駿河の海で、会いましょう。(4)
水深30mのポイントに移動するとオニカサゴがヒットした。
こちらも赤のパワーホッグ4インチ1.5ozテキサスリグで喰わせた。
オニカサゴは水圧の変化に大変強く、最後の最後まで魚の抵抗が続くため、姿を確認するまで、てっきり大きなハタかと思ってしまったほど。
減圧症状を起こしやすい通常のカサゴとはまるで異なり、オニカサゴは生命力がとても強い。とにかく重々しい引きが終始続くのだ。
ヒレにあるトゲは猛毒となっているため、魚体の持ち方には十二分な注意が必要である。
U.S.カリフォルニア州サンディエゴのロックフィッシュゲームに行った時も現地で似た種類が生息しているとキャプテン(キャプテン・ジェイミー)に教えてもらったのだが、あちらでもオニカサゴ類の総称の名前は「スコーピオンフィッシュ(カリフォルニアスコーピオン)」となっている。
「スコーピオン=サソリ」の称が示す通り、オニカサゴもまたヒレに有する毒はそれほどに強烈なものなのだ。
オニカサゴは大変希少なカサゴの種類であり、何より美味なことから沖釣りで絶大な人気を誇る魚であるが、この魚はとにかく成長が遅いことでも有名だ。
よく知られた話であるが、耳石測定により34センチの個体で42年生きているという報告がある。
そう考えればこの魚とて私の年齢よりも長く生きている可能性が濃厚だ。
実際、菅原さんにも「この大きさなら、佐藤さんよりも長く生きてるかもよ!」と言われた。
ライフサイクルの長い魚(つまり長命な魚ほど)ほど、種を存続させる個体がしばしの期間入れ替わらないということは釣り人であればその1尾、1尾がどれだけ貴重になってくるのかは容易に実感出来ることだろう。
オニカサゴしかり、北海道のイトウしかり、が主たるその例だ。
これはアオリイカやアユ、マハゼといった寿命が短命(ライフサイクルの短い)の魚とは間逆の進化を果たした種族。
それだけに1尾の殺生が思わぬ影響を与えてしまうことに繋がってしまう恐れも考えられる。
多くの釣り人が絶賛するように、食せば「非常に美味」な魚とのことだが、食への興味よりは根が大の魚好き(生き物としての魚が好き)な自分にとっては、こうも希少な魚を自らが釣りあげてしまったせいで1尾失うこともまた悲しいと思ってしまう性につき、手早く撮影を済ませ快くリリースに至る。
限られた数しか生息しない希少な存在の魚こそ、その1尾、1尾が長く生きて次の世代まで命を繋いで行ってほしい、というのが私が想う願いだ。
通常、30mの水深でカサゴやメバル、ソイ、ハタを釣り上げると水圧の変化による浮き袋の飛び出しにより、リリース可能な個体とそうではない個体が出てくるのがこの微妙な水深だが、オニカサゴはなんのその。
元気よく海底目指して一目散に消えて行った。
僅かな時間だったが、釣り人として思うのはこうも希少な魚と「釣り」を通して出会ったことがうれしい。
それもまた「ロックフィッシュゲーム」で。
この出会いもまた偶然に違いないが、私の竿に掛かってくれたことにも感謝だ。
オニカサゴ!!(うれしいので写真をもう一度!)
滅多に出会えない魚だからこそ、その思い出はずっと印象に強く残るのだろう。いつかまたこの魚に出会えるのだろうか―。
続く、静岡県伊豆半島ロックフィッシュゲーム。
釣り中盤以降、アカハタにカサゴの釣果は更に続いた。
タックルデータ
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX5号
●シンカー:タングステンシンカー1.5oz
●クッションビーズ:ロックンビーズソフト
●フック:岩礁メガトンロック2/0、ツイストロック3/0
●ルアー:パワーベイト/パワーホッグ4”
●Tシャツ:プロズワンオリジナル“控えめ”TシャツLIMITED
●レッグプロテクター:カルティバ レッグプロテクター
●ヘッドウェア:リトルプレゼンツ/ストリームレインハット
●偏光グラス:ZEAL OPTICS Vanq
●偏光レンズ:TALEXアクションコパー
★静岡県伊豆半島ボートロック船宿(安良里地区)
2014年9月24日 | カテゴリー:釣行記