天候急変にはご留意を
今年は桜の開花が遅れていたため、当地では大型連休前半まで満開の見頃となっていた。
が、連休後半の大荒れの天候により一気に花が散り、今日も分厚い雲の下、新緑の葉は太陽を待ちわびている。
例年であれば5月中旬までは“狙うはサクラマスのみ!”、海釣りは5月20日以降から本格スタートを切る私もここ近々はロックフィッシュ関連ロケが相次いでいるため、今年に限っては4月下旬の時点で早々にサクラマス釣りを切り上げなくてはならなくなってしまった…(悲)。
大型連休以降、6月上旬まで毎週ロケが重なりタイトスケジュールなのは致し方ないのだが、後ろ髪を引かれる思いを抑え、昨日から心機一転、今期のロックフィッシュゲームを本格始動した。
ここ最近、日本列島は大雨やヒョウ、竜巻、突風、大雨に伴う河川の氾濫(増水・洪水)など人的被害を伴う散々な天候に見舞われているものの、昨日は悪天と悪天の狭間のような1日で“午前中だけ何とか天気がもちそう”ということで、来月発売予定の地球丸「SALT WATER」誌の別冊の取材で宮城県牡鹿半島に行ってきた。
が、新北上川と旧北上川に挟まれた地形でもある牡鹿半島一帯は激濁りで水面には茶色い泡がモコモコ浮いている最悪な水質。雪解けの雪代に田植え作業の代掻き水も伴う、流入する河川のドロ濁りの影響で牡鹿半島の洋上に浮かぶ遥か金華山沖の海域まで実にひどい水質だった。当然、この激濁りではロックフィッシュを狙うのも酷な状況と言え、サクラマスを狙うにしても河川内の釣りはまたしばらくは釣りがままならない状態であることも確かだ。
昨日は、天気がかろうじてもってくれたのもつかの間、午前10時前には真っ黒い雲が牡鹿半島上空に停滞し、稲妻を伴う大きな雷に洋上で遭遇し危険となったため取材を一時中断。近くの漁港の建物の中へ緊急避難し、上空の雷と大雨を何とかやり過ごした。釣竿に使われるカーボンマテリアルは伝導体であるため感電する。よって、雷が近づいている時にはすぐに竿を仕舞うことが大切だ。絶対に竿を上空に向かって立てていてはいけない。最低でも竿を横に寝かせ、その場から離れること。もっとも、一番安全なのは完全に竿を仕舞ってしまうことである。間違っても雷鳴轟く中、釣りを続行していてはいけない。
ようやく雷雨が去ったかと思えば、カメラマンの撮影機材が故障し取材困難となり応急処置のため3時間のロス…。その後、機材を仮手当して何とか使える状態にまでカメラを復旧させたのはいいが、「さて…。では、仕切り直していきましょう!」というカメラマンの言葉むなしく、直後に海上保安庁の臨検に遭い更に30分タイムロス…。「3度目の正直で…仕切り直して!」となったところに雷と大雨(低気圧)が急激に去ったことで猛烈に海が荒れ出し、強風に白波のダブルパンチの中、無理やりロケを続行せざるを得ない状況と、1日を通して数々の苦難に遭遇したロケに見舞われたが、それでも何とか魚を引っ張り出して無事にロケを治めることが出来たのは我ながら幸いだったと思う。
なので取材班と別れ、ようやく帰宅した際には久々に身体がぐったりときてしまった。取材班はその後、東京に帰ったわけだから更に大変だっただろう。
ジャンルは異なれど、釣り媒体における最盛期の取材って実はそれほど多くはないんです。特に誌面(雑誌)はそう。場合によっては滅多にないとも言えよう。ブラックバスやシーバス、アオリイカのようにマーケット市場が莫大な釣り種目であれば常日頃からタイムリー情報を発信し続けることも可能なので最盛期、つまり釣り時期として最高に良いタイミングの取材に当ることもあるだろうが、ことロックフィッシュやフラットフィッシュ、シイラを筆頭とする青物類、ヒラスズキ、トラウト、アユetc…どちらかというと世間的に「季節モノ」と認識されがちな対象魚に至ってはそうはいかない。雑誌の発売時期をその魚種の最盛期にあてがうために、出演者はシーズン前に恐怖の“季節先取り取材”を決行しなければならないのが通例である。とはいえ、この仕事に10年も従事していると、もう慣れっこなので今さら気にならなくなりましたが。
いずれにしても来週からの天気が、どうか“普通”であることを心から祈りたい。
春の天気はコロコロ変わりやすいため、天候急変による危険を感じた時には“引くことも勇気”。せっかくの楽しい釣りが重大な惨事にならないよう、皆さんも安全対策にはくれぐれもご留意の上、これから一層暖かくなる晩春~初夏の釣りを思う存分にお楽しみ下さいませ。
さぁ、日本列島“本格”釣りシーズン突入です!
2012年5月10日 | カテゴリー:釣行記