新潟キジハタ探索記(4)
(前回までの続き)
カタクチイワシを追うイナダのナブラは消えてなくりました。
さすが足の速い青物。
現れるのも突然ですが、いなくなるのもあっという間です。
先程までの海面に騒がしさはなくなり、またマッタリとしてきました。
しかし先程のキジハタがトビウオを喰っていたということは、魚の意識が上層にあったことは確か。
そこで!ルアーを横引き展開すべく、ただ巻きでクネクネ泳ぐブルーオリオン30gのジグリグに切り替えます。
色は「グリーンゴールド」です。
ジグリグは光を放つ可動部分は異なれど、テールスピンジグ同様にフラッシングを有しつつも、メタルジグ本体が動く「よりワイドなアクション」でルアーを泳がせられるのがメリットです。
一度ボトムを取ったところ、「巻きはじめ」にいきなりカサゴが反応しました!
トレーラーのガルプSWダブルウェーブ3”の色は「オレンジタイガー」です。
魚からの即座の反応はうれしい限りですが、カサゴとキジハタを釣り分ける場合には注意点があります。
ボトムを意識した釣りに集中するとキジハタよりも個体数の多いカサゴが先にバイトする確率が高くなるので、もしもキジハタのみに狙いを絞るのであれば、あくまで底べったりのレンジにルアーを長く留まらせない意識をするとキジハタのヒット効率は上がります。
そんなとき、水面直下近くを1枚のヒラメが泳いでいるのが偏光グラス越しに視界に入ってきました。
夏の日本海。
ヒラメが凪の海を水面から見える範囲を限りなく表層に近いところをスーと悠々と泳いでいるのです。
一瞬、エイかと思いましたがヒラメでした。
見た目のイメージと異なり、ヒラメは泳ぐ魚です。
エサの群れを追って探しているのでしょう。
海面は静かでも海の中はまだ“魚っ気”がある。
ジグリグをフルキャストして着底。素早く底を切ってルアーを浮き上がらせ、ロッドワークでレンジコントロール。海底から5m少し浮かせたあたりを「ただ巻き」していた時です。
ガツン!と強制的にリールを巻く手が止まるような衝撃が来て、反射的にフッキングするとそのままロッドがギュン!と海面に押し倒されるような急激な負荷が圧し掛かります。
またしてもデカい魚。
魚が乗った状態ですが、念のため追いアワセを入れました。
掛かっているのはキジハタあるいはヒラメ(先程泳いでいるのを見た直後につき)のどちらかだと思いつつ、痛快なファイトに突入していきます!
ベイトタックルということもあり、リールはドラグをフルロックしていたのですが、ほぼ伸びのないPEラインに高弾性のロックフィッシュロッドを用いているため、魚の重みがダイレクトに掛かってくるので引き味は確かに凄いのですが、相手がキジハタの場合、俊敏性に優れるため急激にスピードを増して走り出すこともあるので、その場合にはクラッチを切って“指ドラグ”で応戦します。
根魚釣りの基本として本来はドラグは緩めたくはないものの、どうしてもドラグを効かせないといけないタイプの魚や状況時にはファイト中にドラグ調整するよりも、瞬間的な突っ込みがあった際にリールのクラッチをその時だけ切って、指ドラグで対応するとその場合には良いです。
強烈な引きをいなして、ランディングは結実。
このキジハタもまた大型で、43.5cmもありました。
ブルーオリオン30gにスプリットリング♯4番を介してオフセットフック2/0を取り付け、これにガルプSWダブルウェーブ3”(色:ナチュラル)をセットしたジグリグでの釣果です。
ブルーオリオン30gのジグリグは使っていただくと分かるのですが、S字蛇行するようにクネクネ系のジョイントミノーのようなアクションを出せるのですが、視覚的にも波動的にも大きなウェーブ効果があり、この動きがビジブル系アクションに反応するロック系ターゲットの誘い出しに活躍します。
ジグリグのセッティング方法はとても簡単で、写真のようにブルーオリオン30gの後部アイにスプリットリングを介し、あとはオフセットフックを取り付けたら、針にワームをセットするだけでOKです。
至ってシンプルな構造のジグリグですが、この動きは既存のジグヘッドリグやテキサスリグでは出せない動きなので、横引きしながら魚を追わせて喰わせるようなシチュエーションではメリットが多い、遠投が出来て深場まで送り込めるスイミングリグです。
トレーラーのガルプSWダブルウェーブ(色:ナチュラル)のカーリーテール先端がキジハタの鋭利な歯で噛み切られてしまっていますが、ワームまでセットすると上の写真のような構図になります。
ブルーオリオン30gの場合には、スプーンやミノーのように「“ただ巻き”できるメタルジグ」として、ショアからのヒラメとビッグトラウトの釣果が印象的ですが、ロックフィッシュゲームでも使えるように予めワームを接続してもリグとしてのバランスが取れるように研究を重ねることで、スイミングリグを追う習性があるキジハタにも良いルアーとなっています。
キジハタ狙いでは、キジハタが本能的に好むカラーとして知られる「グリーンゴールド」を多用するのですが、紫外線発光するケイムラカラーと共にやはりこの色へのキジハタの反応は他の色彩よりも格段に良いと思える印象があります。
カラーセレクトでも、けっこう釣果差が表面化しやすい魚です。
このままジグリグを投げ倒して巻き続けていれば、また時合が来たときに大型のキジハタがヒットする可能性はあるわけですが、本日はいろいろなリグ・ルアーの可能性を細かく試したく、今度は同じ場所にフォローベイトを投入してみます。
ベイトタックルを用いて、動きの大きいワイドアクションのリグ(ジグリグ)を投入した後のため、フォローベイトとしてはスピニングタックルを用いて、動きのタイトなテールスピンジグを再投入。
「ルアーの強さ」を少し落としたセレクトです。
この付近に今、釣れた大型のキジハタ以外にも“釣りこぼし”の魚がまだ残っていれば、今の段階で獲ってしまいたいという考えです。
ブルーオリオンが「30g」という重さのルアーにつき、テールスピングも20gから30gに重さを上げました。
その数投目のこと。
巻きからフォールへの移行した最中に「コン!」という明確なアタリを感じ、そのままフッキング!
クンクンクンという小気味良い引き味の末にランディングに至ったのはマゴチ。
サイズもなかなかのもので、52cmありました。
全国的に人気の高まっているルアーで狙うマゴチ釣りですが、この海域でもマゴチは人気のターゲット。ご当地ではワインド釣法への反応がすこぶる良いですが、今はテールスピンジグに反応してきました。
続いては、テールスピンの巻き中にツン!ツン!ツン!とルアーに連続してジャレつくような小さなアタリがあり小鯛やベラの仲間あたりがルアーを突っついている可能性も思いつきましたが、釣ってみなければ正体はつかめないと思い、仮にスッポ抜けてもいいからアワせることにし、いざクイックにアワせを入れると重みが乗ります。
喰ってきたのはメバル。
メバルだったのは少し意外でしたが、こちらもうれしい魚。
メバルもロックフィッシュの一員です。
ご覧の通り全体的に金色の色彩がとても強い個体で、いわゆる“金メバル”と呼ばれる「アカメバル」に分類される個体と思われるのですが、メバルのカテゴリーもアカ・クロ・シロの3種に昨今では分かれていますので各地を釣り歩いて3種のメバルをキャッチするのもロックフィッシュゲームとしては面白いと思います。
このように本日は天候も良くなり、凪も良く絶好の釣り日和。
キジハタを筆頭に、まだまだ釣果は続きます!
タックルデータ
■ベイトタックル(PEラインでのジグリグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWC-722EXHブラインドサイト
●リール:エクスセンスDC
●ライン:シーガーマルティア2号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号
●ルアー:ブルーオリオン30g
●スプリットリング:カルティバ/スプリットリングハイパーワイヤー♯4
●フック:岩礁メガトンロック2/0
●ルアー:ガルプSWダブルウェーブ3”
■スピニングタックル(テールスピンジグ用)
●ロッド:シューティンウェイSWS-702Lスイミントレーサー
●リール:ステラC3000XG
●ライン:シーガーTENYA0.8号
●リーダー:シーガーグランドマックスFX 5号
●スナップ:カルティバクイックスナップ♯2
●ルアー:テールスピンジグ20g、30g
●インナー:リトルプレゼンツ/ウェットトップ
●アンダー:リトルプレゼンツ/ウェットボトム
●パンツ:リトルプレゼンツ/SPリバーショーツ
●偏光グラス:ZEAL OPTICS/ENZO
●偏光レンズ:TALEXラスターオレンジ、 TALEXアクションコパー
★新潟県糸魚川市ボートロック船宿
2016年2月23日 | カテゴリー:釣行記