ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

彩り豊かな海外の根魚たち~カナダ・バンクーバーの海~

バスプロショップを見学した後、スタッフ総出で打ち上げへ。

天気にも魚にも恵まれ、今回のアメリカ合衆国カリフォルニア州でのロケも無事に完結です。

翌朝は、いよいよ日本への帰路となります。

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ということで、「旅の最後はステーキを食べに行きましょう!」ということになり、一路ステーキハウス(ステーキ店)へ。

日本でステーキというと「豪華」な食べ物という印象がありますが、アメリカはご周知の通り、肉文化の国。そのためステーキの価格もリーズナブルで、むしろ魚の方が肉よりも高かったりします。

 

 

翌朝は朝4時過ぎに宿をチェックアウト。朝7時発の飛行機に乗るため早々にロサンゼルス国際空港へ向かいます。

こちらから、カナダのバンクーバー国際空港で乗り継ぎをして千葉県の成田空港までのフライトです。

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ロス(アメリカ)からバンクーバー(カナダ)へ到着して目に入ったのは、こちらの大きな水槽。

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ここバンクーバー近海に生息するロックフィッシュがごっそりと入っている光景にすぐさま目が釘付けに。

なにせ、珍しいロックフィッシュのオンパレード!

そのどれも日本の海ではまず見ることが出来ない種類です。

 

一番、種類が豊富なのは「ソイ」です。

 

日本のクロソイに近い仲間である、ブルーロックフィッシュやブラックロックフィッシュ。

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姿形だけでなく、泳ぎ方やボトムから離れてサスペンドして浮いている感じもクロソイのそれに近い。

堂々と泳ぐ姿が、とにかくカッコいいです。

 

こちらは以前に大阪の海遊館でもお目にかかったカナリーロックフィッシュ。

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本場で見る個体は、より色が鮮やかに感じます。

黒や茶色い模様が多いソイの仲間において、この色彩は異例の存在ともいえるかもしれません。

 

こちらは、私の知る限りの知識では…バーミリオンロックフィッシュと思われる赤い色をしたソイです。

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日本の海で体色の赤い根魚というと、メヌケやキチジ、キジハタ、アカハタなどをまずはイメージするかと思いますが、バーミリオンロックフィッシュ系の体色が赤いソイはこの辺りには何種類か生息しています。

 

こちらはケルプグリーンリング。アイナメの仲間です。

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日本のアイナメと大きさは同じで、色模様が違います。

ケルプは「コンブ」、グリーンリングは「アイナメ」の意味。つまり直訳すれば“コンブアイナメ”ということになります。

 

続いて、魚が水槽の奥にいるので見えにくいとは思いますが、こちらはロックグリーンリング。アイナメの仲間です。

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ロックは「岩」、グリーンリングは「アイナメ」ですから、直訳すれば“岩アイナメ”。

よく見ると分かるように、この魚に限ってはウサギアイナメに似ていますよね。そうなんです、日本に生息するアイナメの種類にこの魚を当てはめれば、普通のアイナメよりもウサギアイナメ系統に属するアイナメという印象が強いです。

ウサギアイナメ系統のアイナメは背ビレに高さが通常のアイナメよりも幅が出ることで、ボディーに体高が出るためシルエットを判別しやすいのです。

アイナメ属という、ざっくりとした括りとなると含まれる系統はもう少しの種類が増えますが、「明確なアイナメの種類」としての海外種は「ケルプグリーンリング」と「ロックグリーンリング」という認識でいたので、すぐにこれらがその2種に該当すると分かりました。

私の場合は少し特殊なのかもしれませんが、「魚という生き物そのものが好き」という側面から釣りの世界に入門しました。なので、魚そのものにとても興味があります。特にソイやアイナメに関しては外国に生息する種類まで詳しく知りたくて、これまで少しずつ見地を増やしてきた。

ケルプグリーンリングやロックグリーンリングの存在もかつてより知識として頭の中では知っていたものの、それはあくまで写真でしか見たことがなかったので、目の前で生きている個体を初めて見ることが出来たのには、まさに感激モノでした。

 

こちらはスカルピン。

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スカルピンは日本でいう「カジカ」の仲間のことですが、個人的にはこの種類はカジカの体形でありながら顔はフサギンポに近い印象にも見えました。

 

他にも、アメリカ西海岸~カナダの太平洋側に生息するソイの仲間がたくさん泳いでいます。

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これらは全部、ソイの仲間です。日本に生息するソイの種類よりも遥かに種族が多い

 

こちらはカナダ産のエラコだと思われる生物(↓)。

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エラコは東北太平洋側~北海道の釣り人には特にお馴染みの存在ですよね。ルアー釣りがメインの方でも、エサ釣り経験者であればエラコの存在は知っているでしょう。

仮にそうだとしたら、写真では小さく見えるかもしれませんが目の前で現物を見るとパイプの長さが30センチくらいあるのも。

余談ながらエラコはその昔、宮城県内では「ネウ殺し」(ネウ=アイナメの宮城県内での地方名。“アイナメ必釣エサ”としての意味)などと言われていた時代もあったと記憶しています。

 

いずれもジャイアントケルプがゆらめく海でソイやアイナメ、カジカの仲間が悠々と泳ぐ姿がたまりません。

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水流になびく、ケルプ(コンブ)はアクアリウム性もばっちりで癒されます。

 

そして!そして!私が最も興味のある魚もこの水槽に1尾だけ隠れているのを発見し、それはもう大興奮。

語ると収拾がつかなくなる可能性ありなので、その魚については、いつかまた機会があればの時にでも。

 

自身にとって、最も馴染み深い魚の代表例である「根魚」。

その根魚の海外に生息する種類には興味が尽きません。

いくら頻繁に釣りに行っていても日本で普通に暮らしているだけではなかなか情報も出回らないし、日本のような「ロックフィッシュゲーム」という細分化されたカテゴリーで明確に根魚だけを専門に狙う機会も海外では少ないことでしょう。

けれども、“この系統の魚”で見たことない魚はやはりいつの日か自分の目で見てみたいし、そして出来ることであれば、己の手で釣りあげてみたい。

そして魚についても、もっと勉強したい。とにかく知りたい。

そう考えると、ロックフィッシュゲームの舞台って世界中の海がフィールドであるわけで、その世界観も本当にエンドレスであり、まだまだ上には上の次元が存在しているのだなぁ、と心底思えるものでした。

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奥深い根魚の世界。彼らの姿を見ていると、このカテゴリーにはまだまだ私たち釣り人の知らない魅力が残されていることを悟った次第です。

 

日本のロックフィッシュゲームも。海外のロックフィッシュゲームも。

1匹の魚と己がどう正対するか、で魚との向き合い方は変わってきます。

そこが己の目指している根魚釣りの最上の到達点であると信じてこの釣りに長年向き合ってきました。

 

今回、運良く巡り会えたバードサンドバスにしてもスポッテッドサンドバスにしてもそうですが、“根魚道”はそんな求道者が目指す「道」なのだ、と思えるものでした。

 

根魚一尾、夢一生。

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時代は変われど、私は人生の最後までこの根魚達とはなんらかの形で良き関係を保っていきたい、と、そう心に抱く夢の釣り旅となりました。

夢釣行~一魚一会の旅~。

皆さんも、どうか素晴らしい釣り旅を!

移りゆく、季節。

彼方を目指して編隊飛行する白鳥の群れ。

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本格的な春の訪れを前に、冬鳥たちとの別れの季節がやってきた。

また会おう、次の冬に―。

 

 

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉にもあるように、長らく続いた冬の寒さもこの頃は幾分和らいできたように感じる。

新年度を控えた年度末。殺伐とした日々に変わりはないが、短い時間を縫っては北上川にサクラマス釣りへ。

 

実はまだ昨年のサクラマス・シーズン(2013年度4月~6月)のお話をたくさん用意していたのだが、なかなか綴る時間がないま今に至ってしまったので、まずは先日の近況釣行話から。

 

東北の釣り場の朝。ロッドガイドが凍り、リールのラインローラーも凍る。耐久性に優れたPEラインとて凍結を繰り返すとラインの痛みも温暖時期よりも早くなるのは致し方ないところ。

そう、朝の放射冷却はタックルのみならず、身体にも堪える。

 

それでも目指す1尾がそこにいるのだ、と信じて今年も北上の大河と正対する。

今期(2014年度)最初に出会った魚は朝マズメ、6時20分頃だったろうか。

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やや上のレンジに魚の気配を感じたので、スプーンをボトムべったりまで沈めずに中層に浮かせた状態で流れに絡めるようにスローローリングさせていた。

スプーンの引き方は、スピナーベイトのスローローリングのテクニックのように、リールのハンドリングの初速で流れを最初に掴んでしまう。

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このテクニックを駆使する場合、ハンドル1回転目の初動(動きだし)がとても大切になる。

つまりはルアーが動きだしのために掴む水圧をハンドル一回転中におけるワン動作でおこなう、ということ。

ご周知の通り、巻き心地の良いリールは今のご時世たくさんリリースされている恵まれた時代にあるものの、この初動を意図して行えるリールとなると、物を選ぶ世界がまだ残されているのだ、と近頃改めて気が付いた。

あとはレンジコントロールしやすいスプーンを使うことで一定層から外れにくい状態をキープして横方向へ引ける。

水深のある釣り場の場合、落とし込みの最中にも魚のバイトを拾える構図となるが、この時、意図的にフォールで喰わせようとするとニゴイやマルタウグイなどのコイ科の魚が近くにいた場合には彼らのバイトを誘発してしまうことがあるので、私は横方向への直線引きで“誘い出し”を掛けることが多い。

要はサケ科(マス)とコイ科の魚の混生域において、コイ科の魚を自分なりに避けて釣り続ける方法である。

この「横方向への直線引き」というのは昨年、この川でメタルバイブの釣り方を掴んだことがキッカケとなり、その際に「あぁ!やっぱり!」と実感し、それを再現と言おうか、自身の中で強固な技術として習得・確証したくその後、北海道の海サクラ釣りに行って実際に釣果を重ねたことで核心を掴んできたもの。

 

この日、早々に訪れたマスと分かる引き込みを感じた後は、少しの緊張を伴う。

毎年1尾目の大鱒は特にバラしへの緊張が高まるが、これもまたマス釣りの醍醐味。

 

ネットに収まったのは、朝日を反射するように光る魚体。

サクラマスだ。

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この魚を手に、今年も出会えた喜びが込み上げる。

長らく続けていても、この釣りは“この瞬間”に全てが報われる思いがする。

 

これが1週間前の話。

 

ちょうどその日、私が釣り上げたあと同行者も念願の1尾を手に。

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9ftのベイトタックルで18gスプーンを投げて釣っていた。ラインは、ルアーの浮き上がりを抑えるためのフロロカーボン14lb直結だという。

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カメラを向けると今にでも喜びが爆発しそうな程、手が震えているのが分かった。

 

 

釣りの種類は対象魚の数だけ世の中にたくさん転がっていると思うのだが、大の大人の心さえも狂喜乱舞させる釣りは、もしかすると限られているのかもしれない。

だとしたら…サクラマスはそんな釣りの一つ、だろうか。

 

今年も北国にやってきた一足早い春。

サクラマス釣りの舞台は海にも川にも広がっている。

狙い方は多種多様。楽しみ方はエンドレス!

 

今年も共に春を釣ろう。

みんな一緒に。

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サクラマス釣りを嗜まれる方、ぜひ釣りにお出かけください。

今シーズンも楽しみましょう。

 

 

■タックルデータ

●ロッド:シードライバーNSDS-90ML-PW

●リール:ヴァンキッシュ4000

●ライン:シーガーライトタックルフラッシュⅢ1号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号(20lb)

●スナップ:カルティバ/クイックスナップ2号

●ルアー:テッペンスプーン18g

●フック:オーナーばり/OH丸せいご22号をベースにした自作シングルフック。ループ部の組糸にオーナーばり/ザイト・パワーフレックス50lb、根巻き糸にはオーナーばり/テクノーラ根巻糸を使用。

●ヘッドウェア:プロズワンキャスケット2013冬~2014春LIMITED

●ジャケット:カルティバ/ゲームジャケット2

●ウェーディングシューズ:リトルプレゼンツ/ミッドストリームWDシューズピンフェルトソール

●偏光グラス:ZEAL OPTICS/Vanq

●偏光レンズ:TALEXアクションコパー

「SALTWATER 2014年5月号」発売

★プロズワンからのお知らせ★

3月21日(金)SALTWATER 2014年5月号(地球丸)が発売されました。

 

■連載

サカナサク、海の旅。~東日本太平洋沿岸の現在(いま)を歩く~

第12回 青森県八戸~六ヶ所村

文・題字・画=佐藤文紀

 

ぜひ、ご一読くださいませ。

バスプロショップへ。

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ご存じ、バスプロショップ!

世界的に有名なこの超巨大な釣具店「Bass Pro Shops」は、ルアー釣りを嗜む方なら、たいてい一度や二度は耳にしたことがあるかと思います。

それだけ、広い敷地の店内は物凄い品揃え量を誇ります。

規模が規模なので、釣具店というよりはフィッシングマーケットあるいは釣具のショッピングモールと呼んでも差支えないレベルの大きさです。

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カリフォルニア滞在中に行って来ましたので、今日はそんな店内を散策してみましょう。

Ok! Let’s go!!

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2階建ての建物で1階は釣り具、ボートの展示販売、アウトドア系アパレル用品がずらりと並び、しかもオシャレなレストランまで併設。2階はハンティング用品がメインです。

 アメリカでは「釣り=フィッシング」とハンティングは共にスポーツ産業に属しています。

ゲームフィッシングの本場の国ではターゲットとなる魚の乱獲はつつしみ(食べるために釣るのではなく、自分たちが楽しむために釣るという認識)、キャッチ&リリースを前提とした厳正なルールに基づいたスポーツとして今日まで釣りが発展し親しまれてきました。

日本では釣り人個々の意識とは関係なく、社会的に釣りという行為を客観的に捉えられた場合(要は、釣りをしない人から見て我々・釣り人はどう思われているのか?という視点ですね)、スポーツではなくレジャー産業=趣味・娯楽に属する捉え方が現状になっていますが、アメリカでは日本とは違ってスポーツ産業に属しています。

そうなのです。

バスケットボールやサッカー、ゴルフなどと一緒の「スポーツ」というカテゴリーに釣りは入っているのです。

なので、釣り具店というよりは釣りに力を入れたスポーツ用品店という捉え方も出来るのもまたバスプロショップの特徴だと思います。

とにかく洒落ていて、「釣り」や「自然」をを題材としたテーマパークのようにすら見えてきます。

店内のレイアウトにエンターテイメント性を感じるので、熱狂的な釣りファン以外にも楽しめるお店だと思います。

中は、とにかく“広い”の一言に尽きます。ケタ違いの広さです。

圧倒的な大きさの店内ディスプレイは、釣り具に関してはフライフィッシング、トラウトルアーフィッシング、バスフィッシング、ソルトウォーターフィッシングの主に4つのゾーンから構成。

釣りが好きな方なら半日(?)、マニアな方であれば下手すると…1日中(?)楽しめるのでは…という広さ。

 

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ご覧のようにフックコーナーにズラリと並ぶ、日本の釣り針メーカー・オーナーばり社の製品。

ルアー釣りの方には「カルティバ」のブランド名でもお馴染みですよね。

アメリカに輸出しているアメリカ市場向けフックや製品そのものは日本で売られている物と同じでもパッケージが違ったりと、見ているだけでも面白いです

番組でも大活躍した【オーバーサイズフック7/0】も、しっかりありました。

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このフックで番組収録中に「バードサンドバス」や「スポッテッドサンドバス」、「レディフィッシュ」、「グラスロックフィッシュ」を釣りあげることに成功しました。

兵庫県西脇市は釣り針産業の街。この街を訪れるとそれがつくづく分かります。そんな西脇市に本社を置くオーナーばり社は、世界的に有名な釣り針メーカー。

エクストラシャープ!な針先は世界のどんなターゲットが相手であろうとも、しっかり対応してくれます。針の種類が多いのも日本メーカーならでは、だと思います。それだけ日本の針屋が作る釣り針はこだわりが満載だということの証。

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馴染みのメーカーの製品を見ると、やはり日本人としてうれしいし、ある意味ホッとする感じもします。

 

お次はワームのコーナー。

ご当地ではワームのことを、単に「プラスチック」と呼ぶことの方が多いのだそうです。

アメリカといえば、「パワーベイト」や「ガルプ」の匂い系ワームメーカーとして有名なバークレイ社の祖国。

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さすがは本社のあるアメリカ。日本では売られていないモデルも数々店頭に並びます。

淡水の釣りでは「パワーベイト」や「ハボック」シリーズのラインナップが多いです。

こちら(↓)はハボックシリーズのコーナーです。

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一方、海釣りコーナーのワーム棚には「ガルプSW」と「ガルプ!アライブ!」の陳列がほとんどでした。

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アメリカのソルトウォーターシーンで人気があるのはガルプSWジャークシャッド5インチ、6インチ、7インチ。それも5インチよりも、6インチと7インチの方が主流のようです。

そしてガルプSWシュリンプ3インチ、4インチもとても人気がある。シュリンプワームはアメリカでは水深の浅いシャローウォーターにおけるレッドフィッシュ狙いの定番ワームとして不動の人気を誇ります。

余談ながら、レッドフィッシュ(レッドドラムなどとも呼ばれる)この魚は日本でいうイシモチ(ニべ科)の仲間です。

レッドフィッシュ

大きさが違い過ぎですが、アメリカでは大変人気のある釣魚として有名です。

他にもガルプSWピーラークラブ、ガルプSWスクイッドなどのエサとなっている生き物の形をリアルに模ったタイプがとりわけ人気がありますね。

ちなみにガルプSWシリーズで唯一、日本でも共通して現在も販売されているのはガルプSWスイミングマレット4インチとガルプSWサンドワームくらい。

いずれも「日本未発売品」が多く売られていますが、中にはピーラークラブやスクイッドのように、かつて日本国内でも一時的に販売されたものの国内では既に廃盤になってしまったモデルが、アメリカでは定番商品として長期に渡ってロングセールスを続けています。

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日本では懐かしいガルプ!アライブ!も、本場では長らく続く人気商品です。

日本は新製品投入から廃盤までの期間が異様に早い国だし、それが一種のトレンドのようになってしまっている風潮もありますが、本当は違うと思います。釣り人が作り上げた一時的な流行とは関係なく、誰が使っても良い物だけが生き残るのが本当に優れた釣り具の在り方だと私は考えています。

良い物を長く大事に使えると本当はいいですよね。

 

続いてはラインコーナー。

フロロカーボンのパイオニアメーカー・クレハ合繊社の「シーガー」ラインシリーズがズラリと並んでいました。

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日本仕様に作られた「R18フロロハンター」や「R18フロロリミテッド」はありませんが、アメリカ向けに企画された各種モデルがズラリと揃います。

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さすが、フロロカーボンラインの元祖は海外でも大人気。

クレハ製のフロロカーボンは世界のトップシェアを誇ります。

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アメリカの釣りでは旧来よりモノフィラメントライン(フロロカーボン糸やナイロン糸)が主流ですが、近年ではブレイドライン(日本で言う“PEライン”)を使う釣り人も増えつつあり、シーガー製ブレイドライン(↑)も人気急上昇中。

ちなみにソルトルアーコーナーにはジギングに最適なシーガーのソルウォーターゲーム用フロロリーダー「ブルーラベル」が大量に陳列されていたのも印象的です。

 

 

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ロッドコーナーでは、なんと!ティップの色違いのシューティンウェイ?を発見!!

というのは冗談ですが(笑)、考えていることが一緒なのだなぁと思ったら、すごくうれしくなりました。

「共感」というやつです。

こちらはティップが蛍光グリーンの穂先なんですね。

「アタリを目で見て捉える」という考えはエサ釣りではごく当たり前のことですが、ルアーフィッシングでもとても大事なこと、です。

必ずしも手元に「ガツン!」と伝わる強く明確なアタリばかりではないからです。

穂先の視認性を上げれば、視覚による認知力は向上します。

魚から伝わるアタリが自分の目で見えることの要素はとても大きい。

そのためティップの視認性を向上させるべく、穂先を塗装するわけですがどうしても必然的にその分の費用はかかってしまいます。作業工程が余計に加わる分、製造元(メーカー)にとってみれば手間暇も更に掛かるわけなのですが、それでもこういった手の込んだ製品をリリースに踏み切るメーカーには、リリースする製品に何か特別な思い入れや並々ならぬコンセプトがあるのだとお見受けしてきました。

 

その後も店内の物色は続きます。

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ボートの品揃えも凄い。写真はバスボートのコーナーです。

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最後はフライフィッシングコーナーを堪能して、店外に出ると既に陽が落ちていました。

見る物が多過ぎて、時間が経つのは“あっという間”でした。

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私が言うまでもないですがルアーフィッシングに関しては、ことさらアメリカの釣りから学ぶことは多いです。

バスプロショップ、とても有意義な時間でした。

3年の月日に今、想うこと。

巡るべくしてまた巡ってきた本日は3月11日。

生涯、決して忘れもしない一日です。

 

きっと今日は沢山の追悼行事が各地で行われているのでしょう。

 

3年前の今日―。

…………………。

具体的に思い出すと辛いので、ここではあえて直接の感情には触れないことにしています。

 

現時点で東日本大震災による死亡者数は岩手県で4673人。宮城県で9537人。福島県で1607人。全国では15884人とされています。

一方、行方不明者数は岩手県で1142人。宮城県で1283人、福島県で207人。全国では2636人。

 

 

●東北の皆さん。

皆さんのところはいかがですか。

復興はどうですか。

進んでいますか。

 

●被災地外にお住まいの皆さん。

その節は本当にお世話になりました。ありがとうございました。

私達は一生のご恩と思っております。

皆さんにとって、“被災地の今”はどんなふうに見えますか。

 

 

2011年4月の宮城県石巻市。

宮城県石巻市

眼下に広がるガレキの山。

 

旧北上川河口部の中瀬。

同時に、市内・旧北上川河口部の中州(当地では「中瀬」と呼ばれるエリアです)の様子。

建物のほとんどが海から迫った津波に流されていきました。

 

同年、2011年11月の宮城県女川町。

 宮城県女川町

 

 

そして、被災地の今を知るために旅に出たのは昨年の春のこと―。

2013年3月の千葉県飯岡。

 千葉県

 

2013年5月の茨城県日立。

茨城県

 

2013年7月の福島県では原発30km圏内より中へ。

福島県

 

2013年9月の宮城県東松島。

 宮城県

 

2014年1月の岩手県小本。

 岩手県

 

2014年2月の青森県八戸。

青森県

 

各地を自分の目で直接見て、歩くことで初めて分かることがある。

でも、明確な事実は震災の爪痕はあまりにも大きい、ということ。

 

余震も相変わらず続く。

阪神大震災や新潟県中越沖地震では1ヶ月~半年以内で余震が収束している事例に対し、東日本大震災の余震は3年経った今でも続いている。

 

先日の新聞で、目に留まった記事。

阪神大震災や新潟中越沖地震が「マグニチュード7」だったのに対し、東日本大震災の「マグニチュード9」では破壊力は1000倍の違いがあるという。

今後10年間は被災地では余震が多発するものと推測される、との記事内容でした。

本震の揺れ「震度7」がもたらした影響が収束するには相応の時間を要する、ということなのでしょう。そう思うと確かに気も滅入りますが、これからも強い余震には十二分に警戒していきましょう。

 

 

福島原発について―。

昨夏に訪れた原発規制区域ギリギリのエリアで見た光景はあまりにも衝撃的だった。

福島原発近くを歩く。

それ相応の覚悟はしていたとはいえ、言葉では表現できない“重い空気”に支配されていった。

おのずと口は閉口する。

ご周知の通り、雑誌連載「サカナサク、海の旅。」ロケ中に訪れた時のことでした。

 

それでも立ち入りが許される限りは自分のこの目でその現実を受け止めなくては、という一心で向かいました。もちろん、多少なりとも高い線量の中に身を投じたわけです。

その際の心情は雑誌に綴りましたから、ここでは省略しますが「想うこと」はただ一つ。

事態の収束に向けて従事する原発作業員や警察の方々は本当に“命がけ”で目に見えぬ恐怖と戦うために今日もまた戦線に立っています。

ご家族は、きっと誰よりも心苦しいはず。

原発規制区域。ここから先は通行止め

写真は東京電力福島第一原子力発電所より南に8kmの地点。ここから先は全面的に立ち入り禁止。(※昨年7月の時点で)

この翌日、私達取材班は原発から北に対しては5kmまで接近が許されているので実際に行っている。

つまり、原発を中心として南北両方から挟むルートでギリギリまで近づいて来た。

 

今も収束の時を待つ原発施設において、関連業務に従事する職種のご家族方々は、どんな想いで身近な人を送り出しているのかを考えると、とても切ない。

でも、「誰かがやらなければならない」という現状。各々さまざまな理由はともあれ、その遂行すべき責務を成し遂げようと必死に頑張っていらっしゃる人達がいるという事実だけは私達は肝に命じなくてはなりません。

 

続く原発問題。

東日本大震災はまだ終わっていない。

隣の県では、今も、この瞬間さえも、事態は進んでいるのです。

 

 

これからの日本の国がどのような方向に向かっているのかは、残念ながら現在の私たちには知る由もありません。

少なくとも、私は予想出来ない。

けれども、人間生きている限りはできるのなら明るく、楽しく、有意義な人生を謳歌したいものです。

今の科学では、一度しか生きれない人生です。

そのために自分は何をすべきか。

貴方は何をすべきか。

 

よく考えて、行動をする大人であり続けたいと思っています。

 

まだまだ続く、復興への長き道のり。

最長40年と言われる原発廃炉への行程。

40年先なんて、私も70歳を過ぎたおじいさんの年齢(健康で生きていれば、の話ですが)です。

起こってしまった歴史を変えることは出来ないが、起きた事実と向き合って生きていくことは誰もが可能です。

いや、むしろ私達はそうしていかないといけないでしょう。

未来のためにも。

 

今日は日本にとっても、私達にとっても、大切な一日です。

今後起こりえる、起こりえるかもしれない未来の大災害からどう身を守っていくのか、防災についてもう一度考えてはみませんか。

 

鎮魂の鐘が鳴り響く、3月11日。

東日本大震災、3年目の綴り。