ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

「SALT WATER2014年9月号」発売

★プロズワンからのお知らせ★

7月19日(土)SALTWATER2014年 9月号(地球丸)が発売されました。

■いま、気になる海のルアー釣り

第一人者のキジハタ デイゲーム

ADVANCED ROCK FISH GAME 4th

佐藤文紀

 

ぜひ、ご一読くださいませ。

ちょい釣り!ロック&フラット

①

葉に滴る、梅雨の盛り。

悪天候続きの日が多いですが、この日も“ちょい釣り”へ。

 

アイナメ狙いで磯に入りますが、この日はアタリが少なく早々に芳しくないことに気づく。

釣り場に立った雰囲気からして魚の気配が薄いといいますか、釣れる気がしない。

 

沖合いを見ると、思いのほかウネリが出ているのが見える。

安全第一につき内湾のワンドだけに焦点を絞りますが、エリア全域で水が濁っているのでこれは底荒れの影響でしょう。

 

シャローほど濁りの影響が色濃いため、狙うは深場を撃てる「沖」です。

少しでも深い場所。

そうすれば、もしかすると水の層が2層に分かれているかもしれない。

底潮が少しでも澄んで生きていれば、多少の釣果にはありつけるだろうかと「ロングスピン釣法」に託しました。

とにかく目的の位置までルアーが届くよう、カッ飛ばす釣りを心掛ける。

 

 

最低でも50mは投げる。

出来れば70m以上投げたい。

そこからラインを送り出して釣るため、ラインスラックの分を含めれば手元から80mほどはラインが出た状態になります。

これはテキサスリグの釣りでの話ですが、これがもしメタルジグであれば100m以上先も視野に入ってくるので、どこまで投げたいか、どこまで投げる必要があるのか、に合わせてルアーやリグのセレクトをしていきます。

 

50m以上の先に投げるとアタリが出ました。

②

ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:CGBFO)のクランクシンカーテキサスリグ。

アタリを感じた魚は逃さずに極力、掛けるようにしていきます。

③

こちらはガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:オレンジタイガー)の直リグにて。

 

アイナメの釣果が続きますが、やはり遠方で掛かる魚ばかりで50mよりも手前の位置では残念ながらアタリが皆無。

 

その後、アタリも途絶えたため見切りをつけて他の場所に移動しますが、状況は変わらず。

 

移動先でもアイナメが2尾と思わしくなく、この日の釣りは切り上げることにしました。

④

曇天の、水色も濁った磯にひと際の彩りを添えていた一輪だけの岩ユリ。

鉛色の背景にオレンジの色彩はとても華があります。

これから咲くのでしょう。

 

「今日は何時から何時まで」とあらかじめ釣り始めの時間と釣り終わりの時間を設定しておいて、その中で楽しむのが私の中でのちょい釣りです。

限られた1日という休日のうち、残りの時間は次のロケの準備や原稿執筆に充てるため、実釣時間は限定的です。

最善の釣果を求める釣りとはまた別の楽しみ方かもしれませんが、釣りにまつわる楽しいひと時を過ごせれば個人的には何よりと思っています。

 

そしてその後日。

この日のちょい釣りはマゴチ狙いへ。

早々に同行の三浦君にマゴチが1尾。30gのメタルジグの遠投でヒットしていました。

私には、なんと!エイ(アカエイ)の釣果!!

⑤

タングステン製メタルジグである「撃投ジグTGエッジ40g」を大遠投してのズル引きでした。

来るもの拒まずなので相手が何であろうと魚がヒットしたのはよいものの、望外の大物となると……これを寄せてこようとするとなかなか大変なことなのです。

リールのスプールに巻いているラインは150m。愛用の「シーガーライトタックルフラッシュⅢ」というPEラインはメーターマーキング入りなのでラインの放出量が一目で分かります。

この時点で130mちょっとラインが出た状態ですから、残20m弱しかありません。

なのでこれ以上、魚を走らせるわけにはいかない。そうするとタックルの負荷がオーバーになるのでフックが曲がるか、あるいはフックが折れるか…。それともスナップが変形して伸びきってしまうか、果てはラインが切れるのが先か…。と、少しばかりの不安が頭をよぎりましたが、結局そうなると釣り針を魚に残したままになってしまうため、出来ることであればそれは極力避けたい。

とはいえ、相手はこのタックルで挑むには大物過ぎる…。

それでも、なんとしてでも獲りたかったのですが、オーナーばりのフックにクレハのラインはお世辞抜きに強いですね。

今日もまた釣り師の意志にしっかりと応えてくれました。

フルファイトしながら、これから130m分のラインを回収するのには最低20分(最悪30分コース…?)はかかるかと覚悟しましたが、なんとか15分でランディングに至りました。

十分過ぎる手ごたえにつき、釣り的には大満足(笑)。

アカエイには毒針があるので、フックを外す際には一層と配慮が必要ですが、外道とはいえ同じ魚。

細心の注意を払いつつも、十分な知識があればこんな時でもスムーズに対処出来る。

メインターゲットではないにせよ、魚の命の重さに優劣はありませんから扱い方は丁重に。

手早く撮影を済ませ、すみやかにリリースに至りました。

 

 

更にその後日。

この日もマゴチ狙いへ。

昼時の最干潮というタイミングでの釣りにつき、条件が良いものではありませんでしたが魚の気配としてはアタリが1回。

そのアタリの正体がこちらのソゲ(ヒラメの幼魚)でした。

⑥

やはり、撃投ジグTGエッジ40gを100m強ほど投げて、遥か遠方でアタリを捉えた1尾。

これから大きく成長する魚。魚体に過度の負荷が掛かる前に、さっと!リリースです。

 

「ちょい釣り」は、その名の通り、限られた時間内にちょっとだけ竿を振る私的釣行です。

本当は丸1日フルで釣りをしたいのですが、現在、夏の釣りシーズン真っ盛りということで、あくまでプライベート範囲での釣行時間を捻出することがなかなか難しいタイミングでもあるため、時間を区切っての“ちょい釣り”を楽しんでいます。

 

どんな釣りでも魚釣りは魚釣りですから、楽しいですね!

 

梅雨明けすると一気に昼間の釣りがシビアになっていきますが、夏の釣りシーズンはまだまだ続きます。

これからの時期は一層のこと熱中症対策には十二分に気をつけつつ、海の季節を楽しんでまいりましょう!

 

 

使用タックル

●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-96MH-F

●リール:AR-CエアロCI4+4000

●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号

●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb

 

☆アイナメ用リグ(テキサスリグ&直リグ)

●シンカー:クランクシンカー3/4oz、5/8oz

      直リグシンカー1oz、1/2oz

●クッションビーズ:ロックンビーズソフト

●フック:岩礁メガトンロック2/0、1/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

 

☆フラットフィッシュ用ルアー

●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2

●ルアー:撃投ジグTGエッジ40g

●フック:アカエイを釣った時→カルティバ/ショートジグアシスト♯1  

     ソゲを釣った時→カルティバ/ジグミノー段差フック♯1

 

●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED

●ジャケット:リトルオーシャン/タイドウェーディングジャケットⅡ

●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ

●ウェーダー:リトルプレゼンツ/SP3 AQ ZIPウェーダー

●ウェーディングシューズ(磯でのロックフィッシュゲーム用):リトルプレゼンツ/ミッドストリームWDシューズ ピンフェルトソール

●ヘッドウェア:カルティバ バケツハット

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq gaga

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー

更新情報

★プロズワンからのお知らせ★

PUBLISHINGページ【雑誌・本】に「SALT WATER 2014年8月号」を追加致しました。

PUBLISHINGページ【DVD・TV】にBS日テレ「夢釣行~一魚一会の旅~」若きロックフィッシャーのカリフォルニアドリーム~国境の海を泳ぐ、未知の根魚に挑む~を追加致しました。

ちょい釣り!ソルトウォーターベイトフィネス

梅雨の晴れ間の歓喜。

釣りモノが豊富なこの時期。

大物から小物まで多彩な魚種が楽しめるシーズンなのがいいですよね!

 

釣っている魚はいつもと同じでも、タックルをある意味で「限定」することでその先に見えてくる視点もまた変わってくることって、多いと思います。

この日のちょい釣りでは、ソルトウォーターベイトフィネス縛りにしました。

①

荷物はこれだけ。

午後3時出船~午後7時までの4時間便の短時間釣行です。

 

その釣り方が今日の状況にマッチするか、マッチさせにくいかは、まずは二の次です。

何を望んで釣りに取り組むかは人それぞれだと思うのですが、私の場合には極力、特定のテーマを決めてその釣り方がバッチリとハマる状況とは何なのか、ということをいつも模索することにしています。

予めテーマを決めた釣りに取り組む場合、使う道具まであえて限定してしまうのですがこの場合には経験上、例え、良い状況も悪い状況も使い続けることで見えてくることがあるからです。

 

 

さて!

ベイトフィネス・アプローチにおいて、ソルトウォーターフィッシングにおいても専用ロッドに専用リールは使いやすいです。

ラインはフロロカーボンですが、6lbでは強度的に少し心細い(いつかアワセ切れしそう…)、でも8lbだと太い(少し飛ばしにくい感じも…)かなと思い、その中間の7lbを組み合わることが何かと多いです。

 

同じベイトキャスティングタックルのカテゴリーとはいっても、ベイトフィネスの釣りはハードかつハイパワーなタックルを使った豪快な釣りではありません。

1尾1尾の対象魚とのやりとりもまた印象強くなるのもまたこの釣りのスタイルと言えるのではないでしょうか。

そしてもっと重要なのは、ソルトウォーターゲームでのベイトフィネスはバスフィッシングでのベイトフィネスともまた意味合いが異なる部分が多いということです。

この点だけはそれぞれの差異を認識したうえで用いることが大切だと考えています。

 

海の釣りでも次第に活躍の場が拓けてきているソルトウォーターベイトフィネスの釣りは、ライトゲームの新しいあり方の一つとしての発展がここ最近は目覚ましいですよね。

軽量ルアーをベイトキャスティングタックルで投げられる優位性はライトゲームの釣りの幅を広げるだけでなく、例え30センチの魚であってもベイトフィネスタックルで魚を掛ければ、結局のところスリリングなやり取りに感じることすら可能とする。

 

タックル強度を下げることで結果的には引き味の向上に繋がっている部分もあります。

 

当日はアイナメとマゴチをベイトフィネス・スタイルで狙いました。

②

ガルプSWパワーホッグ3インチ(プロト)でのアイナメ。

ワームは魚の首振りファイトで飛ばされたので写っていませんが、ジグヘッドリグでの釣果になります。

 

③

パワーベイト/パワーホッグ3インチでのマゴチ。

マゴチはロックフィッシュのように根に潜る魚ではないので、掛けた後も存分に、心置きなく引き味を堪能することが出来ます。

 

④

日没の迫った最後には27センチのメバルも登場。

何気に意識して狙ってみましたが、狙って良かったと思いました。

⑤

個人的にメバルやエゾメバルが属する「メバリング」には、ベイトフィネスのアプローチが有効になるシチュエーションはあると思っています。

単純に軽いルアーをベイトキャスティングで投げるのが楽しいとか釣趣的な要素での理由ではなく、釣り方での有効さ、という意味で、です。

写真の通り、このメバルを喰わせたのはパワーベイト/Tテールミノー3.5インチによる中層リトリーブでした。

この時はワームが真っ直ぐに泳いでくるようストレートリトリーブの「巻き」で釣っています。

 

 

一定の大型になるとロックフィッシュの場合にはタックル強度が足らず、根に潜られて獲り損ねる確率が増すのでベイトフィネスの出番というのは限定的になりますが、根に潜らない習性の魚や基本的に30センチ級までの魚、あるいは1キロ級までの魚には軽快に使える場面があります。

それこそメバルやアジをベイトキャスティングタックルで釣るには最適なシステムですし、あまり根の荒くないエリアでの中小型に留まる範囲での根魚釣りやクロダイやキビレを狙う釣りにも応用範囲が広がっています。

 

いつものタックルにワンセット付け加えると、ソルトウォーターゲームも楽しみ方もまた一つ増える釣り。

ベイトキャスティングの釣りがまた一つ身近になりました。

 

 

尚、同日ご一緒した熱海さんは通常タックルで活性の高い魚を効率よく釣られていました。

まずはマゴチの部。

⑥

50センチオーバーのマゴチ!

⑦

立て続けに連発されていました。

⑧

 

 

続いては、ライトロックの部。

⑨

こちらのクロソイは40センチ。ジグヘッドリグによるフォールの釣りです。

 

 

内海船長もアイナメ、クロソイ、ベッコウゾイを連発されていました!

 ⑩

アイナメ。

⑪

ベッコウゾイ。

⑫

カジカ。

 

いずれもガルプSWダブルウェーブ3”の「オレンジタイガー」カラーでライトロックの入れ食い(カジカまで登場!)状態での数釣りを楽しまれていました。

 

 

楽しいひと時はあっという間に過ぎ去るもの。

短時間でも手軽に楽しめるライトな釣り。

 

そんな時間が夏の夕暮れを爽快に演出してくれます。

 

■タックルデータ

●ロッド:ソルティーステージ ベイトフィネスカスタムSBFC-732LT-KR

●リール:アルデバランMg7+夢屋BFSスプールAL

●ライン:シーガーR18フロロリミテッド 7lb

●ジグヘッド:OHラウンドヘッド(JH-11)1/8oz、3/16oz、1/4oz

       ラウンド15 システム(JH-15)3/16oz、1/4oz

●ルアー:パワーベイト/パワーホッグ3”

     ガルプSWパワーホッグ3”(プロト)

     ガルプSWダブルウェーブ3”

     パワーベイト/Tテールミノー3.5”

 

●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ

●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED

●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム

●ハーフパンツ:リトルプレゼンツ/SP リバーショーツ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー

●防水バッグ:リトルオーシャン/LO ウェーダーバッグ 69

 

★宮城県石巻市ルアー船宿<渡波地区>

■幸丸(内海船長)【受付番号090-1490-3622】

OWNER MOVIEに佐藤文紀出演「夢釣行・若きロックフィッシャーのカリフォルニアドリーム~国境の海を泳ぐ、未知の根魚に挑む~」が公開されました。

★プロズワンからのお知らせ★

今年2月に放送されました佐藤文紀出演のテレビ番組、BS日テレ・夢釣行~一魚一会の旅~「若きロックフィッシャーのカリフォルニアドリーム~国境の海を泳ぐ、未知の根魚に挑む~」の前編がOWNER MOVIEとして公開されました。

アメリカ合衆国カリフォルニア州でのロックフィッシュゲーム、前編は北米に生息するハタ科の根魚「バードサンドバス」を追い求める釣行記です。

こちら(↓)からご覧頂けます。

http://ownertv.jp/detail/?id=162

 

ぜひ、ご視聴下さいませ。

※後編(スポッテッドサンドバス編)は7月22日配信予定です。