行こう!キジハタの海へ。(2)
この後、船長の息子さんがテキサスリグの回収中にイナダをヒットさせキャッチに至った。
イナダがいる、ということは付近に何らかの小魚がいるということに繋がる。
「キジハタのテキサスリグへの反応の鈍り」と「イナダがピックアップ中のテキサスリグにヒットした」というこの2つの事実はこの後の展開に大いに影響を及ぼすものだった。
ベタ凪ということあり船長が船室から出てきて一緒に竿を並べた。といっても操船の合間、船の立て方に余裕のある時だけ、さっと竿を振る感じであるが、さすが船長。
いきなり42センチのキジハタを釣ってみせてくれたのだ。
船長のキジハタ釣りでの得意技はワインド。
見てると、これが凄い。
本当に勉強になるのだ。
1ozのワインドリグをしっかりと動かすためにロッドはロックフィッシュロッドではなく、あえてエギングロッドを用いる。それもビシバシ系エギングを得意とする硬調のロッド。
ラインは勿論、PEラインだ。これがフロロカーボンラインであれば、20m底のボトムでキレイにダートアクションを出せないだろう。
船長の息子さんもワインドに替えてビッグフィッシュを3連発し、船長に至っては本日最大となる47センチを更に追加した。
親子揃って、凄い勢いでキジハタをキャッチしていった。
いずれもワインドによる釣果だ。
この時点でテキサスリグで粘っていた私も全くアタリが止まったのでブレードをつけたジグヘッドリグのスイミングにチェンジしていたが、こちらも全くのノーバイト。
カルティバ/ファイアヘッド20g+ガルプSWパルスワーム4”+オーナーばり/パニック集魚ミラーのブレードジグヘッドリグ。
そこで私も即席ワインドリグに交換した。
カルティバ/AXヘッド1oz+ガルプSWジャークシャッド5”へ。
(のちに左右のダート幅を広げるためワームのテールを更にカットして寸づめ仕様にしました。)
ワインド専用リグではないが、手持ちの道具でワインドに対応出来るものがこれだ。
他の同行メンバーに関しても、根底がアイナメ・ソイ系のロックフィッシュアングラーであるため、テキサスリグや直リグで粘っているため、アタリがなく苦戦を強いられているようだ。
ここで重要なのは、テキサスリグにしても直リグにしてもボトムを釣るのが得意なリグである、ということ。
しかし…今、考えなければならないのはボトムから離した状態でリグを左右に動かすには…ということ。
魚はいる。
確実にいるのだ。
そして、海底で明らかにキジハタ達はルアーを選り好みしている。
「反応するルアー」と「反応しないルアー」の差が明らかに出ているのがよく分かった。
テキサスリグがワインドに釣り負ける瞬間がこれだ。(でも、よくあることなんですよ。)
同じワームリグの釣りでも、キジハタゲームの場合こういった事例もあるため、ワインドの基礎知識がないままキジハタゲームに挑むと、場合によっては釣果にありつけないことも…。
今、キジハタは、それも掛かると総じて40センチ以上(最大47センチまで)の個体が強く反応しているのは明らかにワインドが起こす左右への鋭いダートアクションだ。
その動きはまるでエギング。水中を左右に跳ぶように動く。
こればかりはラインがシンカー中心を貫通するテキサスリグでは演出は出来ないのだ。
船室で魚探を見せてもらうと、いつの間にか上から下まで全層がベイトフィッシュで真っ赤になっている。
これは大量に群れる小アジの反応で、である。
キジハタのベイトはエビからアジへと変化。
太陽の位置が高くなりだして、光量が強くなったことでアジの群れが全体的に浮き出したのだ。
海が、ざわめき出す過程。
アジの動きが活発になるにつれ、それに伴いイナダもこのアジを狙って取り囲むようになり、海面上空には海鳥が旋回をはじめた。
鳥山やナブラが立つその一歩前の過程であるのが分かった。
イナダの層の下にはきっと、食性をアジにシフトしたキジハタが虎視眈々とこれを狙って泳ぎ回っている。
1日の中で変わりゆくベイトの種類。1日の中で変わりつく釣り方。
こういった僅かな時間での劇的な変化はアイナメゲームではそこまでのケースは普通考えられない。せいぜい干満の影響で魚のポジションが変わる程度に変化がとどまることが大半だ。
これがキジハタゲームとなると、こういった変化がどんどん必然の出来事として起きていく。
私がキジハタ釣りに魅せられた理由の一つとしてあるのは、こういったガラリと変わっていくゲーム展開の早さ。
いつまでも同じことを繰り返していても、その先に釣果がないこともある特有の難しさに従来型ロックフィッシュゲームにない新規性を見い出せたことが大きい。
この難しさは、長年ロックフィッシュゲームを真剣にやり込んできたアングラーなら、きっとお分かりいただけることだろう。
「難しさ」と「面白さ」が一体化している根魚釣り。更に元々、個体数が少ないときたらキジハタとの出会いそのものが1尾、1尾がどれだけ貴重になることだろうか。
次第にキジハタのみならず、カサゴもワインドのダートアクションに喰い出した。
それも相当な数のカサゴがワインドに強い反応を示してくるように。
カサゴまでワインドに喰ってくるようになると、より魚食性の強いキジハタの釣り方は更に一歩進んでいるに違いない。
次なる手は、ワームリグの釣りに留まらず。
アジの“きらめき”を巻くだけで演出できる、あのルアーの出番だ。
次回に続く。
タックルデータ
■ベイトタックル(PEラインでのテキサスリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●シンカー:クランクシンカー3/4oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁メガトンロック2/0
●ルアー:パワーベイト/パワーホッグ4”
■スピニングタックル(ジグヘッドスイミング&ワインド用)
ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000HG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーショックリーダープレミアムマックス20lb
●ジグヘッド:
★スイミング用:ファイアヘッド20g(付属パーツとして、オーナーばり/パニック集魚ミラーをセット)
☆ワインド用:AXヘッド1oz
●ルアー:
★スイミング用:ガルプSWパルスワーム4”、ジャスターシャッド4.2”
☆ワインド用:ガルプSWジャークシャッド5”
●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●レッグプロテクター:カルティバ レッグプロテクター
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★新潟県糸魚川市ボートロック船宿
2014年8月13日 | カテゴリー:釣行記