ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。
NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)評議員

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

幾分寒さも和らいで。

①

多少なりとも寒さ和らいでくる日があると釣り人は春の訪れを今か、今かと待ちわびるものです。

 

12月~1月までの積丹から松前までは相当な数のサクラマス(海サクラ)があがりましたから、それらが海峡を渡って降りてきて川に入り出すことを考えれば、道内のあの爆発的な余韻を残したまま本州においてもきっと良い年になるのではないか…ごく自然とそんな期待に心を躍らせてしまうもの。

②

北の荒波、冷たい大海を見事に泳ぎきるヤマメの成長した姿の勇ましいこと。

 

東北地方でも日本海側の魚影のまとまりと濃さからして、続く北陸は福井県九頭竜川の解禁日の爆発力といい、今年は更に盛り上がるといいですね。

有名な言葉ですが海外ではシーマとかチェリーサーモンと呼ばれるサクラマスは世界的分布図が示す通り、国単位で捉えるとロシア大陸側に生息密度が高いこともあり、その関係もあって我が国においては日本海側の方が全体としての資源量は多いと思われるのですが、太平洋側もその前兆通り、上り調子の今季になってくれることを祈るばかりです。

 

海のサクラマスも、河川のサクラマスも、湖のランドロックのサクラマスも。

この魚をひたむきに追う誰もが夢中になる春も、もうじきにー。

 

③

水の中だけでなく、頭の中にもサクラマス悠々と泳ぐ季節。

2月も下旬を迎え、今年もそんな想いに心馳せています。

新潟キジハタ探索記(6)

前回からの続き

キジハタとカサゴを筆頭に、マゴチ、ヒラメ、ホウボウ、イナダ、メバル、ベラ、マゾイと、合計9種目が釣れている当日。

釣りの時間も終盤に差し掛かり、残り僅かとなってきた頃合いです。

再び手にしているのはテールスピンジグ。

テールスピンジグは朝夕の光量の少ない時間帯での効果はそこまでではないものの、日中の陽が高い時間帯、つまりデイゲームにおいては非常に効果が高く期待が持てます。

その効果たるや、時にワームリグを凌ぐことも珍しいことではありません。

ソフトプラスチック質のワームでは演出しにくい、金属質なフラッシングの強さとブレードの回転水流がテールスピンジグの持ち味。

キジハタゲームでは、ブレード1枚でこんなにまで釣果に差が出ることがあるのか!?と垣間見る機会も多いことでしょう。

ブレード系ルアーやブレード系リグは、その日の条件下もありますが、同日中においても太陽の位置や晴れ具合など様々な要素が重なり合って「最も活躍する時間帯がある」ということはロックフィッシュゲームに取り組むうえで覚えておいて損はありません。

各種ルアーはその起源や発生要因が全部違っていて、それぞれに与えられた機能もまた異なるので、「その差異と使い分け方法」をきちんと理解して、自分なりのプランを立てて適材適所で順序よく投入していければその時、その時でハマっていくルアーやリグはおのずと見つかるものです。

 

本日の釣り。

テキサスリグ、スコーンリグ、テールスピンジグ、ジグリグと来て、最後は再びテールスピンジグ。

テールスピンジグを扱う場合、操作面でスピニングリールの方が私の場合は楽なので本日の釣行の締めくくりはスピニングタックルに託します。

デカいのを一発、最後にもう一度追加したいがためのセレクトです。

 

基本、投げられるだけ遠くに投げます。

着水したら一度だけ底を取ったら、すぐに底から上げてあとはボトムを意識せずにルアーを宙に浮かせたままにしてリールを巻いてルアーを動かし続けます。

任意のレンジより上に来過ぎたなと思った場合にはフォールを入れて元に戻し、レンジを細かく調整。

このあたりは「マーキング入りのPEライン」が釣りを分かりやすく、優しくしてくれます。

あくまでもレンジ維持に努めるのです。

ルアーが沈み過ぎだと感じたら、リールを一時的に早巻きして目的の層にレンジが上がったらそのままのレンジをキープできるようにロッドワークとリールを巻くスピード、ラインスラックの処理量を微調整しつつ一定層を保っていく。

慣れないと最初は難しいかもしれませんがこれが出来るか、出来ないか、の違いで結局のところ大きな差がつくのがサスペンドしたクロソイを釣っていくケースにも似た要素を持つ、キジハタの釣りです。

 

すると!

来た!

重くも力強くもあり、ギュンギュンと走るのでこれもまたデカい!

40cmオーバーは、ほぼ確定の引き。

 

海面上にはベイトフィッシュ(カタクチイワシ)の気配が見られなくなったため、先程よりはだいぶレンジは下がりましたが、それでもヒットレンジはボトムまで達していません。

水深22mのポイントに対して15mのラインでヒットしているから、ボトムから7m浮き上がっている状態でのヒットです。

本日最後になるであろう、3尾目の大物キジハタの手応えを噛みしめて寄せにかかります。

この強烈な手応えは本当にいい。

無我夢中になってファイト出来る魚。

 

無事にランディング。

①

至福の瞬間。

②

サイズもよく41cmと、先にキャッチしている45.5cm、43.5cmに続く本日、自身3尾目の40cmアップでした。

これに武田さんの45.5cmをプラスすると船中4人で4尾の40cmアップのキジハタが本日は釣れていることになります。

自分の釣りを締めくくる最後の魚が出たことで、一足早く私はこれにて納竿しました。

 

この匹数を多い釣果とみるか、少ない釣果とみるかは各々の育ってきた環境や自己の基準で異なるものに違いないですが、巷では時にマダイやヒラメの更に上を行く【幻の高級魚】とさえ形容されることも多いキジハタだけに、いつも必ずしも釣れる魚だとは限らないことを考えると、私からみても今回は凄く釣れているという実感がした日でした。

 

尚、キジハタの引きは35cmくらいから急に変わり、40cmに達すると別格の強さに変化していきます。

③

数も物凄く多いわけではなく、釣り方もそれ相応に難しい根魚ですが、それだけに釣れた時の達成感がハンパないものです。

 

キジハタは生まれて最初はメスとして生きのちに産卵に参加し、その後更に成長していく段階でメスからオスに変わっていく個体が多く出現していきます。

なので大きな魚はほとんどの場合オスなのです。

大きな魚ほどメスのように抱卵することもないので魚体としての全長はあっても、それほど太くはなりませんが「1キロ」あれば立派なオスであり、世の中一般的には大物という認識をされています。

 

もちろん、その後……45cm、50cm、60cmと更に成長していく個体(オス)も中には出現してくるわけですが、数はその分だけ限りなく少なくなるので、なにびとにもいつ・どこで・出会えるかなどはなかなか検討がつきません。

 

東北某所での63cm、四国某所での65cmというのが私の聞いた限りの「釣り」であげられたキジハタの最大サイズなのですが、いずれも船釣りで深い水深であることを考えるとルアーキャスティングで快適に釣りが出来るレンジにどこまでのサイズが留まれるかは不明確な点も残るものの、ショア&オフショアであっても水深20mくらいまでの浅場で、40cmオーバーも期待できる可能性がある釣り場が日帰り圏内や貴殿のお住まいの最寄にあるならば、キジハタに興味ある釣り人であれば楽しまない手はないでしょう。

 

キジハタはロックフィッシュアングラーだけでなく、エサ釣りの沖釣り師も好むし、ショアジギンガーも好むし、オフショアジギンガーも好む釣れてうれしい魚。

仮にマダイ釣りや青物釣りの外道で釣れたとしても毛嫌いされるケースはほとんどないに違いありません。

 

釣りあげるのが適度に難しく、希少性、幻の高級魚とさえ称される食味もまた絶品であり、どの部分を取ってもやはり皆、釣れてうれしい“釣り心”を満たしてくれる魅惑の魚。

夜、岸近くにいる個体を狙うベイトタックルでの接近戦はもとより、魚と人にかなりの距離が存在する場合の釣り場やデイゲームにおいても今ではロングスピン釣法の浸透により、ひと昔前に比べ格段とキジハタへの距離感は縮まりました。

私が本格的にキジハタを狙い出した10年前とは状況は明らかに変わってきています。

 

10年前の8月に富山県でのロケでキジハタを釣ったのが私のキジハタゲームの始まりでした。

SALTWATER2006年12月号

釣り雑誌「SALT WATER 2006年12月号」、“キジハタ探して東へ西へ”という企画でした。

10年ひと昔。

10年前、皆さんはどんなロックフィッシュを、どんなスタイルで狙われていましたでしょうか。

 

当時はキジハタを専門に狙うルアーアングラーも全国的に少なく、そして開示された情報も極めて少なく、専用タックルもほぼない頃でしたので、分からないことだらけで私も“手さぐり釣行”を繰り返していました。

10年前のロケで初めてのキジハタを手にした後も、この魚にはただならぬ将来性を感じ自分の中で追求しつつも、いつの日かロックフィッシュゲームのひとつのキャラクターとして十二分に成り立つように確立したいと思い、個人的に何度もキジハタのいる海には足を運びました。

A

B

しかし上記の理由からお世辞にも釣れる率は良いものとは言えず、思いのほか釣果も伴わなかったことの方が多かったので、昔はキジハタ釣りへの苦手意識すらありました。

 

(ちょっと昔の写真でお恥ずかしいですが…。)

C

D

なので、それまでの自己基準でしかなかったアイナメ釣り・ソイ釣りとは違うタイプの習性を持つ根魚であることをよく理解し、その難易度の高い釣り方を覚え、苦手意識を克服するためにその分たくさん研究して、練習して、キジハタならではの釣り方を模索し続けてきました。

E

キジハタに想いを馳せるあまり、時には見知らぬ土地で夜通し釣り続けたこともあります。

せっかく行った遠出の地でがっかりするくらい終始雨に降られ、ずぶ濡れになりながらも釣り続けたこともあります。

それでもめげずに「夢」と「情熱」と溢れる若さも一心に全力投球していたのです。

かつてはサクラマスの釣りもそうだったのですが、「釣れない釣り」を人並み以上に長く経験しているからこそ、ようやく願い通じた1尾の有難味をつくづく重んじられるし、今では手軽な釣り~希少魚に想いを託す釣りもまたそのどれもがそれぞれの魚釣りの良さである、と認識することが出来ています。

昔は特定のスタイルを基準とする釣りにどうしても偏っていたことも多かったのですが、キジハタと出会ったことで認識も大きく変わり、北~南まで、果ては海の向こうにいる海外の未知の根魚に至るまで、その魚、その魚に合った適切なアプローチをその都度深く考えるようになり、それぞれのターゲット毎に、今ではベイトタックル~スピニングタックル、フロロカーボンライン~PEライン、ソフトルアー~ハードルアーに至るまで、繊細さと豪快さを臨機応変に総動員しつつそれらを自在に使いこなせる技を身に着ける工夫をしています。

 

全国の釣り場、海外の釣り場で経験を重ねることで、「釣りの仕方」、「釣りの運び方」が次第に変わり自己の釣りを大きく成長させることにも繋がりました。

F

G

貴重な時間と一生懸命働いて手にしたお金を投じてもなかなかキジハタが釣れなくて苦しんだ昔の記憶も今となってはこれもまた良い思い出であり、なつかしい記憶のひとつです。

 

もちろん!

今でもそう易々とキジハタは釣れてくれなくて困ってしまう場合も多々あるのですが(笑)、それはそれで!その時さえも(釣れない時間さえも)昨今では思いっきり楽しんでいます。

 

今後のロックフィッシュゲームが進んでいく世界を、アイナメ・ホッケ・ソイ・カサゴ・カジカ、メバルなどと共にいま一度、楽しくしてくれるハタという存在。

④

⑤

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そんなハタ科の中でも中核を担うキジハタを狙った釣りは、かつて北のアイナメ、クロソイ、ベッコウゾイたちが辿った道のように今後もどんどん進化・発展していくことでしょう。

 

近年では中国・四国・関西などを筆頭にキジハタ放流事業に取り組む漁協が増えてきていることが報道でも時々取り上げられるようになってきました。

いずれも高付加価値のあるキジハタを養殖することで水産業界としては事業の収益性を高めようとする働きです。

その恩恵を受け、私たち釣り人に至ってもキジハタを狙って釣れる地域が少しずつながらも拡大してきているわけですが、その一方で人工種苗放流を行っていない限り元々の自然生息数ではそれほど多い魚ではないために、「魚の扱い」と「この魚への関わり方」には最善の良識と敬意を持って、今後もこのキジハタ釣りを【ニッポンのロックフィッシュゲーム全体】としても、永く、大切にしていけたらと切に願っています。

 

3月に入れば、早くは九州からキジハタ釣りが順にスタートし季節の進行と共に“キジハタ前線”もまた北上していきます。

⑦

今年も列島各地で素晴らしいロックフィッシュゲームに、キジハタゲームに、全国津々浦々の根魚釣り愛好家の皆さんが恵まれることを願ってやみません。

 

「新潟キジハタ探索記」【終】

 

 

スピニングタックル(テールスピンジグ用)

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラC3000HG

●ライン:シーガーTENYA0.8号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2

●ルアー:テールスピンジグ20g、30g

●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ

●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム

●パンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーショーツ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS/ENZO

●偏光レンズ:TALEXラスターオレンジ、 TALEXアクションコパー

★新潟県糸魚川市ボートロック船宿

彩波(高木船長)【受付番号025-566-3405】

新潟キジハタ探索記(5)

前回からの続き

キジハタの大物が2尾続き、船上はますます活気づく。

 

皆さんもそれぞれの釣りを満喫しているようです。

①

クランクシンカー+ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:モエビ)のテキサスリグで粘り通してキジハタの釣果。

②

こちらのキジハタの口からはエビ(写真の写真参照)が吐き出されました。

③

ワームセレクトと実際に捕食されているエサがマッチしているのが分かります。

ご当地のキジハタの場合、甲殻類を主食とする時間帯にはカニよりもエビを盛んに捕食率していることが大半です。

これまでの経験を踏まえても、夜間~朝マズメのうちにキジハタに捕食されていたものと容易に推測がつきます。

 

 

こちらはベラの仲間。

④

クランクシンカー+ロックンビーズソフト+岩礁カウンターロックのテキサスリグにて。

⑤

こちらもエビ系シェイプのワームで釣れていました!

ベラ類はハギやフグ同様に好奇心が強いうえに何気に気性が荒く好戦的な習性も持ち合わせているため、ベラをルアーで専門に狙う釣りもいずれもっと拓かれていってもいい魚種のひとつです。

メバルやアジに続き、今後の可能性があるライトゲームで狙うのが楽しいターゲット。

 

 

イナダの回遊は時々あるようです。

⑥

魚の群れがまとまって近くにカタクチイワシの大群がいると一斉にイワシの群れに突っ込むので突然、ナブラが立ちます。

⑦

ナブラのその下にはこんなキジハタが実はついているのです。

 

 

 

⑧

リグを浮かせずにボトムを叩くと、カサゴの反応が強くなります。

片腕分のロングリフトしたくらいのストローク幅では小魚に意識がいき停滞レンジが浮き出したキジハタの目線にはリグが到達していないため、まだカサゴのテリトリー内にリグが留まっています。

カサゴもキジハタもどちらも魅力的なロックフィッシュですが、カサゴを専門的に釣りたい時にはボトムをきっちりと取る釣りを。

キジハタ狙いに焦点を絞りたい時には底を切って、かぎりなく上(最低でも底から3m)を泳がす釣りを心掛けるとルアーの通過ゾーンが変わるので釣り分けも可能です。

 

 

ヒラメ・マゴチ・ホウボウの砂地系ボトムのターゲットが立て続けに。

⑨

⑩

⑪

ライトジギングを筆頭にルアーでもホウボウを専門に狙わせてくれる地域もところどころにありますが、うらやましいですよね。

ホウボウは根魚のカテゴリーではないですが、釣り方がロックフィッシュやフラットフィッシュの類に共通する部分も多々あるため、釣りの趣向性という部分では個人的に好みなタイプの釣りなので、ホウボウを専門に狙えるような釣り場が日帰り圏内にあれば、いつでも飛んで行きたいくらいです。

 

 

 

ヒラメ。

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スピニングタックル×ジグヘッドリグのスイミングにて。

⑬

泳がせてよし!止めてもよし!のガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:ホワイトグロー)ですが、このヒラメはヒラヒラとワームを泳がせての釣果。

動体視力に優れるキジハタやヒラメを狙う場合にはワームは止めずに泳がせ続けていた方が「吉」と出ることが多いです。複数同時可動系ワームの利点が活きます。

 

 

 

⑭

ジグリグでのカサゴ。

⑮

ブルーオリオン30g(カラー:仙台 蛍光ずんだグリーン)+ガルプSWダブルウェーブ3”(カラー:モエビ)のジグリグ。

リグを底ベッタリつけてしまうとカサゴが先に掛かるので、着底の瞬間にすぐに底を切って上に上にリグを持っていくとキジハタやヒラメのヒットゾーンに素早く入りやすくなります。

⑯

後にまたキジハタが続きます。

 

 

日中、キジハタがカタクチイワシの群れを追い出して浮きあがりテキサスリグへの反応が薄くなった時間帯でも粘り強く、耐えつつ再びキャッチとなったキジハタ。

⑰

クランクシンカー+ロックンビーズソフト+パワーベイトSWパワーホッグ4”のテキサスリグ。

ワームの色は、なつかしの“エメシャ”こと「エメラルドシャイナー」。

ロックフィッシュ歴10年くらい経験のある方ですと知っておられるかと思います。

 

 

次は、ワインドでの大物キジハタの釣果です。

ワインドはシーバス、青物、タチウオに有効な釣り方として西日本を中心に発展したジグヘッドリグのバリエーションのひとつの釣法です。

中でもタチウオにおけるワインドの威力はことさら有名ですよね。

それだけにタチウオの魚影が薄い地域、あるいは通常に考えてタチウオ生息圏外となる東京湾以北の東日本~北日本では地域柄か、あまり馴染みが少なく「ワインドそのものを知らない」あるいは「知ってはいるけど実際には使ったことがない」という方も多いのが現状です。

そうなると、東~北のロックフィッシュアングラーにおいては益々その存在は珍しく映るかもしれません。

しかし、ことキジハタに関してはワインドはヒット率が高いリグとして有望です。

「今日初めて使った」というワインド(ロックワインドリグ)に試行錯誤を続けつつも、特有の“横っ跳びダート”の操作が馴染んできた頃合いで、45.5cmの大物キジハタをキャッチした武田さん。

⑱

「一瞬、ロッドが持っていかれるかと思いました!」と、あきらかにこれまでとは違い過ぎるその引きの強さに驚きつつも、今日が人生初めてのキジハタ釣行で手にした大物に感無量のようです。

初40cmの記念が、いきなりの45.5cmは大変な釣果です。

おめでとうございました!

 

 

写真点数が多いため抜粋して紹介しておりますが、私の経験上でも当日のキジハタ釣行はよく釣れている部類だと思います。

しかし、まだこれで終りではありません。

カンカン照りの暑い正午過ぎにデカいキジハタを狙って釣るパターンも今は手駒の内にあるので、最後はこの一手でラストフィッシュを引っ張り出そうと思いつつー。

 

次回の綴りへと続きます!

新潟キジハタ探索記(4)

前回までの続き

カタクチイワシを追うイナダのナブラは消えてなくりました。

さすが足の速い青物。

現れるのも突然ですが、いなくなるのもあっという間です。

 

先程までの海面に騒がしさはなくなり、またマッタリとしてきました。

しかし先程のキジハタがトビウオを喰っていたということは、魚の意識が上層にあったことは確か。

 

そこで!ルアーを横引き展開すべく、ただ巻きでクネクネ泳ぐブルーオリオン30gのジグリグに切り替えます。

ブルーオリオン30gグリーンゴールド

色は「グリーンゴールド」です。

ジグリグは光を放つ可動部分は異なれど、テールスピンジグ同様にフラッシングを有しつつも、メタルジグ本体が動く「よりワイドなアクション」でルアーを泳がせられるのがメリットです。

 

一度ボトムを取ったところ、「巻きはじめ」にいきなりカサゴが反応しました!

トレーラーのガルプSWダブルウェーブ3”の色は「オレンジタイガー」です。

①

魚からの即座の反応はうれしい限りですが、カサゴとキジハタを釣り分ける場合には注意点があります。

ボトムを意識した釣りに集中するとキジハタよりも個体数の多いカサゴが先にバイトする確率が高くなるので、もしもキジハタのみに狙いを絞るのであれば、あくまで底べったりのレンジにルアーを長く留まらせない意識をするとキジハタのヒット効率は上がります。

 

そんなとき、水面直下近くを1枚のヒラメが泳いでいるのが偏光グラス越しに視界に入ってきました。

夏の日本海。

ヒラメが凪の海を水面から見える範囲を限りなく表層に近いところをスーと悠々と泳いでいるのです。

一瞬、エイかと思いましたがヒラメでした。

見た目のイメージと異なり、ヒラメは泳ぐ魚です。

エサの群れを追って探しているのでしょう。

 

海面は静かでも海の中はまだ“魚っ気”がある。

ジグリグをフルキャストして着底。素早く底を切ってルアーを浮き上がらせ、ロッドワークでレンジコントロール。海底から5m少し浮かせたあたりを「ただ巻き」していた時です。

ガツン!と強制的にリールを巻く手が止まるような衝撃が来て、反射的にフッキングするとそのままロッドがギュン!と海面に押し倒されるような急激な負荷が圧し掛かります。

またしてもデカい魚。

魚が乗った状態ですが、念のため追いアワセを入れました。

掛かっているのはキジハタあるいはヒラメ(先程泳いでいるのを見た直後につき)のどちらかだと思いつつ、痛快なファイトに突入していきます!

ベイトタックルということもあり、リールはドラグをフルロックしていたのですが、ほぼ伸びのないPEラインに高弾性のロックフィッシュロッドを用いているため、魚の重みがダイレクトに掛かってくるので引き味は確かに凄いのですが、相手がキジハタの場合、俊敏性に優れるため急激にスピードを増して走り出すこともあるので、その場合にはクラッチを切って“指ドラグ”で応戦します。

根魚釣りの基本として本来はドラグは緩めたくはないものの、どうしてもドラグを効かせないといけないタイプの魚や状況時にはファイト中にドラグ調整するよりも、瞬間的な突っ込みがあった際にリールのクラッチをその時だけ切って、指ドラグで対応するとその場合には良いです。

強烈な引きをいなして、ランディングは結実。

②

このキジハタもまた大型で、43.5cmもありました。

③

ブルーオリオン30gにスプリットリング♯4番を介してオフセットフック2/0を取り付け、これにガルプSWダブルウェーブ3”(色:ナチュラル)をセットしたジグリグでの釣果です。

④

ブルーオリオン30gのジグリグは使っていただくと分かるのですが、S字蛇行するようにクネクネ系のジョイントミノーのようなアクションを出せるのですが、視覚的にも波動的にも大きなウェーブ効果があり、この動きがビジブル系アクションに反応するロック系ターゲットの誘い出しに活躍します。

ジグリグのセッティング方法

ジグリグのセッティング方法はとても簡単で、写真のようにブルーオリオン30gの後部アイにスプリットリングを介し、あとはオフセットフックを取り付けたら、針にワームをセットするだけでOKです。

 

至ってシンプルな構造のジグリグですが、この動きは既存のジグヘッドリグやテキサスリグでは出せない動きなので、横引きしながら魚を追わせて喰わせるようなシチュエーションではメリットが多い、遠投が出来て深場まで送り込めるスイミングリグです。

⑤

トレーラーのガルプSWダブルウェーブ(色:ナチュラル)のカーリーテール先端がキジハタの鋭利な歯で噛み切られてしまっていますが、ワームまでセットすると上の写真のような構図になります。

ブルーオリオン30gの場合には、スプーンやミノーのように「“ただ巻き”できるメタルジグ」として、ショアからのヒラメとビッグトラウトの釣果が印象的ですが、ロックフィッシュゲームでも使えるように予めワームを接続してもリグとしてのバランスが取れるように研究を重ねることで、スイミングリグを追う習性があるキジハタにも良いルアーとなっています。

ブルーオリオン30gグリーンゴールド

キジハタ狙いでは、キジハタが本能的に好むカラーとして知られる「グリーンゴールド」を多用するのですが、紫外線発光するケイムラカラーと共にやはりこの色へのキジハタの反応は他の色彩よりも格段に良いと思える印象があります。

カラーセレクトでも、けっこう釣果差が表面化しやすい魚です。

 

このままジグリグを投げ倒して巻き続けていれば、また時合が来たときに大型のキジハタがヒットする可能性はあるわけですが、本日はいろいろなリグ・ルアーの可能性を細かく試したく、今度は同じ場所にフォローベイトを投入してみます。

ベイトタックルを用いて、動きの大きいワイドアクションのリグ(ジグリグ)を投入した後のため、フォローベイトとしてはスピニングタックルを用いて、動きのタイトなテールスピンジグを再投入。

「ルアーの強さ」を少し落としたセレクトです。

この付近に今、釣れた大型のキジハタ以外にも“釣りこぼし”の魚がまだ残っていれば、今の段階で獲ってしまいたいという考えです。

ブルーオリオンが「30g」という重さのルアーにつき、テールスピングも20gから30gに重さを上げました。

その数投目のこと。

巻きからフォールへの移行した最中に「コン!」という明確なアタリを感じ、そのままフッキング!

クンクンクンという小気味良い引き味の末にランディングに至ったのはマゴチ。

サイズもなかなかのもので、52cmありました。

⑥

全国的に人気の高まっているルアーで狙うマゴチ釣りですが、この海域でもマゴチは人気のターゲット。ご当地ではワインド釣法への反応がすこぶる良いですが、今はテールスピンジグに反応してきました。

 

続いては、テールスピンの巻き中にツン!ツン!ツン!とルアーに連続してジャレつくような小さなアタリがあり小鯛やベラの仲間あたりがルアーを突っついている可能性も思いつきましたが、釣ってみなければ正体はつかめないと思い、仮にスッポ抜けてもいいからアワせることにし、いざクイックにアワせを入れると重みが乗ります。

喰ってきたのはメバル。

⑦

メバルだったのは少し意外でしたが、こちらもうれしい魚。

メバルもロックフィッシュの一員です。

⑧

ご覧の通り全体的に金色の色彩がとても強い個体で、いわゆる“金メバル”と呼ばれる「アカメバル」に分類される個体と思われるのですが、メバルのカテゴリーもアカ・クロ・シロの3種に昨今では分かれていますので各地を釣り歩いて3種のメバルをキャッチするのもロックフィッシュゲームとしては面白いと思います。

 

このように本日は天候も良くなり、凪も良く絶好の釣り日和。

キジハタを筆頭に、まだまだ釣果は続きます!

 

 

タックルデータ

■ベイトタックル(PEラインでのジグリグ用)

●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト

●リール:エクスセンスDC

●ライン:シーガーマルティア2号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●ルアー:ブルーオリオン30g

●スプリットリング:カルティバ/スプリットリングハイパーワイヤー♯4

●フック:岩礁メガトンロック2/0

●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”

スピニングタックル(テールスピンジグ用)

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラC3000XG

●ライン:シーガーTENYA0.8号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2

●ルアー:テールスピンジグ20g、30g

●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ

●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム

●パンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーショーツ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS/ENZO

●偏光レンズ:TALEXラスターオレンジ、 TALEXアクションコパー

★新潟県糸魚川市ボートロック船宿

彩波(高木船長)【受付番号025-566-3405】

新潟キジハタ探索記(3)

前回までの続き

今度は、海面にあやしい動きが。

水面に黒い影が集まりだしました。

もう少しで“イワシ団子”になろうか、という前触れです。

海鳥達も急いでこちら方向に向かって来ていて、海が急にざわめき出しているのです。

海面が小魚の波紋でモヤモヤし出し、その後、単発のボイルが一層と激しさを増してきました。

追われている小魚はカタクチイワシ。

 

ついに、白い水柱が一斉に立つナブラ状態へ。

釣り人が興奮する光景ですよね。

カタクチイワシを追いかけているのはイナダの気配が濃厚ながら、ここは北陸の日本海。

イナダの他にはサワラ(サゴシ)も単一魚種で小魚を追い回してナブラを立てることがありますが、イナダナブラの場合にはこの“おこぼれ”にありつこうと他の魚種もこの騒ぎに加担することも多く、その場合にはマダイ、クロダイ、シーバス、稀にヒラマサなどの可能性もあり、他の中層魚・上層魚も交じっていることがあります。

タイ類やシーバスの場合には、イナダの周囲~イナダの密度が集中するその下のレンジにポジションを取る印象です。

これはイナダの数が非常に多く回遊魚ならではの大規模集団であるため、余程の大型魚ではない限り、他のフィッシュイーターと言えどもイナダほどの大群ではないため、少数尾あるいは単独尾だと形勢は劣勢のままナブラに突っ込む状態になるから、です。

 

そして、“ナブラにささる”、と言えばキジハタもしかり。

遊泳スピードの関係で、同じ根魚の仲間であるソイ・カサゴ・アイナメ・メバルの場合には泳ぐスピードが格段に早い青物(この場合にはイナダ)のナブラの移動スピードにはなかなか追いつけないものと考えるが、機敏に動くキジハタの場合にはこの事例に当てはまらない。

下層から中層へ、中層から上層へキジハタもベイトフィッシュを追い上げてキジハタ本体が突き上げて小魚を襲うことも想定の範囲。

「ナブラの下にはキジハタあり!」の状況は意外とあるのです。

キジハタの他にも、全身筋肉ゆえ空飛ぶマントのごとく「ヒラメ」も単独で水面上からでも見える範囲の海面近くを“スー”と泳いでいる時もありますが、これも捕食モードに入っているヒラメがエサの後を追っている時であろう行動の一部なので、海の中の構図で切り取ってイメージすると、カタクチイワシの群れの周りにはこれらを狙う魚が取り囲んでいる状態ということになります。

余談ながら、この海域でも人気ターゲットとなってるマゴチもこのタイミングで虎視眈々とエサを狙う個体がいます。

マゴチの場合にはヒラメとは違って海底からさほど離れませんが、ナブラ発生時に敵に喰い荒らされた中の一部の個体たちが傷ついて旋回しながら海底に沈んでいく状態のイワシが存在した場合で、他に競合するフィッシュイーターに先にイワシが捕食されなかった場合には、マゴチにとっては恰好のエサとなります。

こんな時はテールスピンジグやワインドにマゴチも即座に反応します。

 

ということで、「待望のタイミング到来」です。

カタクチイワシを追い回すイナダのナブラ方向にテールスピンジグをフルキャスト。

ナブラのど真ん中にルアーを投げてしまったり、ナブラの進行方向の先にルアーを投げるナブラ撃ちは典型的な青物必釣パターンですが、キジハタは青物ではなく根魚なので、この【投げるタイミングと投げる場所】が異なりますので、この「差異」を特に意識する必要があります。

仮にナブラ本体を直撃すればすぐにイナダが喰ってくるため、キジハタを釣りたい場合にはナブラの中心をわざと外してルアーを投入するのが「キジハタ狙いのナブラ撃ち」のコツなんです。

つまりは数多くいるイナダの群れを避けなければ、キジハタのいるところまでルアーが届かないということになってしまいます。

なので、ナブラの規模とナブラ全体の進行方向を見極めることが大切です。

ナブラの中心を起点に円を描くように最も激しいナブラが立っているゾーンをコア部とすれば、キジハタ狙いではコア部から少し離れたゾーンを狙います。

そしてナブラ全体の進行方向に対しての先頭は必ず泳ぐスピードが最も速い種類の魚(この場合にはイナダがそれに該当)がすぐに到達するので、キジハタはイナダよりは泳ぐのは遅いため、ナブラが立ち終わった後の場所、ナブラ本陣が移動してしまってはいるものの(数十秒前までナブラのピークになっていたところ)ナブラの名残(祭りの後の状態と言えば推測しやすいでしょうか。)が見られる場所に後発でルアーやリグを入れ込むのがキジハタを狙って獲るコツのひとつです。

私はいつもそうやってキジハタをひねり出すことが多く、得意とする攻略法のひとつです。

 

おもしろいもので、「ナブラだ!投げろ!投げろ!」と言ってあわててナブラ本体に直接ルアーをキャストしてしまった人の場合は通常、青物がかかりますが(これが普通ですよね。)、逆にナブラが終わりかけになってから遅れてルアーを投げた人には青物は掛からず、他の魚がヒットする現象を経験されたことはないでしょうか?

これと同じことが、イナダとキジハタの例でも当てはまるのです。

 

テールスピンジグが着水!

ボトムまで落とさないようにルアーが泳ぐレンジをコントロールすることに意識を集中。

水深の真ん中くらいまで達したらまたルアーを浮かせるか、そのまま「ただ巻き」を開始します。

本日のところは、ルアーが着水してからカウントし水深5mほどまでルアーがフォールしそこから横引きしてまたフォールへと移る軌道変化の際に「カンッ!」と弾くようなバイトを察知。

弾くようなバイトというのはルアーを喰った魚が自ら反転したときに伝わってくる感触です。

即座にロッドを真上に立ててフッキングすると、ドスン!!と力強い重量感がかかり、ドラグも唸ります。

待望のキジハタです。

水深15,6m~20mにかけてのなだらかな海底のポイントで、海面から5mほどのレンジでヒットさせたということは完全に浮いて泳ぎ回っているキジハタを釣っているということになります。

 

引きの強さと重さからしてデカいです。

あとは、魚の引きに合わせてロッドを追従させたり、ドラグの調整も必要であればします。

メインラインはPE0.8号ということもあり、ドラグをフルロックしてしまうのもあまりよく好ましくもないですし、かと言ってドラグが緩すぎても突然走り出して根に突進され障害物にラインが絡んだり、キジハタ本体が根に潜ってしまう恐れもあります。

私の場合にはキジハタに「本気を出しきらせない」ことを出来るだけ心掛けています。

キジハタは特にそうですが、ハタ全般はアイナメ・ソイよりも引きが強い種族の根魚なので過度に魚を興奮させ過ぎると魚もムキになって馬鹿力を発揮してアングラーに対抗してきます。

力づくでこれを全身で受け止められるほどのヘビータックルを使っていればそのまま強引なファイトしてもまだ安心感はありますが、いつもいつもヘビータックルオンリーで釣りが成立するほどキジハタ釣りは決して甘くはないことはご周知の通りです。

特にスピニングタックルの場合にはロッドに柔軟性が備わっているため、「綱引き」のように力任せの引っ張り合いしない方が、結果的にランディング成功率があがります。

キジハタの馬力は相当なものなので、この点にも気をつけながらハタの大物が掛かった時には普段にも増してより一層の柔軟な発想とテクニックで応戦しなければなりません。

 

エキサイティングなファイトが続きます。

 

船べりまで寄せてきたとき、最後のファイナルランがある場合に備え態勢を整えます。

ファイナルランでもドラグをひき鳴らしして急激に潜っていこうとしますが、一度、水面で空気を吸わせるとクロダイみたいに大人しくしてくれるのでその瞬間にネットにささっと入れるとベストです。

取り込みは結実。

 

ランディングネットから魚を取り出した際の写真です。

①

既にテールスピンのブレードがキジハタのエラからはみだしているのが見えるでしょうか。

完全にルアーを「丸呑み状態」です。

こうなると、一番危険なのはリーダーでキジハタの鋭利な歯で糸をかまれてボロボロに裂けて不本意なラインブレイクなどしないよう、リーダーの品質もよくよく吟味する必要があります。

糸に傷が入らないようにする、のではなく、傷が入ってから破断に至るまでの残存強力(残存強度)がどのくらいのものなのか、がここで真価を問われます。

このことは釣具において、価格と性能が比例している分かりやすい例のひとつですので、“最後の頼みの綱”となるよう、リーダーは妥協せずに各々が自信を持って使えるものをセレクトしてくださいね。

余談ながら、私はシーガーグランドマックスFXの5号のリーダーを使用しています。

「グランドマックス」シリーズ(※赤いパッケージがハードタイプで、黒いパッケージのFXはソフトタイプの違いです。強度は同じで硬さが違います。)はフロロカーボンラインのパイオニアメーカーであるクレハ社シーガーにおける最上品質フロロにのみ与えられた称号です。

 

改めまして、魚をしっかり持ってー。

横持ちカットです。

②

縦持ちカットです。

③

サイズもよく、45.5cmもありました。

釣りあげると案の定、喰われていたカタクチイワシが口の中から出てきたのは予想通りとして、驚いたのは更に喉の奥から15cm強のトビウオが出てきました。

トビウオは誰もが知る通り、水面から飛び出して滑空する魚として有名ですよね。

この魚は通常、下層を泳ぐ魚ではなく表層~上層を泳いでいます。

それだけに、キジハタも水面近くまで出てきてトビウオを喰い上げ捕食をしたものと考えられます。

となると15m~20mほどの水深があるこのエリアにも関わらず、時には上層のみならず、水面付近まで自ら出てきて捕食することがある、ということになります。

その遊泳力、いかなるものかを改めて垣間見るものでした。

④

相手がキジハタとなれば魚の大小に関わらず釣れること自体が凄くうれしいものですが、仮に40cmが釣れれば個人的にはうれしい!を通り越して大満足!!

幸いにも今日もそんな釣りに恵まれました。

とても貴重かつ希少な存在につき、海サクラや(河川・湖の)サクラマスを釣った時の帰路の道中と同じ感じです。

興奮で、疲れや眠気も麻痺してしまうほどのうれしさです。

⑤

東~北の「アイナメ」と対を成す、西~南の「キジハタ」。

今ではロックフィッシュゲームを代表する二大指針へと成長しました。

キジハタ釣りもまた深く追求することで、ロックフィッシュゲーム全体の捉え方や釣り方のバリエーションが大きく広がったことは言うまでもありません。

まだまだ勉強したい魚のひとつです。

 

 

夏の太陽に輝く、圧倒的な存在感と迫力。

この一尾で今日の釣りは十二分なほどの達成感を得ることが出来ましたが、今日はまだまだ起こりそうな予感がし次のステップへと続きます!

 

 

スピニングタックル(テールスピンジグ用)

●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー

●リール:ステラC3000XG

●ライン:シーガーTENYA0.8号

●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号

●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2

●ルアー:テールスピンジグ20g

●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ

●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム

●パンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーショーツ

●偏光グラス:ZEAL OPTICS/ENZO

●偏光レンズ:TALEXラスターオレンジ、 TALEXアクションコパー

★新潟県糸魚川市ボートロック船宿

彩波(高木船長)【受付番号025-566-3405】