ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

75年前の風景に一緒に想いを馳せてみる。

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どこかで、見たことのあるような景色。

あぁ! なるほど!

この案山子(カカシ)は「ハウルの動く城」に出てくるカブだ。

 

そんな光景が広がるここは北海道―。

 

過日、行ってきました。

ちなみに先の写真は、上富良野町の深山峠アートパーク(トリックアート美術館)の後ろで撮りました。地元の子供たちの作品のようです。凄い!

 

いつもは釣り竿に釣り道具という仕事道具一式を抱えて行く北海道ですが(これがかなり重い)、今回は小さなスーツケース1つだけ。

理由は観光だからです。

 

北海道歴9年。

道南・道央・道東・道北と今まで時間をかけて丁寧に釣り歩いてきましたが、にも関わらず、観光を楽しんだことって…実はなかなかありませんでした。

観光産業でも、沖縄県と北海道は国内における二大観光地と言われるほどですから、釣りを通さない世界観でもこの土地は魅力の尽きない場所として今日まで広く知られる道内のこと、見る・食べる・遊ぶには老若男女問わずの土地。

今さら私が言うまでもなく空気は清々しいし、食べ物は格別に美味しい。

そしてまた広大な土地ゆえに見るところが多過ぎて、全部は回りきれないほどの観光スポットもまた各地に点在しています。

 

まずは、今回の旅の一番の目的である祖母の生まれ故郷・旭川へ。

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中でもペーパンという所です。

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ちょうど、現在の旭山動物園がある後ろの方がペーパン地区というようです。

漢字で書くと“米飯”と書くことからも察しがつくように、この土地は稲作が盛んな地域。

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水と土、気温の差に恵まれた土地なのでしょう。

 

不思議にも思いました。

75年以上も前の話なるけれど、祖母のゆかりの地に私も一緒に並んで立つことを。

祖母が思いを馳せたペーパンの土地は私にとって初めて訪れた場所でした。

経験してきた時代背景が違うということは、きっと目の前に広がる景色だけではない頭の中で見てるものも、思っていることも違うのかもしれない。

だとしても、私の知らない75年前の景色を今は一緒に観れている気がしました。

この日は行った時から雨だったのですが、夕方に雨が止むと虹が。

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ペーパン。行って良かったです。感慨、深くって。

 

旭川からはレンタカーで美瑛の「青い池」や上富良野のラベンダー畑(ファーム富田)にも行きました。

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美瑛の青い池。

ここは前々から、ぜひとも行ってみたかった場所でした。

 

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続いては、7月~8月にはラベンダー畑で知られる富田ファーム。

季節柄、満開に咲くラベンダーの季節は終わっていましたが、その雰囲気だけでも、と思いまして。

 

その後は慌ただしく小樽、札幌、千歳、苫小牧と周りました。

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釣りでよく訪れる小樽にも。

こちらは祝津の展望台。他にも“ニシン御殿”こと、旧青山別邸も見学しました。

 

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北一硝子三号館。

小樽はガラス細工でもまた名を馳せる街。

 

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「ボーイズビー、アンビシャス!」~少年よ、大志を抱け!~

クラーク博士像のある、羊ヶ丘は札幌が広く見渡せます。

 

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苫小牧のノーザンフォースパーク。

私は競馬には詳しくはないのですが、競馬界で活躍する名馬の産地として有名です。

競馬ファンなら、一度は訪れたい聖地のような場所の一つではないでしょうか。

 

道北の旭川から道央に戻ってからは移動に便利な観光タクシーをお願いしたのですが担当してくれたベテラン運転手さんがすごく親切な方で助手席に座る私まで楽しくお話させていただきました。

1枚だけ、ベタな写真ですが載せておきます。

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念願だった「時計台の前で写真を撮ること」が今回ようやく達成(笑)。

タクシー運転手さんの「よかったら、シャッター押しましょうか?」の一言に救われました。

札幌市内に住んでいる方はご存じかと思われますが、この場所から撮影するところが、ちょっとした私のこだわりです(笑)。

地元の方や北海道に詳しい人には分かる撮影場所(立ち位置)ですよね。

 

それから!

市が運営しているという、「札幌市豊平川さけ科学館」の内容充実度は素晴らしかったです。

あれだけの施設を無料で入館・見学出来るのですから、サケマス好きには溜まりません。

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ご覧のメーターオーバーのイトウは勿論、国内外の多数のサケ科の魚が飼育展示されています。

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私が北海道に憧れたのは小学校5、6年生の時。

ざっと数えても……20年以上も前です。

「いつか自分のこの目で野生のイトウを見てみたい!」

そして、「願い叶うならば人生一度でいいから野生のイトウを釣ってみたい」というのがはじまりでした。

小学生の時に抱いた夢(イトウ)と高校生の時に抱いた夢(ウサギアイナメ)は、今日まで続く夢【Dream】と情熱【Passion】の精神として、心の支えになるものでした。

あいにく人様に誇れるような凄いものは持ち合わせていないですが、昔、少年時代の自分と交わした約束を守ったということだけは、ただ一つ、己の中での誇りです。

「約束は必ず果たす」と。

私にとって北海道とは、自分の夢を抱いた場所であり、祖母の生まれ故郷ということに加え、自身にとってもゆかり深い場所として大切に心に留めています。

まさに「少年よ、大志を抱け!(ボーイズビー、アンビシャス!)」その言葉そのものなのかもしれませんね。

 

 

釣りは釣りで楽しいけれども。

時にはいいですね、釣り竿を置いての旅というのも。

祖父母と旅行に行ったのは10数年振りぐらいだったのですが、二人に喜んでもらえたようで改めて一緒に行けて良かったなぁと思った次第です。

多少なりとも孝行できれば、やはりうれしいものです。

 

 

今の道内はちょうどアキアジ(秋味=シロザケのこと)の季節。

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こちらのオスのシロザケは豊平川で捕獲された今季第1号だそうです。

サケの生き方って、どこか人の生き様と似ているように感じて親近感が沸くんですよね。

凄い魚だな、っていつも思います。

そして、アブラコ(アイナメ)も本州に先陣を切って産卵の乗っ込みが始まっている頃。

そろそろ冬を迎える北海道、釣りシーズンも追い込みですね!

 

世間では明日から3連休という方も多いのではないでしょうか。

台風の動向が気がかりですが、釣りに、行楽に、天気と相談のうえ、秋晴れの日にはぜひ遊びのフィールドへお出かけください。