夏の牡鹿半島(4)快走する魚影、弾ける水面。
ロックフィッシュに関しては十分な釣果を得たことで、後半は今季初の青物狙い。
一口に青物といっても狙う種類によって釣り場や水深(レンジ)、タックルや釣り方も異なってくるが、夏の青物といえば、私的に一押しなのがシイラのキャスティングゲーム。
黒潮の申し子とも称されるシイラは、基本的には外洋の表層を回遊しているため偏光グラス越しに相手の行動が一目瞭然に掴めるから展開が速いし、釣り方的にも実に面白みがあるのがいい。サイズもメーターオーバーまで狙えるから、エキスパートのみならずオフショアルアーフィッシング入門者にも最適な大物だ。
今年は水温の上昇と共に7月初旬から仙台湾ではシイラの目撃情報が次々に入り、例年よりも来遊し出すタイミングが早かった。
三陸沿岸は暖流のみならず寒流の影響も色濃く受ける海であるため、やや低温にも強いサバとイナダ~ワラサ以外にはその年ごとにシイラを含む暖流系回遊魚の来遊量の“当たり・ハズレ”は仕方ないことであるが、船長いわく「今年は水温高いから、シイラはいい感じだよ」とのことで気合が入る。
沖合の潮目に沿ってシイラを探しながらクルージングしていくと、小規模な流れ物(漂流物)が浮いていて、その上に2羽のカモメが休んでいた。「とりあえず、あれからやってみましょうか」とお願いし、狙いやすいように船長にボートポジションを調整して頂く。
14cmのポッパーをフルキャストし着水と同時にポッピングしながら高速スプラッシュアクションを入れると突如猛スピードでシイラが現れ、背びれを出しながら「ガバッ!!」と即ヒット。まさに一発的中。ドラグが勢いよく出て行き、ド派手なジャンプを繰り返す。そうしているうちに80cm~メータークラスのシイラが次々に現れ、船中相次いでヒットが続く。
船内のあちこちでドラグの逆転音が響き渡る様は、まさに夏の海。
釣り人たるもの、魚とのファイト中は誰もが最も興奮する瞬間だ。
ポッパーやペンシルベイトを主体に、スレたり、最初からニュートラル状態の個体にはワンランク“レンジを下げて”ミノーやジャークベイトを激しくトゥイッチさせながら誘うと再びスイッチが入ることが多い。特にジャークベイトの高速横っ跳びアクションはスレたシイラには効果テキメン。
こうして痛快極まりないシイラのサイトフィッシングを存分に満喫しながら、興奮冷め止まないひと時を過ごした。
帰り際にはサバの大規模な鳥山&ナブラに遭遇。試しにちょっとだけ投げてみると45cm前後のやたら太いサバ(キロUP)がシイラ用14cmクラスのポッパーがガンガン出る始末。
イワシに狂ったサバの群れはルアーを放れば勝手に魚の方から掛かってくる状態なので(カウント不能)、ほどほどに楽しんだところで帰港の時間を迎えた。
ソフトルアーを駆使してボトムの起伏を細かく探り、かつ根がかりを極力かわしながらの釣りであるロックフィッシュゲームは何かと神経を使う繊細な部類の釣りだが、対してシイラ釣りはスピーディー&テクニカルなパワーゲーム。双方、相反する要素がまた実に刺激的だ。
今年の仙台湾はシイラの来遊も多いのでロックフィッシュ共々狙い目です。
行くなら、まさに今。
根魚&青物…釣れているうちに皆さんもぜひ。
■タックルデータ
<シイラ用キャスティングタックル>
●ロッド:ソルティーステージ・ライトジギング
SLS-60-63 180Coastal Special
●リール:ステラ5000H
●ライン:バトルJライトPE2号
●リーダー:ショックリーダープレミアムマックス50lb
●フック:ST47TG、ST56
●ルアー:マギーガーラ・ドルフィン、クレイジースイマー、
ドラドポッパー、レンジポッパー130、
ドラドペンシル、スーパージャークベイト
●偏光グラス:ZEAL OPTICS ヴェロ
●偏光レンズ:TALEX トゥルービュースポーツ
★宮城県牡鹿半島ルアーフィッシング遊漁船<石巻地区>
■幸丸(内海船長)【受付番号090-1490-3622】
2011年8月14日 | カテゴリー:釣行記