帰国しました(5)韓国シーフード事情
海外というと遠く離れた“異国の地”を想像する方もおられるかと存じますが、我が国のお隣・韓国は意外な程、近い距離にある。いまや韓流ブームの影響も手伝ってか韓国旅行の格安旅行チケットも多数存在し、飛行機に関しても名古屋空港からなら最短で1時間ちょいも飛べば韓国に到着する等、海外とはいえ下手な国内旅行より、余程“近い”のも実情なのである。事実、旅行会社に聞けば、近年ではその手軽さも相まって韓国旅行の人気は老若男女、幅広い層でうなぎのぼりだそうだ。
その一方で国内に目をむけてみよう。
ロックフィッシュの聖地・北海道もその典型的な例なのかもしれない。
例えば宮城県の仙台空港~北海道新千歳空港間もわずか1時間強のフライトで到着するため、やろうと思えば宮城県内在住の方が「北海道ロックフィッシュ日帰り釣行」とて不可能ではない時代になっている。
その一例を挙げれば、仙台市在住、あるいは仙台圏近郊市町村にお住まいの方が、全国の県の中で土地面積が最も大きい岩手県内の釜石以北の宮古や久慈あたりまで片道5時間~6時間の距離をひたすら自走して岩手遠征に向かうより、仙台空港から飛行機に乗ってしまえば1時間ちょっとで、ロックフィッシュアングラー憧れの地である北の大地・北海道に到着してしまう。
気になる予算の面、つまり飛行機代に関しても今や旅行代理店や航空会社間の競争が激化している近年においては様々な料金プランが用意されているので、こういったものを有効に活用すると思いのほか安くあがることも、ぜひ知っておきたい。そういう意味では、ひとむかし前の「遠征釣行なんて高嶺の花」という時代はとうに過ぎ去り、国内外問わず観光旅行はもとより、遠征釣行も多くの人が楽しめるよう、より手軽になってきているのだ。
話が脱線してしまったが、お隣の韓国では日本との緯度もそう大きくかけ離れていないため、生息する魚種や釣りの対象魚種についても日本とさほどは変わりない。事実、アユやヘラブナ、ブラックバス、ライギョといった淡水の釣りは韓国でも大人気で、それに関連する釣り具メーカーも日本の人気メーカーの輸出品が韓国でも普通に愛用されている。勿論、メーカー関係者のみならず一般の日本人釣客も韓国に遠征することも、そう珍しいことでもない。中でもライギョ釣りはこちらが本場。それだけに日本以上に韓国ではコアなカムルチー・ファンが多い。
そういった韓国のお魚事情、釣り事情についての視点から物事を捉えると「ん~見覚えのある魚だなぁ~」というより、ここは日本か?と錯覚してしまうほど「見慣れた魚ばかり」なのである。その証拠にアイナメ、クロソイといったお馴染みのロックフィッシュやクロダイにヒラメ、カレイ、アナゴ、ウマズラハギ(ウマズラカワハギ)も私が実際に見ている限りは日本と同じ種類。これらは街の料理店の水槽でごく普通に見られる魚達だ。
ちなみにフラットフィッシュの人気魚・マゴチや東北太平洋側~北海道でお馴染みのカジカは韓国にもいるそうで、韓国でも北海道と同じくカジカは鍋にして食べるのが定番らしい。他にもコノシロやシーバス(マルスズキ)、イシダイ、マダイなども海鮮料理店の水槽で普通に泳いでいた。又、三陸ではお馴染みの“海のパイナップル”こと「ホヤ」(私は苦手なので食べれませんが…)やホタテ、アワビも魚達と一緒の水槽に入っていたし、他にもイイダコやユムシも水槽に入っている。
「えっ!? ユムシって、あのユムシ?」と思った方…はい、そうです。
あのユムシです…。しかも釣りエサとしてではなく、人間が食べるシーフードとして…(汗)。
ユムシと言えば、特に60~70cm級にも達する“座布団”級の超大型イシガレイ(宮城県では抱卵した乗っ込みの大型イシガレイのことを古い言葉で“ボデ”と言います)の特効エサとして、大物狙いの投げ釣りエキスパート達に重宝されるエサであるが、大型マコガレイやアイナメ、マダイ釣りでもその効果と有効性は広く知られていますよね。
北海道の日本海側では台風や海がシケた後に海岸に打ち上げられたユムシを拾って調理して食べる地域があることを数年前に知って、かつて大変な衝撃を受けたが、ここ韓国では海産物として生きたユムシの皮を剥いでそのまま食べるとのこと……。気になるお味の方は、韓国ファクトリースタッフいわく、「ホルモンのような歯ごたえで美味しいですよ」とのこと……。ユムシに触れもしないゲテモノ系が大の苦手な私などはとてもではないが、これを生で食べるなど想像出来ない、いや…想像したくもないほどのショックを受けてしまった。
それにしても、ユムシを生で食べるのかぁ……。
まさに「所変われば、なんとやら」である……。
2011年9月8日 | カテゴリー:製品情報