ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる

先日発売された「ロックフィッシュ地獄Ⅶ」に続いて、私の書き下ろし本「ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる」が登場します。

 つり人社最寄りの駅「神保町駅」。本の街、東京は神田神保町に、かのつり人社は所在しています。この本を著すにあたり、その依頼を受けたのは、さかのぼること昨年の10月。

別件の打ち合わせで東京神田の神保町はつり人社・本社を訪れていた時のこと。

その際、下の階からやって来た書籍部O編集長の「佐藤さんに本を書いていただきたいのですが」の一言が始まりだった。「本の発売は来年4月下旬の予定でいかがでしょうか?」と後に続けられたが、当時の私は翌年(つまり今年)からスタートになるプロズワンの立ち上げ準備で多忙を極めており、「大変恐縮なのですが状況が状況なので、今すぐには本の執筆には取り掛かれませんが、執筆スケジュールに関しては追々改めてご相談させて下さい。」との返答だけをして、社を後にしたのだった。

その後、本の執筆・出版するに当たり正式な契約をさせて頂くことになったのであるが、執筆に取り掛かったのは2ヶ月以上が過ぎた年末になってから。

プロズワン起業準備と並行しての進行のため、時間的に余裕がないことも手伝い、本書の執筆に至っては自身の睡眠時間を削る以外にその方法はまず考えられなかった。そのためプロズワンとしての仕事をいったん終わらせてからその後の時間を執筆にあてていた。1日の疲労もピークに達する深夜というか、場合によっては早朝といった方がよいものか、午前2時~3時にようやく布団に入ったかと思い目をつぶれば瞬時に7時の起床時間になっている。睡眠時間は正味4~5時間という期間がしばし続いた。正直、体力的には限界ギリギリだった。

「見えない壁」を意識すると明日の釣果が違ってくるさすがに若さ溢れる10代~20代前半のようにはいかないまでも、私のようなアラサー世代は年齢的にはまだ無理してでも働けることから、多忙に伴う毎日のがむしゃらぶりには我ながら生活リズムの不規則さ・不摂生もいいところである。

 

世間での、やれクリスマスだ!やれ正月だ!やれ新年会!という人々の行きかう年末年始のうかれムードとはまるで無縁の時間だった。

年を改め、そんな日々も2月に差し掛かるとプロズワン公式ウェブサイトをオープンさせ、釣具問屋主催のメーカー展示会へのブース出展、5月にはバークレイからはガルプSWダブルウェーブ3”の発売、続く6月にはプロズワンからシューティンウェイ3機種の同時発売が控えていたため、相変わらず無我夢中で業務をこなしていた。

本の発売は4月下旬であるため原稿と写真、写真のキャプションからなる全データは3月下旬には出版元に入稿しなければならない。原稿のうち8割超が完成していた3月11日、あの東日本大震災が発生した。この日本で、しかもこの地元でこのようなことが起こるなんて本当に信じられなかった。

本の原稿を書き綴っていたパソコンは津波で水没し再起不能。最後の頼みであるバックアップ用USBも津波で流されてしまった。

事態が事態とは言え、本の著者としては心血を注ぎ、精魂込めて書きあげた原稿を失うことはショック以外の何物でもなかった。本の発売の約1ヶ月前にして、こともあろうに全ての原稿を失った私は震災で受けた惨状に更に追い打ちをかけられるようにとてもやりきれない気持ちで一杯だった。

ご周知の通り、未曾有の大震災による被害は甚大で、被災地ではしばしに渡って過酷で苦しい生活を強いられる状況に陥り、4月下旬を予定していた出版は当然のごとく延期。

そして6月下旬。出版社と協議のうえ、保留になったままだった本書の発売計画を11月下旬に改めることで計画を練り直し、同時に消失した全144ページ(つまり一冊全部)を再度書き直す決意をする。

佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる自分が書いた原稿とは言え、脳内記憶を頼りに書き綴っても失った原稿とは完全に同じにはならなかった。

そうであれば、その「土台」部分は同じでも、より多くの方々に楽しんで頂ける表現や内容にさらに取り入れてみよう、と心がけたことで実際に新しく生まれたページや加えられたページも中にはある。そういう意味では“新原稿”では、よりその視点・視野が広がりを見せる展開になったとも言える。タイムリーな情報を提供する月刊誌(雑誌)とは別の本であること、そして単なる実釣参考書ではつまらないから、エッセイ的要素や“読み物”(単行本)としての文面も多く取り入れた内容に仕上がった。

この本は「自称:中級者」の方が「真の中級者」になることを目標にしたコンセプトの元に作られています。そして、根魚の生態や習性、釣り人が一方的に抱いている現実とのギャップを含め、ロックフィッシュゲームがなぜ面白いのか?という根魚釣りの本質的な部分をもう一度みんなで見つめ直してみましょう、という焦点から書き綴ってあります。

どんな本でもそうであるが、一冊の本には著者の魂(心)がこもっている。本って、著者の心を映し出す“鏡”そのものなんですよね。

 根魚が大好きな方、根魚を釣ることが大好きな方、根魚釣りをもっともっと深く追求していきたい向上心溢れる貴方に私は本書を贈ります。

「アイナメUNDER WATER」の血統を受け継ぐ根魚本。

【佐藤文紀著 ロックフィッシュゲームがある日突然上手くなる】

一冊まるごと、根魚のお話。

読めば読むほど、その意味の深さが伝わるよう丁寧に書き綴りました。                                                                    

さぁ、貴方も海底の住人達に会いに行きましょう!

 

 

 

 

 

 

話の続きは、本書の中にて―。

本の中で再び貴方とお会い出来ること、私も楽しみにしております。