引き続き、昨年・2012年7月ネタがまだ残っていたのでまずはそこからいきます!
この日は下記、横浜新山下の東京湾シーバスガイド「アイランドクルーズ」さんとの釣行から1週間後。
詳しくはバックナンバー「ロックフィッシュ最盛期!(その1)~(その6)」をご参照ください。
●http://www.pros-one.com/blog/?m=20130716
(その1)~(その2)
●http://www.pros-one.com/blog/?m=20130717
(その3)~(その4)
●http://www.pros-one.com/blog/?m=20130718
(その5)~(その6)
場所は同じく宮城県牡鹿半島です。
例年7月の牡鹿半島はベッコウゾイがよく釣れます。
夏の海で、海草と海タナゴの群れがセットになっているワンド絡みの地形はベッコウゾイ狙いでは鉄板ポイントです。もちろん、海底は何らかのハードボトムや根になっていることが前提です。
水色はクリアで魚から見ての視界は良好ですが当日の朝は、うっすらと霧が漂い水中へ届く光量が少なかったことからワームの色は膨張色系からセレクト。まずはホワイト(具体的にはパールホワイトシルバーフレック←昔のカラーです)から投入。
パワーベイト/パルスワーム4”に、この時点ではプロトタイプだったクランクシンカー21gの試作品をウィードの中に貫通させ、スローフォール。と、いきなりフォール中に「コン!」とバイト。
一発喰い系のバイトの出方なので、あとはしっかりとアワセを入れてウィードに潜られないように強引にファイトすれば獲れます。そのあたりはシューティンウェイ“ブラインドサイト”SWC-722EXHがアングラーをしっかりとサポートしてくれます。
ベッコウゾイ。43センチながら魚体は幅広でコンディション上々です。
コンブの中にいた魚なので、全体的に黒い部分が多くカモフラージュしている個体だと分かります。
開始早々に気持ちいいアタリの魚でした。
クランクシンカーのテストは昨春~昨夏にかけて大幅に改良を重ね修正をしていきました。
特に東北と北海道、つまり「コンブの海」では集中的にテストをおこない、対ウィード貫通性能を徹底して磨きました。感度が良いシンカーは世の中たくさんありますが、コンブ抜けのよいシンカーとフォール中のバイトを増幅させるためのシンカーには必然的な必要性を感じて誕生したのがクランクシンカーです。
話は戻って、その後は魚の数も出るは出るはの数釣りモードへ突入。
アイナメ、ベッコウゾイ共に30センチ~40センチ強までは、しばし釣れ続けたので写真は大幅に省略。
この日はどういうわけかホッグ系ワームにはまるで当たらず、カーリーテール系ワームばかりにヒットが続く。いくら釣れる状況でも、魚はルアーを選んでいる証拠です。
S君に46センチのアイナメ。ヒットルアーはパワーベイト/パルスワーム6インチ(カラー:CGBFO)。
井上さんに53センチのアイナメ。ヒットルアーはパワーベイト/パルスワーム6インチ(カラー:レッド)。
アイナメと手にし、今度はベッコウゾイが釣りたい!と言うので、「ヒラヒラ系の白いワームを投げて、フワフワと漂わせながらゆっくりフォールさせれば釣れますよ」と伝えて、即実践。
早速、釣れてました。パワーベイト/パルスワーム6インチ(ホワイト)でベッコウゾイです。やはりフォーリング中でのバイト。
クロソイもベッコウゾイもそうなのですが、基本、ソイ類はナチュラル系よりも原色系あるいは原色に近い、はっきり目立つ色に反応が良いことが多いわけですが、とりわけ白いワームに対する反応はとても良いので、ソイを釣りたい方は白いワームを携行することをおすすめします。
船長の幸丸・内海さんには24センチのメバル。
岩礁周りに生息するメバルに強い、おなじみガルプSWダブルウェーブ3インチ(カラー:ナチュラル)の3/8ozテキサスリグにて。
このワームのフォールにはやたらと良型メバルの反応が続きます。
S君には64センチのヒラメ。
ルアーはガルプSWバイブラグラブ(CGBFO)の1ozテキサスリグでした。
リフト&フォールのストローク幅を長く取りたいと7フィート2インチの“ブラインドサイト”ではなく、あえて8フィートモデルの“スキップラン”を使用しヒットに持ち込んでいました。
ベイトキャスティングロッドで8フィート以上のレングスは狭い船上ではどうしてもとりまわしが悪くなりますし(竿が長い分、投げるとき周囲に注意)、キャスト精度も7フィートクラスよりはだいぶアキュラシー性も落ちますが、そのブランクの長さゆえにリフト&フォールのリフト幅を大きく出来るので、完全に真下に落とす釣りやややバーチカル気味に釣る際には戦力になります。そういった意味でもソイやヒラメなど、底べったりを狙う魚でなければボートロックでも使い道はけっこうあるものです。
スキップランは強靭さの中にも粘り強い「柔らかさ」があるので、60UPのヒラメでも底を切る時(底から浮かせにかかる時)のパワーがとても楽で、ファイト時にもグリップを脇の下に挟めるのでビッグフィッシュとのやり取りでもアングラー側の態勢維持がとても楽になる作りの竿です。
東北や北海道のように北国の夏の海では、真正の根魚のみならずヒラメも磯周りに普通にいるので、専門的に狙ってみるのも面白いですよね。
その後、太陽が真上の位置になるに従い、大きめのシルエットのワームへの反応があからさまに悪くなってきたのでダブルウェーブに変更。
釣り上げた魚が吐き出すベイトも最初はカニの割合が多かったものの(その割にはなぜか甲殻類系ワームでは極端に釣れず…)、一定のエリアからはカニよりも小エビの割合が増えたので、ダブルウェーブがアタルのもなおさらです。
写真の色は「モエビカラー」を食紅で染めた佐藤オリジナルカラー・クリアレッド。「レッドバグキャンディー」よりも発色が明るく色味もきれいなので重宝します。
食紅染めワームの作り方はとても簡単です。詳しくは「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」に明記していますので、ご参照ください。
一通り、撃った後は湾内系の小場所へ。こういった場所は普段から竿抜けになっていることが多いのですが、丁寧に粘って釣れば確実に魚を引っ張り出すことが出来るので私はこのような場所での釣りは好きなタイプです。
その理由は「そこに魚がいることを前提にした釣りが出来ること」で、常に確信を持った釣りが遂行できるのと、キャスト回数というよりは「繊細さを伴う段階別アプローチ法が重要」になるからです。
当然、このような場所ではヤル気MAXの高活性の魚ばかりではないため、重いシンカー&太いライン、でっかいワームだけでは喰わせられないセレクティブな個体も生息しているので、ベイトタックルのみならず、豊富に出るラインスラックを活かせるスピニングタックルによるソフトな攻めの有効度は高まります。
そうなるとPEラインと“スイミントレーサー”によるライトテキサスの出番です。根掛かりさえ少なければライトテキサスだけでなくジグヘッドも有効です。
潮止まりの日中のピーカンに小場所。水色も非常にクリアだったのでセレクトする色はその時点で「ブラック」に決定。真っ黒なワームはこういったシチュエーションで大いに働きます。
ダブルウェーブの黒! 間もなくアイナメが釣れます。
続いてベッコウゾイ。ロックハンプのショルダー部分のウィードの隙間でフワフワやってバイトを得ました。
口元の拡大です。ヒットルアーはご覧の通りダブルウェーブの黒!効果テキメンです。
やはり黒は釣れます。
ただし、黒いワームは使い方にコツがあるので、それを分かっていて使うと効果的ですが、投入するタイミングを間違うとあまり釣れない色にもなってしまうこともあるので、そのあたりは自分の釣りの中で「どこで使うか?」の基準を引いて明確にしておく必要があります。
それ故に昔から黒色のルアーは玄人好みの色とも言われる由縁ですが、私的には釣れる釣れないに素人とか玄人というよりも最終的な問題として、試すか、試さないかの違いの方が大きいと思われます。
だからこそ、まずはあまり悩んだり、深く考え込まないで、気の向いた時にでもいいので気軽に黒いワームを試して頂きたいですね。
この日のラストフィッシュ!S君のベッコウゾイ。ヒットルアーはやはりダブルウェーブの黒でした。
内湾系のマッタリとした場所では、それぞれの手駒の数だけ多彩な攻め方が出来るのがいいですね。
このように夏の牡鹿半島の根魚釣りでは色々な釣り方が楽しめます。
大場所を豪快に撃つのも釣り、小場所をじっくりと丁寧に釣るのも釣りです。これに水深の違いによって、また釣り方は変わってきます。
以上、これは昨夏の釣行記事になりますが、早いもので8月中旬に差し掛かったこの夏も釣れ続いています。
ロックフィッシュゲームも、思い思いのスタイルで楽しめる自由度の高い釣りが出来ると、純粋に「魚釣り」としての裾野も更に広がることと思います。
例年、9月・10月は日本列島は台風シーズンになってしまいますが、8月までは天候&釣果共に良い釣りが出来るのも三陸ロックフィッシュゲームです。
ぜひお出かけください。
タックルデータ(2012年7月時)
■ベイトタックル
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:レボエリートIBHS
●ライン:シーガーR18フロロハンター16lb
●シンカー:タングステンバレットシンカー5/8oz~1oz
プロトシンカー3/4oz~1oz
(※現在のプロズワン/クランクシンカー)
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック3/0、2/0
●ルアー:パワーベイト・パルスワーム4”
ガルプSWダブルウェーブ3”
■スピニングタックル<ライトテキサス>
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラ3000HG
●ライン:シーガーTENYA1号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●シンカー:タングステンバレットシンカー3/8oz
プロトシンカー3/8oz
(現在のプロズワン/クランクシンカー)
●クッションビーズ:オーナー 夜光ビーズソフト原色4号
●フック:岩礁カウンターロック2/0
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★宮城県牡鹿半島ボートロック船宿<石巻地区>
■幸丸(内海船長 )【受付番号090-1490-3622】
2013年8月11日 |
カテゴリー:釣行記
なかなか梅雨明けせずにいた東北地方も8月になってようやく梅雨明けしたと思えば……【立秋】を過ぎたにも関わらず、これからお盆にかけて本格的な暑さに見舞われる予報となっています。
それにしても暑い、暑いですね……。
高知県では40℃を超える猛烈な暑さに加え、西日本の日本海側や先日の秋田県や岩手県でも局地的な大雨に見舞われ多くの被害が出るなど、年々、日本の夏はあきらかにおかしくなっている気がします…。
ひと昔前までは考えられなかった、異常なまでの天候の急変があまりにも多い時代になりました。
先日も宮城県沖で震度5強の東日本大震災の余震と思われる地震があったばかりですし、天災の恐ろしさをつくづく痛感する次第です。
8月はお盆休暇の関係上なにかと前倒し業務が多い月ですが、今年は早め早めに動いたため人並みのお盆休暇は頂けそうです。
夏の朝、早起きはやはり気持ちいいですね。清々しい。
昼頃になるとしぼんでしまうアサガオも元気に咲いています。
そういえば昨年のちょうど今時期は「ロックフィッシュのABC+DVD」のABC本の執筆とDVDの監修作業を同時進行で抱えていたのでお盆休み返上だったのですが、それもまたなつかしいです。今月下旬にはニコニコ動画でこのDVDが放送されるそうなので、よろしければぜひご覧くださいませ~。
さて、釣りの話題に入りましょう!
例年8月のお盆の頃に最盛期を迎える代表的な釣りと言えば!やはり、カラフトマスですよね!
7月に道内在住の友人のカメラマンが知床半島方面に撮影に行ったら、7月下旬の時点で川の淵の中には既にまずまずの量のカラフトマスが入っていて、良い写真が撮影出来たと言っていました。
トラウトに詳しい方ならご存知のように、カラフトマスは偶数年と奇数年で遡上量と遡上タイミングの変動が大きいですが、今年(2013年)は奇数年なので量もそこそこ、遡上タイミングも早い年度ですから、これからカラフトマス釣りに行かれる予定の方はさぞかし楽しみなのではないでしょうか。
私が知床半島に行った場合には朝夕のカラフトマスに日中のオショロコマ、夜はエゾメバル(ガヤ)の3本立てをやってしまうので“不健康極まりない”不眠不休での釣りをしてしまいますが、夏の暑さで身体は思いのほか疲労しますから、いくら北国とはいえこれから知床方面に向かわれる方はくれぐれも体調にはご自愛の上、夏の釣りを堪能してくださいね。
ちなみに…余談ではありますが、釣りの合間に立ち寄る、羅臼の道の駅にある「流氷ソフト」が美味しいのでおすすめです。旅の途中、休憩で寄られる方はぜひ☆
一方、東北の7月は活発な梅雨の影響で川はいつも泥濁りの激流状態でなかなか釣りにならず、海もずっと濁りっぱなし…という海域も多く、釣り場の選定にはより慎重になる必要がありましたよね。
それでも場所、場所で魚は釣れていたことが救いです。
マゴチ。捕食しているメインベイトが小型のイカだったため、イカのシルエットとしても効能を発揮してくれるガルプSWダブルウェーブが激効き。ベイトの種類や偏食度によっては明らかにワームを選んで喰ってくることもあるので多様な使い方が可能なダブルウェーブは重宝します。
ワームの色は曇天続きで陽が射さず、海中も暗いことが多かったので7月は“ホワイトグロー”カラーがよく釣れました。
5月から好調に釣れ続くベッコウゾイ。7月はよく釣れました。この分だと今月中までは良い感じでしょう。
夏の攻略法としては「クランクシンカー」で草=ウィードの中を集中的に釣ること。藻系よりは草系の海草の方(特にコンブだと最高)が魚が潜んでいる可能性は高いです。それもウィードの“コア”の部分を釣るとヒット率高し。表面(ウィードの上っ面)だけを通してもヒットは大して期待出来ないので、ジャングル状に成長したウィードへの貫通力&スローフォールでのフォーリング中のアクションが活きるクランクシンカーを用いればベッコウゾイ狙いではヒット率が上昇しますのでお試しください。
他の攻め方としては急激にブレイクする急深地形を狙うことも有効です。後者の場合にはウィード絡みでなくとも水深さえ急深になっていれば大丈夫でこの場合には足元からストン!と落ちている場所か、沖に向かって超遠投して深場のピンスポットまでリグを届けられるかどうかで釣果に差が出ます。そのため飛ぶ竿に飛ぶシンカー、そしてゆっくり落ちるシンカーが欠かせません。
ワームの色は、この夏も例年同様、ホワイト系カラーが当たりです。
最後に、過日ご紹介した新ワーム・パワーベイト/パルスワーム3.8インチもテスト結果上々につき、発売は9月の見通しとして予定されています。
写真のカラーはクリア系オレンジベースに少々赤いラメが入った「ロックオレンジ」という色です。
と、とりとめのない話題で恐縮ですがお盆明けからまたロケに出るため慌ただしくなりそうですが、実釣ネタはたくさん溜まっていますので引き続きマイペースながら書き綴りたいと思います。
お盆休み、暑さ対策万全のうえ良い休暇をお過ごしください。
2013年8月10日 |
カテゴリー:その他
★プロズワンからのお知らせ★
8月25日(日)PM22:00~ニコニコ生放送にて「ロックフィッシュのABC+DVD」が放送されます。
詳細はこちら(↓)からご覧いただけます。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv146375835
ぜひ、ご視聴くださいませ。
2013年8月8日 |
カテゴリー:雑誌掲載・DVD
★プロズワンからのお知らせ★
PUBLISHINGページ【最新情報】・【雑誌・本】に
「SALTY!2013年9月号」
「SALT WATER 2013年9月号」を追加致しました。
2013年8月5日 |
カテゴリー:雑誌掲載・DVD
今週末、7月27日(土)夕方17時からBS日テレ「夢釣行~一魚一会の旅」が放送されます。
ロケと重なり当の本人はこの時間テレビを見れていないと思いますが、お時間ご都合の良い方はぜひご視聴頂ければと存じます。
今回は「ウサギアイナメ」のお話です。
これは2005年10月発売の地球丸「SALT WATER2005年12月号」。
ずいぶん前の本ですが、私が初めて北海道を訪れたのはこの取材の時でした。下の写真にもありますように「北方根魚図鑑」というタイトルページを担当させて頂きました。
今から8年前の8月のことです。
上記雑誌にも書いているのですが(原稿は私が担当しています)、話を遡ること自身の高校時代、学校の図書室で読みあさった魚類図鑑で知ったウサギアイナメの存在に驚きを隠せなかったのが、そもそもの始まりでした。
ウサギアイナメという名前もそうです。
魚なのに「ウサギ」と付いている名前だけでもインパクト大(普通に考えて、なぜウサギ?って思いますよね)ですが、それ以上に小さい時からごく普通に釣っていたアイナメではありましたが、「世の中には紫色をしたアイナメがいるのか!」と知った時、それはそれは…衝撃ものでした。「え!!? 何!? この色のアイナメは!!!」という驚きです。
こんな種類のアイナメが日本にいるのなら、いつか釣りに行ってみたい!いや、絶対に釣ってみたい!!と私は強く思いました。
その思いはやがて「想い」となり、いつの日も「夢」と「憧れ」となってずっとその心の中にあり続けました。
小学校時代、「いつの日か必ず釣る」と誓った湿原の王者にして、日本最大・最強の淡水魚“イトウ”。
人呼んで「幻の魚」と称されるイトウを釣りに初めて挑んだ2009年。
この時は6尾掛けて4尾キャッチ。
最大は写真の1メーター5センチ。
PE1号+25lbリーダーで15分間もの壮絶なファイトに耐え、ランディング。
湿原に降リしきる雨の中、この巨大魚に手を触れた時、目元からも感動の雨が流れ落ちた。心臓が破裂しそうなほどの興奮。長い釣り人生でもこんな経験は初めてだった―。
そして、高校時代に新たな夢に加わった海水魚「ウサギアイナメ」。
この「夢の二大ターゲット」はその後の自身の釣り人生そのものでもありました。
そこまでに釣りたい一心で憧れ、夢を見続けた魅力の尽きない素晴らしい魚たち。
北海道を初めて訪れた2005年8月。ウサギアイナメが生息しているという釧路を目指しました。
釧路には「たんちょう釧路空港(以下:釧路空港)」がありますが、最寄の仙台空港からは直行便がないため上京し羽田空港から釧路空港へ飛びました。
初めての北海道での釣り、ワクワク感と緊張感で前の夜は全然眠れなかったものです(笑)。
釧路空港に到着すると、出口で待っていてくれたカメラマンさんと合流し、翌日から実釣取材が始まりました―。
時は流れ、今でこそ道内には沢山の友人や仲間が出来ました。一度会えば友達!、二度会ったら親友!ぐらいの勢いで私は捉えていますが、そういった皆さんがいるということに本当に感謝しているし、うれしく思っております。
でも、この時は違った。
道内には誰も人づてがなく事前情報は自分で調べた心もとない僅かな知識だけでした。協力者もいません。釧路に到着し明日から始まる取材を前に現地の著名釣具店さんに立ち寄り、ウサギアイナメとは具体的にどんな魚なのか、どんなところに行けば釣れるのか、を真剣に「教えて下さい!!」と尋ねたのを今でもなつかしく思い出します。
その翌日、夜明け前から地図を広げ自分で「このあたりかな?」と何カ所も候補を選び、釣りしては移動の繰り返しでしたが、朝の9時か10時頃だったでしょうか。
いつものアイナメとは異なる鋭いアタリを感じ、つい反射的に鬼アワセを入れたのです。そしたら思いっきり竿が曲り、無我夢中になってファイトしました。
水面に現れた魚の“紫色”はそれまでの釣り人生では非日常的なもので、待ち構えているカメラの前で釣った40cmオーバーの人生初にして、夢に見続けてきたウサギアイナメにハンパなく歓喜し、魚を持つ手が興奮で震えた自分がいました。
それはもう、うれしくて!うれしくて。
私にとって、ウサギアイナメとはそれ程までに強い想い入れのある魚であり、この魚に出会いたいからこそ北海道に釣りに行く決心をあの時しました。
そしてその時です。北海道というケタ違いのスケールに漠然とするほどの感銘を受け、この土地が大好きになりました。
そのような意味では佐藤文紀と北海道を結びつけたのは、イトウの存在であり、このウサギアイナメでした。
これが私にとっての、北海道です。
例え時代は変わっても、変わりもしない釣り師の夢と情熱。
今回の夢釣行はそんな特別な魚への敬意を綴った内容です。
時々身に着ける、お気に入りの時計が紫であること。
シューティンウェイのワインディングチェックが紫であること。
初めての一冊書き下ろした著書のタイトルカラーが紫であること。
初心忘れるべからず―。
そこには、かつてこの世界に飛び込むことを決めた10代の頃の自分との約束と誓いがあるからです。
Dream&Passion
夢と情熱の精神。
昔から「緑色」が一番に好きだった自分が、双をなすほどに紫色も好きになった理由は、これで分かりましたよね。
左がウサギアイナメのオス、右がウサギアイナメのメスです。
生まれながらにして雌雄で色が違うのも、通常のアイナメとは異なります。
でっかいカジカも登場します!
この大きさになるとカジカもハンパない。まさに…小さな“怪獣”と言ったところです。
こんな迫力溢れる魚を「釣った!」という実感…。
これがロックフィッシュゲームの醍醐味です。
2005年、初めての北海道の行先だった釧路空港。そして2013年の今年。再び5年振りに降り立った釧路空港をスタートに紫色に発色するウサギアイナメを追いかける旅に出ました。
もちろん今回はいち釣り人としての満足の追及ではなく、表現者としてテレビをご覧の視聴者の皆様にその熱い想いをお届け出来れば本望です。
これを観て「自分もウサギアイナメを釣ってみたい!」、「本物を見てみたい!」と一人でも二人でも思ってくれたならば、この番組の意義を成し得た瞬間です。
2013年7月27日。
現30代の私が10代の時に思い描いた憧れの魚との出会いを、【再会】という形でお届けする今回の夢釣行~一魚一会の旅~。
北海道。
釧路。
紫色。
そして、ウサギアイナメ。
あきらめなければ夢は叶うんだ、ということを特に若い皆さんには知ってほしいと願っています。
佐藤文紀の最新のウサギアイナメ釣り、ぜひご視聴頂ければ幸いです。
<番組詳細>
おかげさまで昨年の同番組ロケ時の模様は大きな反響を頂き、今年2013年5月にはアンコール再放送に至りました。そんな視聴者の皆様の声にお応えしての、ロックフィッシュ編・第2弾!として、今回の下記・番組が組まれました。
放送局:BS日テレ
番組タイトル:夢釣行~一魚一会の旅~
「憧れの魚に再会したい!北海道・道東のウサギアイナメ」
出演:佐藤文紀
ロケ地:北海道釧路市、厚岸町
放送日時:2013年7月27日(土)PM17時~17時30分
<番組の見どころ>
アイナメからハタまで全国的にロックフィッシュ、いわゆる「根魚」をルアーで狙う釣りが人気を増す一方、一部の地域でしか見ることのできない、アングラー憧れの珍しい種類の根魚も国内には生息しています。
北海道の道東地域に局地的密度で生息するアイナメの珍種「ウサギアイナメ」。
昨年に続く、夢釣行・ロックフィッシュ編では日本海側の積丹半島/小樽からその舞台を太平洋側の釧路/厚岸に移し、北の海ならではの厚いコンブが密集する根周りに潜むこのウサギアイナメを最新の注目リグを駆使して佐藤文紀が追い求めます。
繊細かつダイナミックなゲーム展開は勿論のこと、道東ならではの旅路や豊かな自然との調和も見どころ満載です。
全国的に広く知れ渡るアイナメとも異なる習性や魅力を持つウサギアイナメ―。
佐藤文紀と北海道を結びつけたルーツがここにありました。
2013年7月24日 |
カテゴリー:雑誌掲載・DVD
« 前のページ
次のページ »