サカナサク、海の旅。in岩手県
「サカナサク、海の旅。」は今月から岩手県の旅に入りました。
先日、同連載の岩手ロケ第1回目に行ってきました。
その舞台は陸前高田市~大船渡市。
陸前高田と言えば海岸の松林「高田松原」が有名でしたが、東日本大震災の大津波で街は壊滅、同時に松原も消滅してしまいました。
その中で1本だけ残った松が「奇跡の一本松」として、震災後の今ではニュースや新聞でもよく取り上げられますよね。
ここは、全国各地から被災地を巡る方々が訪れる象徴的な場所の一つとなっています。
沿岸に1級河川を持たない岩手県ですが、ここ陸前高田には気仙川という川があります。
旧来よりヤマメ釣りやアユ釣りが盛んにおこなわれてきた河川ですが、同時に“シーバス不毛の地”とも称されることがある岩手県内では貴重なシーバス河川でもありました。
又、数こそそれほど多くはないもののサクラマスやアメマスも遡上します。それから河口部ではウナギ狙いの投げ釣り師が昔から多いのも印象的でした。
先日のロケ時、川をのぞくとサケの姿がありました。
この陸前高田は自身にとっても思い出深く、中でも気仙川にはシーバス釣りに、高田松原にはマゴチ・ヒラメ釣りに、隣接する広田半島にはメバル・アジ(ごく稀に三陸では珍しいカマスが釣れることもありました)狙いのライトゲームに行っていましたが、それも今は昔。
又、同県宮古市重茂半島通いの途中に立ち寄る休憩地としてもずいぶんこの沿線は通ったものでした。
現在ではその名残も殆どないほど街は変わり果ててしまい、震災後に初めて通った時には悲しさで見るにたえませんでした。
それでもサカナサクの連載として今回、何としてでも「奇跡の一本松」は誌面に写真として刻みたくカメラマンと共に訪れました。
この松の木はご当地の皆にとって震災からの復興の象徴である存在だからこそ、これからの「未来」への希望を託す意味で、同じ三陸の街に住まう一人の人間の意志として私が担当させていただいているこの企画のページ中にどうしても組み込みたかったのです。
陸前高田でのロケ中、雨あがりに大きな虹が出現しました。
それもダブルで、です。
毎号タイトルページに画が入っていますが、そこにも虹がありますよね。
魚の上に輪っかになった虹が。
自分がイメージして描いたこの旅の情景と今、出ている虹がリンクした瞬間でもありました。
この場所で起こったことは今さら私が言うまでもなく、とうてい語りつくせぬものですが、それでもタイミングよく表れたこの虹の存在はこれからの時代に再びこの街で生きていく人々の背中を後押ししているように思えてなりませんでした。
実釣編は大船渡の越喜来湾で竿を出させて頂きました。
越喜来と書いて、「おきらい」と読みます。
夜、漁港の波の静かなところを、ちょいとライトタックル片手に投げるとクロソイが釣れる、釣れる。
ジグヘッドを極力軽め、ワームは3インチと少し大きめでフォールスピードが遅く、水中を漂った状態を長く維持するようにするとアタリ倍増。
あとはスイミングでリールを巻きながら泳がせる釣り、ですね。
ちなみにこの時、ジグヘッドは2.5gが一番ヒット率が高ったです。この軽さのジグヘッドを飛ばすためにラインはPEラインの0.4号(シーガーR18ライトPE)をセレクトしましたが0.3号でも問題ないでしょう。ワームはソイ狙いの鉄板、ダブルウエーブ3インチのホワイトグローとの組み合わせです。
それからスロープ周りなどのシャローでは着水してすぐにルアーを引っ張っても釣れました。上層というより表層レンジです。
クロソイは完全に浮いていましたね。
この模様は12月21日(土)発売のSALTWATER2014年2月号にて―。
この他、もう一本別企画のロケを抱えていたのですが、こちらは悪天候&海が激濁りで釣りにならず来月にロケを延期しました。
よって帰りの予定を2日早めての帰還。
年末近しということでロケ以外の業務も重なる時期につき、ある意味では助かりました。
来週はメーカーさんのPV撮影と雑誌の原稿締切週間。
この忙しない感じは確実に年末が近づいている証。
気がつけば今年も残すところあと1ヶ月少し。
寒さが日に日に増していますが、皆さんも風邪など召されませんようどうぞご自愛ください。
2013年11月22日 | カテゴリー:雑誌掲載・DVD