葉が伝えやすいのか、伝わりやすいのかと思案しつつも、許す時間の間には出来るだけ丁寧に言葉を運ぶよう心掛けています。

 

 

まぁ、それはさておき。

偏光レンズの契約メーカー「タレックス(TALEX)」社さんより毎年、クリスマスの日にプレゼントをいただくのです。

それもまたクリスマスの約束(?)なのかも、しれません。

②

タレックス特製「TAJIMA CHICKEN CURRY」。

 

大阪の田島に直営のショールームのあるタレックスさん。

TALEXウェブサイト:http://www.talex.co.jp/fishing/index.html (余談ながら、「SALT」の現在のバナーの写真は私がアイナメと格闘しているシーンになっています。)

同サイトに掲載されている私のインタビュー記事はこちら→http://www.talex.co.jp/fishing/category/salt/interview3.html

 

釣りだけでなく、スポーツから日常生活に至るまで幅広いシーンで活躍するタレックスの偏光レンズ。

そんなメーカー直営のショールーム(プロショップ)の横に「TAJIMA COFFEE」というカフェレストランを2年前から開店されています。

そうなんです。タレックスで運営しているお店(↓)なのです。

TAJIMA COFFEEウェブサイト:http://www.talex.co.jp/tajimacoffee/index.html

タレックス社を訪れる際、「佐藤さん、せっかくだから食べていって!」といつもありがたく併設のお店でごちそうなるのですが、そのすべての作り込み度が半端なく、そして美味しい。

提供されるひと品、ひと品の料理のみならず、店の雰囲気やスタッフの気配りなども実に居心地の良い空間なのです。

そんなお店のカレーをクリスマスプレゼントで頂けるのもうれしい限り。

いつもありがとうございます。

大阪は田島の特製カレーの味わい、昨夜は美味しくごちそうになりました。

 

 

本日で御用納め(仕事納め)という皆さんも多いことと存じます。

どうか有意義な年末年始をお過ごしください。

 

 

今日は夕方から雑誌のインタビュー取材があります。

その(私の)心掛けとして、それがフィールドであろうが、屋内であろうが取材陣への対応クォリティーに差があるものではありませんが、今日の案件は電話対応だけで大丈夫なので、それだけでもありがたいです(笑)。

昨年は30日までロケを…、一昨年は31日まで撮影をしていた覚えがあるからです。

年の瀬の本日26日、不覚にもこのところ帯状疱疹(東北地方の方言では“つづらご”ともいわれるやつです)を患っていることもあり、少しばかり一年の疲れが出てきたのを自認せざるを得ない状況になりましたが、最後の最後まで持前の気力の“惰性”を使って乗り切りたいところです。

 

2014年度の締めの綴りは来週にでも、と考えています。

今少し、こちらの駄文にもおつきあい頂ければ幸いです。

ハーフ(ショア)&ハーフ(オフショア)のロックフィッシュゲーム。

ガルプSWダブルウェーブ3”をガッツリと頬張るアイナメ。

①

冬のアイナメ・シーズンも厳寒期に突入。

 

さて!

この日も岩手県重茂半島へ。

前回の釣行で、1日の釣りのうち時間を予め区切ってのショアとオフショアの半分半分の釣り(ハーフ&ハーフ)が同行者に好評だったので本日も同様の試みを―。

この切り方はいつも頻繁に釣りに行ける人は別として、時々にしか釣りに行けないという釣りそのものが「貴重な釣行」になる人にとっての遠征釣行時には一層と受けが良いようです。

 

まずは朝マズメ、磯へ入釣。

この日の朝は最初からワンドの中をポイントに選びました。

ドン深な水深から奥まった最奥に行くにつれて、水深が浅くなっていく地形のワンドです。

ベイトタックルを使って岸寄りに投げると、25~30センチ前後のアイナメが果敢にヒットしてきます。

ひとしきり釣り終えるとパタッとアタリが出なくなったので、ベイトタックルからロングスピンにタックルを持ち替えて投げる向きを変えて「沖」に遠投。

風向き的には「向かい風」となっているので少し釣りにくかったのですが、逆風を突いて3/4ozテキサスリグが着水したのは60mほど沖。

沖に投げると水深が深いですから、着底までには時間が掛かりますが、このフォールの時間はロスタイムではなく、魚を誘うための時間でもあるわけです。

早速、そのフォール中にすかさずアタリ!

掛かった魚を60m先から引き揚げてくるのでファイト時間も長く、釣り味も楽しい。

②

ワンド内で釣れたアイナメ達よりも幾分、大きいかな?という印象。

その後も立て続けに6連発しましたが、どれも“どんぐりの背比べ”的なので写真は割愛。

 

その後、釣れなくなったので場所を移動。

いったん車まで戻り、身支度を仕立て直し、今度は張り出した岬状のポイントに入釣。

岬の先端の右側から斜め沖に向かって投げたところでキャッチしたアイナメ。

③

こちらはロングスピンではなく、ベイトタックルによる至近距離で掛けています。20mほど先の距離です。

ルアーはパワーベイトSWパワーホッグ4”(カラー:チェリーキャンディーシード)のクランクシンカー3/4ozテキサスリグ。

この時、同じ岬の左斜め沖に向かって投げていた高橋君にもヒット。

④

ちょうど互いに背中合わせになる位置で投げていました。

⑤

高橋君はガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:レッド)でキャッチしていました。岩礁カウンターロック1/0が下顎にフッキング。

魚が掛かったのは出来る限りの遠投だそうです。

手前側では全くアタリがないやめ、沖目、沖目に遠投を心掛けたのだそうですが、それでもアタリ自体が少ないうえに、せっかくアタリがあってもパワーベイトではすぐに魚が離してしまって乗せられないとのことでダブルウェーブにワームチェンジしての1投目で同じ場所から魚を引っ張り出したそうです。

話の様子から、かなり粘り強い釣りを展開していたようです。

でも、そこまでしないときっと獲れない魚だったのでしょう。

やはり、同じ立ち位置からであってもルアーローテーションって大事ですよね。

 

その後、高橋君に再びのヒット。

⑥

こちらもガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:レッド)でキャッチしていました。

 

そして前半の部も終了の頃。

この日の後半の釣りは11時30から出船するボートロック。

少し早めの切り上げて、出船場所まで移動しました。

 

この日のボートロックのメンバーは私含め5名。

が、しかし…なかなか渋い状況で思いのほか釣れません。

稀にアタリが出る程度で、魚の気配がしない感じ。

「あれ~? おかしいですね……」という声が船内から出始めますが、それもまた釣りなので自分たちの置かれた状況下で打開策を模索するしかありません。

 

おそらくこの状況ではアイナメの数釣りは無理。

たまたま当たった魚がデカければいいですが、そうでなければまず匹数的に「数」は伸びないでしょう。

 

そこで、アイナメに見切りをつけた私はソイ狙いに―。

ソイ狙いは一発当たればうれしいですが、その反面「ハズす」と痛い(笑)のも確かですが、それでも「意識して狙わないと釣れにくいのもソイ」です。

なので、仮にハズしてもいいから一発逆転で釣れてくれればうれしいソイ狙いに私は早々に変更しました。

と、いっても道具が大きく変わるわけではなく、いま使っているシンカーよりも重さをワンランク軽くして、リフトアップする幅を大きくしてフォールの時間を「より長く」することに集中。

リストアップする角度は腕を垂直に“バンザイ”するような角度まで上げました。

船中、沈黙の時間が長いですが焦らず、じっくりと継続して行うのがソイ釣り。

ソイの目線にルアーを持っていくイメージのリズムを身体の動きと同調させる必要があります。

 

そして、喰わせました。

⑦

今回も手に出来たマゾイ。

大きさ的には35センチだけれども、うれしい1尾とはこのこと。

⑧

3/4ozクランクシンカー+ロックンビーズソフト+岩礁メガトンロック2/0+パワーベイトSWパワーホッグ4”(カラー:チェリーキャンディーシード)の組み合わせ。

この魚「1尾」で満足に至る、狙って獲る、“考えるロックフィッシュゲーム”の醍醐味です。

 

私は引き続き、ソイ狙いをしましたが、その後はソイの釣果はなく、アイナメがポツポツ釣れた程度で本日の釣りを終えました。

 

この日は特に荒れた天候ではありませんでしたが、普通に釣っていてもアタリがとにかく遠い1日。

それでも各自、それぞれが最後のキャストまで諦めずに最後まで釣りを全うしていました。

 

大下君のアイナメ。

⑨

47センチ。(これ以外に船中最大となる53センチのポストスポーンのメスのアイナメを彼が釣りあげましたが、すみません!写真の撮り忘れのため画像なし。)

 

 

渡辺君のアイナメ。

⑩

47センチ。

 

 

及川君のアイナメ。

⑪

辺りも暗くなってきたので夜光カラーである「ホワイトグロー」カラーのガルプSWダブルウェーブ3”でのヒット。

最後まであきらめない気持ちで投げ続けたキャストがもたらした船中最後の釣果となりました。

そのような真摯な姿勢の釣りは周囲で見ている側も気持ちが良い、ですよね。お見事!でした。

 

船長も沈み気味の釣況に気をきかせてくれ、暗くなる寸前まで時間を延長して下さいました。

ありがとうございます。

そのお心づかいに感謝、感謝です。

 

 

■使用タックル

 

ベイトタックル(ショア)

●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン

●リール:メタニウムXG

●ライン:シーガーR18フロロリミテッド20lb

 

スピニングタックル(ショア)

●ロッド:ロングレングススピニングロッド

●リール:AR-CエアロCI4+4000

●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号

 

●シンカー:クランクシンカー5/8oz、3/4oz、1oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁カウンターロック2/0

     岩礁メガトンロック1/0

●ルアー:パワーベイトSWパワーホッグ4”

     パワーベイトパルスワーム4”

     ガルプSWダブルウェーブ3”

 

●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXモアイブラウン、TALEXアクションコパー

 

 

■ベイトタックル(ボート)

●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト

●リール:エクスセンスDC

●ライン:シーガーマルティア2号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●シンカー:クランクシンカー3/4oz、1oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁メガトンロック2/0、岩礁カウンターロック3/0、2/0

●ルアー:パワーベイトSWパワーホッグ4”

                パワーベイト/パワーホッグ4”

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー、TALEXイーズグリーン

 

★岩手県重茂半島ボートロック船宿(重茂地区)

■さくら丸(木川船長)

【代表受付番号0193-68-2103/船長直通090-7796-2826】

みんなで楽しむロックフィッシュゲーム(2)

岩手県重茂半島―。

続く、釣りの後半はボートロック!

「ボートロックは今日が初めて!」という人もいて、念願のボートロックの出船を前にワクワク感が止まらないようで、皆それぞれお待ちかねのようです(笑)。

 さぁ!それでは本日の釣行、後半の釣り(ボートロック編)へ参りましょう!!

 

ともあれ、先程までやっていた岸釣りの状況が近距離では厳しかった現実を船長に伝え、あまり磯際まで近寄らずに岸から100mはボートポジションを沖に離した位置(ロングスピン釣法でのジグリグで私が超遠投していたのが90mほど沖だったため)を横方向に広く流していってくれるようにオーダーしました。

やり込んでいる方ほど周知の事実としての認識通り、ボートだからといって、簡単に釣れるほどロックフィッシュゲームは甘くはないです。

むしろ、ボートの方が船が同じ場所にずっと留まれない分、すぐにポイントから外れるためキャスティングのアキュラシーと攻めの精度という意味では難しい場合も多々あります。

 

なのでどちらか一方に偏った釣り、というよりもバランスよく多彩なシチュエーションを釣り込むことでロックフィッシュゲームの世界はもっと奥深いものになるでしょうし、何よりも楽しいですよね!

それに同じ船の中での共有するメンバー同士の時間というのもまたボートフィッシングならでは!!

①

タイミング良く、船中第1号の魚は中田君と私にアイナメのダブルヒットでした。

 

その後、私は少し狙いを変更。

密かに「ソイ狙い」に…。

北海道のように特定のソイの1種類の、それも大物だけを狙うというのは東北では現実としてなかなか難しいところがあるので、本州以南の場合には釣れなければそのまま終了!(笑)となってしまいますが、それでも「意識して狙わなければ釣れないのもまたソイ」なので、皆さんがアイナメを狙っているうちに私は「よりソイを意識した釣り方」へシフト。

この時期の重茂半島周辺ではクロソイとマゾイがターゲットとなりますが(ただし、毎回釣れるとは限らない)、重茂半島を含めた北三陸エリアといえば浅場でのマゾイ狙いも比較的有望な地域であることから、マゾイを強く意識してみました。

この時期は35センチ~40センチ前後のマゾイが浅場の磯周りでも比較的、掛かりやすい時期。私の中での季節的には、11月~1月初めまでがそのタイミングです。

マゾイはクロソイほど顕著にレンジの上下はないものの、数あるソイの種類でいえば、やはりどちらかというとクロソイに近い習性を持っています。その点ではムラソイやベッコウゾイとは違う。

それに、マゾイと同じ深場を好むシマゾイともやはりちょっと違いますね。マゾイはクロソイよりも深海性が強い種類だけに、好む水深も相対的にクロソイよりは更に深場に生息環境を見出したソイです。

現時点、ボートの真下で水深13~15m。

この水深であれば、この時期のマゾイは上がってきている可能性がある。この時期のマゾイはカタクチイワシなどの回遊系のベイトフィッシュが岸近くを回遊している状況だとクロソイと共に40センチ前後~40センチ前半級の大きさまでの魚であれば差して来ることがあります。ちなみにクロソイが掛かる場合にはもっと大きなサイズまで出る可能性はあります。

特にドン深なワンドにカタクチイワシの群れが大量に入り込んむような状況があれば、その翌日などはアイナメ狙いに来ているのに朝一からいきなりクロソイやらマゾイが続けてヒットしてくるケースも―。

岩手県北エリアで見られる特徴ですよね。

ということでソイがルアー(リグ)を咥えるためのタイムラグを稼ぐことが容易な低比重シンカーである「クランクシンカー」の効力がとりわけ活きる瞬間がまたやってきました。

水深は先述した通りなので、底取りを考えれば1ozが楽なのでしょうが、ソイ狙いでは水深に対しての最も扱いやすいウェイトに対し、意図して“ワンランク軽めの重さ”をセレクトすることでそのヒット率を更に高めることが可能となる場合もまた多いのです。

なので、今の状況に対しては「こだわりの3/4oz」。

ルアーは重茂半島では一層と使用頻度の高い、バークレイ/パワーベイト・パワーホッグ4インチ。

②

パワーホッグ4”は歴代色々なパッケージや種類(マテリアルや匂いが全部違う)があるのですが、上(↑)の写真は現在市販品の「パワーベイトSWパワーホッグ4”」になります。

この海域では「レッド」と「チェリーシード(チェリーキャンディーシード)」カラーだけは外すことが出来ません。このルアーのこの色がないだけで対応出来ないことも多々あるし、むしろこの2色さえあれば、とりあえずはなんとかなる!という認識くらいの勢いで私は長年使用しています。

ちなみにソイだけを専門に狙うのであれば別にホッグ系でなくともいいのですが、仮にソイが居なくて喰わなくてもこのパワーホッグであればアイナメと鉢合わせ出来ればアイナメがソイに替わり口を使ってくれる、という安心の元のセレクトです。

ワームカラーはソイ狙いには白系カラーというのはやはり有効ですが、これも同じ「もしその場にソイが居なければ…」の理由でアイナメの好む赤系で、日中の陽のある時間帯ということで今は「チェリーシード」カラーをセレクト。

幸いなことにソイはアイナメほど、物凄く細かいカラーの選り好みの少ない種族の魚だというのは釣り人にとってはありがたいです…。

 

その読みは的中。

超スローフォール&ハイリフト(竿1本分の大きなストロークでのリフトアップ後のロングフォールで「コツン」とアタリが。

アタリの出たレンジ(位置)とアタリの出方で「あ!これソイだ!」とすぐに分かったので、一応全力でアワセると案の定、ロッドが大きく絞り込まれる。

40センチのソイであれば、50センチのアイナメと同じくらいの抵抗感が掛かるので引き方を通してこれは40センチ前後であろうソイを実感しつつも楽しいファイトを繰り出す。

この時点で分からないのはソイの種類だけ。

掛かっている魚がクロソイなのか、マゾイなのか―。

③

水面に浮上するまでよく引いたのはマゾイ(キツネメバル)でした!

念のため、測ってみたら40.5センチありました。

④

マゾイ、横持ち。

 

マゾイは同じサイズであればクロソイよりも体高があるので水中でかかる水圧も相当なもの。

⑤

それだけに引き具合も重々しい引き。

重々しい引きで言ったら、一瞬だけなら、それこそ特大ムラソイや大物シマゾイの引き具合さえも彷彿とさせてくれます。

⑥

クランクシンカー3/4oz+ロックンビーズソフト+岩礁メガトンロック2/0の組み合わせです。

⑦

クランクシンカーのスローフォールが効いた釣果でした。

 

この魚に続けとばかりに、「ソイ釣りたい人がいたら、同じようにやって下さいね~」と伝えると中田君がチャレンジ!

 

その間にも私はポツポツのアイナメの釣果を重ねました。

⑧

このアイナメが吐き出したベイトは、どうやら貝のよう。ツブ貝の仲間でしょうか。

この他にアワビを吐き出した個体も多くいました。

アイナメは甲殻類や小魚、環虫類や魚卵の他に、「貝」を食べているのを各地で度々見かけます。

例えば、東京湾内のアイナメは巻貝(しかも!殻ごと全部)を多数捕食していたこともありましたし、北海道の苫小牧では釣りあげると捕食していたホッキ貝を吐き出すアイナメもこれまでずいぶんと見ています。

確かに苫小牧はホッキ貝の有名な産地。が、しかし…アイナメ達はどうやって食べているのだろう…といつも不思議にすら思います。

 

そして、余計なお世話だとは思いましたが「ソイを釣りたい」という中田君の奮闘は続いていたので、それを見て老婆心が働き、一通りもう一度説明し、同じように操作をした中田君についに待望のアタリが!!

「たぶん、それ大きいソイだよ~。」

「マジですか!! ソイですか!!」

⑨

こんな言葉のやり取りの後、水面に浮上したのはまぎれもなくソイ。

しかも中田君のマゾイ自己ベストだという42センチ!!

「うわぁ~マゾイ!! デカいです、やりました~!!」と普段はシャイな中田君も大喜びの様子。

リグは同じくクランクシンカーのテキサスリグでヒットルアーも私と同じくパワーホッグ4インチ。

しかし、時間の経過で太陽光が減光し陽に曇りが出てきた時間帯につき、クリア系レッドであるチェリーシードではなく、ソリッドレッド(普通のレッド)カラーをセレクトしてのヒット。

⑩

このあたりの色の選択は、まさに中田君の読みの鋭さです。

実に見事な魚でした。良かったですね!おめでとう!!

 

と、こうしているうちに昼12時30分過ぎに出港の午後便ボートロックの時間も午後3時に。

今日1日の釣りでは岸釣り半分、ボートロック半分の実釣だけにそれぞれのタイムスケジュールが短くなるのは仕方ないこと。

それに我々には帰りの時間も長時間を要することと、船長は3時30分には再び所属する漁協の仕事があるとのことで、この釣果を持ってボートロックはお開き!

他の同行メンバーは1人あたり1尾~3、4尾くらいのアイナメの釣果がありました。(ちょっと今年はアイナメの数がやはり少ないのですよね。)

 

 

遠征の地では限られた釣りの時間を有効に使う意味でもその実釣時間を半分ずつ岸釣り・ボートと楽しむのもありなのだなぁ、と思いました。

逆の見方をすれば、ひとつの釣りにずっと集中出来ないので場合によっては中途半端にもなるのですが、年齢も釣りの経験値も皆バラバラの人達が集まって一緒に釣りをする場合には、時にはこういった時間の使い方もありだと思ったのが私的な感想です。

今回の釣りでは私自身もよく知っているフィールドであることに加え、集まったメンバー中、私(+勝又君)が最年長者ということもあり、たまたま仕切り役を務めましたが、普段の釣りで仕切り役をやっている方がいらっしゃれば、そんな時間の過ごし方もまた釣りスタイルの一つなのかもしれませんので何かの参考になれば幸いです。

私の望む釣りは、一緒に行った皆が事故や怪我などなく、どうか楽しくあってほしい。

同じ時間を共有し合い、楽しい釣りの思い出のひとコマにしてもらえるような雰囲気をそっと陰ながら醸し出せればそれでOKなんです。

釣れても、釣れなくても釣りは釣りですからね。

逆に、自分が本当にどうしても魚を釣りたい!獲りたい!という時には私個人+もう一人くらいまでの人数でしか行きませんし(安全なポイントでは普通に一人で釣りに行ってしまう人なので)、何がなんでも絶対に釣らなくてはいけない場合というのはクライアントがついているテレビやDVD、PV、雑誌やカタログ撮影等のロケの時ですから、そんな場合での釣りというのは、基本的には釣り人は決まって私一人の場面です。

時間ごとで「釣りの進め方」が違うのがロケで求められる釣り、でもありますから、やはり釣り場で流れる時間軸がそもそも違うのです。

そんな公にご紹介するシーンにおいては、ただひたすらに自分本位な釣りをしているだけでは、制作(メディア)側も、視聴者も、読者も、納得はしないはず。

実釣シーンを除いた解説(しゃべり)に十分な時間を割くのも、これまで私が携わってきた作品にみられる特徴の一つとなっています。

それが私なりの仕事の仕方であり、釣りに対する礼儀であり、流儀であったりもします。

 

10代後半―。大学在籍時からこの世界で一途にやってきて思うのは、昔(10代後半~20代前半くらいまでの、もうちょっと若かった時)はもう少し“釣果寄り”の釣りを展開していたので、当時は若さ故あまりそういうような想いや考え方ではなかったけれど、2014年も年末に差し掛かった32歳の今はそんな感じ(ちょっと、ゆるーい感じの釣り)が本当に楽しくて仕方ないのです。

それが結果的に釣れようとも釣れなくても、あまり大きな問題ではなく、「魚釣りの時間そのものの時間や雰囲気」を最大限に楽しめれば満足。

 

ご同行の皆さん、楽しい釣りの時間を一緒にありがとうございました。

また機会をみて、ご一緒出来れば幸いです。

 

 

タックルデータ

■ベイトタックル(PEラインでのテキサスリグ用)

●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト

●リール:エクスセンスDC

●ライン:シーガーマルティア2号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●シンカー:クランクシンカー3/4oz、1oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁メガトンロック2/0、岩礁カウンターロック3/0、2/0

●ルアー:パワーベイトSWパワーホッグ4”

                パワーベイト/パワーホッグ4”

 

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー

 

★岩手県重茂半島ボートロック船宿(重茂地区)

■勢運丸(佐藤船長)【受付番号0193-68-2534】

みんなで楽しむロックフィッシュゲーム(1)

ジグリグ

「ロングスピン釣法」と共に長距離砲を撃つのに長ける「ジグリグ」。

メタルジグ+オフセットフック+ダブルウェーブの“ただ巻き”アクションでスイムしていたこのリグを、岸から離れること遥か70m先の沖で頬張ったアイナメ。

こんな展開も活きたのが今回のお話です。

 

 

この日は岩手県重茂半島へ。

同行一同、私以外は「ボートロックがしたい!」という希望でしたが……私は磯っぱりも面白いよ!と発言してしまったために…(どうもすみません…)この日の釣行はスペシャルブレンドにすることに。

前半は磯からのショアゲーム。

後半はボートロックでのオフショアゲーム。

の“豪華2本立ての釣り”にすることでみんな納得の笑顔に。

 

ということで釣りの前半は磯へ。

沖目のディープからワンド内のシャローに至るまで、まんべんなく「ここぞ!」と思うエリアを各々探りますが、思いのほか、魚っ気が少ない印象。

今年の三陸はアイナメの魚影が例年よりも薄いですね。

津波の影響が今になって出て来ているのか…、たまたまそういったサイクルの年なのか…は今ひとつはっきりしませんが、状況的には良くないのは確か。それでも、それはそれで人の力の及ばぬ領域。

与えられた条件や環境の範囲で楽しむのも私達・釣り人の工夫だと考えています。

 

さて!

この日の釣りの模様です。

まずはベイトタックルの釣りから。

①

飛ばせるだけ飛ばしての中間の距離でヒットしたアイナメ。

②

クランクシンカー3/4ozテキサスリグにて。ルアーはパワーベイトSWパワーホッグ4”(カラー:レッド)です。

 

この時、隣では勝又君にも同じくアイナメがヒット!

ということでのアイナメのダブルヒット写真です。

③

勝又君は北海道の熱心なロックフィッシュアングラーが考案した「ダウンショットの応用系リグ」でヒットさせておりました。

私も昨年、道内の室蘭で開催した実釣イベントでご一緒した際、発明されたご本人からこのリグの特徴をお伺いしましたが、とてもよく研究されているリグでした。

しかも、私の隣でそのリグを駆使して“でっかいカジカ”を釣られていたのが今も鮮明に覚えています!

 

 

続いては!震災後、今回が「釣りの再開」となった伊藤君にはオウゴンムラソイがヒット!

④

久々の釣り、久々のロックフィッシュゲームの雰囲気。

“釣りの感覚”が戻りましたでしょうか。

同じく震災被災地に住まう同士。色々あったことと思いますが、再びフィールドに戻って来れて良かったですね!

 

 

こちらは中田君のアイナメ!

⑤

若いながらもよく釣ります。

この日もひょいと軽く投げて、43センチのアイナメをキャッチ。

“ブラインドサイト”の性能を局限まで高めるためにTALEXトゥルービュースポーツ×Veroの他に、この日がフィールド初投入という新調したTALEXアクションコパー×Kloda(クロダ)のZEAL OPTICS偏光グラスも早速、有効に機能したようですね。

⑥

クランクシンカー+パワーベイト/カスミクロー3”(カラー:レッド)のテキサスリグにて。岩礁カウンターロック2/0がしっかりとフッキング。

 

 

その後はアタリはピタリと止まり、シーン……と静まり返った時間だけが流れます。

移動して投げ続けるものの終いには誰にも反応なくなりました。

 

そこで、このような状況を打破するための「ロングスピン釣法」が登板の時を迎えます。

至近距離を撃つのが得意がベイトタックルで狙える距離の魚を一通り釣った後は、同じ立ち位置からでもベイトタックルでは到底届かない領域(ゾーン)にいる魚を長距離砲で狙い撃つのがロングスピン釣法です。

 

従来からのスタイルであるフロロカーボン×ベイトタックルのロックフィッシュゲームに留まらず、マンネリ化したゲーム展開や飛距離の問題でベイトタックル1本ではどうにもならない状況を打破するために目先の展開を変えた道具仕立てが今、このご時世のフィールドでは求められる時代になっています。

 

そこで私が結んだのはテキサスリグよりも更に飛ばすためのジグリグです。

⑦

「ジグリグ」はその名の通り、メタルジグ+ワームを組み合わせたリグ。

キャスティング型のロックフィッシュゲームではテキサスリグ同様にオフセットフックを接続します。

スプーンリグよりも更に飛距離が増し、フォール時の沈みが早いのがジグリグの特徴です。

 

使い方はリフト&フォールも対応しますが、この時は私は一度ボトムを取ってからの「ただ巻き」のみで使用しました。

 

用いるメタルジグにはショアジギングアングラーご用達メタルジグとして有名な「撃投ジグ」シリーズ(カルティバ)をセレクト。

通常の「撃投ジグ」25gと「撃投ジグTGエッジ」40gの2つを、通過させるレンジと飛距離の増減で使い分けました。

この日はリフト&フォールはさせないで釣っていたので(「ただ巻き」のみ)、フォールスピードを意識したルアー素材の比重でのセレクトというよりは単純に飛距離の問題で鉛製の25gとタングステン製の40gの使い分けという目的でこの2つのメタルジグを用いました。

メインラインであるPEラインは1号を用いていますが、風の向きや強さによっては40gのタングステン製メタルジグであればタックル規模とキャスト能力にもよりますが、メタルジグ単体で投げれば優に100m以上は飛ばせます。

岸から100m先の遥か沖にルアーを届けられる。

これって、大きなメリットです。

 

ロッドがどんなに長くなろうが、ラインをフロロカーボンではなくPEラインにしようが、それがベイトタックルである限り、現時点のタックルではなかなか難しい飛距離です。

だからこそ、必要に迫られたスピニングリールとスピニングロッド、そしてPEラインが必要不可欠となる組み合わせの釣り方。

 

釣果はすぐに出ました。

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リグの詳細はオフセットフックは岩礁メガトンロック1/0にワームはガルプSWダブルウェーブ3”。

ダブルウェーブのカラーはご覧の通り、この日は「レッド」と「レッドバグキャンディー」カラーを多用しました。

このワームはコンセプトが類似する「スプーンリグ」でも多大な実績があるため、ジグリグにもそのまま応用出来る利点があります。飛距離を過度に犠牲にしない“飛ぶ形状”(空気抵抗が少ないのです)とスイミング対応のワームであることもこのダブルウェーブの持ち味。

 

ほぼ、キャスト毎にアイナメは釣れ続きました。

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全部、「ただ巻き」で釣れました。

 

ジグリグにするとメタルジグ単体で投げるよりはワームの抵抗が加わる分、飛距離は落ちますがそれでもこの飛距離で90mは沖に向かって飛んでいます。

私は「シーガーライトタックルフラッシュⅢ」というクレハ社のメーターごとの色分けPEラインを使っているのですが、このラインは自分の投げた飛距離が正確に分かるのもいいですね。

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ヒットは沖合70m~80mの距離に一番集中しました。

 

確かにベイトタックルで70m以上もの遠投となると……なかなか厳しい現実です。

 

全部の釣果の写真は割愛しましたが、この時間ばかりはベイトタックル(近距離戦)では誰も釣れていなく、まさにロングスピン釣法の独占場となりました。

近場の魚を一通り釣りきった後や手前側に魚がいない時(不在の時・寄っていない時)は、この釣り方に助けられることは多いです。

岸釣りでこそ、活躍の場が活きる釣法と言えるでしょう。

 

 

ということで前半の部は終了。

後半のボートロック出港の時間が迫ったことから、釣りを一度仕切り直します!

 

 

■使用タックル

 

ベイトタックル

●ロッド:シューティンウェイSWC-802EXHスキップラン

●リール:メタニウムXG

●ライン:シーガーR18フロロリミテッド20lb

 

スピニングタックル(ロングスピン釣法用)

●ロッド:ロングレングススピニングロッド

●リール:AR-CエアロCI4+4000

●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号

 

★ テキサスリグ

●シンカー:クランクシンカー5/8oz、3/4oz、1oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁カウンターロック2/0

     岩礁メガトンロック1/0

●ワーム:パワーベイトSWパワーホッグ4”

 

☆ジグリグ

●メタルジグ:撃投ジグ25g、撃投ジグTGエッジ40g

●フック:岩礁メガトンロック1/0(スプリットリングで接続)

●ワーム:ガルプSWダブルウェーブ3”

 

●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー