2017年、北国に訪れた少し早い春。今年も北上の大河にサクラマスという銀鱗を見た。
本格的な春を待つ水辺と水中の境界線―水面(みなも)。
海から川に回帰した勇姿がそこに。
本日は、一昨日出会った北上川のサクラマスのお話です。
3月も半ばに差し掛かってまいりまして、明後日からは春のお彼岸入りが近づいてきましたね。
あと一ヶ月もすればこちら宮城県内でも桜の景色が広がる季節になります。
来るべき春が待たれるこの頃ですが、一昨日はフィッシングアパレルメーカー「リトルプレゼンツ」社さんの撮影でサクラマス釣りに。
4月に同社から発売になる腰当てベルト「AC-97 バックサポートベルト」の具合を確かめたり(長時間のウェーディング時に腰にかかる負担を楽にしてくれる機能性アイテムです。)、来年向けカタログ撮影と製品についての意見交換釣行会です。
さてさて、本題のサクラマスですが今年の初物はミノーにて。
魚の口元をかすめたのはフローティングタイプのサクラマス用ディープダイバー。
過日、この綴りでもご紹介させていただいたPEライン完全対応次世代トレブルフック、カルティバ「STX-38」(プロト)の6番を装着したカーディフ フリューゲル85D-F AR-Cが今回の立役者。
カラーは、チャートヘッドヤマメです。
ルアーは流速や水深、濁度、魚の棚(レンジ)、活性の有無に合わせて適材適所で使い分けますが、上層過ぎず、下層過ぎず、この日は“下層寄りの中層”を引きたくてこちらのミノーに絞った結果が良かったです。
AR-Cということで広く知られるように、このルアーの「飛び」には目を見張るものがあると同時に同ルアーは動きは角の取れたヒラヒラ泳ぐローリング系ミノーではなくて、どちらかというとシャッドクランキングミノーのような、やや強めのアクションで流れを泳ぎきるので河川規模が大きく広い場所で遠投を要しつつのルアーの近くにいる魚に気づかせる「力強さ」がほしいときに使い勝手の良いルアーですね。
言わば、少し水深があるところでも使えるミノーです。
PEライン1号、4000番スピニングリールに9ftロッドを用いて、ミノーを通したい流芯の向こう側まで思いっきりロングキャストし、任意のレンジをキープした状態で魚がステイしているであろうストライクゾーンを通すことを徹底しました。
ヤマメカラーのミノーを襲ったこの魚はご覧の通りリヤフック1本だけのフッキングだったのですが、PEライン使用時でもこれがまたバレずに済むから凄い。このあたりはトレブルフックSTX-38の機能に由来する部分で、同製品の最大の特徴「圧縮ロック」コンセプトのホールド力が垣間見れます。
オーナーばり社の公式ウェブサイトで仕様をご覧いただけます。
「STX-38」製品詳細→http://www.owner.co.jp/new/11793.html
待たれるこちらの針、STX-38は早ければ今月から出荷開始されるそうです。
パワークラス「3」の38よりも強度が高い、パワークラス「4」設定の続くSTX-45は来月からの出荷になるとのことですので、いずれもPEラインを多用する方で貴重なヒットにも関わらず痛恨の身切れ・口切れ起因でのバラシに苦い思いをしたことのある方にこそ…この春のサクラマス釣りからぜひお試しいただければと思います。
刺さり良好、カッコ良さ抜群ですが、PEライン使用時になによりもバレにくい針です。
使うスピニングリールですが、どちらかというと自分は流れの中で引き抵抗の大きなルアーでもガンガン巻きたいがため、負荷がかかる中でも巻きスピードを保ちやすいパワーギヤの方が長年の使用で馴染み深いのですが、今年からはハイギヤモデルを導入しました。
ハイギヤリールは確かにパワーギヤリールよりもディープダイビングミノーが水を噛んだときの引き抵抗は少し手元にかかりますが、その反面ラインスラックの取り易さや魚がルアーの後ろについた瞬間のルアーの挙動をリールのハンドリングしながらの“変化”として感じ取れた具合は「お!」と思うものがありました。
流芯を抜けた頃、ルアーの後ろについた魚の気配を感じたため3、4回ほど巻き続けたところで“魚を落とす”ためにチョン、チョンとソフトトゥイッチを2回。
決して魚が嫌がらない程度の喰わすキッカケを与えるための、やさしいトゥイッチングであることにもここでは気をつかっています。
すると、すかさずティップが「グイッ」と入ります。
アワセをくれると、バット付近が魚の首振りでガンガンと叩かれているからこれは本命間違いなし。
「サクラマスだ!」
ルアーに喰らいついた魚は勢いよく流れに乗って下流へダッシュ!
猛烈なスピードダッシュと体をグネグネとよじる恐怖のローリングファイトを落ち着いていなし、ランディングは結実。
ネットに入った銀鱗を見て、「ああ、今年もこの瞬間に立ち会えて幸せだなぁ。」と、じわじわと達成感がこみ上げてくるものでした。
水中には障害物も多いから魚が流れに乗ってダッシュされた際に何かに巻いてしまったり、擦れてしまう心配は確かにあるのですが、この魚を釣った際リーダーも1箇所に傷が入っていたけれど、こちらもまた先日ご紹介させていただいたシーガープレミアムマックスショックリーダー5号だからファイト中に傷が入ってしまっていても急激な強度低下は避けられるラインゆえに、タフにやり取りできる安心感は「ここぞ」という瞬間こそアドバンテージ。
ここは、陸奥(みちのく)・宮城県北上川。
北海道の向こうの大海をも見てきたこの魚は、もとは山奥の渓流に棲んでいた1尾のヤマメ。
ヤマメとサクラマスの関係、山と海の関係を、もっと多くの方々に知っていただけたらうれしいです。
未曾有の大震災から6年目を過ぎたこの春も、おかえりなさい。
Green&Blue。
水の旅人、サクラマス。
今年も特別な、特別な出会いであることを噛みしめつつ、ヤマメをはぐくんだ山々(緑)とサクラマスへと更なる成長をうながした大海原(青)に感謝―。
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2017年3月15日 | カテゴリー:釣行記