ロックフィッシャー佐藤文紀

ロックフィッシャー
佐藤文紀
(さとうふみのり)
元祖・根魚ハンターとして、数々のIGFA世界記録及びJGFA日本記録を有し、「根魚釣りの専門家」として東北〜北海道を拠点に全国各地の根魚を追い続ける。
又、フラットフィッシュや大型トラウトの釣りにも造詣が深い。
2011年、自らがプロデュースするブランド、PRO’S ONEを立ち上げた。

キャッチアンドリリースのお願い

豊かな自然とグッドコンディションの魚を守るため、必要以上のキープは慎み、又、産卵前の個体やこれから大きく成長していく若魚は、ぜひともリリースを心掛けましょう。
釣り場環境への負担を最小限に抑えることで、次世代に渡り末永く楽しめることを願って―。

北の大地を釣り歩く。(8)

忙しさのあまりなかなか手を付けられずにいた「北の大地を釣り歩く。」の最終編。

長らくお待たせしてしまいましたが、今回から続けて(8)、(9)、(10)をUPしていきます。

 

時間が経ってしまって恐縮ながら前回までの内容は下記(↓)をご参照下さい。

北の大地を釣り歩く。(1)

北の大地を釣り歩く。(2)

北の大地を釣り歩く。(3)

北の大地を釣り歩く。(4)

北の大地を釣り歩く。(5)

北の大地を釣り歩く。(6)

北の大地を釣り歩く。(7)

 

さて―。

ロックフィッシュのABC+DVDの「DVD THE MOVIE」ロケ最終日、エンディングの撮影が終わり、ロケ車はそのまま新千歳空港まで向かう最中、苫小牧市に寄って頂き、私だけ車から先に降ろしてもらう。

撮影スタッフ達はその日の最終便で羽田空港に帰っていったが、せっかく北海道に来ているんですもの、最後に自由な釣りをしたいなぁと思い1日だけ時間を頂いたのだ。

テレビロケ、DVDロケ、雑誌取材(ロックフィッシュ地獄Ⅷ・ノースアングラーズ)、実釣セミナーとすべての仕事を終え、長旅を締めくくるべく私の滞在最終日の早朝は苫小牧市内に位置する勇払マリーナへ。

ご存じ、北海道でも有数のボートロック基地である。

が、今日は根魚狙いはパス。

私が今回、旅の最後の目的としたのはエサ釣りによるカレイ釣り。

北海道と言えば、「サケ・マス・根魚の王国」というイメージが強いが、カレイもまた素晴らしい魚影を誇る一大聖地となっている。

一度、ご当地の最盛期に本格的なカレイ釣りを体験して勉強していきたいと考えていたのが今回ようやく実現した形になった。

ロックフィッシュと並ぶカレイ宝庫・苫小牧の海へ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルアーアングラーにとっては一大ロックフィッシュフィールドとして名を馳せる苫小牧も、エサ釣り師にとっては道内でも指折りのカレイの名釣り場として古くから知られている。

特に本州では滅多にお目にかかれないマガレイの40cm(←マコガレイではないですよ!マガレイで、ですよ!!)、時には50cm級の超大型が出るのもこの苫小牧の凄いところだ。

 仕掛けにエサ(アオイソメ)をつけたら手際よく仕掛けを落とします。                                                                                         

 

 

 

 

 

 

 

マガレイと言えば、全国的には宮城県仙台湾の大型漁礁が釣り場として有名であるが、ここは年間を通して安定的に数は沢山釣れるもののその大半が手のひらサイズが中心。

25cmあれば良型、30cmなら大型に入る。

しかし、苫小牧の特筆すべきところは、なんとマガレイのアベレージサイズが30cmから上というからハンパない。

それも40m~50mラインの深場を攻める仙台湾とは違い、苫小牧の海では海岸から“ちょい沖”の10m未満の水深で40cmオーバーのマガレイが普通にヒットするというから、私的には砂地のシャローでマゴチ釣りをやっている感覚にさえ思えた。

そう、ボートからのキャスティングで夏場にフラットフィッシュ(マゴチ・ヒラメ)をライトタックルで楽しむあの感覚である。

コヅキの中に時折、大きくリフトするシャクリ動作を入れます。

 

 

 

 

 

 

 

2009年11月中旬に同地を訪れた際にはソウハチガレイ釣りを堪能したが、今回は6月上旬ということでちょうど春~初夏にかけて好機を迎えるという大型のマガレイを狙った。

水深は5m~深い場所でも20mまで。基本は7~15m前後が主体。ちょうど砂浜のすぐ沖で、ボトムには苫小牧名物であるホッキ貝が沢山生息しているという完全な砂地エリアである。

2本バリのカレイ仕掛けにオモリは潮流を考慮して30号を選択、釣り方としては「流し釣り」のスタイルだ。

エサはアオイソメを使用するが、もし生きたエサに抵抗のある方はガルプSWサンドワーム4“のようなソフトルアーやドライベイト(乾燥餌)を水に戻して使用しても楽しめる。

元々、私はエサ釣り師であったため、その中でもカレイの船釣りは特に好きな分野だった。近年はなかなか行ける機会が少なくなったのが残念ではあるが、カレイ釣りはルアーフィッシングに等しい、釣技としてのゲーム性とスマートかつスポーティーさが魅力だ。

魚が掛かったら一定のロッド角度を保ちつつ、ラインのテンションも一定にしたまま巻き上げてきます。

 

 

 

 

 

 

 

早速、仕掛けを投入し、久々のカレイ釣りの感覚を取り戻す。

間もなく、1枚目を掛ける。このカレイが乗った瞬間、乗せた瞬間を一度覚えてしまうと大抵の人ならハマってしまうほど、カレイ釣りは奥が深い。

水面に姿を現したのは一瞬、マコガレイと見間違えるほどの肉厚の30cmオーバーのマガレイ!

開始早々、いきなりの30cmオーバーのマガレイが出現!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレイ釣りはコヅキとシャクリの絶妙な技が実にテクニカル。更に「アタリを聞く」という動作はルアーフィッシングによるロックフィッシュゲームにも大きく通じる動作である。

苫小牧産・肉厚のマガレイ

 

 

 

 

 

 

 

このサイズが立て続けに連発し、船上が大いに盛り上がる。

北海道ではイシモチと呼ぶ、イシガレイも交じりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更にはイシガレイ(↑)も来た。

実はこのイシガレイ、北海道では正式名称であるイシガレイではなく「イシモチガレイ」という地方名の方が通っており、通常は略して「イシモチ」という名で呼ばれることが多い。この名称はご当地ならではであるが、それ故に、かつて初めて苫小牧を訪れた際に現地の釣り具店さんが「苫小牧はイシモチも釣れるんですよ~」と言っていたので、「へぇ~この海にもあのイシモチ(ニベ)がいるんだぁ…。それは意外!」と思っていたら、本州で一般的に認識する暖流系のイシモチ=ニベ(カレイとは全く別種の魚)のことではなく、イシガレイの事を指していて「魚の地方名は深いなぁ…」と改めて認識したのだった。

それも今では懐かしい笑話であるが、この点については本州在住の方が北海道で釣りをされる際はお間違いのないように気をつけて下さいね。

 

次回に続く。