今、拓かれる夢の扉。~まだ見ぬ魚影・スポッテッドサンドバスを追う!~
先週2/15(土)放送のBS日テレ「夢釣行~一魚一会の旅~」カリフォルニアロックフィッシュゲーム前編でのひとコマ。
地元でも滅多にお目にかかれないという、50センチオーバーの大物バードサンドバス。
日本と逆転するアメリカ時間。長旅の疲れも一気に吹っ飛ぶ興奮と爽快感。
寒流域のコンブ帯に息づくハタである、バードサンドバス。
暖流にルーツを持つハタ科において、世界的な見地でもこれは珍しいことだと思うのです。
北国生まれのロックフィッシャーとして、ぜひともこの魚には会いたかった。
素晴らしきバードサンドバスの大物をこの手に導いてくれたのはカルティバ/オーバーサイズフック7/0にセットしたバークレイ/ガルプSWスクイッド5インチ(12センチ)のダブルダウンショットリグ。
日本ではダウンショットリグと呼ばれる「ドロップショットリグ」はアメリカのソルトワーミングにおいて主流の、最もベーシックなロックフィッシュ向けリグの1つ。
ちなみに現地でテキサスリグはバスフィッシングのためのリグであり、ソルトウォーターフィッシングにおいてテキサスリグを用いることは殆どありません。
ご記憶の方も多いかと思われますが、このガルプSWスクイッド5インチはかつて日本市場でも発売されていたものの、現在日本国内では既に絶盤。
でも、「いつの日かきっと出番が来るはず……」と睨み、当時の残りのうちの1パックを今回のロケ荷物に忍ばせていったのが大正解。
海外初の獲物にして、この大物のバードサンドバスをもたらしてくれたワームの力、そしてこのワームを任意の層をレンジキープしつつ留めるために有効となるダウンショットリグとの相乗効果は明らかだった。
このワームが国内でも発売されたのは確か2008年頃だったと記憶している。当時の日本のフィールドでは、正直なところなかなか出番を見いだせなかったのだが、ところ変われば頼もしいワームになることを今回のロケでは教えてくれた。
コンビを組んだ「オーバーサイズフック」も大型フックの割に自重が軽く出来ているため、魚の口腔内に吸い込まれやすく、大型フックの弱点ともいえるフッキング性能も自分が思う以上に高いのも大きなアドバンテージを握る。
こちらもまた2パックほどフックケースに忍ばせておいたのが功を奏した。
海外では日本の釣りが通じない時もある。逆もまたしかり。外国の釣りが日本のフィールドで通用するとも限らない。
もっと、もっと“目先の視野を広げなければ”と心新たにした快心のビッグフィッシュとの出会いだった。
こちらはカルティバ/撃投ジグエアロ40g+ショートジグアシスト1/0のコンビによるオリーブロックフィッシュの釣果。
オリーブロックフィッシュはカリフォルニアに生息するメバルの仲間。
私の知りうる範囲での魚で言えば、ウスメバル(沖メバル)に色模様が近い印象を受けました。
ウスメバルは新潟ではテリ、岩手ではメガラ、宮城ではアカガラとも地方名では呼ばれる魚ですよね。
途中、投入したデプス/B-カスタム1oz(スピナーベイト)のトレーラーにしたグラブはこちら。
バークレイ/ガルプSWグラブ6インチ(15センチ)【日本未発売品】。
ロックフィッシュにおけるスピナーベイトの釣りにはカーリーテール系ワームは全般に相性がいい。今ロケではフッキングには至らずとも、カーリーテールワームのテールが撹拌する水流は国を問わずロックフィッシュにはとりわけ効くということを再確認。
今後の課題は海釣りにおけるスピナーベイトのレンジキープの仕方(工夫)と、いかにフッキング率を高めるか、だと痛感しています。
ディープゾーンでも潮流に負けないで泳ぎ切るスピナーベイトがあれば、国内外問わずケルプ群生地の海でもいかんなく効果を発揮するはず。
いずれにしても、スピナーベイトの集魚力はソルトウォーターフィッシングにおいても相変わらずであることを再確認。
番組中、2尾目のバードサンドバスをキャッチしたルアーはこちら。
バークレイ/ガルプSWスイミングマレット6インチ(15センチ)【日本未発売品】。
スイミングマレットはフレッシュウォーターフィッシング用のガルプ!ミノーグラブ(日本では絶版)のパッケージ違いの海用モデルですが、このシェイプのワームは2インチ、3インチ、4インチは日本でも以前は発売していましたが、私が使っていたのは国内での発売はされていない6インチモデルです。
ボディーの幅がバルキー過ぎて並大抵のオフセットフックは装着できないので、オーバーサイズフック7/0をオープンエクスポージャーでセット。
「オフセット(ウィードレスセット)」というのは針先をワームの内部に少し埋め込むことを言いますが、それに対し「オープンエクスポージャー」というのは針先むき出しの状態でのセッティングです。
いずれにしても白いカーリーテールワームは日本のソイは大好きですよね。
クロソイ、ベッコウゾイ、マゾイ、シマゾイ…と、白いカーリーテール系ワームはソイがよく釣れることは揺るぎない事実です。
ソイとハタはルーツは北方と南方それぞれ発生の起点が別ですが、魚としての系統的には近い部分を感じます。
よって、白いカーリーテールは海外のハタにもいいのではないか?と思い、このワームをセットした結果、ジャイアントケルプの中に潜むバードサンドバスに再び出会うことが出来ました。
日本では試せないことも外国では試せる。
試して初めて気がつくこと、分かること、がある。
そう考えるとあの時、私は凄く濃密な釣りをしていたのだな、と思うわけです。
世界のロックフィッシュと対等することは、とてもエキサイティングなこと。
長くこの釣りを続けてきた今でも勉強になることで一杯です。
そして、明日2/22(土)放送となる同番組の後編。
釣りの舞台はサンディエゴ沖からサンディエゴベイ(湾内)へと大きくシフトする。
ディープウォーターから次第にシャローウォーターへ。
ハイタイド(満潮)・ロータイド(干潮)の影響を大きく受けるシャローというステージ。
ターゲットは、バードサンドバスと共にもう一種のサンドバスである「スポッテッドサンドバス」へと注目が向けられる。
2大“サンドバス”の制覇。
決して容易なことではないが、どうしても会いたい!どうしても釣りたい!!という情熱は揺るぎない。
こちらはジグヘッド内蔵式のスイムベイト、バークレイ/ポギースイミンシャッド4インチ(10センチ)【日本未発売品】。
「ポギー」とは英語圏で“タイの仲間”のことを指します。
私の中でスイムベイトとの出会いは海の釣りではなくバス釣りでした。
昔、バスフィッシングでキャスティークトラウトベイトなどのスイムベイトが流行った時代にソイ釣りにスイムベイトを転用していた経験がしばしの時を経て今、ここで再び開花する。
シャッドテールワームのリグの釣りとはまた異なる、スイムベイトでの誘い。
過去の経験は、【今】の肥やしに。過去は未来に繋がっているのだ、と思わせてくれるリバイバルな釣り。
釣り方って、色々やっていて損することはなんだな、と思いました。
いつの日かその経験は生きる。そこにあるのは「近い未来」か「遠い未来」かの違いだけ。だから、その瞬間は予期せずとも再び舞い戻る。
フィナーレは、現在の日本の根魚釣りの象徴であるジグヘッドリグ・テキサスリグの二大釣法の効果が改めて海外という大舞台で試される時。
ただし、あくまでも相手は自分が初めて対等するロックフィッシュ。
この海で釣り竿を握る限り、「バードサンドバス」と「スポッテッドサンドバス」に向き合った適切な釣りを成し得ることが、なによりも強く求められる。
キャプテン・ジェームスネルソン(愛称:ジェイミー)と交わすハイタッチ。
さぁ、舞台は再びサンディエゴの時間へ!
あの夢の続きへといざなう、第2章の開幕です。
カリフォルニアドリーム。
時は、今。
いでよ、スポッテッドサンドバス!!
後編もぜひお楽しみ頂ければ幸いです。
2014年2月21日 | カテゴリー:釣行記