意外な可能性。
新緑の季節を迎えた南東北。
現在は青森県弘前周辺が満開みたいですね。
桜前線が津軽海峡を渡り終えるのも間もなく―。
北海道の皆さんはこれから楽しみですね。
最近あるメーカーさんから聞いたのですが、静岡県の浜名湖周辺や関西圏で人気の高いクロダイ・キビレ狙いでのボトムゲームにおいて直リグやアンカーリグを用いる人が密かに増えているそうです。
クロダイやキビレをルアーで狙う際、そのフィールドは泥底や砂底の環境も多いわけですが、テキサスリグに代表される中通しシンカーを用いるリグでは泥底の柔らかいボトムにシンカーが喰い込み過ぎて水中に浮遊するワーム自体も沈み込んでしまい、これらの魚種においては今一つ使いにくいそうなのです。この点ではバスやロックフィッシュとは異なりますよね。
その点、直リグやアンカーリグの場合は違います。
柔らかい泥底ボトムにはシンカーの底面が先にボトムに突き刺さることで水中におけるリグ全体の姿勢が安定し、クロダイ・キビレのバイトを誘発するにはもってこいなのだそうです。
ご存じのように直リグはバスフィッシング由来ですし、直リグのソルトバージョンとも言えるアンカーリグは“リーダーレスダウンショット”としてアイナメ狙いにおけるロックフィッシュゲーム向けに考案しています。ポッパーゲームからはじまり一時の大ブームを経た今も尚、西日本で進化を続けるルアー釣りでのクロダイ・キビレゲーム。
本来の想定した用途とは異なる使い方が意外な魚種で威力を発揮している意外性もまた「釣りのおもしろさ」ですね。
以前、私も富山県のオカッパリでクロダイをテキサスリグで釣ったことで認識したのですが、クロダイ・キビレもオフセットフックの1/0~3/0サイズをちゃんと喰って来るそうです。
オフセットフックと言えば、ロックフィッシャーには毎度お馴染み「岩礁カウンターロック」がありますが、今年は直リグならぬ「直ラバ」という製品がカルティバから新しく発表されています。
これです。
その標準フックに採用されているのもまた意外なことに岩礁カウンターロックなんです。
東北と北海道を中心に開発テストを重ね、バス用オフセットフックとは異なる特性から作り込んでいった針ですが、この針の最大の特徴である「ショートバイトを絡め獲る」特筆した性能は、タフコンディション化が進むバスフィッシングシーンにおいても、「ワームのホールド性能が高く、フッキング率がとても良い」と、実は多くのバサーからも愛用いただいています。
昨年はバス釣りに行けませんでしたが、これは3年前、2010年9月の写真です。
翌年(つまり2011年)から製造を控えたシューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト(当時はプロトタイプでFグリップの形状が現在とは異なっています。)のテスト中に手にしたバス。「釣りは常に想定外」と昔から思って釣りをしてきた経緯があるため、本命のみならず異魚種テストも頻繁に行いました。
この時のリグは岩礁カウンターロック3/0を用いたテキサスリグ。レイダウンにシャッドテールワーム(パワーゴビー4”)をピッチングで撃ち込み、枝を擦り抜けるように細かくシェイクを入れながら喰わせたのを覚えています。
いずれにしてもバスフィッシングから発生したオフセットフックという特異な形状の釣り針が、様々なリグ(仕掛け)との組み合わせにより海のロックフィッシュやフラットフィッシュ、更にはクロダイ・キビレにも使われるようになった現在。
エサ釣り、ルアー釣り、フライフィッシング…ジャンルごとに大小様々な形状を生み出した釣り針大国・日本の針文化研究はまだまだ開拓の余地が残されているのではないでしょうか。
大型連休も過ぎ、めいいっぱいの春を感じるようになった今日この頃。釣りにはもってこいの季節になりました。
道央・道南方面のサクラマス(海)は6kgという超大物を筆頭に3~4kg(1尾あたり)という景気の良い話も聞きますし、4月以降は東北~北陸エリアのサクラマス(河川)もいい感じで推移しています。
それに間もなく、日本海側は巨大クロソイの最盛期に突入です。
今年もメッカの留萌や石狩、小樽は盛り上がることでしょう。
続く、太平洋側もますます楽しみですよね。
皆さんもどうぞ釣りにお出かけ下さい。
2013年5月9日 | カテゴリー:その他