ロックトランジットを携えて。四国・瀬戸内キジハタゲーム(4)
真夏の瀬戸内海、キジハタを追う熱い(暑い)夜は続きます。
先程パラついた雨でジメジメ感もプラスされ不快指数は高まるものの、眠気をうまくかわしつつ暗闇の海中に潜む至極の宝石に狙いを絞り込んだ釣りを各々が展開。
再び「ヒット」の声があがります。
ロングスピンによる、軽量ジグヘッドリグ遠投スイミング!
おめでとうございます!
ロングスピン釣法は強し。
ヒットルアーは3インチ級のシャッドテールワームです。
続いてアオリイカのエギングから、再びキジハタ狙いのロングスピンに戻しての大本命!!
機転を利かせた一撃。
おめでとうございます!
釣れたキジハタが吐き出したのはシャコ!
エビ型ワームで釣れたキジハタがご覧の通り、シャコを吐き出したのです。
これです。
まさに先程、アオリイカの新子たちが執拗に追っていたシャコです。
今宵の海の中の様子が垣間見れます。
簡単に説明すると以下、こうです。
表層~上層をなんらかの要因で活発化し泳ぎ回るシャコエビの存在あり。
シャコの泳いでいる上層~中層のレンジを目掛けて襲うアオリイカがいる。
アオリイカと共にシャコエビを狙っているであろう魚がキジハタ(現に捕食していたことにより)。
以上を踏まえると、今のキジハタが狙っているベイトの種類はおのずとおおまかには特定出来ます。
そうなりますと…キジハタの停滞しているレンジがおのずと手がかりであり、一番知りたいわけです。
居付き型のキジハタなのか、ベイトを追って回遊してきたキジハタなのか。
ただし、シャコは砂地に生息する甲殻類。
このあたりの海底は砂地であることから、居付き型キジハタであるとすれば海底に何らかの起伏変化や障害物が局地的に存在する本当にピンスポットにいる個体であろうし、他の場所から回遊してきた個体群であればここはエサを狩りにやってきた場所であり、普段生息している場所はもっと別な場所にある可能性もあるわけです。
いずれにしてもこの状況下で「今、考えなければいけないこと」はキジハタはシャコの存在と共にアオリイカの新子も好物だということ。
これはアオリイカのエギングが盛んな日本海側に精通する釣り人の間では有名な話です。
それに加え、緯度の高い東北地方でもこういう話は存在し、例えば山形県飛島のキジハタを追う遊漁船シルバースノーの小野船長の話などでは秋のキジハタはアオリイカの新子を好んでよく喰っていることがあると以前教えてくださったことがありました。
そんな時にはワームの色は白に反応が良いとのことで、白以外にはピンクも良いそうです。
となるとこの瀬戸内の本日、キジハタにとっての今宵のベイトとして存在の大きな生き物はシャコエビとアオリイカの両方である可能性が考えられます。
2016シーズンの瀬戸内でとても熱いというシャッドテールワームパターンに習って、私もパワーベイトSW Tテールミノー2.5”を今日のスタートから投げたものの現時点、全くのノーバイト。
なにか違うのでしょう。
ワームの引き方が合ってないのか、ワームセレクトが違うのか。ルアーを引っ張っているレンジが魚とコンタクトしていないのか、そもそも私が投げている場所にキジハタがいないのか。
考えることは沢山あります。
シャッドテールワームのパターンでは自分には全くアタリがないため、シャコパターンやイカパターンの釣りに釣り方をシフトしていくことを考えます。
本日の釣行では完全なるイカイミテートのワームは私は持参していないものの、シルエット的にイカパターンに対応するには多少無理すればイカの泳いでいる感じを模せるバルキーホッグ3インチ、パワーホッグ4インチを順番に投入。
ホッグ系ワームはご周知の通り、甲殻類ワームを代表するシェイプとして知られていますが、ホッグは横幅があるためシャコのイメージでは使いにくい。大型のエビやカニの類の甲殻類を模すことが得意な形状です。このときはホッグワームを使いつつもそんな甲殻類を模したアクションは与えず、イカがフワフワ漂いながら泳いでいるアクションに切り替えてシルエットを闇夜にぼやけさせてアクションをかけることに注意しました。
あくまでも甲殻類として訴求したいのではなく、イカのイメージでホッグワームを操作するのです。
しかし、これも全くアタリなし。
今や瀬戸内はキジハタ激戦区。
ルアーを何度も見た個体も多いだろうし、シーズン中は多くの釣り人がルアーを海中に投げ入れている。
なおかつ、キジハタの場合にはアイナメやソイよりも釣ることが難しい根魚。
そう簡単にはいかないことは分かっています。
私の操作するルアーは海の中で見切られているのでしょうか。
再び「ヒット」の声が!
声の主は杉村さんで、3インチ級シャッドテールワームのライトテキサスで炸裂させていました。
有限実行、さすがです。
「先程まで7gシンカーでやっていたんですが、アコウは浮いていると思いましてね。7gだと重いと思って、5gに重さを変えたらアタリが出ましたね。」
ロッドはロックトランジットRTC-702H“ヘビーライト”です。
シンカーが軽ければ軽いほど、ワームが水中を漂う時間は長い。
これは間違いないです。
ただし、海の中には潮流があるからどうしてもルアーは流されていく。
そうなると狙いのスポットにワームを流せなくなったり、底取りしようにも着低が分かりづらくなるからシンカーを重くしてしまう、という方がロックフィッシュアングラーには最も多いことだと思われます。
ですが、ここ。
考え方によっては、とても重要なところだとも思うのです。
5gと7gのバレットシンカー。それはたかだか2gの差。
これをどうとらえるか?はその人の釣り経験やスタイルによるものかもしれませんが、キジハタやクロソイ釣り経験の長いロックアングラーであれば1gの差でも時にアタリの数に差が出ることを感覚的には知っているでしょうから、この2gのウエイトの差にも「なにかあるんだろうな」と注目すべきでありましょう。
メバリングに至っては1gと2gのジグヘッドリグとでは全くの別物アプローチになることはご周知の通り。
これをメバル同様に「浮く根魚」であるキジハタやクロソイに当てはめると、確かにメバルまでの極上の繊細さは追求しなくても、やはりここにひとつのキモは同様にあるように思えるのです。
キジハタでそうなのであれば、キジハタを凌ぐスイマータイプのロックフィッシュであるオオモンハタに至っては、もっと細かいレンジコントロールの釣り方がこの先にあるように感じています。そうです、シーバスやサクラマスばりに細かいレンジ操作の釣りです。
いずれにしましてもキジハタですが、「デカイのが掛かっても安心のパワーがありつつ、重いシンカーを投げるだけではなくて軽量シンカーも1本の竿で扱えることも大事なんです」と杉村さん。
これをベイトフィネス専用タックルを使えば更にリグ自体は投げやすくなるものの、あくまで海でのベイトフィネスの概念は小型のターゲットを楽しく釣るスタイルに特化した方向性が現在は主流だから、このときに想定外の巨大アコウがかかって瞬時に根に突撃されてしまった場合だと………ベイトフィネスタックルではとても応戦できない…というジレンマを抱えることになってしまいます。
最大の難点と改善したい妥協点もまたここにあるわけです。
この難題を少しでも緩和できるロックトランジットRTC-702H“ヘビーライト”の登場は、これまで難しかった領域の穴を埋めるパズルの1ピースにも成り得る、新領域をカバーできるロッドという風にも言えます。
杉村さんの場合には名手ですのでロッドに表記されている快適リグウェイトの規定値よりも更に軽い5gリグもRTC-702H“ヘビーライト”で扱ってしまいます。
そのためにPEラインは1.2号や1.5号ではなく、ご当人はベイトキャスティングでPE1号をセレクトしているというのも頷けます。
時間は夜の22時を過ぎた頃合。
ロングスピンでよく釣る人はレバーブレーキリールの操作の巧さにも注目しています。
時を待ってはポツポツとカサゴが釣れたり、待望のキジハタのヒットが一人ずつ続いていきます。
沖に露出していた波消ブロックの際にリグを撃ち込んでバイトを得たというこちらのキジハタは色が白っぽくて珍しい体色でした。こちらはおそらく居付きタイプ、でしょうか。
おめでとうございます!
PEラインセッティングによる、シューティンウェイSWC-802EXH“スキップラン”でのカサゴとキジハタの釣果です。
先程の小雨と強風が海になにかの変化をもたらしたのか。
31度を超えているという海水温。
ぬるま湯状態で厳しいのは厳しいのでしょうけれども、強風で水が攪拌され多少なりとも水が動いたからか思いの他、魚たちが動き出した。
また一人またひとりと幸運のキジハタを手にしていくアングラーたちに笑みがこぼれていく。
ネイティブトラウトをやる人ならば想像容易いと思うのですが、この釣れ具合はまるで春のサクラマス釣りのような雰囲気に似ているんですね。
1尾釣れることが喜ばしい感動系の釣り。
こういう釣り、自分大好きなんです。
もしかして、今日はチャンスなのかもしれません。
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2017年2月20日 | カテゴリー:釣行記
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