マダイに沸く、アイナメの海。
岩手県重茂半島。 「アイナメUNDER WATERⅡ」の舞台となったこの海は、アイナメ釣りにおける本州最後の秘境としても知られている。
その撮影に尽力していただいた、重茂漁港所属のさくら丸・木川船長より先日一報が入った。遊漁と漁業それぞれで稼動していた所有する5艘のうち、残ったのは中型船1艘だけになったものの、この度釣り船業の方も再開に至ったそうだ。
以前、当ブログでもお伝えしたように木川船長はこの大震災でご家族共々無事だったものの、ご自宅は無惨にも津波に流され、現在は仮設住宅に住まいされている。
重茂の人は“海の男”といえど、浜特有の荒々しさがなく、控えめで優しい方が多い。
木川船長もそうだし木川船長の盟友・勢運丸の佐藤船長にしても、いつも優しく接してくれる。地元・宮古市内のお客は勿論のこと、岩手県屈指の街・盛岡市からも連日、多くの釣り客が戻ってきているという。ついこの間も宮城県仙台市からもボートロックによるアイナメ狙いのお客さんが訪れたそうだ。
先日は55cmセンチを筆頭に50UPだけでも5、6本のアイナメがルアー釣りで出たという。これまで磯撃ちスタイルで稼動していた船は残念ながら津波で流されてしまい、現在は中型船1艘で稼動しており、小型和船タイプの船とは異なるため極端な浅場へは近寄れないだけに狙う水深は18m~50mラインのやや深場を主体に案内をおこなっている。時々、アイナメに混じってクロソイと宮城県沿岸から北上が続く養殖施設から脱走した銀ザケも多く掛かってくるという。
それから今、巷で話題の宮古沖で大漁が続くマダイについても聞いてみた。
6月、宮古市の市場では本来、ご当地の海では滅多に獲れないマダイが連日、大量に水揚げされ反響を呼んだ。多い日には3.5トンものマダイが宮古沖の定置網に入るというから、まさに驚きである。水産関係者の話では日本海側の海流に乗って青森県側から南下した魚影である傾向が強いとのことであるが、気になる魚のサイズは平均にして1~2kg、時に3kgクラスも獲れているという。
宮城県や岩手県、つまり三陸では地域柄、マダイを専門的に狙うことは非常に難しい。元々、本来の生息域ではないため余計難しいのであるが、仙台湾では秋の青物ジギングシーズンにごく稀にジグにヒットした(年に1ないし2枚程度)という話を耳にすることがある。又、春先の牡鹿半島沖~南三陸町(旧・歌津町)沖にかけての定置網にも乗っ込み個体と思われる大型のマダイが一時的に入ることはよく知られた話。私も過去にエサ釣りによる沖釣りスタイルとタイラバ、ジギングの3パターンの釣り方で牡鹿半島近海にて何度か試みたが、いずれも成果は伴わなかった。
それでも仙台湾の某所では、人知れず密かにマダイを釣っているという個人のプレジャーボートもあるそうだから、山形県や秋田県のように日本海側に比べれば東北太平洋側のマダイに関する魚影はそれほど多くはないにしても時期と場所、釣り方さえ確立出来れば、三陸でのマダイ釣りの可能性も全くないとは言い切れないだろう。
話が脱線してしまったが、いずれにしても震災を乗り越えた重茂半島のアイナメ達は元気いっぱいの姿で、また私達を楽しませてくれそうだ。
先日、ニュースで宮古湾の稚魚生息状況調査の模様を伝えていた。
震災後ということもあり、その動向に注目が集まったがアイナメやカレイの稚魚が予想を上回る量が採取されたという。
「宮古の海は生きています!」と調査員。
その表情は明るく、喜びと感動に満ち溢れていたのが実に印象的だった。
成魚(親魚)が無事に残り、稚魚もいる。
本州屈指のアイナメの海・重茂半島。
ロックフィッシュの聖地・三陸の復活への道のりに景気づいてきた!!
★岩手県重茂半島ボートロック船宿
■さくら丸(木川船長)【受付番号:090-7796-2826】
■勢運丸(佐藤船長)【受付番号:090-4637-6672】
2011年7月5日 | カテゴリー:その他