サンセットオレンジ
鮮やかな夕日に包まれる、北上川の下流。
辺り一面オレンジ色に染まるその瞬間は刻々と変化し、その一瞬一瞬が同じ色彩には戻らない。
今日も無事に沈みゆく太陽を見送っていると、後ろの水辺からは小魚達がざわめく音が耳に入ってくる。今宵も彼らが動き出したようだ。ボラの仔を追って浅瀬に接岸しているセイゴを含む小型がバタバタと、ひとしきり釣れると、パッと辺り一面ふいに静かになった。
警戒心よりも好奇心の方が旺盛なセイゴやフッコ達は水面直下~上層をトレースするフローティングプラグに果敢にアタックしてくるが、小物釣りの延長線上にそれなりのサイズを混ぜていくことは、余程“数を釣らない限り”は難しい。
そこで、サイズアップをはかるべく沖目の中層以深のレンジを回遊しているシーバスに狙いを定め、フローティングミノーからバイブレーション系にチェンジ。40m~50m先の沖を遠投で狙う。時々、聞こえる「ガボッ」という単発の捕食音に過剰に意識を取られ過ぎずに、あまり上層を引かないように心掛ける。あくまで狙いは中層よりも“ちょっと下”のレンジ。北上川水系の河川では70cm以上のサイズとなると夜であってもバイブレーションの下層~底引きパターンは大変有効だ。
フルスイングで飛ばし、じっくり沈ませてからルアーが必要以上に浮き上らない程度にゆっくりとしたリーリングでシーバスを誘う。しばらくすると「コン」と竿先に触れる小さなバイトをフッキングすると、バット付近から大きく曲がりラインが下流へ勢いよく出ていく。下げの流れも効いているのでより一層、抵抗が大きく感じられる。しばしのファイトの後、ランディングしたのはしっかりとした厚みと幅がある73cm。
サイズの割によく引いたので、もう少し大きいかと思ったが、一目で分かるそのベイトを飽食している魚体はグットコンディションそのもの。
街中を流れる川。
人の暮らしのすぐ隣にある川。
夕暮れからの短時間で、これだけの魚と巡り会えるのもシーバス釣りの魅力の一つである。
■タックルデータ
●ロッド:ソルティーステージ・シーバスSSS-902L
●リール:ステラ3000HG
●ライン:バトルシーバスPE0.8号
●リーダー:ショックリーダープレミアムマックス20lb
●フック:ST-47TG
●ルアー:シュガーミノーSG90F、ローリングベイト77
2011年7月29日 | カテゴリー:釣行記