積丹半島の海でのトラウトゲーム、翌日は磯とサーフに絞って釣り歩くプランを実行。
次の低気圧が近づいている。
気圧が下降気味につき、おそらく本日の夕方ないし明日には強風吹き荒れる天候になるだろう。
願わくば、もし今日も魚と出会えるのであれば、それは出来るだけ早い段階で、というのが理想だ。
本日の朝マズメも何事もなく過ぎ、一時強くなった雨脚から逃れるために昼の頃合いは待機。
雨が降ったり止んだりの中、場所移動を繰り返すこと迎えた午後。
ここでも磯を転々と釣り歩きながらのこと―。
遥か200m沖でジャンプする海サクラマスを発見。定期的にピンスポットで何尾かでのジャンプがあるから複数はいるのだろうが、見るからにして魚が大きい。
重さにすれば3キロ、4キロ級の魚だろう。
が、いかんせん岸からはルアーが届かない距離でジャンプしているので、仮にルアーを100m以上投げたところで魚の鼻先をかすめるようにピンスポットで引くことは困難を極める。
潮のタイミングで潮目が寄ることがあれば魚も一緒に回ってくることを期待し、しばらくその付近で投げ続けることにした。
それまではミノーを主体にジグミノー、スプーン、メタルバイブをローテーションさせていたが、ここで今回持参した中で最も「重いルアー」に手を伸ばす。
40gのメタルジグである。
持参でしたルアータイプの中でメタルジグが一番の飛距離を出せることと、その重さで最も重いものが、ちょうど40gだった。
銘柄はカルティバ/撃投ジグレベル40g。
フルスイングで遥か沖合目がけてカッ飛ばす。
使用しているPEラインはメーターマーキング入りなので、10mごとの色分けで換算すると飛距離にして100mちょっと飛んでいる。
潮の流れに馴染ませつつ、ジグが水面の波にもまれて弾かれない程度に水に絡めて引いてくると沖で“ガツ!”とリールを巻く手が止められた。
ヒットだ!
磯からの釣り。周囲は荒根だらけなので、根にラインが擦れないように気をつけながら寄せ、無事にランディングに至ったのは何ともうれしい海アメマス!
本州では海アメを狙える時期と場所が非常に限定的な魚であることから、狙える機会もまたそんなに多くはないため、サクラマス以上に接する機会も少ないため海アメとの出会いはサクラマスとはまた違ったうれしさと希少性を私は感じる。
そのような意を含めても、やはりメッカで釣る海アメの存在は格別だ。
海アメも海サクラマスもエサを追っているわけだから、エサのいないところに魚は留まらない。
つまり海アメがいるということは付近にサクラマスがいる可能性もあるわけで、海サクラマスがいる付近には海アメもいる可能性もある。
もちろん、釣り分け方の違いはあるが同じマス族の魚だけに、条件としてはこの場所は良さそうだ。
しばらくして潮目が寄ったタイミングでスプーンシルエットのジグミノーをコンブ根に際に対してスロー引きでトレースした池田さんにヒット!
「サクラマス釣りはルアーの色も大事。今の水色(すいしょく)ならルアーの色はグリーンが良いと思います。」
偏光グラス越しに海の水色を眺めそう語った池田さんは、グリーンカラーのルアーを結んで即座にこの魚を引き当てたのだ。
もちろん、色だけでなくルアーの引くスピードに合わせてのルアーチョイスも的確だ。
この釣りを深く知るエキスパートの口から発せられる言葉の意味は深い。
それにしても見事な竿さばきで魚を寄せてくる。
相手はサクラマス、しかもオスだ!
磯だけに足場も高く、私が背負っていた4.5mの磯ダモでもギリギリ海面に届いたくらいの位置だっただけにランディングは多少なりとも緊張感を伴った。
サケ科の魚のオスの顔つきは険しいが、それがまた魅力でもある。
こんなかっこいいトラウトを釣りたくて、釣り人は憧れの夢を抱いて釣り場へ立つのだ。
体高もあって、素晴らしい魚体。
背中の青緑色は、まるで回遊魚の象徴でもある青魚をも彷彿とさせる。
単なるグリーンバックというより、オーシャングリーンの彩りを発するサクラマスの背中。
サクラマス―。
北に生まれたヤマメに課せられた命題ともいうべき、ヤマメが辿る最後の姿。
それは、山と海を行き来する旅路を全うすることを宿命とする魚が放つ深い色彩であり、同時になかなか言葉では適当な表現が思い浮かばない程の美しさを秘めている。
サクラマスを追う同志の躍動の瞬間に立ち会えることは、とても幸せなこと。
これまでの釣り人生も、今も、ずっとサクラマスという魚に向き合ってきたのはこの瞬間があるから。
釣った本人だけでなく、隣でそれを見ているだけでも熱くなれる魚なのだ。
海に生きるサケ・マスの証、シーライス(寄生虫)が寄生。
私自身、これまで北海道においては海サクラマス、海アメマス、カラフトマス、イトウ、オショロコマ、ニジマスと出会ってきた。
いずれも良き思い出として、心のアルバムに残るものである。
ロックフィッシュと共に、こういったマスを釣りたくて毎年決まって北の大地でもマスを追いかけている。
惚れ惚れしい魚体が示すその魅力は尽きない。
頼む……。もう一度だけチャンスを。
縋る気持ちで再び自分の釣り座へと戻った。
さぁ、後に続こう。
釣るなら今だ!
■タックルデータ
●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-100MH-F
●リール:AR-CエアロCI4+4000
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●スナップ:カルティバ クイックスナップ♯2
●ルアー:撃投ジグレベル40g
●フック:オーナーばり/カットふかせ15号をベースにした自作シングルフック。ループ部の組糸にオーナーばり/ザイト・パワーフレックス50lb、根巻き糸にはオーナーばり/テクノーラ根巻糸を使用。
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●ジャケット:リトルオーシャン/タイドウェーディングジャケットⅡ
●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ
●シューズ:リトルプレゼンツ/ミッドストリームWDシューズ ピンフェルトソール
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXイーズグリーン、TALEXアクションコパー
2014年6月20日 |
カテゴリー:釣行記
小樽でのロックフィッシュゲーム。
怒涛の大物連発劇となったソイ釣りの後は、次なる舞台を積丹半島に移す。
狙うは海を回遊する鱒族、つまり「海サクラマス」や「海アメマス」。
積丹半島といえば、「積丹ブルー」と称されるその青く(碧く)透き通った水の透明度と山の緑が絶妙な色のコントラストを彩ることで名を馳せる名勝の地。
中でも有名な神威岬(カムイ岬)はその代表格として知られています。
清々しい海岸線が広がる積丹の海。
びっくりするほど、本当にきれいな海が広がっている。
一度、実際に訪れてみるとお分かりいただけると思いますが、釣果以前にこの海で釣り竿を振れるだけでもその爽快感は格別な喜びとなることでしょう。
今回は連日の曇天・雨天だったため、この3点の写真は昨年のを代わりに掲載しましたが、晴れの日にはこういったパノラマが目の前に広がります。
さて!
海でのサクラマスやアメマスを狙うシチュエーションは多義に渡る。
サーフ、ゴロタ、漁港、磯、オフショアと、そのバリエーションは広い。
2014年5月のこの日は早朝、ゴロタ場から釣りをスタート。
フィールドに立った段階で魚の気配は感じられなかったが、せっかくの朝マズメだけに丁寧に探っていきたい。
メインベイトはオオナゴ(コウナゴ)と想定し、ルアーを選んでいく。
しばらくすると池田さんが投げていた14センチのミノーにアイナメがヒットした。
コンブの上を通過した際にバイトしてきたという。
エキスパートとはいえ、さすがにうれしそうです!
アイナメのサイズも46センチと迫力十分!!
アイナメは太平洋側より日本海側の個体の方が総じて大きくなりにくいため、日本海側で45センチを超えてくるサイズともなれば貴重だ。
それもこのご時世ともなれば、尚の事そうだろう。
それにしても「アイナメが上層を泳ぐ14センチのミノーに喰ってくる」ことも凄いですよね。
アイナメはロックフィッシュゲームのターゲットとして人気だが、ハードルアーで釣る感覚はワームで釣る感覚とはまた異なった面白さと難しさを秘める。
この時点で朝マズメは終了。
マスの回遊距離が遠いのか、岸寄りでの気配は感じられず、場所を移動。
その後もゴロタや漁港、磯を転々とするものの魚の気配はない。
この日の最後、託す想いで訪れたサーフで心機一転を図る。
ここでは離岸流の脇を通した14センチのミノーに即座に反応した。
掛かった一瞬、小型の海アメかと思ったが、引き方がどことなく力が足りない。
ランディングしたのは14センチミノーにガッチリとフッキングしてきたウグイだった。
北海道では漁港内やサーフにもウグイが多く、実際ワームを使ってのロックフィッシュゲーム中や海アメ・海サクラ狙いの時にも時々掛かってくることがある。
いずれにしても今日初めての魚の感触だった。
が、夕暮れもそろそろという時間。
歩いて来たサーフを戻りながら投げ返していく時に、海サクラマスが立て続けに2尾ヒットしたものの、いずれもファイトを経ての足元まで寄せての口切れバラシ。
水面下にギラギラする魚体が見えてからのフックアウトだけに、あと少しのところれで…といった具合ではあるが、こればかりはなんとも言えないのがサクラマスの釣りである。
2尾連続でヒットしたことを考えると、ちょうどタイミングよく私の目の前を複数匹が通過していたのだろう。ヒットルアーは共に14センチのミノーだった。
掛かったサクラマスのうち最初の1尾がひと際大きかったこともあり、ファイト中のやりとりにて4番フックも少し伸び気味に。
残念だが、これもまた釣りであることはこれまで続く長いサクラマス釣り人生でもよくよく痛感しているから、必要以上に悔しさの尾を引くことなく翌日に新しい期待を馳せたのだった。
■タックルデータ
●ロッド:サーフスレイヤーSSLS-100MH-F
●リール:AR-CエアロCI4+4000
●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●スナップ:カルティバ クイックスナップ♯2
●ルアー:バードッグ120S、KJ-11、プレスベイト115HD
ディスタンスヴィクセン、撃投ジグエアロ30g
サイレントアサシン140S AR-Cノースプレミアム
ビッグバッカ―107、レンジバイブ80ES…etc
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●ジャケット:リトルオーシャン/タイドウェーディングジャケットⅡ
●フローティングベスト:リトルオーシャン/ロックフィッシュPFD Ⅰ
●シューズ:リトルプレゼンツ/ミッドストリームWDシューズ ピンフェルトソール
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXイーズグリーン、TALEXアクションコパー
2014年6月19日 |
カテゴリー:釣行記
痛快極まりないやり取りを経て、水面へと浮上する巨体。
釣りの対象魚として魅力尽きない魚のひとつである「ソイ」。
ロックフィッシャーの多くが果てしなき憧れを抱き、挑み、そして己の手に夢の魚を抱いた瞬間のなんともいえない笑顔。
大物と向き合う瞬間、船内に溢れる歓喜。
そういった時間を共有出来るのもまた釣りの魅力。
2日間に渡る私の綴りは前回までに書き留めましたが、とき同じくして船内では北海道・東北の熱きロックフィッシャー皆さんそれぞれにドラマがありました。
人の数だけ、「その人なりの釣り」が展開されているのです。
続く、ソイゲーム!
それではご紹介しましょう!!
初めての北海道、夢の舞台と語っていた三浦君に来たクロソイ54センチ。
巨大な口の奥に収まる、ホワイトグローカラーのダブルウェーブ3/8ozジグヘッドリグ。
勢いのある若者が真剣に挑むその舞台。
先に準じるサイズもまた堂々たる大物。クロソイ51センチ。
途中、一人だけホッケの群れにあたり、初めて見るホッケに歓喜を声をあげて連釣していました。
ホッケもロックフィッシュ界が誇る好ターゲット!
なにせホッケはアイナメの仲間ですから、ゲーム性は抜群です。
北海道での釣りが初めての渡辺君も最大54センチのクロソイをキャッチ。
船中一番乗りで叩き出した大物がいきなりのこのサイズですから、唖然……。
コツを掴んだその後は釣果をどんどん積み重ねていました!
テキサスリグでは良型のカワガレイ(ヌマガレイ)もキャッチ!
今釣行の唯一のフラットフィッシュを引き当てるあたりも凄い。
こちらのクロソイも堂々たるもの。51センチありました!
昨年も東北から同地を訪れている照山さんは強固なパターンを構築し、大物連発!
54センチを筆頭に、50オーバーのオンパレード。
その釣り方はとても勉強になるものでした。
下の写真の通り、スコーンリグをイメージしたフットボールラバージグ(3/4oz)+パルスワーム6インチの仕掛けでビッグワンをキャッチ。
スコーンリグといえば、バスフィッシングにおけるウィード攻略リグの一つとして数えられますが、通常大きめのシャッドテールワームをラバージグと組み合わせて使うところをカーリーテールワームであるパルスワーム6インチをセッティング。
ルアーを浮かせて横に泳がせる時、フットボールラバージグとテキサスリグのスイム曲線が異なることで、よりジグヘッド的なアプローチを展開。
素晴らしい技術に勉強させていただきました!
ご当地の最新情報に詳しい仙北さん。
ご一緒する度に「ソイ爆釣」に恵まれます!
ヤリイカをはじめとするツツイカ系エギングのエキスパート・中川さん。
今回の釣行時における最大魚55センチのクロソイをキャッチ!
55センチとなると、またひとまわり風格が違います。
大人数で釣りを同時に楽しむ場合、岸釣りだと沖堤のような広い一文字堤のような場所や広いサーフでないと釣り座の収容人数の面で難しくなりますが、ボート釣りであれば乗船定員内で皆が一緒の空間・雰囲気を楽しみつつ各々の釣りに取り組める点もメリットです。
おかげさまで有意義な時間を過ごすことが出来ました。
ご一緒させていただきました皆さん、ありがとうございました!
★北海道小樽市ボートロック船宿
■シェイク(吉野船長 )【受付番号080-5598-4819】
2014年6月15日 |
カテゴリー:釣行記
小樽市は石狩湾でのソイゲーム。
続く、2日目は午前便。
この日は9名のロックフィッシュアングラーで出港です。
タックルは前日同様、とっさの状況変化にも即座に対応するためスピニング2セット(PE0.8号タックルとPE1号タックルを使い分けするため)、ベイト2セット(フロロカーボン16lbタックルとPE2号タックルを使い分けするため)の4組をスタンバイ。
この海にはデカいソイがいる。
思い出の舞台での釣り、今日も気合い入っています!
前日に比べ幾分と風が弱くなったものの、それでも相変わらず強いことには変わりないので風の影響を受けやすいPEラインを使用するには、ことさらラインスラックの処理には気を使いながらの釣りを展開していきます。
強風時こそ、ルアー(リグ)を投げた後のラインメンディングが大切です。
早速、本日も!
モーニングバイトを逃さずにキャッチしたこの日1尾目の50UPクロソイ。
体型が示す通りの迫力を感じる魚。
やはり、ソイに口を使わせやすいのはジグヘッドリグでのスローフォール。今回は、魚もそれほど活性が高いわけではなかったので、ワームを「ちょこん」と咥える程度の小さいアタリしか出ませんでした。
そのため針先がむき出しの状態、かつリグ自体が軽い仕掛けの方がバイト後のフッキング率も高く、スッポ抜け防止の意味でも「最短で釣果を得やすい」のがジグヘッドリグでのフォーリングの釣りでした。
ヒットは続きます。
アイナメと異なり、ソイやハタはこういった釣り方の方がたいていの場合、結果的に分がある感じですね。
風の弱いタイミングではスピニングタックルでのジグヘッドリグ(3/8~5/8oz)を主体に、風が強く吹いたタイミングにはベイトタックルでのテキサスリグ(3/4oz)も投入という2軸の釣りを展開。
クロソイの場合はレンジの浮き沈みが激しいですが、ルアーを通すレンジ(それには引き方も重要)とリグとルアー選択さえ間違えなければビッグフィッシュに的を絞って釣りを展開することが可能です。
ダブルウェーブ(カラーはホワイトグロー)のジグヘッドリグは大物を狙いやすいリグですが、それと並行してテキサスリグの準備も整いました。
ベイトタックル用には3/4ozクランクシンカー+ロックンビーズソフト+岩礁カウンターロック3/0+パルスワーム6インチのテキサスリグ。
クランクシンカーを逆付けしている理由は、このエリア、岩礁だけでなくウィードが豊富なだけに海藻と海藻の隙間をくぐってリグを海底まで送り届けたいため。
このシンカーは逆付けすることで、海藻の隙間に潜り込みやすくなります。(ウィード攻略の際にはぜひお試しください)
クランクシンカーの逆付けテキサス、効果的です。
40センチUPのマゾイ(キツネメバル)もお目見え。こちらもうれしいターゲット!
クロソイとマゾイの混生域において、スポーニング時期が重なりやすい地域とそうでない地域の差があって面白いですね。
例えば、東北であればクロソイとマゾイのスポーニング期は異なるタイミングであることが通例ですが、北海道では東北ほどの期間の開きが見受けられません。
作用する海流の違いで仔魚を放つに適する水質と水温の差に違いが出るのが一番大きな影響となるものと私は考えています。(現段階においては)
マゾイも堂々なる風貌がかっこいい魚。
下の写真はその拡大です。
マゾイはクランクシンカー3/4oz逆付けテキサスリグを用いている最中にキャッチ。海藻の隙間でバイトを得ました。
ベイトタックルの場合、スピニングタックルよりも重いシンカーを使うことが前提となりますが、それでもスローフォールを実現するためにワームについても「より抵抗を増すため」に大きめに見えるシルエットのワームをいろいろと使用しましたが、ワームが大きければ何でも良いということはなく、ワームを選り好みしてソイが喰ってくるという状況でした。
今回は、狙う相手が大物。
釣り方を間違えたり、ワーム選択をミスするとアタリが出ない。
そこはビッグフィッシュだけに、見切りもやはり厳しい。
甲殻類系を代表して投入していたパワーホッグ5インチ。更にフォーリング時やスイミング時に水圧がかかると細身の棒状ワームシルエットとなるパワーワーム10インチもずいぶん投入していたのですが結果的にバイトは得られなかった。
しかし、パルスワーム6インチには安定的にヒットが続くという現状。
そのため、魚はワームサイズによるアピールではなくワームのシルエットを見て判断し、選り好みしてバイトしてきているのを実感しました。
海底で魚はすごく(厳しい目で)良く見ているのだと思います。
やはりソイ類全般の傾向として、ボディーとテールの体積の比率が“程よい大きさでシルエットが整う”カーリーテール系ワームは釣果が安定する傾向が顕著。
その点ではアイナメよりもワームの差と釣り方ひとつで「釣れる・釣れない」に大きな開きが出てしまうのがソイやハタの釣り。
この日、パルスワーム6インチに関してはクリア系カラーである「モエビ」カラーを積極的に用いたのは前日よりも海の水色が澄んだため。
ワームの大きさが6インチもあるだけにシルエットが見えやすく目立つ分、遠くからも魚には見えているわけでそれが逆に見切られる原因にもなる場合も想定し、ワームサイズを6インチで通す時には、日の高い時間帯での釣りということもあり色は出来るだけ存在感を消せるように水色に馴染む透過形カラーであるモエビカラーをチョイスしました。
6インチでアタリが遠のいたら、フォローベイトとして一時的に同じ形状での4インチワームにサイズダウンして投入(この時はガルプSWパルスワーム4インチのホワイトグローカラーを用いました)。
4インチの場合、ワームシルエットが6インチよりも小さくなるのでその分だけ色の色彩を強化するという考え方です。
マゾイはこの時に釣れています。
ベイトタックルでの重めのテキサスに反応が鈍くなれば、風の影響が許す限りスピニングタックルに戻す作戦。
こうしてこの日も考えるロックフィッシュゲームを展開。
スピニングタックルにベイトタックル、フロロカーボンラインにPEライン、ジグヘッドリグにテキサスリグ、リグの重さにワームのシルエットと色……。
刻々と変化していく条件と魚の活性やレンジに自分の釣りを適合させていくうえでの組み合わせ要素のバリエーションがとにかく広い。
この日、自身の最大魚となったのは54センチ・3.2キロのクロソイ。
PE0.8号のスピニングタックルでのフォール中のアタリを捉えてのフックアップ。
痛快なやり取りを経てランディングに至った。
いやはや……この重量感の巨体で根に向かって魚が走るのですから凄いのです。
この瞬間が、私は最も熱くなっているかもしれません。
軟よく剛を制す竿のしなやかさ。そして時には突進を止められる竿の力強さ。スピニングリールであれば魚の引きに合わせて加減を求められるドラグワーク。
スピニングタックルで3キロオーバーのソイと闘う必要性があることも醍醐味の一部。
それがソイ釣りであり、ロックフィッシュゲームの面白さと難しさ。
行けば釣果が約束されるという甘い釣りではないものの、自己の釣りが大物に行き届いた時は心の底から「うれしい!」という感情を味わえる。
小さい頃からずっと続けてきた根魚釣りですが、今でも続けられていられる理由がそこにあります。
私は色々な釣り場で根魚釣りをしている経験上、ことさら痛感するのですがこういった大きな根魚が今も生息する環境は今の時代となっては大変貴重なものとなりつつあります。
1尾のソイの親魚が身籠る仔魚の数を考えてみるとよく分かりますよね。
たった1尾かもしれません。
でも、そのたった1尾の親魚をキープすることで本来生まれるはずだったソイの数が減ることで次世代間における個体数維持のためにどれほどの負荷が掛かるか、という点です。
自分で釣った魚であれ「ソイの親魚に関しては釣り客に魚を持ち帰らせられない」という部分では遊漁船を営む船主には釣り船業を営むうえで人知れない心苦しさもあるはず。
しかし、釣り人も高い意識で理解しているからこそ、お互いの約束が阿吽の呼吸のように成されているからこそ、この海のポテンシャルは維持出来るもの。
産卵期のソイはオールリリースを前提とした釣りを掲げるご当地の船長と道内のロックフィッシャー諸氏の意識の高さに改めて敬意を表したいです。
気持ち良い釣り場で、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
タックルデータ
■スピニングタックル(ジグヘッドリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:OHラウンドヘッド(JH-11)3/8oz、試作品5/8oz
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
■ベイトタックル(フロロカーボンラインでのテキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:メタニウムXG
●ライン:シーガーR18フロロリミテッド16lb
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁カウンターロック3/0
●ルアー:パワーベイト/パルスワーム6”、ガルプSWパルスワーム4”
■ベイトタックル(PEラインでのテキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁カウンターロック3/0
●ルアー:パワーベイト/パルスワーム6”、ガルプSWパルスワーム4”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★北海道小樽市ボートロック船宿
■シェイク(吉野船長 )【受付番号080-5598-4819】
2014年6月14日 |
カテゴリー:釣行記
この日は北海道小樽市へ。
狙うはクロソイ、叶うならビッグゲームを展開したいところです。
ということで2年振りにお世話になったのは遊漁船「シェイク」は今年、船を入れ替えたそうで更に大型化され船内は快適な空間が広がります。
初めて訪れた前回はBS日テレ「夢釣行」の番組収録だったのですが、その時にこの海のポテンシャルに触れて以来「今度はロケ抜きで来てみたい」と思っていたので2年越しにその願いが叶いました。
今日は宮城県から私を含む3名、岩手県から3名、地元・北海道より2名の合計8名での乗船です。
中には「初めまして!」の方がいらっしゃっても釣りですから、そこは目的を同じくする同志。
仲良くなれるのもまた釣りの良いところです。
本州からの移動性低気圧の影響で、当日はあいにくの強風が心配ですが、それでも無事に船が出るだけでもOK!
とは言いつつも、やはり釣り竿を握ると魚を釣りたくなるので本気で狙います(笑)。
早々にヒットに導きます!
デカいです!!
50UP、登場!
ソイも50センチを超えると物凄い迫力があります。「魚」というより小さな怪獣のような雰囲気です。
ガルプSWダブルウェーブ3インチの5/8ozジグヘッドリグ×シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー。
PEラインはシーガーTENYA0.8号で、キャスティングしてのスイム&フォールで誘い出し確実に喰わせます。
この時期、小樽周辺の石狩湾海域は湾の内外にオキアミやマメイカの群れが湧いたりすることがあるので、根魚のオキアミ偏食時にも対応するダブルウェーブの複合アクションは理屈抜きに強い。
更にホワイトグローカラーのダブルウェーブは泳がせるとマメイカのようなシルエットになることから、ソイがイカを捕食している際にもマッチ・ザ・ベイトとして強烈に効きます。
「ホワイトグロー」カラーのダブルウェーブはランカーキラーベイトの一つ。
相手は大物。
獲れるか獲れないかはドラグの調整も重要で、スピニングリールであるがゆえにラインを出し過ぎると根に潜り込まれ、締めすぎると相手がド級の大物だけにラインブレイクの可能性も考えられます。それだけにタックルシステムをより吟味する必要性があります。
クロソイの親魚ほど、これから後に産み落とす仔魚を海藻の隙間に隠して守るためにコンブ林などのウィードが繁茂した場所を選んで複数が近くに集まった状態で泳ぎ回ったり、定位しています。
それも浮いた状態で、です。
これが釣り人が一般的にイメージしやすい“サスペンド”という状態のことです。
意外に思われるかもしれませんが、大きなクロソイほど高いレンジまで浮き上がる傾向があります。それと捕食のスイッチが入ると時には身重な身体でありながらも水面まで一気に突き上げてくることもあります。
こんな瞬間こそ、ソイの遊泳力を垣間見た気がしてなりません。
アイナメは進化の過程で「浮き袋が退化した魚」ですが、ソイは逆に浮き袋が発達した進化を遂げた魚です。
レンジの上下が目まぐるしく変わるのもソイの性質なので、大物のソイを釣る時ほどズル引きのようにベタ底にテキサスリグを這わしたままにすると、逆にアタリが遠のくことが多いのでその点だけは強く認識しておく必要があります。
フォール中のスイムバランスはテキサスリグ以上に優れているジグヘッドリグはワームリグの釣りにおいて、昔から理にかなった仕掛けなのです。
むろん、テキサスリグでもスイミングやフォールでの喰わせというのは出来ますが、その姿勢や泳ぐ角度が違うので根がかりさえ回避出来るのであればジグヘッドの方がそれが容易に出来ます。
ジグヘッドリグを快適に扱うためにはラインスラックの一定量も重要で、そのためにベイトタックル以上にラインスラックが出るスピニングタックルは必要不可欠。
デメリットも釣り方を変えればメリットになる。いずれも使い分けこそが肝心ですが、この時に求められるスピニングロッドには1本で「乗せ」と「掛け」を両立したものだと尚のこと使いやすいでしょう。
本当はスピニングタックルのジグヘッドリグ1本で押し通せれば釣り方としては楽ですが…あいにく風が強い場面にはラインスラックが風に取られてしまうこともあるため、ここでベイトタックルにチェンジ。PEラインでのテキサスリグを試してみました。
またしても50UP。大物が「バフッ!」とついばむように口を使ってきます。
ベイトタックルでも近頃はPEラインとフロロを両方使い分けることが多くなりました。
それにしても連続の大物。テンションが上がってきます。
使用しているオフセットフックはツイストロック5/0。
クランクシンカー+パルスワーム6インチの組み合わせは一際、リグをスローにフォールさせるためのセッティング。
軌道のぶれないスローフォールを実現するクランクシンカー3/4ozテキサスリグは落ちるのもゆっくりなので、ソイに対して「喰わせの間」を与えやすいのが狙いです。
フォールには「リグを海底まで送り届ける意味」と「魚に喰わせるための間合いの意味」の2つがありますが、クランクシンカーが実現するフォーリングアクションはその両方を難なく成し遂げるため、です。
テキサスリグの釣りでもパターンはすっかりハマってきました。
モンスターサイズのソイ、惚れ惚れする魚体です。
ソイ激釣を続ける最中、エゾメバルの群れに当たり集中的にエゾメバル(ガヤ)タイムを堪能。
スピニングタックルに戻し、ジグヘッドリグをカーブフォールさせると喰いついてきます。
この魚、私はとても好きなんです。
基本、北海道に生息する魚ですが一応本州でも宮城県北から北の地域では稀に見ることが出来るのですが、本州で狙って釣るとなると緯度の関係でちょっと深い沖合のポイントでないと、なかなかお目にかかれないことが大半なので北海道に行った時には「ここぞ!」とばかり積極的に狙っています。
メバルですから、ゲーム性も豊かで釣魚として非常に面白いのです。
エゾメバルは低水温を好むので生息域は限られますが、メバル釣りが好きな方であれば必ずと言っていいほどハマってしまうでしょう。
さて、ソイ狙いに戻します。
途中、強風により海面がざわついていたものの、夕方ふと風が弱まる。
十分過ぎる釣果に既に満足していたのですが、こうなると最後にまた一発出る可能性が高いのです。
海中も暗くなってきたことであろうからテキサスリグからブレードジグヘッドに切り替える。
魚もより浮き上がりやすくなる時間につき、ルアーもそれに合わせて「よりレンジを浮かせた状態で狙う」ためです。
ブレードにはフラッシング効果を期待するだけでなく、回転抵抗でフォールスピードを落とす役割もあります。そして一定層に留まりやすくするメリットも。
投入後、リフト&フォールのアクションは意識せず、横にルアーを「ス~」と泳がすことを意識。
アメリカのバスプロショップで不足分を補充してきた1ozのブレード付属ジグヘッドにパワーベイト/パルスワーム6インチをセットしカウントダウンして中層を巻く。言わば、「巻き巻きテクニック」です。
「グ~ッ」とリールのハンドルを止めるような感触が伝わったらそれがアタリ!
鈍い感じでアタリが出る場合もありますが、小さいアタリほど魚が大きかったりするのもソイ釣りなのでフッキングはしっかりと行います。
来ました!狙いは的中。
引いて撮ったカット(写真)ですが、このソイもまた50センチを超えている大物。
現物を近くで見ると、凄い迫力です。お隣のアングラーは仙北さんです。
これがブレード付属の1ozジグヘッドリグ。
浮いたソイを「横引きして獲るテクニック」のためのリグです。
スピナーベイトやジグスピナーの釣りにも近い釣り方と言えます。
50UPがボコボコに釣れる強烈なパターンを見つけると、「ソイ釣り」は劇的に変わる。
ましてや、この海でそれを体現するとその重さは2キロ後半の魚がアベレージ。大きいと3キロを優に超えます。
模索の上に狙い方を絞り込めるとそれだけに強固なパターンは成立するのです。
ゲームは、まだまだ続きます!
タックルデータ
■スピニングタックル(ジグヘッドリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:OHラウンドヘッド(JH-11)3/8oz、試作品5/8oz
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
■ベイトタックル(ブレードジグへッドリグ&テキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:ブレードジグヘッド1oz
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:ツイストロック5/0
●ルアー:パワーベイト/パルスワーム6”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★北海道小樽市ボートロック船宿
■シェイク(吉野船長 )【受付番号080-5598-4819】
2014年6月10日 |
カテゴリー:釣行記
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