シイラ舞う海、ワラサ群れる海。
キャスティングで仕留めたシイラ。
ペンシルベイトに猛然と襲いかかる、激しい出方でした。
ジギングで仕留めたワラサ。
80センチちょいの5キロ超えなので引き味も◎です。
キャスティング!!にジギング!!
大海原に繰り出し、時には力と力がぶつかり合う、豪快なソルトウォーターフィッシングの世界。
そんな今回は「青物」のお話です。
今年は黒潮の蛇行が報じられ、北海道の道東海域でクロマグロの豊漁が伝えられる一方、冷水系のサンマの南下が遅れ主要港の水揚げに大きな支障が出ていたわけですが、それだけに当初は全体的に日本沿岸の水温が高いものと予想され、事実5月から仙台湾ではヒラマサ・フィーバーが巻き起こり、このままシイラの季節に一気に突入か!?と思えば、予想外に遅れに遅れるものでした。
特に三陸の金華山沖の水温は低めに推移し、カジキ狙いのビッグゲーマーの釣況も不調、更には8月のお盆前に自身もシイラ狙いで沖に繰り出すものの、遭遇するのは決まって無数のサバとワラサだけ。シイラはまったく姿が見えず、という状況でした。
8月下旬になってようやくシイラの姿がちらほら見えてきたというので、少し時間をおいて過日、タイミングを図って仕切りなおしてきました。
9月中旬のこの日は晴天。ナギも良いものの、沿岸海域は河川から流れ出ている雨の泥濁りで濁りがきつく、相当な沖まで走らないと水の透明度が好ましくない。
水温計と照らし合わせつつ、シイラがいそうな浮遊物や潮目を探しながら沖へと走ります。
第1投目、私が投げたジャーキングペンシルに小型ながら猛然を襲い掛かりヒットに至ったのを皮切りに、「投げては移動」を繰り返しながら広範囲を拾い釣り展開。
シイラそのものの数が少ないため、遭遇したシイラは一撃で仕留めなければなりません。
その時、そこに投げたルアーの最寄りにいたシイラが喰ってくるのでサイズを選べないのが難点ですが、それでも全員まんべんなくシイラをキャッチ。
奥田さんはポッパーとペンシルで。
井上さんはトップに出きらない魚を狙い、フォローベイトとして投入したフローティングミノーで。
この日の最大のシイラは加藤さんがキャッチしたメーターオーバーのオス。
シイラ用ではなく、あえてヒラマサ用のS字系スライドアクションの特大ペンシルを投げて一撃でヒットに持ち込んでいました。
余談ながら色といい、形といい、オスのシイラは個人的には“ガチャピン”に見えてしまうのですが(笑)。
釣りをしていると、海面に大きな背ビレが見えたので一瞬「サメ?」と思って、近寄ると……
サメではなく、500キロ以上はあると思われる(船長いわく)大きなマンボウがポカポカと泳いでいました。
例年マンボウは7月頃~秋にかけて三陸沖でも多々見かけます。特に宮城県金華山沖や岩手県重茂半島の魹ヶ崎沖では見かけますね。
潮流の関係でマンボウが集まりやすい海域なのでしょう。
再び、シイラに狙いを定めると今度はマンボウではなく、本当のサメが寄ってきて目の前でシイラを襲い出します。
獰猛なフィッシュイーター・シイラといえども……相手がサメではさすがに敵いません。
弱肉強食の自然の定めが目の前で繰り広げられるわけですが、こうなるとシイラは一目散に逃げるのでサメが荒らしまくった後では釣りにならなくなります。
私が例年、金華山沖で見かけるサメはアオザメ、ヨシキリザメ、シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)が多く、震災前ではありますが、やはりシイラ釣りに出た時に船の真下を巨大なシュモクザメがヌ~と泳いで行った時には……さすがに恐怖を感じましたね。
それも沖合ではなく金華山瀬戸のちょっと沖だったのでビックリしました。本来、南方の外洋に多いシュモクザメですが、こんなにも岸の近くまで寄るものなのか…と―。
いずれにしても巨大ザメの、あの存在感はハンパないです。
さて、シイラのキャスティング・ゲームを満喫したところで、今度はジギング・タイムへ突入。
ワラサを狙います。
第1投目で井上さんがキャッチ。
ヒットルアーはチャートカラーのジグでした。
続いて私にも。
色々ローテションした中でもこの日、ヒット率が高かったのは写真の通り、撃投ジグレベル180gのピンクです。フックはシングルフロント50ショート(SF-50S)の7/0。
スイベルはタフステンスイベルで接続しています。
撃投ジグレベルは「レベル=水平」の名の通り、ジャークとジャークの間に“ため”を作れるので、その時が「喰わせどころ」になります。
ラインスラックとスラックのテンションの強弱を利用すると楽に“ため”を作ることが出来ます。
このジグはジャークとジャークの間に一瞬だけピタ!と動きを止めて、水中を舞うジグが水平になる瞬間を意図的に作り出しやすいジグなのでショアジギングだけでなく、オフショアジギングでも出番は多いです。
イメージとしてはバス釣りで有名なセンコー(ゲーリーヤマモト/ヤマセンコー)のノーシンカーリグの水平フォールを思い浮かべて頂ければ、分かりやすいと思います。あれをメタルジグで演出するのです。
ヒットジグが見つかったらカラーローテーションもしていきますが、今日はナチュラル系カラーのジグにはすこぶる反応が悪く、アトラクト系カラーのジグにばかり反応が出ました。
加藤さんのワラサ。鉄ジグのオレンジカラーでヒットしていました。
ご当地ごとの定番カラーは勿論ですが、その日によって反応するジグの色に差が出ることがあるので、カラーは同じグラム数でも複数色用意したほうが良いと思います。
私はピンクの他にグローゼブラ、シルバー、イワシ、メロウド(オオナゴ)など様々なカラーを投入しましたが、今回に限っては私にはやたらピンクにばかり掛かる状況でした。他の皆さんはチャートやオレンジに当たっていました。
その後、井上さんにベイトタックルのドラグがずっと出されたままの大物がヒットし全員が見守る中でのビッグファイトが繰り広げられましたが無念のフックアウト。
おそらくワラサより大きいブリでしょう。ヒットカラーは先程同様にチャートカラーのジグでした。
奥田さんはヒラメもキャッチ。
底モノはヒラメ以外にも婚姻色に染まり始めたオスのアイナメもキャッチしていました。
北国の秋・冬のロックフィッシュシーズンもそろそろの兆候ですね。
いずれにしてもワラサはまだ群れが完全に固まっていなく散発的なヒットが多かったですが、これから10月中旬にかけてピークに達するでしょう。
キャスティングでのシイラに一発大物のブリ狙いもよし、ワラサの数釣りもよし。
釣り場や釣り方も個々のスタイルで楽しめる大海原の釣り。
力と力がぶつかり合う、ファイティング・ソルトウォーター。
好機はまだまだ続きます。
皆さんも大物求めて、秋の海へとお出かけください。
■タックルデータ(シイラ用キャスティング)
●ロッド:6.3ftシイラ用オフショア・キャスティングロッド
●リール:ステラ5000H
●ライン:シーガーマルティア(PE)2号
●リーダー:ショックリーダー40lb
●フック:カルティバST56、STX58 ♯1/0、♯1 ♯2
(※いずれもリリースを手早くするためにバーブレスにして使用)
●ルアー:マギーガーラ・ジャーキングベイト“ドルフィン”
パンプキン、クレイジースイマー、
レンジポッパー、ポッピングベイト
オシアペンシル、トビペンシル
ミスカルナ、オンデオンダ
スーパージャークベイト、レンジバイブ100ES
アイルマグネットダイエット120F
■タックルデータ(ワラサ用ジギング)
●ロッド:5.10ftオフショア・ジギングロッド
●リール:ツインパワー5000
●ライン:シーガーマルティア(PE)2号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス50lb
●フック:カルティバシングルフロント50ショート7/0
●ルアー:撃投ジグレベル180g、撃投ジグ200g
●偏光グラス ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ TALEXアクションコパー
★宮城県牡鹿半島ルアー・ガイド船<石巻地区>
■幸丸(内海船長)【受付番号090-1490-3622】
2013年9月29日 | カテゴリー:釣行記